外務委員会
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会
会議録情報#0
昭和四十五年十二月二十四日(木曜日)
午前十時八分開議
出席委員
委員長 田中 榮一君
理事 青木 正久君 理事 坂本三十次君
理事 田中 六助君 理事 永田 亮一君
理事 山田 久就君 理事 戸叶 里子君
理事 大久保直彦君 理事 曽祢 益君
石井 一君 小坂徳三郎君
西銘 順治君 村田敬次郎君
豊 永光君 松本 七郎君
安井 吉典君 中川 嘉美君
西中 清君 東中 光雄君
松本 善明君
出席国務大臣
外 務 大 臣 愛知 揆一君
委員外の出席者
防衛庁参事官 鶴崎 敏君
防衛庁防衛局長 久保 卓也君
防衛施設庁労務
部労務調査官 相場 正敏君
沖繩・北方対策
庁調整部長 田辺 博通君
外務政務次官 竹内 黎一君
外務省条約局長 井川 克一君
外務委員会調査
室長 吉岡 俊夫君
—————————————
委員の異動
十二月二十四日
辞任 補欠選任
山本 幸一君 安井 吉典君
松本 善明君 東中 光雄君
同日
辞任 補欠選任
安井 吉典君 山本 幸一君
東中 光雄君 松本 善明君
—————————————
十二月十八日
一、国際情勢に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
国際情勢に関する件
————◇—————
この発言だけを見る →午前十時八分開議
出席委員
委員長 田中 榮一君
理事 青木 正久君 理事 坂本三十次君
理事 田中 六助君 理事 永田 亮一君
理事 山田 久就君 理事 戸叶 里子君
理事 大久保直彦君 理事 曽祢 益君
石井 一君 小坂徳三郎君
西銘 順治君 村田敬次郎君
豊 永光君 松本 七郎君
安井 吉典君 中川 嘉美君
西中 清君 東中 光雄君
松本 善明君
出席国務大臣
外 務 大 臣 愛知 揆一君
委員外の出席者
防衛庁参事官 鶴崎 敏君
防衛庁防衛局長 久保 卓也君
防衛施設庁労務
部労務調査官 相場 正敏君
沖繩・北方対策
庁調整部長 田辺 博通君
外務政務次官 竹内 黎一君
外務省条約局長 井川 克一君
外務委員会調査
室長 吉岡 俊夫君
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委員の異動
十二月二十四日
辞任 補欠選任
山本 幸一君 安井 吉典君
松本 善明君 東中 光雄君
同日
辞任 補欠選任
安井 吉典君 山本 幸一君
東中 光雄君 松本 善明君
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十二月十八日
一、国際情勢に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国際情勢に関する件
————◇—————
田
田中榮一#1
○田中委員長 これより会議を開きます。
国際情勢に関する件について調査を進めます。
この際、外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣愛知揆一君。
この発言だけを見る →国際情勢に関する件について調査を進めます。
この際、外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣愛知揆一君。
愛
愛知揆一#2
○愛知国務大臣 十二月二十日、沖繩のコザ市において発生いたしました事件につきまして、ただいままで各方面から入手いたしました情報あるいは報告等を総合いたしまして、ただいまの時点におきまして御報告を申し上げます。
まず事件の発端でございますが、十二月二十日午前一時十五分ごろ、コザ市中之町で、米軍関係者の運転する車が沖繩県民の翁長清一という人に接触いたしまして、全治一週間の傷を負わせる事故が発生したことから始まりました。この事故に際し、米軍憲兵及び琉球警察官が出動、加害者及び被害者はコザ警察署に連行され、事情を聴取されましたが、被害者の負傷が軽微であったので、両人とも帰宅を認められました。
その間事故現場において琉球警察及び米軍憲兵が群衆を説得して事故の調査、処理にあたっておりましたが、たまたま付近で第二の事故が起こりました。それは沖繩住民の車に米人運転の車が追突いたしまして約二千円程度の損害を与えるという事故が発生いたしたのであります。これも刺激となりまして、当初五十ないし六十名であった群衆は次第に数を増しまして、最高時には二千人程度に達したよしであります。群衆の中から、また糸満事件のようなことをするのかとの声が上がり、投石が始まりましたので、米軍憲兵は空に向けて二十発程度の威嚇射撃を行ないました。群衆はこの威嚇射撃を契機に激化いたしまして、付近に駐車中の車のうち米人の車数十台に火を放ち、約千名は嘉手納空軍基地に向かい、第二ゲート入口を約二百人が突破、同ゲートわきの通行証発行所、基地内の米人小学校用建物、米軍用車等に放火をいたしました。
その結果、本日までに判明いたしておるところでは、焼かれた車両は約八十台で、その内訳は軍車両六台、軍消防車一台、米人の個人所有車七十一台、同じく米人のモーターサイクル一台、計七十九台及び沖繩県民所有のモーターサイクル一台、合計八十台が焼かれたのであります。コザ警察署は隣接の警察署及び琉球警察本部等の応援を得まして四百人の警察官を動員、その他米軍関係者も出動し、群衆が琉球警察機動隊の隊列を突破しようとした際には、催涙ガス弾八発を用いて制止に当たり、その結果、当日午前七時過ぎ事態はほぼ鎮静化いたしました。
との事件による逮捕者はコザ市現場付近で二十名、第二ゲート内で一名、合計二十一名に達しましたが、現在は全員釈放されたと承知いたしております。この事件による負傷者は米側六十一名、沖繩民間人十四名、琉球警察官六名、合計八十一名でありますが、いずれも入院治療を要する者はいないよしであります。
以上がただいままでに政府として入手いたしました情報、調査等の概要でございますが、これは今後さらに調査をいたしますと若干の変更があろうかと思います。
今回の事件の経緯はこうした概要でございますが、政府としては事件発生の報に接しまして、直ちに関係諸方面と連絡をとり、まず事実関係の掌握につとめ、そして対策の検討、実施に当たった次第でございます。今回このような事件が発生いたしましたことは、七二年の復帰を目前に控えましてまことに残念なことであるといわざるを得ません。事態は一応平静になり、死亡者はなく、負傷者もおおむね軽傷と聞いておりますが、これは不幸中の幸いであったと存じます。
事件発生の根底には、戦後二十五年にわたる沖繩住民の経験してきました非常な苦難特に最近の米軍人による自動車事故に関する裁判の結果等の影響が作用しておりますことは十分に察せられるところであります。
私は事件の発生いたしました当日から対策に鋭意当たっておる次第でございますが、翌二十一日にはたまたま予定されて開催されました日米第十二回安保協議委員会がございましたので、まずその席上において、また引き続き米大使を特に招致いたしまして二回目、さらに翌二十二日の沖繩返還についての定時の会談を利用いたしまして、その機会にさらにマイヤー駐日大使との間に本件の善後処理その他につきまして協議をいたし、あるいは申し入れをいたした次第でございます。
私といたしましては、先ほども申しましたように、七二年復帰を控えましてこのような事件が起こりましたことは、まことに残念であるということを前提にいたしまして、沖繩県民の気持ちを十分くみ取って今後措置に当たってもらいたいということを基本にいたしまして、米側に対して話し合い、折衝を行なっておる次第でございます。類似の事件が再び起こらないよう今回の事件の原因について虚心にそのよって来たるところを究明すべきこと、そして沖繩の円滑な本土への復帰という日米双方の共通の目的達成のために相互にあらためて建設的な方向で協力していきたいことを基本に申し入れたわけでございますが、米側におきましても日米双方がより一そう緊密な協力をしてまいりたい旨申し述べておる次第でございます。
なお、特に申し添えたいと思いますのは、今日までの米側との折衝、申し入れ等におきまして、沖繩の返還、七二年核抜き本土並みのワク組みの中で行なわれる返還の協定の作成、あるいはこれに関連する諸問題の取り運びについては、今回の事件によってこれが支障を与えるものでないということが一つ。それから一つは当面の最大の問題でございますところの毒ガスの移送ということにつきまして、これまた今回の事件が影響しない、既定方針どおり米政府として実行をするということの確約を取りつけております。毒ガスの問題につきましては、その確約のもとに、前々から御報告申し上げておりますように、この移送が一日もすみやかに行なわれること、全部が撤去されること、そして安全移送ということについて県民の納得のもとにいけるような方法でこれが確保されるということ、これらにつきましては、したがって今後とも鋭意折衝を続けてまいりたいと存じます。
いま一つは、とりあえずの措置といたしまして、現地におけるランパート高等弁務官から、あらためて在沖繩米軍の厳粛な軍紀の粛正について、厳重に全軍に指令をいたしましたということを昨日駐米大使からも通報を受けておる次第でございます。
以上、御報告申し上げます。
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この発言だけを見る →まず事件の発端でございますが、十二月二十日午前一時十五分ごろ、コザ市中之町で、米軍関係者の運転する車が沖繩県民の翁長清一という人に接触いたしまして、全治一週間の傷を負わせる事故が発生したことから始まりました。この事故に際し、米軍憲兵及び琉球警察官が出動、加害者及び被害者はコザ警察署に連行され、事情を聴取されましたが、被害者の負傷が軽微であったので、両人とも帰宅を認められました。
