浜田幸一の発言 (公害対策特別委員会)

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○浜田委員 先ほど長官からも言われましたとおり、実際にノリの被害枚数で申し上げますと五千五百九十万枚なんですが、それが被害を受けたということは、あのノリの生産が全滅したということなんです。いま言われるような形ですと、加害者をつかまえる、それと法律を改正しなければならない、何か措置をしなければならないということですね。それともう一つは、もう少し時間をかしてくれということなんですが、漁民は年の瀬を控えまして、実際に子供たちに晴れ着一枚も買ってやれないような現況なんですね。そうすると一体政治の姿勢として、水産庁のとられる姿勢というのはあまりあたたかい姿勢ではないのではないかと思う。たとえば千葉県の場合には、税収入の歳入欠陥見込みが三十五億円本年度あるわけですね。そういう苦しい状態の中で、特にいままでもこういう例がありましたけれども、天災融資法を待っていたのでは、それだけでは漁民を救うことができないという形で、県議会で了承をいただいて今回の措置をとったわけであります。これは、一つは自治法を検討してみた場合でも便法的な措置だと思うのです。この問題については後ほど自治省とも議論をいたさなければならないところでありますが、浅海漁民を正しくお守りいただくという条件からこの問題を考えてみれば、水産庁においてもたとえば犯人をとらえる。犯人との間で裁判なら裁判が行なわれて、そしてそれだけの被害額、損害額を弁償させる。それまでの経過がたとえば一年かかったり二年かかったりする状況があるわけですから、そういう結論が出るまでの間——しかしながら法律的にはむずかしさがあると思いますけれども、その間の漁民を守るための施策を行なうのが水産庁の責任ではないだろうかと私は思うのです。いまの御意見を聞いておりますと、やはりそういういろんな法律とかそういうルールがセットされなければ解決されないということになりますと、おことばを返してたいへん恐縮なんだけれども、それまで漁民はがまんをしなさいということになって、一体漁民はどうすればいいのか壁にぶつかると思うのですね。私はこの辺のところが、やはり一つの行政責任の形で決断を下さなければならない問題だと思うのです。これはもちろん私の考えとしては水産庁だけで解決できる問題ではないのです。これは通産省にも関係があり運輸省にも関係があり、これは環境庁にも関係があり、全体の中で結論を出してもらわなければならない問題なんですけれども、たとえば航路を拡張する場合には運輸省でしょう。航路をなぜ拡張するかといえば、通産省の責任の範囲における経済生産性の問題があるからということになってくるわけです。だからこういう被害が起こった場合には、水産庁は漁民の立場に立って、東京湾を利用する利用者に対して共同責任の追及というものをしていただくような強い姿勢を持って解決にあたっていただかなければ問題の処理にはならないと思う。かつてわが千葉県においては、三回ならず四回ならずこういう問題があって、天災融資法の発動を受けて漁民を救済したことがありますけれども、その後の立ち直りの状況から見ますと、水産庁の姿勢が必ずしもあたたかいものであるとはいえないような私は気がする。特に昭和三十六年の七月三十日だったと思いますが、東京湾の漁業構造改善事業の問題が取り上げられたとき、あなた方水産庁においてはどういうわけで反対の姿勢を示されたかわかりませんけれども、東京湾の浅海漁民を対象とする漁業構造改善の問題については、非常に消極的な姿勢を示された。この法律がつくられたときから、浅海漁民は、今日のような苦しい生活、すべて問題が起こっても、どろをかぶらなければならないような一つの路線というものは、それによって私は確立されてしまったと思う。
 私は、その問題をいま取り上げて、あなたと議論をしようとは思いませんけれども、少なくとも、水産庁の姿勢としては、漁民が年を越せない、こういう問題について、県は一億円出したので、犯人を捕えるまで待つという形だけではなしに、農林大臣と御相談をいただいて——この間、農林大臣代理の山中大臣は、閣議において、この問題については、いままでのような処理であってはいけないという発言をされた。われわれの仲間の漁民たちは、山中大臣という人は非常に先見の明のある人であるということで、大臣一人に期待をかけているのです。ところが、大臣は閣議でそう言ったけれども、その下で行政の一切の責任をとっておられる長官が、いまのような答弁をされるということであると、新聞にはかっこうのいいことを言っているけれども、実質的には、解決の目安は何もないんだということになるのではないかと私は思うのです。
 ですから、この問題は、現況確認と、私どもの見解の相違点は明確になりましたので、一番最後の段階で水産庁長官に——水産庁長官は、犯人を捕えた上でなければ解決できないという意見でございます。犯人を捕えたい、だから海上保安庁長官にまかしてあるということですから、海上保安庁長官にこれから私は質問をします。それをよく聞いておいていただいて、どう処理すべきかという最後の御答弁をいただきたいと思うんです。
 海上保安庁長官にお伺いをいたします。いまお聞きのとおり、水産庁長官は、すべての責任は海上保安庁にあるという表現をしております。そこで、お伺いをしたいのでありますが、海上保安庁長官としては、海に油が流されたその場合に、まず報告をする義務が——これは海洋汚染防止法の中にきちんと定義されております。その条件に沿って、たとえば明原丸という船が油を流したと伝えられているけれども、その報告があった、届け出があったということまで、実は、新聞に出ているわけです。その前段の問題については、議論をすると時間がなくなりますので、率直に伺いますが、明原丸が東京湾に油を流したという届け出があったそのときに、海上保安庁はどういう措置をとられたか。現場に直ちに調査に行かれたかどうか。届け出があって調査に行った、現地に急行したときのその時間の差ですね。それがどのくらいかかったのか、この点からお伺いしていきたいと思います。

発言情報

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発言者: 浜田幸一

speaker_id: 33124

日付: 1971-12-15

院: 衆議院

会議名: 公害対策特別委員会