長橋尚の発言 (公害対策特別委員会)
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○政府委員(長橋尚君) お答え申し上げます。
衆議院の審議を通じて出ました附帯決議の騒音規制法の関係及び大気汚染防止法の関係につきましては、私どもといたしましてもその線に沿いまして万全の努力をいたしたいという考えでいるわけでございます。
大気汚染の関係で申し上げますならば、まず排煙脱硫をできるだけ早期に設置普及させるように努力せよという点につきましては、通産省といたしましても、四十一年から工業技術院の大型プロジェクトとして試験研究費が出され、それを受けまして電気事業者におきまして、さらに諸般のデータの確保並びに連続運転による信頼性の確認というふうな観点からの検討を進めまして、すでに現在、東京電力、関西電力並びに中部電力におきまして、まだ実用規模までは至らないわけでございますが、十万キロワット前後といったような中間規模の実用プラントを鋭意建設中でございまして、そういった積み重ねの上で本格的に実用に適する規模のものを早急に実用化するように指導いたしているところでございます。
騒音の関係につきましても、特に騒音防止法の規制に遺憾なからしむるために、電気業法の面におきましても電気工作物、特に問題になりますのは発変電所におきますコンプレッサーの騒音でございます。そういったものを中心といたしまして、防音壁とか、あるいは低騒音の設計、あるいはまた消音器の設置というふうなことを法の裏づけを持ちまして強力に指導し、その万全を期しているところでございます。都道府県知事との関係につきましても、ただいま公害保安局長から御説明申しましたような形で、今回法律面におきまして、都道府県知事の要請権を中心に通産大臣との関係が一そう緊密化されました趣旨に沿いまして、鋭意やってまいる考え方でございます。
ところで、今後の問題についていろいろと御指摘があったわけでございます。現在、電力エネルギーの供給態様といたしまして、水力発電、火力発電並びに原子力発電というのが三つの大きな大宗をなしているわけでございます。御指摘のように、水力発電につきましては、最近の技術の進歩によりまして、大規模揚水式発電方式というようなものが軌道に乗りまして、さらに開発の余地があるということは、まさに事実だと存じております。そういう方向に沿いまして、電源開発会社のみならず、主要な電力会社におきましても大規模な水力電源の開発というものに鋭意努力いたしているわけでございますが、何ぶんにも包蔵資源に限度があるわけでございますし、やはり火力発電というものをここで軽視するわけにいかないというふうな供給体制についての見通しでございます。今後、昨日の参考人の供述にもございましたような原子力発電につきまして、核燃料の供給体制の裏づけを持ちながら、また原子力平和利用の根本でございます安全の確保という強い前提のもとでこれを開発してまいるということは、今後におきます電源開発の大きな一つの中心になるものと、かように考えているわけでございます。長い十年ないし十五年先の態様といたしましては、やはり漸次火力発電の総体的なウエートが低下いたすといたしましても、水力、原子力を合わせまして約五〇%、火力発電が五〇%というふうな発電方式別の供給構成になるのではなかろうか、かような試算も行なわれているような状況でございまして、漸次ウエートが低下いたしましても、なお火力発電所を今後相当増設していかなければ国民生活の向上に伴います電力需要の増大というものに対処し得ない、かような判断を持っておるわけでございます。御指摘の地熱発電、潮流発電というようなものにつきましても国際的にいろいろな研究が行なわれております。そういった研究を続けるべきことは当然であろう、かように考えます。
原子力発電の安全性につきまして、先ほど、九月におきます敦賀発電所の問題が提起されたわけでございます。そもそも原子力の平和利用に伴います原子力公害は絶対起こさせない、かような強い姿勢でわが国の原子力行政が行なわれておりますことは御承知のとおりでございまして、原子力発電所におきます放射能の測定につきましても、法律に基づきまして電気事業者自体が義務づけられておりますと同時に、地元地方公共団体の側の要請もございまして、当該原子力発電所と地元の県というものが緊密に連絡をとり、必要に応じてそのデータの公表もする、かような体制がいまできつつあるわけでございまして、敦賀の問題につきましては、非常に放射能の濃度が低いような状況におきまして、測定値に一つ誤差が出たということかと思いますけれども、こういったことが非常に大きな不安につながらないように、現在原子力発電会社におきましても、県当局と十分そのデータのすり合わせというようなことにつとめているわけでございます。
最後に御指摘になりました、当面非常に電力需給が逼迫している、かような状況下についてどう考えるかと、かような点につきましては、当面、今年度自体夏場において相当な需給の逼迫が予想されたわけでございます。これは何とか関係方面の協力によりまして乗り切ることができたわけでございます。また来年度、ないし再来年度におきまして、特に夏場のピーク時におきます需給の不如意ということが予想されているわけでございまして、その面につきましては、いまから新規電源の開発に着工するということは対処し得ないわけでございますので、現在の新設中の火力発電所ないし関係発電所の建設の促進、運転開始時期の繰り上げ、あるいはまた試運転電力というものを供給に組み入れる。あるいは定期修理をピーク時をずらして行なう。諸般のくふうを重ねますと同時に、需用面におきましても、大口産業需用面におきまして、今年度自体自主的な節電の協力というものを得たわけでございます。来年あたりにつきましても、そういった大口需用家の節電協力というようなものも裏づけながら当面の危機を突破いたしますと同時に、その先行きにつきましての安定供給の確保という面につきまして、電源開発を地元と十分話し合いを進めながら、地元の理解と協力のもとにこれを格段に進めてまいる必要がある。かような状況でございます。地元との話し合いを円滑に進めますために、まず電気事業者並びに国の電気行政の面におきましての公害対策というものを、そういった地元の信頼を得られるものに高めていく必要がある、かように考えている次第ございます。