西銘順治の発言 (外務委員会)
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○西銘委員 沖繩の施政権返還は御承知のとおりすでに進められておりまして、きわめて複雑かつ膨大な返還準備を伴う大事業であると思っております。この施政権返還の大事業をわれわれはでき得る限り混乱を起こさぬよう配慮して完成することに努力をしなければならないと考えております。そのためには、日米両国政府はもちろんのこと、両国国民特に沖繩住民相互の深い理解と協力が必要欠くべからざるものであると考えております。したがって、この相互理解と協力をつくり出すためには、関係者はあらゆる努力を惜しんではならないと思っておるのであります。
去る二十日、コザ市に発生し、ついに嘉手納の基地にまで及んだ不祥事件は返す返すも遺憾なことであります。結局のところ在日米軍と沖繩住民の間にある不信感の率直なあらわれであると私は見てとっております。もちろん、たとえ理由のいかんにかかわらず、暴力的な行為は断じて許されてはならないと思っております。関係者が特に戒めなければならない点でありますが、同時にその背景にある重要問題の解決はまたもって緊急の課題であると考えております。
その一つが裁判権の問題であります。今度の事件はコザ市における交通事故を直接の原因として惹起されておるのでございまするけれども、糸満町の交通事故の件を取り上げてみましても、制限速度を越えまして、しかも歩道を歩いている婦人をひき殺しまして、その事件に対する判決は無罪となっております。また、数年前那覇市内におきまして、中学校の生徒が青信号のときに横断歩道を渡って大型トラクターにひき殺されました。そのときの軍裁判の判決も無罪となっております。私たち沖繩県民は日本国民であります。しかしながら、日本の憲法の適用もございません。またアメリカの統治下に置かれながらアメリカの憲法で規定された人権は何ら擁護されておりません。沖繩人の生命は虫けらのごとく扱われておるわけでございまして、したがって私はこの不祥事件が再発しない、続発しないためにも裁判権の移管を早急に実現することが抜本的な解決であると考えておるのでありますが、これに対する外相の見解を伺いたいのであります。
裁判管轄権の問題は憲法上の原則あるいはこれまでの慣行などむずかしい壁もあろうと思うのでありますが、この際この移管をはかることが事態を解決する不可欠の要件であると思っておるのであります。この際、七二年までの中間措置といたしまして、米民政府裁判所への移管、これが考えられます。二番目に軍事裁判所の陪審員に沖繩住民を参加をさせる、こういう方法も論議されているようでございますが、この際、こういう小手先の細工をもてあそぶだけでは逆効果のおそれがあると思うのであります。また七二年返還までにはわずか一年余りしか残されておらないのでございまするので、ぐずぐずしておりましたら、時間がないことなどを考えまして、この際思い切った措置をとりまして、しかもそれは早急にとらなければならないと思うのでありますが、これに対する大臣の見解をお伺いしたいのであります。
沖繩の住民感情でもう一つ重要なことは、米軍人の日常の生活姿勢と申しますか、特に住民に対する態度の改善を求めなければならないと思っております。長い二十五年間に及ぶ統治時代を経まして、米軍人の中には統治者としての誤った思い上がりがあると思うのであります。これが世界の各地でアメリカがきらわれている要因になったと思われるのでありますが、最近の沖繩ではたとえ一部ではありましても、返還が近づくにつれまして一種のあせりを見せておりまして、傍若無人の態度をとる軍人が間々見受けられるのであります。沖繩側が感情的に過ぎてはいけないと同様にあるいはそれ以上にアメリカ側の態度を改めさせなければならないと思うのでありますが、これに対する外相の御見解を聞きたいのであります。