公害対策特別委員会

1971-12-15 衆議院 全346発言

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会議録情報#0
昭和四十六年十二月十五日(水曜日)
    午前十時四十三分開議
 出席委員
   委員長 小林 信一君
   理事 始関 伊平君 理事 橋本龍太郎君
   理事 八田 貞義君 理事 藤波 孝生君
   理事 山本 幸雄君 理事 島本 虎三君
   理事 古寺  宏君 理事 寒川 喜一君
      久保田円次君    浜田 幸一君
      林  義郎君    村田敬次郎君
      阿部未喜男君    加藤 清二君
      山口 鶴男君    岡本 富夫君
      米原  昶君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 大石 武一君
 出席政府委員
        防衛施設庁施設
        部長      薄田  浩君
        環境政務次官  小澤 太郎君
        環境庁長官官房
        長       城戸 謙次君
        環境庁企画調整
        局長      船後 正道君
        環境庁自然保護
        局長      首尾木 一君
        環境庁大気保全
        局長      山形 操六君
        環境庁水質保全
        局長      岡安  誠君
        外務省国際連合
        局長      西堀 正弘君
        厚生大臣官房審
        議官      曾根田郁夫君
        厚生省環境衛生
        局長      浦田 純一君
        農林省農地局長 三善 信二君
        食糧庁次長   中村健次郎君
        林野庁長官   松本 守雄君
        水産庁長官   太田 康二君
        水産庁次長   藤村 弘毅君
        通商産業省公害
        保安局長    久良知章悟君
        運輸大臣官房審
        議官      見坊 力男君
        運輸省港湾局長 栗栖 義明君
        海上保安庁長官 手塚 良成君
        建設省河川局長 川崎 精一君
        建設省道路局長 高橋国一郎君
        自治大臣官房参
        事官      森岡  敞君
 委員外の出席者
        防衛庁経理局施
        設課長     蔭山 昭二君
        通商産業省化学
        工業局化学第二
        課長      小幡 八郎君
        工業技術院産業
        公害研究調整官 佐々木 亮君
        運輸大臣官房安
        全公害課長   鈴木  登君
        運輸省航空局首
        席安全監察官  泉  靖二君
    —————————————
委員の異動
十二月十五日
 辞任         補欠選任
  土井たか子君     山口 鶴男君
同日
 辞任         補欠選任
  山口 鶴男君     土井たか子君
    —————————————
十二月二日
 公害発生源の除去等に関する請願外六件(土井
 たか子君紹介)(第二七九四号)
同月六日
 公害発生源の除去等に関する請願(米原昶君紹
 介)(第二九四六号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 公害対策に関する件(水質汚濁対策等)
     ————◇—————
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小林信一#1
○小林委員長 これより会議を開きます。
 公害対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浜田幸一君。
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浜田幸一#2
○浜田委員 私はお許しをいただきまして去る十二月四日に東京湾に流出しました油による浅海漁民の被害対策並びにその後の処置についてこれからお伺いをさせていただきたいと存ずるのでございます。
 本問題は、すでに政府当局は千葉県当局よりの報告、もしくは現地に派遣された調査官の報告によって現状把握については的確にされておると思いますが、その質問に入ります前に、その現況の確認とその後の処理の状況についてお伺いをさせていただきたいと思うのでございます。
 まず水産庁の太田水産庁長官に、現在までにおける状況の確認並びに本問題に対する処理についてどういう処理をされてきたのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
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太田康二#3
○太田(康)政府委員 今般の千葉県の木更津市、袖ケ浦における油汚染の問題につきましては、当初私のほうに十二月四日の午後八時に県庁からの電話連絡が水産課からございまして、四日の午前七時に羽田漁協組合が沖合いに大量の油が流れているのを発見した旨連絡がございました。この段階におきましては、まだこの被害地域は牛込、金田、奈良輪漁協の地先である。ノリのさく数が二万四千六百七十五さくと推定される。それで十一月の三十日から十二月三日までに新網を建て込んだばかりである、こういう連絡がございまして、目下内湾水産試験場の試験船と取り締まり船がむしろを使用して処理中である、一応の被害の予想は七億五千万円である、こういう連絡がございました。原因はもちろんこの段階においては不明である。その後日曜日の十二月五日に、私のほうの公害担当調査官を連絡先といたしまして、県庁からそのつど御連絡いただくということであったわけでございますが、正午に連絡がございまして、こう申し上げるとたいへんことばが悪いのでございますが、千葉県等におきましてはしばしば被害がございますので非常に県庁がこの処理につきまして迅速に的確に処理なさるわけでございまして、水産課からの連絡で被害額は生産減が約五千六百万枚、この被害総額七億八千三百八十八万八千円である。それから資材費といたしまして八千九万円、それから清掃費として中和剤とかむしろ等を使った経費として千八百二十八万四千円、合計約八億八千二百二十六万二千円というものが当面考えられる被害額である、こういう連絡がございました。そうして正式の処理といたしましては、十二月九日に県から知事の名前で私あてに木更津市及び袖ケ浦地区の重油によるノリ被害対策に関する要望書というのが出てまいりまして、その陳情書によりますと、現在までに判明している八億八千万円にのぼる大被害が発生した、これは先ほど申し上げた数字とほぼ一致いたしておるのであります。