その間事故現場において琉球警察及び米軍憲兵が群衆を説得して事故の調査、処理にあたっておりましたが、たまたま付近で第二の事故が起こりました。それは沖繩住民の車に米人運転の車が追突いたしまして約二千円程度の損害を与えるという事故が発生いたしたのであります。これも刺激となりまして、当初五十ないし六十名であった群衆は次第に数を増しまして、最高時には二千人程度に達したよしであります。群衆の中から、また糸満事件のようなことをするのかとの声が上がり、投石が始まりましたので、米軍憲兵は空に向けて二十発程度の威嚇射撃を行ないました。群衆はこの威嚇射撃を契機に激化いたしまして、付近に駐車中の車のうち米人の車数十台に火を放ち、約千名は嘉手納空軍基地に向かい、第二ゲート入口を約二百人が突破、同ゲートわきの通行証発行所、基地内の米人小学校用建物、米軍用車等に放火をいたしました。
その結果、本日までに判明いたしておるところでは、焼かれた車両は約八十台で、その内訳は軍車両六台、軍消防車一台、米人の個人所有車七十一台、同じく米人のモーターサイクル一台、計七十九台及び沖繩県民所有のモーターサイクル一台、合計八十台が焼かれたのであります。コザ警察署は隣接の警察署及び琉球警察本部等の応援を得まして四百人の警察官を動員、その他米軍関係者も出動し、群衆が琉球警察機動隊の隊列を突破しようとした際には、催涙ガス弾八発を用いて制止に当たり、その結果、当日午前七時過ぎ事態はほぼ鎮静化いたしました。
との事件による逮捕者はコザ市現場付近で二十名、第二ゲート内で一名、合計二十一名に達しましたが、現在は全員釈放されたと承知いたしております。この事件による負傷者は米側六十一名、沖繩民間人十四名、琉球警察官六名、合計八十一名でありますが、いずれも入院治療を要する者はいないよしであります。
以上がただいままでに政府として入手いたしました情報、調査等の概要でございますが、これは今後さらに調査をいたしますと若干の変更があろうかと思います。
今回の事件の経緯はこうした概要でございますが、政府としては事件発生の報に接しまして、直ちに関係諸方面と連絡をとり、まず事実関係の掌握につとめ、そして対策の検討、実施に当たった次第でございます。今回このような事件が発生いたしましたことは、七二年の復帰を目前に控えましてまことに残念なことであるといわざるを得ません。事態は一応平静になり、死亡者はなく、負傷者もおおむね軽傷と聞いておりますが、これは不幸中の幸いであったと存じます。
事件発生の根底には、戦後二十五年にわたる沖繩住民の経験してきました非常な苦難特に最近の米軍人による自動車事故に関する裁判の結果等の影響が作用しておりますことは十分に察せられるところであります。
私は事件の発生いたしました当日から対策に鋭意当たっておる次第でございますが、翌二十一日にはたまたま予定されて開催されました日米第十二回安保協議委員会がございましたので、まずその席上において、また引き続き米大使を特に招致いたしまして二回目、さらに翌二十二日の沖繩返還についての定時の会談を利用いたしまして、その機会にさらにマイヤー駐日大使との間に本件の善後処理その他につきまして協議をいたし、あるいは申し入れをいたした次第でございます。
私といたしましては、先ほども申しましたように、七二年復帰を控えましてこのような事件が起こりましたことは、まことに残念であるということを前提にいたしまして、沖繩県民の気持ちを十分くみ取って今後措置に当たってもらいたいということを基本にいたしまして、米側に対して話し合い、折衝を行なっておる次第でございます。類似の事件が再び起こらないよう今回の事件の原因について虚心にそのよって来たるところを究明すべきこと、そして沖繩の円滑な本土への復帰という日米双方の共通の目的達成のために相互にあらためて建設的な方向で協力していきたいことを基本に申し入れたわけでございますが、米側におきましても日米双方がより一そう緊密な協力をしてまいりたい旨申し述べておる次第でございます。
なお、特に申し添えたいと思いますのは、今日までの米側との折衝、申し入れ等におきまして、沖繩の返還、七二年核抜き本土並みのワク組みの中で行なわれる返還の協定の作成、あるいはこれに関連する諸問題の取り運びについては、今回の事件によってこれが支障を与えるものでないということが一つ。それから一つは当面の最大の問題でございますところの毒ガスの移送ということにつきまして、これまた今回の事件が影響しない、既定方針どおり米政府として実行をするということの確約を取りつけております。毒ガスの問題につきましては、その確約のもとに、前々から御報告申し上げておりますように、この移送が一日もすみやかに行なわれること、全部が撤去されること、そして安全移送ということについて県民の納得のもとにいけるような方法でこれが確保されるということ、これらにつきましては、したがって今後とも鋭意折衝を続けてまいりたいと存じます。
いま一つは、とりあえずの措置といたしまして、現地におけるランパート高等弁務官から、あらためて在沖繩米軍の厳粛な軍紀の粛正について、厳重に全軍に指令をいたしましたということを昨日駐米大使からも通報を受けておる次第でございます。
以上、御報告申し上げます。
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田
西
西銘順治#4
○西銘委員 沖繩の施政権返還は御承知のとおりすでに進められておりまして、きわめて複雑かつ膨大な返還準備を伴う大事業であると思っております。この施政権返還の大事業をわれわれはでき得る限り混乱を起こさぬよう配慮して完成することに努力をしなければならないと考えております。そのためには、日米両国政府はもちろんのこと、両国国民特に沖繩住民相互の深い理解と協力が必要欠くべからざるものであると考えております。したがって、この相互理解と協力をつくり出すためには、関係者はあらゆる努力を惜しんではならないと思っておるのであります。
去る二十日、コザ市に発生し、ついに嘉手納の基地にまで及んだ不祥事件は返す返すも遺憾なことであります。結局のところ在日米軍と沖繩住民の間にある不信感の率直なあらわれであると私は見てとっております。もちろん、たとえ理由のいかんにかかわらず、暴力的な行為は断じて許されてはならないと思っております。関係者が特に戒めなければならない点でありますが、同時にその背景にある重要問題の解決はまたもって緊急の課題であると考えております。
その一つが裁判権の問題であります。今度の事件はコザ市における交通事故を直接の原因として惹起されておるのでございまするけれども、糸満町の交通事故の件を取り上げてみましても、制限速度を越えまして、しかも歩道を歩いている婦人をひき殺しまして、その事件に対する判決は無罪となっております。また、数年前那覇市内におきまして、中学校の生徒が青信号のときに横断歩道を渡って大型トラクターにひき殺されました。そのときの軍裁判の判決も無罪となっております。私たち沖繩県民は日本国民であります。しかしながら、日本の憲法の適用もございません。またアメリカの統治下に置かれながらアメリカの憲法で規定された人権は何ら擁護されておりません。沖繩人の生命は虫けらのごとく扱われておるわけでございまして、したがって私はこの不祥事件が再発しない、続発しないためにも裁判権の移管を早急に実現することが抜本的な解決であると考えておるのでありますが、これに対する外相の見解を伺いたいのであります。
裁判管轄権の問題は憲法上の原則あるいはこれまでの慣行などむずかしい壁もあろうと思うのでありますが、この際この移管をはかることが事態を解決する不可欠の要件であると思っておるのであります。この際、七二年までの中間措置といたしまして、米民政府裁判所への移管、これが考えられます。二番目に軍事裁判所の陪審員に沖繩住民を参加をさせる、こういう方法も論議されているようでございますが、この際、こういう小手先の細工をもてあそぶだけでは逆効果のおそれがあると思うのであります。また七二年返還までにはわずか一年余りしか残されておらないのでございまするので、ぐずぐずしておりましたら、時間がないことなどを考えまして、この際思い切った措置をとりまして、しかもそれは早急にとらなければならないと思うのでありますが、これに対する大臣の見解をお伺いしたいのであります。
沖繩の住民感情でもう一つ重要なことは、米軍人の日常の生活姿勢と申しますか、特に住民に対する態度の改善を求めなければならないと思っております。長い二十五年間に及ぶ統治時代を経まして、米軍人の中には統治者としての誤った思い上がりがあると思うのであります。これが世界の各地でアメリカがきらわれている要因になったと思われるのでありますが、最近の沖繩ではたとえ一部ではありましても、返還が近づくにつれまして一種のあせりを見せておりまして、傍若無人の態度をとる軍人が間々見受けられるのであります。沖繩側が感情的に過ぎてはいけないと同様にあるいはそれ以上にアメリカ側の態度を改めさせなければならないと思うのでありますが、これに対する外相の御見解を聞きたいのであります。
この発言だけを見る →去る二十日、コザ市に発生し、ついに嘉手納の基地にまで及んだ不祥事件は返す返すも遺憾なことであります。結局のところ在日米軍と沖繩住民の間にある不信感の率直なあらわれであると私は見てとっております。もちろん、たとえ理由のいかんにかかわらず、暴力的な行為は断じて許されてはならないと思っております。関係者が特に戒めなければならない点でありますが、同時にその背景にある重要問題の解決はまたもって緊急の課題であると考えております。
その一つが裁判権の問題であります。今度の事件はコザ市における交通事故を直接の原因として惹起されておるのでございまするけれども、糸満町の交通事故の件を取り上げてみましても、制限速度を越えまして、しかも歩道を歩いている婦人をひき殺しまして、その事件に対する判決は無罪となっております。また、数年前那覇市内におきまして、中学校の生徒が青信号のときに横断歩道を渡って大型トラクターにひき殺されました。そのときの軍裁判の判決も無罪となっております。私たち沖繩県民は日本国民であります。しかしながら、日本の憲法の適用もございません。またアメリカの統治下に置かれながらアメリカの憲法で規定された人権は何ら擁護されておりません。沖繩人の生命は虫けらのごとく扱われておるわけでございまして、したがって私はこの不祥事件が再発しない、続発しないためにも裁判権の移管を早急に実現することが抜本的な解決であると考えておるのでありますが、これに対する外相の見解を伺いたいのであります。
