竹田四郎の発言 (公害対策特別委員会)

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○竹田四郎君 どうもその辺が、私、今度の法案の中で、わりあい明確でない点だろうと思うんですが、まあ大きな企業が地域のために出すということは、私は決して悪いとは思わない。しかし、それがほんとうに公害防止という観点で出されるのか、さきに言った寄付金的な立場で出されるかということになると、私は、企業の公害に対する責任というものをのがれるような感じがするんです。特に十三条の「共同納付の場合の特例」ということがありますが、市原でも、そういう形で協議会をつくって共同納付ということになりますと、これは各企業の公害に対する寄与度といいすすか、そういう形から負担割合がきめられるんじゃなくて、おれのところは大きいから少し余分にやろうとか、おまえのところはどうもいつも公雲で注意されるからよけい出せよとかというような形だけで費用負担がされるということになると、これはかなり問題ではないだろうか。たとえば、既存の地域においても、あるいはこれからできる工場地帯においても、こういうものを事前につくるというようなことが計画されていくだろうとは思いますが、たとえば排出基準を常に守っている工場、排出基準はあまり守らないで、かなりいろいろ警告を受けたり、地域から非難されたり、そうした工場もその条件が同じになる、金額が同じだということには私はならないだろうと思う。当然、そういう工場はよけい負担をすべきであると思うのです。どうも先ほどの五条の関係、その他そういうことばが、あちらこちらにありますけれども、「公害についてその原因となると認められる程度に応じて」、非常に私は抽象的なことばだと思うのです。こうしたことはどこで明確にされるのですか。将来政令が何かの形で、SO2をどれだけ出すから、おまえのところはどれだけの割合をかけるのだとか、おまえのところは有害物質のカドミウムを出しているからおまえのところはこうだ、こういうような形になるのですか。どうもその辺が全然わからない。そこのところがわからなければ、共同納付にいたしましても、あるいは負担の割合にいたしましても、それはほんとうに政治的な折衝であって、公害防止という社会的な責任を負うべき事業者の自覚というものが欠けてしまう。
 それで、それは単に寄付金だ。しかも、そこにできているものは、先ほどの話のように、野球場やグラウンドや、そういうものだ。おれのところはたくさん金を出したのだから、おれのところの従業員に優先的に使わせろ、こういう話は当然その中に出てくる。そうすれば、公害防止の市民に対する奉仕でなくして、企業のレクリエーション施設を、自治体やあるいは国の補助を得て、むしろ自分たちのレクリエーションの施設をそこにつくってしまう。当初の目的より非常にはずれてしまう。こうした結果に私はなってしまうのじゃないか。そうした点では、この負担の割合というもの、事業者の負うべき負担総額にいたしましても、各企業者に対する配分にいたしましても、何かそうした科学的な根拠がなければ、名前は事業負担金という名目であっても、意識的には寄付金の性格になってしまう。そうして、おれのところはあんなに金を出したのだから、管理のほうは市でやれよと、管理費も出すことになっておりますが、結果的には企業のための管理費を自治体が持たなければならない、こういうことになると思うのです。
 そういう意味で、防止事業そのものの効果というものも考えてもらわなければいけないし、先ほど言ったそのグラウンド等についての考え方というものも私は慎重に考えていかないと、市民のものでなくて企業のものにこれが取られてしまう可能性というようなことも非常に強くなる、こういうように思うのですが、その辺をひとつ明らかにしていただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 竹田四郎

speaker_id: 7692

日付: 1970-12-18

院: 参議院

会議名: 公害対策特別委員会