 そして、県が言ってこられましたのは、一つは被災漁民に対する次の緊急助成措置、一つはノリの再生産のための資材購入費に対する助成、それからいま一つはノリの生産減に対応する越年資金の貸し付け及び利子補給、二番目は、これは恒久対策でございますが、水産資源保護の見地からの海洋汚染防止対策を強化してもらいたい。これは東京湾内の緊急事態に対処できる油の汚染の監視、防除体制の確立、こういう二項目の陳情があったわけでございます。
 それから私ども、千葉県に照会して千葉県が現在おとりになっている措置を聞いたわけでございますけれども、生産減の問題、先ほど申し上げました約七億八千三百万の生産減、要するにノリの被害の問題でございますが、この点につきましてはできる限り原因者を追及いたしまして、原因者がはっきりいたしますれば当然民事上の問題として処理をしていただく、損害賠償の請求ができるわけでございます。そういうことでございますので、この点につきましては私のほうといたしましてもこういった面の取り締まりに当たっておられますところの海上保安庁に、これは県からももちろん要請がございましたが、至急ひとつ原因者を突きとめてくれというお願いをいたしております。
 それから復旧資材費と漁場清掃費につきましては、私どもがただいままでに伺っておる県の処置といたしましては、信漁連から一億円の融資をする。それに対しまして、元本につきましては県が三年分割で信漁連に返済する。要するに漁民の方に、復旧資材費と漁場清掃費につきましては県が全額めんどうを見る。信漁連の金を一応当てていただきまして三カ年で返済する。信連の金でありますから当然利子がつくわけでございますけれども、この点につきましてはそれぞれ木更津市、袖ケ浦で負担するということで、県としては当面の応急措置をとられた、こういうことでございます。
 そこで国は一体何をしたのだ、こういうことになるわけでございますけれども、はなはだおことばで恐縮なんでございますが、私のほう、今回新潟、山形におきますところのジュリアナ号の油の流出による問題も起こりました。それから千葉県もほぼ時期を同じくしてこの問題が起こったわけでございますけれども、御承知のとおり現在の時期が時期でございますから、越年資金に対する要望というのはたいへん強いと私ども思っております。それに対しまして何とか検討しろという大臣の指示もございまして、われわれいろいろ検討いたしたのでございますが、残念ながらいままでにこういったことに対する措置がないというようなことで、実は大蔵省といろいろ折衝いたしたわけでございます。先生も御承知のとおり、災害に対する融資制度といたしましては天災融資法があるわけでございますけれども、この場合には天災というより人災である、過去に例がないというようなことでいろいろやり合いました結果、天災融資法の発動基準というのがございまして、被害を救済するたてまえといたしまして、これも理屈といえば理屈なんでございますけれども、一時的には市町村でめんどうを見てもらう、市町村でめんどうを見切れないものは県が乗り出す、しかし県がさらにめんどうを見られないものは国が応援をする、こういう体系になっておりまして、天災融資法の発動の実は基準というものがございます。これは一般的に被害が三十億をこえるというようなことが発動基準になるわけでございますけれども、高潮とか突風とか氷害みたいに、ある地域に極端に広がりは狭いけれども非常に深度が深いというような被害がございます。こういったものにつきましては、被害額が十億円以上で被害の県が二県以上にまたがる、こういう一つの発動基準がございまして、千葉県の場合にはまことにお気の毒なんでございますけれども、千葉県自体にしか被害がないというようなことでございますので、新潟、山形の場合には昨日の閣議でも大臣が御報告申し上げたわけでございますけれども、一応天災融資法に準じた措置を国がとるということに大蔵省との間で話し合いがつきましたわけでございますけれども、千葉県の場合には千葉県一県の被害であるということでございますので、そういった措置もとれなかった。私どもといたしましてはできる限り早く海上保安庁にお願いをいたしまして、原因者を突きとめていただくということを現在お願いをいたしておる、こういうことでございます。
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浜田幸一#4
○浜田委員 いま水産庁長官は原因者の追及に全力をあげるということですが、かつて水産庁がこれらの問題を取り扱った場合に、四十二年にもこういう問題がありました。しかし原因者を追及いたしました場合でも解決のできない問題が数多くあるということは——私は時間が限られておりますからここで議論はいたしませんけれども、そういう形でこの問題が解決されるとはお考えになっていないと思うのですが、その点どうですか。
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太田康二#5