裁判管轄権の問題は憲法上の原則あるいはこれまでの慣行などむずかしい壁もあろうと思うのでありますが、この際この移管をはかることが事態を解決する不可欠の要件であると思っておるのであります。この際、七二年までの中間措置といたしまして、米民政府裁判所への移管、これが考えられます。二番目に軍事裁判所の陪審員に沖繩住民を参加をさせる、こういう方法も論議されているようでございますが、この際、こういう小手先の細工をもてあそぶだけでは逆効果のおそれがあると思うのであります。また七二年返還までにはわずか一年余りしか残されておらないのでございまするので、ぐずぐずしておりましたら、時間がないことなどを考えまして、この際思い切った措置をとりまして、しかもそれは早急にとらなければならないと思うのでありますが、これに対する大臣の見解をお伺いしたいのであります。
沖繩の住民感情でもう一つ重要なことは、米軍人の日常の生活姿勢と申しますか、特に住民に対する態度の改善を求めなければならないと思っております。長い二十五年間に及ぶ統治時代を経まして、米軍人の中には統治者としての誤った思い上がりがあると思うのであります。これが世界の各地でアメリカがきらわれている要因になったと思われるのでありますが、最近の沖繩ではたとえ一部ではありましても、返還が近づくにつれまして一種のあせりを見せておりまして、傍若無人の態度をとる軍人が間々見受けられるのであります。沖繩側が感情的に過ぎてはいけないと同様にあるいはそれ以上にアメリカ側の態度を改めさせなければならないと思うのでありますが、これに対する外相の御見解を聞きたいのであります。
愛
愛知揆一#5
○愛知国務大臣 ただいまお述べになりましたことは、沖繩県民の感情、先ほども申しましたように、二十五年間にわたる非常な御苦労の上に立った感情のあらわれ、ことに最近における裁判の結果に対する不満というものが根底になっているということは、政府といたしましても十分認識しておるわけでございますから、その認識の上に立ちまして、今後いかにすべきかということについてはいろいろと考究をいたさなければならぬと考えておる次第でございます。
具体的に申しますと、まず裁判権全体の問題でございますが、これは申し上げるまでもなく、施政権の自主的な重要な一環をなしておりまするので、返還協定の上におきましてもこの裁判権の問題というものが非常に重要な要素をなしておる。すでにこの返還協定上の問題といたしましては、裁判権の返還のときに即時完全な移行ということについては、もちろん問題なく実現をされるということに考えております。当然のことでございます。同時にそれまでの期間、もうわずかな期間だからいいではないかというような説もあるようではあるが、それではいけないのではないかという御趣旨でございますけれども、その中に、いま御提案になりましたたとえば民政府への移管であるとかあるいは軍事裁判のあり方について陪審員の問題とか、いろいろ具体的な御提案もございましたけれども、これらにつきましても、われわれとして考えるべきところはいろいろと検討をし、特にまずさしあたりのところといたしましては、御承知のようにいわゆる共助協定というものが、政府といたしましても関係各方面の御協力を得て、率直に申しますと相当に難航いたしましたけれども、あの協定ができ上がりましてこの運用の面の改善というようなことについては、私は相当に考え得る点も多いと思います。そのほかの点については、ただいまお話もございましたように、裁判権全体の問題といたしますと、従来も御説明を申し上げておりましたように、施政権の一環としてなかなかむずかしい問題がございますので、それも頭に入れていかなければならないと思いますけれども、なお御趣旨に沿うようにできるだけの交渉といいますか検討といいますか、これも進めてまいらなければならぬ、かように存じておる次第でございます。
この発言だけを見る →具体的に申しますと、まず裁判権全体の問題でございますが、これは申し上げるまでもなく、施政権の自主的な重要な一環をなしておりまするので、返還協定の上におきましてもこの裁判権の問題というものが非常に重要な要素をなしておる。すでにこの返還協定上の問題といたしましては、裁判権の返還のときに即時完全な移行ということについては、もちろん問題なく実現をされるということに考えております。当然のことでございます。同時にそれまでの期間、もうわずかな期間だからいいではないかというような説もあるようではあるが、それではいけないのではないかという御趣旨でございますけれども、その中に、いま御提案になりましたたとえば民政府への移管であるとかあるいは軍事裁判のあり方について陪審員の問題とか、いろいろ具体的な御提案もございましたけれども、これらにつきましても、われわれとして考えるべきところはいろいろと検討をし、特にまずさしあたりのところといたしましては、御承知のようにいわゆる共助協定というものが、政府といたしましても関係各方面の御協力を得て、率直に申しますと相当に難航いたしましたけれども、あの協定ができ上がりましてこの運用の面の改善というようなことについては、私は相当に考え得る点も多いと思います。そのほかの点については、ただいまお話もございましたように、裁判権全体の問題といたしますと、従来も御説明を申し上げておりましたように、施政権の一環としてなかなかむずかしい問題がございますので、それも頭に入れていかなければならないと思いますけれども、なお御趣旨に沿うようにできるだけの交渉といいますか検討といいますか、これも進めてまいらなければならぬ、かように存じておる次第でございます。
西
西銘順治#6
○西銘委員 事件発生直後に高等弁務官が、このような不祥事態が起こるようでは毒ガス撤去の作業はやらないというきわめて高圧的な発言をされておるわけでございまするけれども、その弁務官発言の内容については詳しくいたしておりませんが、ただ心配いたしますのは、この事件と毒ガス撤去と絶対にからませてはならないということでございます。したがいまして、この撤去作業に対する安全性の確保ということとジョンストン島における収容能力が完成でき次第早急にこれを移すということがわれわれ沖繩県民の願いでございます。したがって、この安全性と輸送についての具体的な計画を明らかにいたしまして、県民の不安を取り除いていかなければならないと考えておるのでございますが、この点について大臣の御見解をお聞きしたいのであります。
いずれにいたしましても、コザ事件はコザ事件として、真相を明確にしていかなければなりません。お互いに冷静にこの問題に取っ組んでいかなければならないと考えております。そうして、これを機会にいたしまして、相互の不信を解かなければならないと思っておるのでございます。いま七二年返還を迎えまして、お互いの理解と協力がなければ円満な、しかも膨大な復帰準備の作業は進められないと考えておるのでございます。これについての大臣の見解をお伺いしたいのであります。
この発言だけを見る →いずれにいたしましても、コザ事件はコザ事件として、真相を明確にしていかなければなりません。お互いに冷静にこの問題に取っ組んでいかなければならないと考えております。そうして、これを機会にいたしまして、相互の不信を解かなければならないと思っておるのでございます。いま七二年返還を迎えまして、お互いの理解と協力がなければ円満な、しかも膨大な復帰準備の作業は進められないと考えておるのでございます。これについての大臣の見解をお伺いしたいのであります。
愛
愛知揆一#7
○愛知国務大臣 毒ガスの問題につきまして、ランパート高等弁務官の発言が、これはわれわれといたしましても、その報道されましたときには非常な心配をいたしたことは事実でございますが、幸いにいたしまして、先ほど御報告をいたしましたように、直ちに開始いたしました対米話し合いで、毒ガスの撤去については米国本国政府の決定によって、いささかもこれに影響させることはないということが明確になりましたので、これはもう私は当然のことと思いますけれども、それだけで満足いたすことは政府としてもできないわけでございまして、移送が決定されたのは米国政府の決定であるが、しかしただいまもお尋ねのようにその安全性についてはどういうふうに納得ができるか、あるいは時期については一日もすみやかにという御決議を両院の委員会等においてもいただいているわけでございますから、その両院の決議に従って、政府としては対米折衝をなお一そう強力にやらなければならぬわけでございます。この点についてはまだ十分な結論を得ておりませんですから、この点についてはさらに強力な折衝をいたしまして、随時明らかにしてまいりたいと思っております。その中で安全撤去、安全移送については今月の十二日以来御報告を申し上げておりますように、米側の最高責任者を東京に招致いたしまして、関係各方面の専門家とともども点検を——点検といいますか、その計画についての点検をいたしまして、ただいままで明らかにされておりますことは、累次御報告のとおりでございますが、公開をして、たとえば輸送等についても日中に限定してこれを行なう、あるいは日本側の官憲が現場において立ち会う、参加をする、そしてコンボイの編成それからその内容等についても相当具体的なところまでは納得ができたわけですが、さらに一そう納得のできるような状況において、そして県民の方々の御納得の上に立った御協力をいただいて、まずこの百五十トンは私は一つの試みであると思います。そしてこれがうまく実施できましたならば、この一回の輸送量百五十トンというものは単位の上から申しましても十倍以上の量が一回で運べるということは確実に行なえると思いますから、ジョンストン島の整備を急いでもらうと同時に配船計画その他を十分米側でも考えてもらいまして、そして一万三千トン全部がなるべくすみやかな機会に撤去されるようにということについて、ぜひ具体的な結論を得て県民の方々に御安心を願うようにいたしたい、かように存じております。
