安井吉典の発言 (外務委員会)
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○安井委員 先ほど愛知外務大臣から事件の経過並びに政府のそれに対する処理についての御報告がございましたが、私は今度のコザ事件は、ずっと二十五年間にわたる長い沖繩の置かれてきた事態の中から発生したものだと思います。私もその後アメリカ大使館のほうに出向いて、話し合いもしたのでありますけれども、やはりアメリカ側は何かささいな原因によるもの、あるいはまだどんなものであっても暴行はいけないという、それが二つの基本になった発言になっておるようであります。なるほど東京の町の中でいつでも行なわれているような交通事故の処理の問題、さらにまた暴行行為はいついかなるものであっても、それは正しいと言えるようなものではもちろんございません。しかしながら、沖繩の二十五年間の今日まで続いてきた事態は、米軍はもっともっとひどい殺人行為もやっているわけであります。あるいは強盗や婦女暴行だとか、略奪とか、しかし、それをやっても罪は免がれ、沖繩県民は殺され損、そういうふうなことで今日まできているわけであります。特に、最近の糸満の事件、あるいは毒ガスの撤去について住民の要求は少しも入れられそうもない、そういう事態に対するぎりぎりの不満の爆発、私はそういうものではなかったかと思います。問題は小さかったかもしれませんけれども、あのコザの事件は、ガスが充満していてそこへマッチ一本とまでいかなくても、石ころがぶつかりあって火花が出ても爆発する、そういう事態だったと思います。そういうことをまず根本的な理解に置いて問題を考えていかなければ私は間違ってしまうと思うわけです。
ところが、それに対するいまも御指摘がございましたけれども、ランパート高等弁務官の発言であります。特に、特別声明ということで、放送局まで出かけてテレビにも出られたそうでありますけれども、その発言の中で、このような事件が起きる脅威が完全になくならない限り、第一回の毒ガス積み出しは私が承認しないであろうことを確言しておく、これは新聞の記事でありますけれども、こういうふうな暴言を吐いているわけであります。私は、この問題は、問題のとらえ方があべこべで、こういう事件があったので毒ガスはどうというのじゃなしに、たった百五十トンの第一回の積み出し、全部行なわれるのは、祖国に復帰してもまだ終わらない。こんな始末では、そういうふうな事態の中に置かれているからこそ、こういう問題が起きたのではないか、こう考えるわけであります。問題のとらえ方が、あべこべですよ。私は、こういうふうな全く反省のない発言をすることに対して、がまんができない一人であります。参議院のきのうの沖繩対策特別委員会もきわめて強い調子の非難をした決議をしております。ガス撤去は、これは本国の意向として明確にされたといま西銘君に対して大臣は御説明になりました。なるほど本国はそうかもしれぬが、それを実行に移すのは出先の高等弁務官の仕事であります。本国はそうかもしらぬが、出先はサボタージュするかもしれない、ほんとうの気持ちは、毒ガスを戦略的なあるいは戦術的な意味から、まだ沖繩に置いておきたい、私はそれが本心ではないかと思うのです。それがはしなくもあの特別声明というふうなことに出たのではないか。その後屋良主席などが会っての話では、あれは通訳の誤訳であったとか、そういうふうなことを言ってのがれようとしておるそうでありますけれども、私はこれはどうも許せないような気がするわけであります。やはりこれは、アメリカ政府の責任においてああいう特別声明を取り消させるべきではないか。毒ガス撤去の前にあの特別声明を撤回させるべきではないか、こう思うわけであります。特に、これも新聞によりますと、米国務省のスポークスマンは、コザ事件についての初めての論評を二十一日にやった中で、毒ガス撤去に関するランパートの判断は正しい、こう言っているようです。だからやはりこの際、日本政府は、アメリカ政府に対して、ランパート声明は間違いだったのだ、その取り消しを要求する、こういう態度が必要であろうと思うのですが、どうですか。