○太田(康)政府委員 私ども、もちろんいろいろそういう原因者の問題につきましての探求につきまして努力をいたさなければならぬわけでございますけれども、海上保安庁が一応海洋汚染防止法の何と申しますか、当然の一時的な責任官庁になっておりますので、海上保安庁にお願いをして、いまこの問題につきまして原因者を追及していただくということにいたしておりますが、まさに先生のおっしゃるように、それでは一体こういうケースですべてわかるかどうかという問題がございます。したがいまして、その場合にどうするのだという問題が当然出てくるわけでございます。私のほうに養殖共済の制度があるわけでございますけれども、油濁による損害というのは実は免責事由になっておりまして、損害の手当ての対象にならないことになっております。そうすれば加害者が明らかにならぬ場合に、被害者の漁民は泣き寝入りかということに当然なるわけでございますので、私どもといたしましては、何らかの形で現在の保険の対象にこれを加えるということになりますと、結局保険料を値上げして漁民の負担において解決するということになりますから、私どもといたしましては、それでは問題の根本的な解決にならないと思っておりますので、いまも寄り寄り海上保安庁長官ともお話し申し上げたのでございますけれども、やはり私どもをはじめといたしまして、海上保安庁あるいは通産省等ともよく相談をいたしまして、こういった問題にどう対処するかというようなことの方法につきまして、これは当然制度をつくらなければできないことだと思いますので、いましばらく時間をおかりいたしまして検討さしていただきたい、かように考えております。
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浜田幸一#6
○浜田委員 先ほど長官からも言われましたとおり、実際にノリの被害枚数で申し上げますと五千五百九十万枚なんですが、それが被害を受けたということは、あのノリの生産が全滅したということなんです。いま言われるような形ですと、加害者をつかまえる、それと法律を改正しなければならない、何か措置をしなければならないということですね。それともう一つは、もう少し時間をかしてくれということなんですが、漁民は年の瀬を控えまして、実際に子供たちに晴れ着一枚も買ってやれないような現況なんですね。そうすると一体政治の姿勢として、水産庁のとられる姿勢というのはあまりあたたかい姿勢ではないのではないかと思う。たとえば千葉県の場合には、税収入の歳入欠陥見込みが三十五億円本年度あるわけですね。そういう苦しい状態の中で、特にいままでもこういう例がありましたけれども、天災融資法を待っていたのでは、それだけでは漁民を救うことができないという形で、県議会で了承をいただいて今回の措置をとったわけであります。これは、一つは自治法を検討してみた場合でも便法的な措置だと思うのです。この問題については後ほど自治省とも議論をいたさなければならないところでありますが、浅海漁民を正しくお守りいただくという条件からこの問題を考えてみれば、水産庁においてもたとえば犯人をとらえる。犯人との間で裁判なら裁判が行なわれて、そしてそれだけの被害額、損害額を弁償させる。それまでの経過がたとえば一年かかったり二年かかったりする状況があるわけですから、そういう結論が出るまでの間——しかしながら法律的にはむずかしさがあると思いますけれども、その間の漁民を守るための施策を行なうのが水産庁の責任ではないだろうかと私は思うのです。いまの御意見を聞いておりますと、やはりそういういろんな法律とかそういうルールがセットされなければ解決されないということになりますと、おことばを返してたいへん恐縮なんだけれども、それまで漁民はがまんをしなさいということになって、一体漁民はどうすればいいのか壁にぶつかると思うのですね。私はこの辺のところが、やはり一つの行政責任の形で決断を下さなければならない問題だと思うのです。これはもちろん私の考えとしては水産庁だけで解決できる問題ではないのです。これは通産省にも関係があり運輸省にも関係があり、これは環境庁にも関係があり、全体の中で結論を出してもらわなければならない問題なんですけれども、たとえば航路を拡張する場合には運輸省でしょう。航路をなぜ拡張するかといえば、通産省の責任の範囲における経済生産性の問題があるからということになってくるわけです。だからこういう被害が起こった場合には、水産庁は漁民の立場に立って、東京湾を利用する利用者に対して共同責任の追及というものをしていただくような強い姿勢を持って解決にあたっていただかなければ問題の処理にはならないと思う。かつてわが千葉県においては、三回ならず四回ならずこういう問題があって、天災融資法の発動を受けて漁民を救済したことがありますけれども、その後の立ち直りの状況から見ますと、水産庁の姿勢が必ずしもあたたかいものであるとはいえないような私は気がする。特に昭和三十六年の七月三十日だったと思いますが、東京湾の漁業構造改善事業の問題が取り上げられたとき、あなた方水産庁においてはどういうわけで反対の姿勢を示されたかわかりませんけれども、東京湾の浅海漁民を対象とする漁業構造改善の問題については、非常に消極的な姿勢を示された。この法律がつくられたときから、浅海漁民は、今日のような苦しい生活、すべて問題が起こっても、どろをかぶらなければならないような一つの路線というものは、それによって私は確立されてしまったと思う。
 私は、その問題をいま取り上げて、あなたと議論をしようとは思いませんけれども、少なくとも、水産庁の姿勢としては、漁民が年を越せない、こういう問題について、県は一億円出したので、犯人を捕えるまで待つという形だけではなしに、農林大臣と御相談をいただいて——この間、農林大臣代理の山中大臣は、閣議において、この問題については、いままでのような処理であってはいけないという発言をされた。われわれの仲間の漁民たちは、山中大臣という人は非常に先見の明のある人であるということで、大臣一人に期待をかけているのです。ところが、大臣は閣議でそう言ったけれども、その下で行政の一切の責任をとっておられる長官が、いまのような答弁をされるということであると、新聞にはかっこうのいいことを言っているけれども、実質的には、解決の目安は何もないんだということになるのではないかと私は思うのです。
 ですから、この問題は、現況確認と、私どもの見解の相違点は明確になりましたので、一番最後の段階で水産庁長官に——水産庁長官は、犯人を捕えた上でなければ解決できないという意見でございます。犯人を捕えたい、だから海上保安庁長官にまかしてあるということですから、海上保安庁長官にこれから私は質問をします。それをよく聞いておいていただいて、どう処理すべきかという最後の御答弁をいただきたいと思うんです。