この発言だけを見る →西
西銘順治#8
○西銘委員 基地周辺で枚挙にいとまのないくらい傷害暴行事件が相次いで起こりまして、これが裁判制度の上で軍事裁判でさばかれまして、その判決が非常に公正を欠いておりまして、これが結局遠因となって今度のコザの暴動事件になったと思っております。したがいまして、この抜本的な解決はあくまでも裁判権を移管することが欠くべからざるものでございますから、これが七十二年復帰、あと一年半しかございません、実現されるかどうか。けさの現地の民政府当局の見解を見ましても、憲法上不可能であるということがいわれておるのであります。したがって、次善の策としてこれを琉球列島の管理に関する大統領行政命令の十節、この中で、民政府裁判所に刑事裁判権と民事裁判権が付与されておるわけでございますけれども、これは当事者が琉球人である場合が除外されているわけでございまして、それさえ改廃できれば、陪審員の構成を沖繩人を入れることによって裁判の公正を期することができると思っておるのでございますが、要はそういうこまかい議論は別といたしまして、もう一年半しかございません、早急にこの事態を円満に解決し、そういう事件が二度と起こらないように、続発しないように当局の外交努力を要望いたしたいのであります。
同時にわれわれが心配いたしますことは、これが複雑かつ膨大な施政権返還に伴う作業に大きな影響を与える、また毒ガス撤去に対する安全性の確保、早急なガスの移送等について支障を来たしたら、これはたいへんなことになるということで非常に心配をいたしておりますので、その点、毒ガス撤去とこの問題とをからませずに、早急に毒ガス撤去について当局の努力を要望いたしまして、私の質問を終わることにいたします。
この発言だけを見る →同時にわれわれが心配いたしますことは、これが複雑かつ膨大な施政権返還に伴う作業に大きな影響を与える、また毒ガス撤去に対する安全性の確保、早急なガスの移送等について支障を来たしたら、これはたいへんなことになるということで非常に心配をいたしておりますので、その点、毒ガス撤去とこの問題とをからませずに、早急に毒ガス撤去について当局の努力を要望いたしまして、私の質問を終わることにいたします。
田
安
安井吉典#10
○安井委員 先ほど愛知外務大臣から事件の経過並びに政府のそれに対する処理についての御報告がございましたが、私は今度のコザ事件は、ずっと二十五年間にわたる長い沖繩の置かれてきた事態の中から発生したものだと思います。私もその後アメリカ大使館のほうに出向いて、話し合いもしたのでありますけれども、やはりアメリカ側は何かささいな原因によるもの、あるいはまだどんなものであっても暴行はいけないという、それが二つの基本になった発言になっておるようであります。なるほど東京の町の中でいつでも行なわれているような交通事故の処理の問題、さらにまた暴行行為はいついかなるものであっても、それは正しいと言えるようなものではもちろんございません。しかしながら、沖繩の二十五年間の今日まで続いてきた事態は、米軍はもっともっとひどい殺人行為もやっているわけであります。あるいは強盗や婦女暴行だとか、略奪とか、しかし、それをやっても罪は免がれ、沖繩県民は殺され損、そういうふうなことで今日まできているわけであります。特に、最近の糸満の事件、あるいは毒ガスの撤去について住民の要求は少しも入れられそうもない、そういう事態に対するぎりぎりの不満の爆発、私はそういうものではなかったかと思います。問題は小さかったかもしれませんけれども、あのコザの事件は、ガスが充満していてそこへマッチ一本とまでいかなくても、石ころがぶつかりあって火花が出ても爆発する、そういう事態だったと思います。そういうことをまず根本的な理解に置いて問題を考えていかなければ私は間違ってしまうと思うわけです。
ところが、それに対するいまも御指摘がございましたけれども、ランパート高等弁務官の発言であります。特に、特別声明ということで、放送局まで出かけてテレビにも出られたそうでありますけれども、その発言の中で、このような事件が起きる脅威が完全になくならない限り、第一回の毒ガス積み出しは私が承認しないであろうことを確言しておく、これは新聞の記事でありますけれども、こういうふうな暴言を吐いているわけであります。私は、この問題は、問題のとらえ方があべこべで、こういう事件があったので毒ガスはどうというのじゃなしに、たった百五十トンの第一回の積み出し、全部行なわれるのは、祖国に復帰してもまだ終わらない。こんな始末では、そういうふうな事態の中に置かれているからこそ、こういう問題が起きたのではないか、こう考えるわけであります。問題のとらえ方が、あべこべですよ。私は、こういうふうな全く反省のない発言をすることに対して、がまんができない一人であります。参議院のきのうの沖繩対策特別委員会もきわめて強い調子の非難をした決議をしております。ガス撤去は、これは本国の意向として明確にされたといま西銘君に対して大臣は御説明になりました。なるほど本国はそうかもしれぬが、それを実行に移すのは出先の高等弁務官の仕事であります。本国はそうかもしらぬが、出先はサボタージュするかもしれない、ほんとうの気持ちは、毒ガスを戦略的なあるいは戦術的な意味から、まだ沖繩に置いておきたい、私はそれが本心ではないかと思うのです。それがはしなくもあの特別声明というふうなことに出たのではないか。その後屋良主席などが会っての話では、あれは通訳の誤訳であったとか、そういうふうなことを言ってのがれようとしておるそうでありますけれども、私はこれはどうも許せないような気がするわけであります。やはりこれは、アメリカ政府の責任においてああいう特別声明を取り消させるべきではないか。毒ガス撤去の前にあの特別声明を撤回させるべきではないか、こう思うわけであります。特に、これも新聞によりますと、米国務省のスポークスマンは、コザ事件についての初めての論評を二十一日にやった中で、毒ガス撤去に関するランパートの判断は正しい、こう言っているようです。だからやはりこの際、日本政府は、アメリカ政府に対して、ランパート声明は間違いだったのだ、その取り消しを要求する、こういう態度が必要であろうと思うのですが、どうですか。
この発言だけを見る →ところが、それに対するいまも御指摘がございましたけれども、ランパート高等弁務官の発言であります。特に、特別声明ということで、放送局まで出かけてテレビにも出られたそうでありますけれども、その発言の中で、このような事件が起きる脅威が完全になくならない限り、第一回の毒ガス積み出しは私が承認しないであろうことを確言しておく、これは新聞の記事でありますけれども、こういうふうな暴言を吐いているわけであります。私は、この問題は、問題のとらえ方があべこべで、こういう事件があったので毒ガスはどうというのじゃなしに、たった百五十トンの第一回の積み出し、全部行なわれるのは、祖国に復帰してもまだ終わらない。こんな始末では、そういうふうな事態の中に置かれているからこそ、こういう問題が起きたのではないか、こう考えるわけであります。問題のとらえ方が、あべこべですよ。私は、こういうふうな全く反省のない発言をすることに対して、がまんができない一人であります。参議院のきのうの沖繩対策特別委員会もきわめて強い調子の非難をした決議をしております。ガス撤去は、これは本国の意向として明確にされたといま西銘君に対して大臣は御説明になりました。なるほど本国はそうかもしれぬが、それを実行に移すのは出先の高等弁務官の仕事であります。本国はそうかもしらぬが、出先はサボタージュするかもしれない、ほんとうの気持ちは、毒ガスを戦略的なあるいは戦術的な意味から、まだ沖繩に置いておきたい、私はそれが本心ではないかと思うのです。それがはしなくもあの特別声明というふうなことに出たのではないか。その後屋良主席などが会っての話では、あれは通訳の誤訳であったとか、そういうふうなことを言ってのがれようとしておるそうでありますけれども、私はこれはどうも許せないような気がするわけであります。やはりこれは、アメリカ政府の責任においてああいう特別声明を取り消させるべきではないか。毒ガス撤去の前にあの特別声明を撤回させるべきではないか、こう思うわけであります。特に、これも新聞によりますと、米国務省のスポークスマンは、コザ事件についての初めての論評を二十一日にやった中で、毒ガス撤去に関するランパートの判断は正しい、こう言っているようです。だからやはりこの際、日本政府は、アメリカ政府に対して、ランパート声明は間違いだったのだ、その取り消しを要求する、こういう態度が必要であろうと思うのですが、どうですか。
愛
愛知揆一#11
○愛知国務大臣 先ほど報告あるいは御答弁申し上げましたとおりでございまして、毒ガス問題につきましては、本国政府が非常に明確な態度を日本政府に対して表明をいたしております。それからランパート高等弁務官も、自分の特別声明についての釈明的な、補足的な説明もいたしておりますことは、ただいまもおあげになりましたとおりでございますから、私はこの毒ガス撤去については、この日米の公約と申しましょうか、これに基づいて、しかも安全ですみやかな輸送については、すでに十二日以来具体的、技術的な折衝が非常に熱心に行なわれておりますから、これをどんどん促進いたしまして、一日もすみやかな実現をはかってまいりたい。この軌道はもう十分でございますから、あとは県民の方々あるいは本土のわれわれを含めまして、事実の上におきまして納得のできるようなことにしてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
この発言だけを見る →安
安井吉典#12
○安井委員 いま大臣の御答弁からすれば、あの特別声明の内容は現実には取り消されたと同じようなことになっている、そういう御趣旨のように承るわけですが、そうでしょうか。そしてまた、現地ではランパートの退去要求、沖繩に必要がないから帰れという、そういう激しい要求まで盛り上がっているという事実を、政府ははっきりのみ込んで処理していただかなければ困ると思うのです。
この発言だけを見る →愛
愛知揆一#13