 海上保安庁長官にお伺いをいたします。いまお聞きのとおり、水産庁長官は、すべての責任は海上保安庁にあるという表現をしております。そこで、お伺いをしたいのでありますが、海上保安庁長官としては、海に油が流されたその場合に、まず報告をする義務が——これは海洋汚染防止法の中にきちんと定義されております。その条件に沿って、たとえば明原丸という船が油を流したと伝えられているけれども、その報告があった、届け出があったということまで、実は、新聞に出ているわけです。その前段の問題については、議論をすると時間がなくなりますので、率直に伺いますが、明原丸が東京湾に油を流したという届け出があったそのときに、海上保安庁はどういう措置をとられたか。現場に直ちに調査に行かれたかどうか。届け出があって調査に行った、現地に急行したときのその時間の差ですね。それがどのくらいかかったのか、この点からお伺いしていきたいと思います。
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手塚良成#7
○手塚政府委員 端的な御質問でございますので、簡単に御説明します。
 六時五十分に明原丸の一等航海士から川崎保安署に流出の通報がございました。内容は、午前四時三十分ごろ、燃料油搭載中、C重油約二キロリットルをオーバーフローさせ目下処理中。この四時三十分につきましては、その後の調べによりまして、三時三十分ごろであるということに、現在の調査はなっております。そういう通報によりまして、七時五分、川崎保安署の巡視艇「たまかぜ」が現場に到着をいたしております。そして防除の指導と監視をやっております。
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浜田幸一#8
○浜田委員 そうすると、これは、海洋汚染防止法の第三十八条に関する決定に従って届け出はされたということでいいわけですね。そういう事実は認められているわけですね。
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手塚良成#9
○手塚政府委員 一応形式的には、現段階におきましては、通報がなされておるというふうに見るべきではなかろうか。しかし、通報内容あるいは通報された時間——時間と申しますのは、先ほどの六時五十分でございます。実際に問題が起こっておりますのは、後の調査でいうところが真実であれば、三時三十分でございます。これは直ちに通報しろということになっておりますので、そういった通報の時間的な問題等が適切であるかどうか、これは問題があるかと思います。今後の調査にまたなければなりません。
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浜田幸一#10
○浜田委員 海上保安庁の巡視艇が参りましたときに、中和剤が投下されたり、その油を除去するための処理の方法ですね、そういうものについては、新聞紙上によりますると、第三管区の本部長は、中和剤の投下がされているならば問題はなかろうという見解を示されたということになっておりますが、私どもは新聞だけで議論をいたしたくはありませんので、そのときの明原丸の油の処理に対する具体的な事実を御確認になっておりますか。処理はどうされたか。
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手塚良成#11
○手塚政府委員 ただいま申し上げました巡視艇の現場確認並びにその後の調査によりましたところでは、当時処理に当たりました東燃タンカーの代理店の酒井海運及び東燃川崎工場によって防除がなされたわけでありますが、この両者によりまして、処理剤七百かん、むしろ千枚、オイルキャッチ五ケース五百枚、吸引ポンプ、作業船が五隻、作業員七十五名という現状を確認し、それらを使って処理中であるという状態を確認してまいっております。
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浜田幸一#12
○浜田委員 そこまでお伺いすれば、とにかく明原丸が犯人であるということではなしに、そういう問題が起こって、東京湾に十二月四日以前に油を流したものがいるということの確認だけはされているわけですね。
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手塚良成#13
○手塚政府委員 四日の日に、漁業被害があったという通報を受けまして、その後私どもは、二百六十六隻の船の調査並びに情報収集というのをやり、油というのもいろんな個所からいろんな形態で流れ出ておると思われますので、そういう関連の油の種類三十九件、こういうものを採取をし、いろいろ調査をしたわけであります。いま申し上げた問題のものもその中に入っておるわけであります。そういうものを総合してだんだん話を煮詰めていっておりますのが、いま申し上げたような事態の問題になっておるかと思いますが、なお、いま捜査は継続中でございまして、そういった事態以上のことはちょっと申し上げにくいわけでございます。
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浜田幸一#14
○浜田委員 いまの長官の御説明ですと、明原丸が正しい加害者であるという断定はできない、いまの段階は調査の段階であるということに理解をさしていただきたいと思うのです。
 次に進ましていただきたいと思いますが、これはあなた方の真意ではないと思いますけれども、今回の捜査にあたって、海上保安庁はあまり乗り気でなかったということが出ているのです。これは「海上保安庁が再調査指示、犯人割出しに疑惑、資料拒む「三管本部」県は困惑」という題名なんです。ただし、その中でどういうことが取り上げられているかといいますと、三管本部そのものに県当局から資料要求をしたときに、その資料が出なかったということについてははっきり出ていませんが、私はこの問題で議論はいたしません。ただ、お伺いしたいことが一つありますから、これにははっきりお答えしてください。これが一番大きな重大な問題だと思います。
 過般千葉県の友納知事は、その関係会社である鶴見輸送株式会社、これはきのうおたくのほうで捜査の手入れをされたところだと思います。これには十二月十二日の日付でこのような文面で出しております。
    木更津市および袖ケ浦町地先のり養殖漁場への油流入事故に関する調査(照会)
  昭和四十六年十二月四日木更津市および袖ケ浦地先のり漁場へ油が流入する事故がありましたが、その以前数日間の東京湾を航行中の船舶関係者等によりそれぞれ航行時の状況を聴取し、これを総合すると川崎市扇島シーバースにおける明原丸への燃油を給油中の油流出事故と極めて密接な関係があるものと判断されるので必要につき下記につき至急ご回報願います。
    記
 昭和四十六年十二月一日またはその直前において明治海運株式会社所属明原丸へ舶用燃油を供給したことに関し
 一 この給油のために稼動した給油船の船名、所有者、住所、トン数、送油管の径、送油ポンプの能力
 二 重油の供給を受けた会社名および供給年月日および数量
 三 一に記した給油船が明原丸に給油した年月日、給油開始時刻、同終了時刻および数量
 四 明原丸への給油中における油溢出事故の有無、有の場合その詳細について
 十二月の十二日にこの文書を実は送りまして、そういう事実があったかどうか回答を求めたところ、これに対して、この会社からは何ら回答が出ておりません。
 それからもう一つは、明治海運株式会社に対してであります。この文面を読んでおると長くなりますので、簡単に申し上げますと、明原丸のトン数とか船舶の所有者、氏名とか船舶運航者とか、これを雇っている者の住所、氏名あるいは用船期間、本船の航海の運航計画、こういうことについてまたお知らせをいただきたいということで問い合わせをしたら、これにも回答が全然出ておりません。
 それからもう一つは、おたくのほうの調査ではどうなっているかわかりませんが、酒井海運株式会社というのがあります。この会社も明原丸に関連のある会社でありまするけれども、この会社に対してやはり同じものを出しております。ところが、これも回答をしてきておりません。とすると、あなた方がきのう捜査の手入れをした、捜査権を発動したということになれば、当然その会社には何かしら関係がある。油を流した船に対して給油をした会社だとか、雇っている会社だとか、何かしら関係があると思うのです。ところが、実際に東京湾の中にその油の被害がどうのこうのという以前の問題として、海洋汚染防止法の適用を受けるその会社が、千葉県知事に対して一切の回答をしないという姿勢については、私どもはどうしても納得できないのです。そしてまたおかしなことには、海上保安庁が、公害対策委員会を本日開く前のきのう十四日、回答も何もしない、われ全然関知せずという会社に対して手入れを行なっております。少なくとも千葉県が確認した段階の中においては、明原丸が確かにそういうことに関係があるという割り出しをしたのはきのうではなくて、もっと以前の問題だったと思うのです。十四日、問題が起こってから十日間後にこの問題で公開捜査ということになったわけですけれども、その以前の問題として海上保安庁がやれなかったかどうかです。警察本部に対して千葉県知事からもその要請をしたところ、われわれの取り締まりの対象になる捜査権の発動については、海上保安庁が先に手を出した場合にはそれは海上保安庁がやるのだ、そういうしきたりになっておりますということの回答らしい。これは海上保安庁でなくて警察庁だったら、もっと早く原因追及をして公開捜査に踏み切ることができたと私は思う。そこに海上保安庁が疑惑を持たれる理由があるのではないかと私は思う。これが一つ。
 もう一つは、今回海上保安庁に対しても、実は友納知事から、「木更津市および袖ケ浦町地先のり養殖漁場への油流入事故に関する調査ならびに係官の派遣について」依頼をいたしました。「本事故については、十二月一日扇島シーバースに着桟中の明治海運株式会社所属明原丸への給油作業中の事故ときわめて密接な関係にあるものと判断されます。このため両事故の結びつきの重要な資料として本船に積載した当該重油を仕向地入港前に押収する必要があるので貴部係官の派遣を下記によりお願いします。なお、これについては本県係員一名を同行させます。」というお願いをいたしました。この前段のお願いは聞いてくれまして、係官を二名ペルシャ湾に対して御派遣をいただく、サウジアラビアのラスタヌラに御派遣をいただくとともに、海上保安庁の係官はただいまビザの申請中であるということであります。ただし、千葉県側の考えは、本県係員を一名同行させていただきたいということは、あなたのほうはそれが犯人であるかどうかを逮捕するほうですね。ところが、千葉県側は逮捕をした者との間でこの問題の処理をする側なんです。千葉県が連れていってもらいたいということを言っているのは、これは当然最後に裁判になります。そのときのために、現在船に積んである油そのものを参考資料としてとりたいからなんです。ところが、保安庁から返ってきた返事は、捜査に行く場合に第三者の介入は許さない、こういう回答をいただいているわけです。それならば、ひとつ飛行機の中で乗り合わしたということで今後の漁民のために一緒に連れていっていただけませんかということを言ったら、その場合については考えましょうという回答なんです。これだけの問題が起こって、この問題の処理に悩んでおる者が数多くあるときに——捜査上の秘密もわかります、また疑わしきは罰せずという論拠もわかります。しかし、問題を解決するために必要な資料を集めに行く、このことが捜査を妨害するものでも何でもないと私は思う。明治海運はこの問題について、油の中にしろうとの人が入ると電気とか磁気が起こって爆発する危険性があるから、それは御遠慮願いたいということで——同じようなことを明治海運にも出しているのです。あなた方を犯人と認めているのではありません、実際に関係があるかどうか調査をしたいので、海上保安庁ではこう言っておりまして参画はできませんから、明治海運の社長から船長に対して油を採取することをお許しいただきたいというお願いを出している。これに対しても断わりがきた。海上保安庁も断わってきた。長官、正しい捜査を行なうのに、第三者である善良な千葉県が、少なくとも海洋資源を守ることに忠実な千葉県の代表が、なぜ海上保安庁長官の派遣する者と一緒に同行することができないのですか。私は海上保安庁のその姿勢に疑問を感ぜざるを得ない。本来であれば、この問題については、千葉県が行くということではなしに、漁民の母であり父であるといわれている水産庁がむしろ海上保安庁に同行して、調査をするくらいの熱意を持っていただく性格のものだと思うのです。われわれが調査したように、海上保安庁はほんとうにそういう態度をお取り続けになっているのか。またこの問題については、今後も、捜査権の機密保持という観点から、日本の国会に了承していただいて派遣する者をも拒否されようとするのか。私は、このことについて長官の基本的な考え方を伺っておきたいと思います。