○愛知国務大臣 取り消されたと同様というよりも、もっと強い意味におきまして、私は毒ガス撤去については、日本政府としては十分これでやっていけるという確証を得たと考えております。
ただ、先ほども念のためですが、私、西銘委員の御質問にお答えしたのですが、そもそもこの撤去が十二月四日にようやくアメリカ政府としての態度が明確になりましたけれども、しかし全部の移送がいつ終わるのか、あるいは安全輸送に対してどれだけわれわれが納得してできるかということについては、政府としてももちろん不十分だと考えておりますために、その折衝を鋭意続けておるわけでございますから、その点については今後といえども、政府といたしましてはますますもって積極的に、そして十分な折衝、話し合いをして具体的な成果をあげたい、こう思っておるわけでございますので、これできまった、安心だというふうには毛頭考えておらぬわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、今後とも米側の積極的な現場においての理解と協力を求めていくことがどうしても必要であろう。これできまったなどとは決して思っておりませんので、その点念のためですが、申し上げておきたいと存じます。
この発言だけを見る →ただ、先ほども念のためですが、私、西銘委員の御質問にお答えしたのですが、そもそもこの撤去が十二月四日にようやくアメリカ政府としての態度が明確になりましたけれども、しかし全部の移送がいつ終わるのか、あるいは安全輸送に対してどれだけわれわれが納得してできるかということについては、政府としてももちろん不十分だと考えておりますために、その折衝を鋭意続けておるわけでございますから、その点については今後といえども、政府といたしましてはますますもって積極的に、そして十分な折衝、話し合いをして具体的な成果をあげたい、こう思っておるわけでございますので、これできまった、安心だというふうには毛頭考えておらぬわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、今後とも米側の積極的な現場においての理解と協力を求めていくことがどうしても必要であろう。これできまったなどとは決して思っておりませんので、その点念のためですが、申し上げておきたいと存じます。
安
安井吉典#14
○安井委員 軍事裁判のあり方についての問題でありますが、先ほども西銘委員の質問に対して、大臣は、裁判の移管の問題についてもいろいろ検討をしながら折衝を続けていくという御発言であります。私は、それより前に、政府が、一体、これまで沖繩で行なわれてきた軍事裁判のあり方についてどういうふうな考え方を持っているのかということを、ひとつ伺っておきたいわけであります。
さっきも御指摘のありました八年前の、中学生が青信号で渡っているところへ米軍の車が突っかけてひき殺した、そのひき殺した米軍人は無罪、そういう問題をはじめ、五月の具志川市の女子高校生の刺傷事件だとか——それだってろくな判決は出ていません。——今度の糸満の問題もそうであります。酔っぱらって八十キロ以上のスピードを出して歩道を歩いている女の人をひき殺して、それで無罪という判決のあり方であります。その裁判の移管の問題について、非常に消極的な言い方を今日まで政府はされているわけでありますけれども、こういう裁判のあり方について矛盾は感じてないのか、これでけっこうだと思っているのかということであります。昨日の参議院の沖繩対策特別委員会では、山中総務長官は、残念なあり方だというふうな表現をされているようでありますけれども、外交の折衝の責任に当たっております外務大臣の、折衝に当たる感覚といいますか、そういうものをひとつ伺っておきたいわけであります。
この発言だけを見る →さっきも御指摘のありました八年前の、中学生が青信号で渡っているところへ米軍の車が突っかけてひき殺した、そのひき殺した米軍人は無罪、そういう問題をはじめ、五月の具志川市の女子高校生の刺傷事件だとか——それだってろくな判決は出ていません。——今度の糸満の問題もそうであります。酔っぱらって八十キロ以上のスピードを出して歩道を歩いている女の人をひき殺して、それで無罪という判決のあり方であります。その裁判の移管の問題について、非常に消極的な言い方を今日まで政府はされているわけでありますけれども、こういう裁判のあり方について矛盾は感じてないのか、これでけっこうだと思っているのかということであります。昨日の参議院の沖繩対策特別委員会では、山中総務長官は、残念なあり方だというふうな表現をされているようでありますけれども、外交の折衝の責任に当たっております外務大臣の、折衝に当たる感覚といいますか、そういうものをひとつ伺っておきたいわけであります。
愛
愛知揆一#15
○愛知国務大臣 先ほど西銘委員にもお答えいたしましたように、私も、その認識といいますか、そういう点においては、全く御同感で、結局根本は他国の施政権下にあるということに基づく、かつ、その施政権のあり方というものが、沖繩県の方々に非常な何ともいえないうっせきした民族感情と申しましょうか、これを醸成しておるということが、結局こういう問題の基本であるということの認識におきましては、私も十分に憂いをともにしておるつもりでございます。
ただいまのお尋ねに対しましては、私は、まず、在沖米軍人たちがそういったような犯罪行為を次々に起こすということ自体がまことに困ったことであって、この点については、この事件が起こる直前でもございましたけれども、私自身といたしましても、東京において、あるいは、沖繩に参りましたときにも、直接、最高責任者であるランパート氏にも、もう切々と日本の国民感情というものに立脚した米軍人のビヘービアに対しての警告を発し、あるいは、最大の配慮を求め、これに対してランパート氏も、彼は司令官の立場においては、私は十分こちらの考え方も理解を示しておったと思うわけでございます。したがって、今回のこの事件の直後においての日米の話し合いの中においても、積極的に、先ほど申しましたように、全軍に対する軍紀粛正ということについてあらためて全将兵の反省を求めた、あるいは、具体的な指示をしたということが、直ちに駐日大使を通して通報がありましたことも、まあそういったようなことで、ある程度のきき目はあったのではないかと思っておるわけです。
それから、裁判のあり方については、これは必要によって専門的にもいろいろその道の人からも御説明を申し上げたいと思いますけれども、軍の裁判であるというところに特殊の中のまた特殊性があるわけでございますが、裁判のやり方について、ほんとうに公正であり、また、沖繩県民の感情を十分にくみ取って裁判をやってもらいたいということについては、日本政府としては、もちろん期待するところであり、また、その期待というものは十二分に米側に対しても累次申し入れいたしておるようなわけでございます。したがいまして、先ほど申しましたように、今後におきましては、こういった日本政府の対米折衝のルートを通しましても、できるだけのよい結果が出るようにいたしたい。
それから、さらに、先ほども触れましたが、いわゆる共助協定をつくり上げましたときにも、これはこちらが考えておりましたよりも時間もずいぶんかかりました。そして、それだけに、米側の協力も、その当時としてはぎりぎりのところまでの協力を得たように思うのでございます。そして、今回のコザで第一回といいますか、発端になりました事件につきましても、共助協定による琉球警察の発動というものがとにかく保障されていたようでございますけれども、しかし、まだ共助協定ができましてから間もなくのことでもあった関係か、この現場における運用その他につきましては、私はそういう点でしろうとでございますけれども、しろうとなりに、改善の余地もあるのではないかと考えましたので、そういう点につきましても、現在の制度のもとにおいても改善の余地があるのではないか、十分それらの点も考えてくれということも、あわせて米側にも申し入れ、また、それらの点については、米側としても考えて、よい考えがあったらばひとつ十分考えてみようという態度が表明されておる次第でございます。
この発言だけを見る →ただいまのお尋ねに対しましては、私は、まず、在沖米軍人たちがそういったような犯罪行為を次々に起こすということ自体がまことに困ったことであって、この点については、この事件が起こる直前でもございましたけれども、私自身といたしましても、東京において、あるいは、沖繩に参りましたときにも、直接、最高責任者であるランパート氏にも、もう切々と日本の国民感情というものに立脚した米軍人のビヘービアに対しての警告を発し、あるいは、最大の配慮を求め、これに対してランパート氏も、彼は司令官の立場においては、私は十分こちらの考え方も理解を示しておったと思うわけでございます。したがって、今回のこの事件の直後においての日米の話し合いの中においても、積極的に、先ほど申しましたように、全軍に対する軍紀粛正ということについてあらためて全将兵の反省を求めた、あるいは、具体的な指示をしたということが、直ちに駐日大使を通して通報がありましたことも、まあそういったようなことで、ある程度のきき目はあったのではないかと思っておるわけです。
それから、裁判のあり方については、これは必要によって専門的にもいろいろその道の人からも御説明を申し上げたいと思いますけれども、軍の裁判であるというところに特殊の中のまた特殊性があるわけでございますが、裁判のやり方について、ほんとうに公正であり、また、沖繩県民の感情を十分にくみ取って裁判をやってもらいたいということについては、日本政府としては、もちろん期待するところであり、また、その期待というものは十二分に米側に対しても累次申し入れいたしておるようなわけでございます。したがいまして、先ほど申しましたように、今後におきましては、こういった日本政府の対米折衝のルートを通しましても、できるだけのよい結果が出るようにいたしたい。