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手塚良成#15
○手塚政府委員 いろいろ具体的な内容を含めました御質問であったと思いますが、いろいろ民間から資料の提供をお求めになって、それが得られないという事態につきましては、これは県自体と民間との御関係であり、そのすべてを私どもが知っておるわけでもございませんので、民間の意向がどうであったかということは推測するにすぎません。それらについて私どもがとやかく言う筋はなかろうか、かように考えます。
 私どもは、本件が起こりまして直ちに捜査本部を千葉保安部に置き、さらに十三日には第三管区本部に統合捜査本部というのを置き、これはもっぱら法令違反被疑事件ということで捜査を開始し、本件を非常に重視いたしまして、いまのような態勢を次々にとっていった。捜査内容もきわめて広範で、第三管区本部の船艇十三隻、海上保安官百二十名という動員をし、現在捜査を継続しておるという段階でございます。これはもちろん、先生にお話しするまでもなく、やっております職員の身分といたしましては、司法警察職員というたてまえでやっております。
 中に、警察であったならばというお話がございましたが、私どもは警察ともびっしりと協定ができており、本件の捜査につきましても話し合いをいたしました。陸上関係については警察がやり、海上については海上保安庁がやるという、両者の部内的な話し合いではありますが、そういうたてまえで並行して、同じような立場において捜査をやってきたわけであります。
 そういう関係で、私どもはその間、全く渾身の努力を傾倒いたしまして今日まできておるわけでございますが、第二の派遣要請の問題につきましては、私どもとしましては、やはり捜査の独立性、機密保持というような一般捜査に関する原則に従い、また私ども自体、独力によって徹底的な捜査をしたい、こういう観点から、おそらく統合捜査本部におきまして、御要請に応じにくい、こういうお話をしたんであろうと考えております。私どもは、その捜査がかなり特殊な分野でございますので、そういった捜査一般ということに従ったやり方は今後においてもとっていかなければならぬというふうに考えるわけでございます。
 県自体としましては、民事上の問題として本件をいろいろ処理なさりたいというお気持ちは十分わかるわけでございます。そういう民事とわれわれのやります法令違反という刑事との関係におきまして、われわれ自体のやり方におきまして、いまの捜査の基本線で差しつかえのない範囲においてはおそらく御協力はできると思いますが、本件についての派遣という問題については、ただいま申し上げましたような線でおそらく本部長としてお断わり申し上げた、かように考えます。
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浜田幸一#16
○浜田委員 一般的な御答弁をいただいたわけでありますが、それでは具体的にお伺いをします。
 海洋汚染防止法の第四十二条、「(油による著しい汚染の防除のための財産の処分)海上保安庁長官は、本邦の沿岸海域において排出された著しく大量の油により海洋が著しく汚染され、当該汚染が広範囲の沿岸海域において、海洋環境の保全に著しい障害を及ぼし、人の健康を害し、財産に重大な損害を与え、若しくは事業活動を困難にし、又はこれらの障害が生ずるおそれがある場合において、緊急にこれらの障害を防止するため排出油の防除の措置を講ずる必要があると認めるときは、当該排出油の防除の措置を講ずるためやむを得ない限度において、当該排出された油が積載されていた船舶を破壊し、当該排出された油を焼却するほか、当該排出された油のある現場附近の海域にある財産の処分をすることができる。」とあります。私は法律の専門家ではありませんので、あなたと議論ができないかもしれませんけれども、この第四十二条の拡大解釈をしてみたいと思うのであります。
 疑わしきは罰せずということはわかりますけれども、この四十二条にあるとおり、「人の健康を害し、財産に重大な損害を与え、若しくは事業活動を困難」にした場合は、この船舶を破壊し、油を焼却するほか、財産を処分することができるとあります。それならば、なぜペルシャ湾に派遣する前に、この船に対して航行の停止を命じて、もし、まだ加害者ではないわけですからそれを命ずることができないならば協力を要請して、一日も早くその船の中に積んである油の調査をしようとしなかったのでしょうか。海上保安庁に御努力をいただいていることはわかりますけれども、それだけ努力をして、この問題の解決というよりも海洋汚染防止法をお守りになるという解釈であるならば、ペルシャ湾までわざわざ行く前に、一たん航行を停止して協力を要請して、要請してもできない場合は現地におもむくとか、こういう四十二条の拡大解釈の適用が私は海上保安庁のとるべき態度ではなかったのではないだろうかと考えますが、この点についてどうお考えになりますか。
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手塚良成#17
○手塚政府委員 これは、一つは事件の起こりました経過との関係があるわけでございまして、油が流出いたしたとわれわれが考えておりますのは一日の朝からであります。そこでこの船は三日に出帆をいたしております。この一日から三日までの間というのは、先ほど申し上げましたような二百六十六隻の調査あるいは最終的には三十九件にわたる関係の油の分析、そういうようなものをやっておりまして、いまの船との関連性というのは今日ほどまだ明白ではない。そういったもろもろの対象の一つにはなっておったと思いますが、今日ほどの関連性ではないという時期であったわけです。そこでそのままその船は出航をしてしまった、これは私はやむを得ないんではないかと考えます。ただ、これが出帆した後において、もう少し早くわかった時期に呼び戻したらどうだ、こういうことがあるかと思います。ただ、これを呼び戻すという権限につきましていろいろ法的なよりどころが必要であるわけですが、いま先生は四十二条の「(油による著しい汚染の防除のための財産の処分)」というところを御引用になったわけであります。この法律はむずかしい解釈問題は別といたしまして、これはきわめて緊急な際の財産の処分でございまして、きわめて緊急な、大量な、異例な時期にこういった船舶を破壊する、あるいは排出された油を焼却する、あるいは現場付近の海域にある財産の処分をする、こういうことができるという権限であります。
 具体的な事例でいいますと、五年前になりますか、イギリスの海浜におきまして、トリー・キャニヨンという船が大海難事故で油の大流出をやった際にイギリスの政府がとりました処置であります。ああいったような事態の際に政府がとった措置をわれわれとしても、日本政府としても、類似の場合にやり得るということをきめた内容であります。これからこういうことすらできるのであるから、呼び返すくらいわけないではないかというふうなあるいはお考えがあるかと思いますが、これはこういったきわめて限定された具体的な事態をきめておりまして、これからすべてそういったことが可能である、これは権威ある法律解釈としてむずかしいということになっております。
 その他そういった法律根拠等につきまして、私どもは実は研究をいたしましたし、関係のところに法律解釈等も問い合わせをいたしました。しかし、現段階におきましては、そういうことはむずかしいということで、結局私どものほうで先回りをして待ち受けるというていさいをとるということで、ただいま向こうに船が入港する前に係官が派遣できて、油その他についての調査あるいは必要なる尋問を可能にする、こういう手段をとりつつあるという状況でございます。
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浜田幸一#18
○浜田委員 いまの御説明をお聞きしますと、かりにそれが直接の加害者であったとしても、現在の海洋汚染防止法の範囲内においてはそういうものを強制捜査に踏み切る権限はないように私は受け取れるわけです。
 そこでお伺いしますが、あなたが海上保安庁長官としての権限の委任をしております。これは第五十三条に「この法律の規定により運輸大臣又は海上保安庁長官の権限に属する事項は、運輸省令で定めるところにより、海運局長又は管区海上保安本部長に行なわせることができる。」、運輸大臣もしくは海上保安庁長官が権限の委任をさせるということは、何の権限を委任をさせるということでありますか。この点についてお伺いをしておきます。
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手塚良成#19
○手塚政府委員 この法律の中で海上保安庁長官がいろいろやり得ることがきめてございます。いま御指摘になりました四十二条にも「海上保安庁長官は」と書いてありますし、その前段の四十一条、「(海上保安庁長官の措置に要した費用の負担)」というところにも書いてありますし、その前段の四十条、以上ずっとこの第六章に保安庁長官と書いてあります。そういった長官と書いてあります内容については、やはりそういう委任という問題が起こるというふうに考えます。
 それから、前段ちょっと誤解があるかとも思いますが、船の中についての強制捜査という問題については、これは私どもはできるということになっておりますので、今回行きました連中も、そういうことが可能である、また可能な措置をとって行かせるようにいたしております。
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浜田幸一#20
○浜田委員 それではまたもとに戻りますが、たとえば届け出の義務が明記されておりますね。油を流した場合、排出物を出した場合の届け出の義務、そのときに報告する者は、一体だれとだれの責任ということになっていますか。私が法律を一々読み上げなくても、お伺いしたほうが早いと思いますから……。
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手塚良成#21
○手塚政府委員 条文お持ちであればこの三十八条、上のほうからいきますと、「運輸省令で定める量以上の量の油の排出があったときは、次に掲げる者は、」途中ずっと抜かしますと、「海上保安庁の事務所に通報しなければならない。ただし、」かくかくの場合はこの限りでない、こう書いてありまして、その最初に一であげてありますのは、「当該排出された油が積載されていた船舶の船長又は」云々……
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浜田幸一#22
○浜田委員 そこまででけっこうです。そうすると、先ほど海上保安庁長官は一等航海士が報告をしたということになっておりますね。その場合、この一の「管理者」という形で解釈してよろしいでしょうか。
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手塚良成#23
○手塚政府委員 途中でやめてしまいましたが、二号のほうには「前号の船舶内にある者」というふうなことが一つの通報者にあげられております。これは乗り組み員ということになるかと思いますが、いまの一等航海士などが当直体制にあるような場合には、これまたその際における船長の一部の権限の代理ということもあり得るわけでございます。したがって、一等航海士が通報したということが、ここに書いてある船長ではないということから直ちに通報者が違反であるということになるかならないかは問題があると思います。
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浜田幸一#24
○浜田委員 そこで、きのう強制捜査に踏み切られたと思いますが、家宅捜査をやられましたね。私はその問題にまた戻さしていただきますが、まず第一にお伺いしたいことは、一等航海士が通報をしたときに船長はいたのかいないのか。これをひとつお伺いしておきます。船長がおられるならば、当然船長が報告すべきことなんですけれども、これは大事なことですから、お伺いしておきます。