それから、さらに、先ほども触れましたが、いわゆる共助協定をつくり上げましたときにも、これはこちらが考えておりましたよりも時間もずいぶんかかりました。そして、それだけに、米側の協力も、その当時としてはぎりぎりのところまでの協力を得たように思うのでございます。そして、今回のコザで第一回といいますか、発端になりました事件につきましても、共助協定による琉球警察の発動というものがとにかく保障されていたようでございますけれども、しかし、まだ共助協定ができましてから間もなくのことでもあった関係か、この現場における運用その他につきましては、私はそういう点でしろうとでございますけれども、しろうとなりに、改善の余地もあるのではないかと考えましたので、そういう点につきましても、現在の制度のもとにおいても改善の余地があるのではないか、十分それらの点も考えてくれということも、あわせて米側にも申し入れ、また、それらの点については、米側としても考えて、よい考えがあったらばひとつ十分考えてみようという態度が表明されておる次第でございます。
安
安井吉典#16
○安井委員 どうも大臣の御答弁は、軍紀を粛正すれば犯罪は少なくなるだろうし、起きた犯罪の捜査についてもいろいろ努力をしているということで、肝心の裁判が公正か公正じゃないかということについてまともからお答えになりませんでした。しかし、裁判を沖繩県民の意思をくんでやってくれという申し入れをしているということは、裏を返せば、いまの裁判のあり方について大臣自身も、困ったことだと、こう思っておることは明らかなようであります。
いま沖繩では、この間の糸満の事件について、裁判のやり直しをせよという世論が強く巻き起こっております。あるいは、ずっと以前から続いてきた、私どもから見れば、決して公正ではないと思われる軍事裁判の記録を公開せよという要求も強まっています。私は、ほんとうに大臣も、公正じゃないというふうなお考え方がどうも裏にあるようだし、また、アメリカ軍のほうは、公正に行なわれているという自信があるならば、少なくも、軍事裁判記録をはっきり公開をする、どこから見てもこれは正しいのだということを示すことによって、沖繩の県民も納得できると思うわけでございます。やはり県民感情を非常に大切だというお気持ちがおありなら、私は、アメリカ政府に対して、県民を納得させるためにも、正しい裁判が行なわれているんだ、その実態はこうなんだということの公表をするようにという交渉を、あるいは要求を大臣にしていただきたいと思うのですが、どうですか。
この発言だけを見る →いま沖繩では、この間の糸満の事件について、裁判のやり直しをせよという世論が強く巻き起こっております。あるいは、ずっと以前から続いてきた、私どもから見れば、決して公正ではないと思われる軍事裁判の記録を公開せよという要求も強まっています。私は、ほんとうに大臣も、公正じゃないというふうなお考え方がどうも裏にあるようだし、また、アメリカ軍のほうは、公正に行なわれているという自信があるならば、少なくも、軍事裁判記録をはっきり公開をする、どこから見てもこれは正しいのだということを示すことによって、沖繩の県民も納得できると思うわけでございます。やはり県民感情を非常に大切だというお気持ちがおありなら、私は、アメリカ政府に対して、県民を納得させるためにも、正しい裁判が行なわれているんだ、その実態はこうなんだということの公表をするようにという交渉を、あるいは要求を大臣にしていただきたいと思うのですが、どうですか。
愛
愛知揆一#17
○愛知国務大臣 先ほど申しましたように、これが軍事裁判であるという特殊の中の特殊の状況でありますだけに、これを外交上の話し合いにいたしますのにも、いろいろとこちらにも苦労があるわけでございます。これは御了承いただけると思いますが、しかし、ただいまのお述べになりましたような趣旨の基本にあるお気持ちは私どもは先ほど来申しておりますように同様でございますので、要は県民の方々が納得ができるように、裁判がこうこうこういうことであるのだというようなことについての説明を、十分にしてもらうというようなことについては、現在の制度のもとにおいても格別の配慮を求むべきである、こういう考え方で、先ほど申しましたように、それらをも含めて警察権の運用とか、それから裁判のあり方についての配慮、あるいはその裁判の結果について、県民が納得できるような説明をしてもらうというようなことについては、われわれとしても米側の善処を求めている次第でございます。これは今回に限りませんで、前々から裁判のあり方ということについては、政府としても大きな関心を持ち、それに基づきまして、アメリカ側ともいろいろ話し合っているような状況でございます。
この発言だけを見る →安
安井吉典#18
○安井委員 どうもいまの御答弁では沖繩の県民世論はおさまりそうもありません。ほんとうに県民が納得できるような裁判が行なわれているのなら全文でなくても概要でもいいですよ。概要といっても、どういうやりとりがあってどういう原因でどういう結果が出たかというものを明確にできるような、そういうものを出すのが私はほんとうだろうと思います。出さないのは、結局それを出せばかえって世論を刺激する、こういうことだからではないかと思うのです。そういう点、さらにまた御検討を願っておきたいと思います。捜査権の問題については、いま共助協定のお話が出ましたが、これはちょっと時間がないようですから、あればあとで伺うことにして、いま裁判の問題について私の見方や考え方をちょっと申し上げてみたいと思うのです。
いろいろな意見等を総合して現在の軍事裁判のあり方を考えてみますと、大きな問題は三点あるように思います。
その第一点は、裁判官をはじめ裁判所構成が全部軍人で構成されているということであります。これは戦場で殺し合いが行なわれている段階なら、あるいはこれでもいいのかもしれませんけれども、現在の沖繩は形はなるほど占領下であるかもしれませんが、もう観光客も一ぱいぞろぞろいて、みやげもの屋もそれで繁盛しているという段階であります。国政参加もできて、間もなく施政権返還、こういうところだと大臣も繰り返し言われるような段階です。そこで、そのまま戦場の論理がまかり通っているというところに私は問題があるように思う。軍の中で起きた事件なら軍人だけで陪審員まで構成した法廷でもいいのかもしれませんけれども、軍人と住民との間の問題ということになると、これは勝った者と負けた者、勝者対敗者という関係あるいは支配者対被支配者、もっといえば一つの民族対他民族、そういうような関係もどうしても避けられないように思うわけです。だから私はこういうふうな法廷で公正な裁判ができるわけはないと思う。
それから二番目には、この陪審員制の問題ですね。陪審員制というものは裁判に対する民衆参加ということにおいてメリットを持っていることは多くの人が認めるところです。本来的にはそうだと思います。しかし、この軍事法廷という中において、特に勝者対敗者という論理の中では必ずしも公正に働かない場合が出てくる。だから陪審員が、この人は婦女を暴行をしたけれども、ベトナム戦争に功績があったから無罪だ、こういうふうな結論が出がちであります。糸満のときでもこの被告は航空隊の二等軍曹で、報道によりますと陪審員はほとんどが空軍の将校であったというわけです。そして、これは新聞報道ですからよくわかりませんが、道路が悪かったからというふうなことでノットギルティー、こうなっているということであります。だからここにも一つ問題がある。
三番目は、公開が原則ということになってはいるそうでありますけれども、大体基地の中で行なわれておる裁判が公開されたからといって、だれも入りゃしないわけであります。結局糸満のときでも遺族二人と報道関係五人を入れて通訳なしという法廷になっております。だから、こういうふうな形の軍事裁判、これが今日の段階においてはもう不合理になってきているのではないか、私はそう思うわけであります。だから琉球裁判所に移せという主張は以前からあったし、今日特に強まってきているということではないと思います。日弁連の主張はもう大臣御承知のとおりです。施政権の一環として、琉球政府の裁判所も民政府の裁判所もそれからいまの軍事法廷も三つとも施政権の中にある。何か琉球政府の裁判所というのは日本の裁判所の出先みたいな気がする、そういうふうな印象をアメリカのほうは伴うのかもしれませんけれども、それなら日本の施政権が沖繩に及んでいるということになるわけですから、われわれのほうはむしろ喜ばしいわけです。そうじゃないということを彼らは言っているわけでありますから、琉球政府裁判所も今日の段階では施政権の一環の中に組み込まれているわけです。だから、内部的に事務分掌を変えればそれでいいのだというのが日弁連の主張のようでありますけれども、これも私は一理があるのではないかと思います。先ほど西銘委員からも一つの御提案がございました。しかし、昨日の参議院の沖繩対策特別委員会の決議も、民移管ということを主張して、必ずしも先ほどの御主張をそのまま取り入れた決議ではなしに、民間の裁判所に移管すべきである、こういう内容を持っているのが参議院の決議だ、こういうふうに私確かめてきたわけであります。相手があることだから、これは外務大臣そう言われるだろうと思いますけれども、私は日本政府の姿勢だと思います。きっぱりした態度でさらに交渉に当たるべきだと思うのですが、この辺についていかがですか。
この発言だけを見る →いろいろな意見等を総合して現在の軍事裁判のあり方を考えてみますと、大きな問題は三点あるように思います。
その第一点は、裁判官をはじめ裁判所構成が全部軍人で構成されているということであります。これは戦場で殺し合いが行なわれている段階なら、あるいはこれでもいいのかもしれませんけれども、現在の沖繩は形はなるほど占領下であるかもしれませんが、もう観光客も一ぱいぞろぞろいて、みやげもの屋もそれで繁盛しているという段階であります。国政参加もできて、間もなく施政権返還、こういうところだと大臣も繰り返し言われるような段階です。そこで、そのまま戦場の論理がまかり通っているというところに私は問題があるように思う。軍の中で起きた事件なら軍人だけで陪審員まで構成した法廷でもいいのかもしれませんけれども、軍人と住民との間の問題ということになると、これは勝った者と負けた者、勝者対敗者という関係あるいは支配者対被支配者、もっといえば一つの民族対他民族、そういうような関係もどうしても避けられないように思うわけです。だから私はこういうふうな法廷で公正な裁判ができるわけはないと思う。
それから二番目には、この陪審員制の問題ですね。陪審員制というものは裁判に対する民衆参加ということにおいてメリットを持っていることは多くの人が認めるところです。本来的にはそうだと思います。しかし、この軍事法廷という中において、特に勝者対敗者という論理の中では必ずしも公正に働かない場合が出てくる。だから陪審員が、この人は婦女を暴行をしたけれども、ベトナム戦争に功績があったから無罪だ、こういうふうな結論が出がちであります。糸満のときでもこの被告は航空隊の二等軍曹で、報道によりますと陪審員はほとんどが空軍の将校であったというわけです。そして、これは新聞報道ですからよくわかりませんが、道路が悪かったからというふうなことでノットギルティー、こうなっているということであります。だからここにも一つ問題がある。
三番目は、公開が原則ということになってはいるそうでありますけれども、大体基地の中で行なわれておる裁判が公開されたからといって、だれも入りゃしないわけであります。結局糸満のときでも遺族二人と報道関係五人を入れて通訳なしという法廷になっております。だから、こういうふうな形の軍事裁判、これが今日の段階においてはもう不合理になってきているのではないか、私はそう思うわけであります。だから琉球裁判所に移せという主張は以前からあったし、今日特に強まってきているということではないと思います。日弁連の主張はもう大臣御承知のとおりです。施政権の一環として、琉球政府の裁判所も民政府の裁判所もそれからいまの軍事法廷も三つとも施政権の中にある。何か琉球政府の裁判所というのは日本の裁判所の出先みたいな気がする、そういうふうな印象をアメリカのほうは伴うのかもしれませんけれども、それなら日本の施政権が沖繩に及んでいるということになるわけですから、われわれのほうはむしろ喜ばしいわけです。そうじゃないということを彼らは言っているわけでありますから、琉球政府裁判所も今日の段階では施政権の一環の中に組み込まれているわけです。だから、内部的に事務分掌を変えればそれでいいのだというのが日弁連の主張のようでありますけれども、これも私は一理があるのではないかと思います。先ほど西銘委員からも一つの御提案がございました。しかし、昨日の参議院の沖繩対策特別委員会の決議も、民移管ということを主張して、必ずしも先ほどの御主張をそのまま取り入れた決議ではなしに、民間の裁判所に移管すべきである、こういう内容を持っているのが参議院の決議だ、こういうふうに私確かめてきたわけであります。相手があることだから、これは外務大臣そう言われるだろうと思いますけれども、私は日本政府の姿勢だと思います。きっぱりした態度でさらに交渉に当たるべきだと思うのですが、この辺についていかがですか。
愛
愛知揆一#19
○愛知国務大臣 ただいま分析して非常に建設的な御意見を伺いまして、非常に参考になりましてありがたく考えるわけでございます。確かにただいま御指摘になりましたように、民政府の裁判あるいは琉球政府の裁判あるいは裁判権全体の日本への移管、いろいろこう内容があるわけでございますが、それらについてただいま御言及にもなりましたが、参議院の昨日の御決議もそういう点を十分御理解の上でなされた決議であると承知いたしておりますが、それらの点につきましては、先ほど来申し上げておりますように、私としてもコザ事件が起きてから連日駐日大使とも会談をしているようなわけでございます。日弁連の決議、御意見というようなものも十分に参考にして善処してまいりたいと考えております。ただ私は、やはり制度としては非常にむずかしい問題でございますから、その間に処して一言で申せば、沖繩県民の方々の心を心として、この返還までの比較的短い期間でございますが、何とかよい知恵をしぼり、日米間で協力して一つの線を出したいものであると考え、同時に、またそういうことを言うかとおしかりを受けるかもしれませんけれども、もうすでに年も押し迫っておりますから、いよいよ七一年になりますれば、七一年の上半期の終わりころまでには返還協定を作成をして、両国の合意をするというところまでこぎつけたい。かなり具体的に進んでおりますので、その返還協定の上では、裁判権全体の問題が、先ほど申しましたように完全に本土に移管されるわけであります。それらについても、あわせて真剣に検討いたしております時期でございますから、私はその返還協定の作成並びにその後における国会の審議を通しまして、沖繩の本土復帰が七二年と申しましても、その中のすみやかな時期に実現が期し得るように、抜本的にこういう問題がクリアーされるように、その日の一日も早く来たるような努力をまたひたむきにやるべきときであると、かように私としても決心を新たにいたしているような次第でございます。
この発言だけを見る →安
田
戸
戸叶里子#22
○戸叶委員 同僚の議員がいろいろ御質問になりましたし、私どもに割り当てられた時間が十分しかありませんので、簡単にお伺いをいたしたいと思います。
沖繩の方々は、たいへん長いこといろんな面で人権無視の政策をアメリカの施政権のもとに行なわれていて、最後に一人の婦人がひき殺され、しかもそのひき殺した人が無罪であったというような結果から、もうがまんできないで爆発的にコザの事件が起きたと私どもは解釈しておりますし、また本土の人はみんなそう考えていると思います。
そこで私は、あの婦人のひき殺し事件というような不当なことが起きたときに、政府としては当然、もしも高等弁務官がわけがわからないならアメリカの政府に向かってでも何でも、こういう不当な裁判というものはけしからぬとか、あるいはまた婦人に対する補償なりなんなりということを要求すべきではなかったか、国としてもそういうことはできたではないかというふうに考えますが、こういうことはできなかったものかどうか。そして、もしも国として、高等弁務官がいるんだからそういうことはできないんだというならば、その裁判に対する不当性というものに対して何らかの申し入れをするなり、あるいはまた補償なりなんなりをとってあげるというような態度というものが必要ではなかったか、こう考えますけれども、これは過ぎたことだからしかたがないというのでなくして、今後の問題にもからむことであり、そういう態度に対して、なぜおとりにならなかったか。それは日本自身としては裁判の成り行きをこれまでも見守っていましたということだけで片づけるべき問題ではないと思いますけれども、この点を外務大臣はどう御判断なさいますか。
この発言だけを見る →沖繩の方々は、たいへん長いこといろんな面で人権無視の政策をアメリカの施政権のもとに行なわれていて、最後に一人の婦人がひき殺され、しかもそのひき殺した人が無罪であったというような結果から、もうがまんできないで爆発的にコザの事件が起きたと私どもは解釈しておりますし、また本土の人はみんなそう考えていると思います。
そこで私は、あの婦人のひき殺し事件というような不当なことが起きたときに、政府としては当然、もしも高等弁務官がわけがわからないならアメリカの政府に向かってでも何でも、こういう不当な裁判というものはけしからぬとか、あるいはまた婦人に対する補償なりなんなりということを要求すべきではなかったか、国としてもそういうことはできたではないかというふうに考えますが、こういうことはできなかったものかどうか。そして、もしも国として、高等弁務官がいるんだからそういうことはできないんだというならば、その裁判に対する不当性というものに対して何らかの申し入れをするなり、あるいはまた補償なりなんなりをとってあげるというような態度というものが必要ではなかったか、こう考えますけれども、これは過ぎたことだからしかたがないというのでなくして、今後の問題にもからむことであり、そういう態度に対して、なぜおとりにならなかったか。それは日本自身としては裁判の成り行きをこれまでも見守っていましたということだけで片づけるべき問題ではないと思いますけれども、この点を外務大臣はどう御判断なさいますか。
愛
愛知揆一#23
○愛知国務大臣 これもまたまことにごもっともなお尋ねでございます。この糸満事件の判決がああいうふうになりましたことは、政府としても非常に納得ができない、こういう見解を持ちましたので、直ちに東京におきましても、あるいは那覇の日本政府代表部を通しましても、米側に、日本人としての気持ちからいって割り切れない気持ちである、何とかこれに対して米側として対処する措置はないかということの話し合いもいたしたわけでございますが、その結果は思わしい結果がいまもって出ておりませんうちにこういう事件が発生いたしました。このことはまことに遺憾に存ずる次第であります。
この発言だけを見る →戸
戸叶里子#24
○戸叶委員 遺憾であるということだけでは私ども解決つかない問題ではないか、どうしても割り切れない問題だと思います。したがいまして、今後もぜひ慰謝料なりなんなりの問題で折衝を続けていっていただきたい、こう考えますけれども、この点に対する大臣の御決意のほどをまずお伺いしたい。
それから時間がないので続けてお伺いいたしますが、沖繩の人たちは法治国家の状態に置かれておらない。無法状態に置かれているとしか私どもは考えられない。そこで返還までの間にやはり人権を尊重されるようなそういう態度でもっているならばいてほしいということを外務大臣として具体的ないろいろな提案を出して、人権無視されないような形で施政をするならするようにということを申し入れていただきたいと思いますが、この点に対するお考えはいかがでございましょうか。
この発言だけを見る →それから時間がないので続けてお伺いいたしますが、沖繩の人たちは法治国家の状態に置かれておらない。無法状態に置かれているとしか私どもは考えられない。そこで返還までの間にやはり人権を尊重されるようなそういう態度でもっているならばいてほしいということを外務大臣として具体的ないろいろな提案を出して、人権無視されないような形で施政をするならするようにということを申し入れていただきたいと思いますが、この点に対するお考えはいかがでございましょうか。
愛
愛知揆一#25
○愛知国務大臣 糸満事件の慰謝料を含めまして、アメリカ側に何らかの措置を求めておりますことは先ほど申しましたとおりで、これは結論はまだ出ておりませんことは遺憾でございますけれども、現在の私の心証といたしましては、米側におきましても何らかこれは日本の国民感情にこたえるところがなければならないという考え方が出てきつつあるやに私は考えておりますが、なおこれはただいま率直に申しまして結論が出ておりませんことは非常に私も遺憾に考えております。
それから第二の人権尊重の問題は、もちろんこれが大前提でございまして、今回のコザ事件が起こりましてからも、連日にわたって私自身が折衝いたしておりますのもこの人権尊重、これがすなわち沖繩県民感情に最も響くところでございますから、こういうことで折衝をずっと続けておりますこと、この点は御理解をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →それから第二の人権尊重の問題は、もちろんこれが大前提でございまして、今回のコザ事件が起こりましてからも、連日にわたって私自身が折衝いたしておりますのもこの人権尊重、これがすなわち沖繩県民感情に最も響くところでございますから、こういうことで折衝をずっと続けておりますこと、この点は御理解をいただきたいと思います。
戸
戸叶里子#26
○戸叶委員 ぜひそういうことを強く申し入れていただきたい。
そこで先ほど、今回の事件で検挙された人は全部釈放された、しかし事態の推移によっては変わることもあり得るということを大臣がつけ足されました。私はそのことがちょっとひっかかったわけですけれども、今後において何らかの、アメリカのランパート高等弁務官がいろいろと調査をして、そしてこの人たちはもう一度検挙しなければならないなんというようなことが出てくるかもしれない。そういうことがあり得るのかどうかと思って私は心配して聞いたのですが、そういう場合にも決して軍法会議なり民政府の裁判には付されないのだということをはっきり私は日本の政府としてくぎをさしておくべきではないか、こう考えますが、この点は大臣はどうお考えになるか、これが一点。
それから時間がないですから続けて伺いますが、先ごろなくなられました森長官が、かつて教育権だけでも沖繩から分離してというような話も出ましたけれども、これはそれよりももっと大きく施政権の返還になったわけですが、そこで今回の事件を考えまして、多くの人たちが、裁判管轄権の問題で、日本側に移すべきだという意見が強いわけです。それで一年半後に返されるとしても、それまでの間にいわゆる分離ということではないですけれども、地位協定の十七条の裁判管轄権だけでも今日沖繩に適用させるようにという交渉を始められたらどうかと思いますが、この点についてどうお考えになるか。
それからもう一点は、大統領行政命令というものがあるために裁判権が日本にないわけですが、この十節も改正するようという話し合いをぜひ私はこの際やって、そして裁判管轄権の問題を解決してほしい、こう考えますけれども、こういう点に対しての大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
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それから時間がないですから続けて伺いますが、先ごろなくなられました森長官が、かつて教育権だけでも沖繩から分離してというような話も出ましたけれども、これはそれよりももっと大きく施政権の返還になったわけですが、そこで今回の事件を考えまして、多くの人たちが、裁判管轄権の問題で、日本側に移すべきだという意見が強いわけです。それで一年半後に返されるとしても、それまでの間にいわゆる分離ということではないですけれども、地位協定の十七条の裁判管轄権だけでも今日沖繩に適用させるようにという交渉を始められたらどうかと思いますが、この点についてどうお考えになるか。
それからもう一点は、大統領行政命令というものがあるために裁判権が日本にないわけですが、この十節も改正するようという話し合いをぜひ私はこの際やって、そして裁判管轄権の問題を解決してほしい、こう考えますけれども、こういう点に対しての大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
愛
愛知揆一#27
○愛知国務大臣 まず第一点ですが、率直に申しまして、そういうふうに私の報告をお聞き取られになったとするとたいへん残念でございまして、私は、こういう事件は捜査に付されているわけでありますから、こちらに施政権がある状態ではございませんし、また捜査の結果損害の状況、その他が、私がいまここでいままで集めました情報や調査によって御報告すれば、こうと申し上げたわけでございますから、捜査の結果当局が調べたことで損害の件数、その他が違うことがございましょうということを留保して申し上げたわけでございまして、その後の措置について言及していま言ったことと別なことを言うかもしれぬということは全然ございません。
それからコザ事件の状況は、先ほど申しましたように、現に全員釈放された由でございます、と御報告申し上げておきました。これも私が権限をもって釈放したわけでも何でもございませんから、さように間接的に御報告申し上げた次第でございますが、事案の大部分は、琉球警察が現に捜査に当たっているものと私は承知いたしております。そしてこれが米軍系統のほうに行くということは、私は万々ないかと思います。しかし、御案内のように、最初の発端になったことは、加害者が米軍人であったわけです。それからその後にいろいろ起こった事件については、沖繩の人がまた調べられる対象になるわけですから、これは当然琉球警察の捜査権が発動する、現にそうであると私は了解いたしております。しかし、あくまでも本土の警察権による捜査等ではございませんから、内容の事実関係等については、あるいは今後若干の訂正をして御報告をしなければならぬことがあろうと思いますが、それは事実関係だけでございます。
それから、あとの問題は、率直に申し上げますが、いま返還協定について、裁判権の問題をしさいに点検して、完全にこちらに移行するようにいろいろとやっておりますので、その中でやはりこういう問題も一環として取り上げるのが筋じゃないかと私は思います。具体的のコザ事件につきまして、今後とるべき措置につきましては、米側においても何か沖繩県民の方々の要請にこたえ、そしてまた日本政府の累次の申し入れと申しますか、相談に対して、何らかのよい知恵が出ないものかということを米側でも考えておるということは、申し上げることができますが、的確に、これを廃止するとか廃止しないとかいうところまで、まだそこまでの段階ではございません。そういうことになりますと、率直に申しまして、事柄の性質上結論には相当の時間がかかると思います。一方、返還協定のほうもどんどん進んでおりますから、それらとにらみ合わせてひとつ御理解をいただきたいと存じます。
この発言だけを見る →それからコザ事件の状況は、先ほど申しましたように、現に全員釈放された由でございます、と御報告申し上げておきました。これも私が権限をもって釈放したわけでも何でもございませんから、さように間接的に御報告申し上げた次第でございますが、事案の大部分は、琉球警察が現に捜査に当たっているものと私は承知いたしております。そしてこれが米軍系統のほうに行くということは、私は万々ないかと思います。しかし、御案内のように、最初の発端になったことは、加害者が米軍人であったわけです。それからその後にいろいろ起こった事件については、沖繩の人がまた調べられる対象になるわけですから、これは当然琉球警察の捜査権が発動する、現にそうであると私は了解いたしております。しかし、あくまでも本土の警察権による捜査等ではございませんから、内容の事実関係等については、あるいは今後若干の訂正をして御報告をしなければならぬことがあろうと思いますが、それは事実関係だけでございます。
それから、あとの問題は、率直に申し上げますが、いま返還協定について、裁判権の問題をしさいに点検して、完全にこちらに移行するようにいろいろとやっておりますので、その中でやはりこういう問題も一環として取り上げるのが筋じゃないかと私は思います。具体的のコザ事件につきまして、今後とるべき措置につきましては、米側においても何か沖繩県民の方々の要請にこたえ、そしてまた日本政府の累次の申し入れと申しますか、相談に対して、何らかのよい知恵が出ないものかということを米側でも考えておるということは、申し上げることができますが、的確に、これを廃止するとか廃止しないとかいうところまで、まだそこまでの段階ではございません。そういうことになりますと、率直に申しまして、事柄の性質上結論には相当の時間がかかると思います。一方、返還協定のほうもどんどん進んでおりますから、それらとにらみ合わせてひとつ御理解をいただきたいと存じます。
戸
戸叶里子#28
○戸叶委員 私どもの割り当てられた時間がなくなりましたからやめますけれども、先ほど安井委員も言われましたように、たとえば軍法会議に付されるなり、それから民政府裁判にかけられた場合に、不当なことをしてもほとんどみな無罪にされるということは、黙っていられないことだと思います。したがいまして、今後におきましても、人権無視されるということに対して、政府は強い姿勢をもって臨んでいただかなきゃいけない。そのためにはやはり裁判の問題というものが重要な問題でございますから、私はいま申し上げましたような提案で、何とかそれを、これから先まだ一年半あるんですから、施政権の返還をもっと早めるなり、あるいはまた、いまのような具体的な行政協定の適用をするなり、あるいはまた大統領の行政命令を改正してもらうというような話を進めるなり、そういうふうなことをして問題の解決をしていただいて、うやむやにこの際していただきたくない、こういうことを再度要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
この発言だけを見る →田