 それからもう一つは、きのう捜査をしたのは鶴見輸送会社ですね、その鶴見輸送会社の調査によってどういうことが明確になったのか。また疑わしきは罰せずという態度をおとりになっているわけですけれども、たとえば海上保安庁の御説明ですと、そのときには二キロリットルの油を流したということを先ほど御説明になりました。数字は、誤っておればまた訂正さしていただきたいと思いますが、防止法の中ではっきりと、二年間なら二年間、給油の状況をはっきり明記して保存しておかなければならないということが定められておりますけれども、そういう状況の確認をされると同時に、実際に給油をした状況を捜査するにあたってどういう結果を海上保安庁は持たれたか。やっぱりこれが犯人だと思われたのかどうなのか。きのうきょうですから、もうそろそろはっきりしてもいいと思う。世界に冠たる海上保安庁が公開捜査に踏み切ったのですから、もう犯人であるのかどうかぐらいははっきりしていると思う。少なくとも新聞に出ている、排出された量と、実際に現場確認をやって流れたと思われる量との差は当然出てきていると思うのです。その辺のことについてお伺いをしたいと思います。
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手塚良成#25
○手塚政府委員 当該船に船長の在否につきましては、私の現在持っております手元の資料ではちょっと明確になっておりません。御必要とあれば、また後ほど調べて御連絡をいたします。
  〔委員長退席、島本委員長代理着席〕
ただ、かりに船長がいないという場合でありましても、先ほどちょっとことばが足らなかったかもしれませんが、船の場合にはそういう際には当然船内における序列によって船長の代理者というのが次々に自動的にきまっていくたてまえになっております。したがって、一等航海士というのは、やはりそういった序列の相当上のほうの序列になっておりますので、かりに船長がいなかったといたしました場合には、やはり一等航海士がそういう権限を持っておったというふうに理解できるかもしれない。その辺は、今後の捜査だと思います。
 それから昨日五時十五分に鶴見輸送をきっかけといたしまして、酒井海運と東亜燃料の三社につきまして、令状によるところの強制捜査というのをやりました。捜査の内容につきましては、時間的な関連もあり、これはそれこそいわゆる捜査一般ということでございますので、その中身を云々ということはただいまこの時点におきましては差し控えさせていただきたい。これらの三社が関連しております問題の焦点というのは何か。これらの連中がどういうことで捜査を受けるのかというのは、やはりいままで御説明申し上げた関係におきましておのずとおわかりになるかと思うわけです。
 鶴見輸送というのは明原丸自体に給油をするための会社であったわけです。酒井海運は東亜燃料の代理店であります。東亜燃料自体はバンカーオイルの提供者であります。こういう関係におきまして三社を強制捜査をした、こういうことであります。
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浜田幸一#26
○浜田委員 それではもう少し具体的な質問をさせていただきます。これはあくまでも現地調査に行かれるわけですから、その現地調査をされた場合の基準ですね。公開されると都合が悪いこともあるでしょうからそれはけっこうですが、たとえばきのうの捜査で、十万トン級の船、明原丸がどの程度油を給油されたか、これが一つです。これだけは報告されても別に秘密にすべきことではないでしょう、売る者があって買う者があるわけですから。これが一つ。
 それで、そのときに油の量はどの程度入ったかですね。いまあなた方が現地に直接に調査に行かれるそのサウジアラビアのラスタヌラ、ここまであの船が走っていった場合にどの程度油が燃焼されてなくなるものなのかですね。
  〔島本委員長代理退席、委員長着席〕
それから、残った油が幾らあるべきなのか。油が幾ら残っているかという調査をしていただけば、エンジンのぐあいもあるでしょうけれども、どこにも寄らずに普通何日間ということで航海をしていった場合には当然消費燃料というのはわかるわけですね。そうすると、そこから東京湾の中に排出されたといわれる油の量は、多少の誤差はあるにいたしましても、おのずから明確になってくると思うのです。
 そこで私はお伺いをしたいのですけれども、捜査に行かれる場合に、残った油の調査をどういう形でやられようとしておるのか。また入れた量は、きちんとした機械で入れているのですからわかっているのです。その点、私はここで参考として聞いておくのは、——いまのものは意見として聞いておいていただけばいいのですが、入れた量はどの程度か、これはひとつ資料があったら、私は御答弁は資料でいただきたい。これは千葉県がそういうことについて報告してくれと言ったら、報告してくれないのですよ。教えてくれないわけです。しかし、だれに教えることができなくても、千葉県知事にその会社が教えることができなくても、これは海上保安庁長官が国会の場で資料要求された場合には、断わる理由にはならないと思いますが、ひとつその資料をいただけるかどうか、御回答いただきたいと思います。
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手塚良成#27
○手塚政府委員 油をどれくらい給油したかという量の問題ですが、私どものいままで調べております観点は、先生のいまのお話の過程とは少し違っております。あまり具体的に申し上げることは控えさせていただきたいのですが、三十日の十時半から、燃料油、C重油の搭載を開始をしたわけです。そして、これはバンカーオイルを入れますタンクは二つあったと一応考えられます。その一つ、三千トンの一番タンクに積み込み中に漏油をしたというふうに一応考えております。漏油のしかたが、積み込みが終わっていたのかあるいは積み込み中に出たのか、それはいまいろいろ調査中であります。そういうことで、全体でどうであったかということを当然これは調べつつある状況でありますけれども、そういう過程の問題であるということがいえるのではなかろうかと思います。そういうことで、あるいは御推測が非常にむずかしいかもしれませんが、いまおっしゃるような数量の資料がほしいという点につきましては、しばらくお待ち願いたい。いま非常に微妙な段階になっておるわけでございまして、それは先生も御同様であろうと思いますが、やはり真正なる公正な結果を得たいというお気持ちは間違いないと思います。そういうものを私どもは得るべく最大の努力を払っておるわけでございまして、そういう真正さが阻害されるというようなことがかりに考えられるような場合には、やはり資料といえども御提出することは適当ではなかろうか、かように考えますので、お許しを願いたいと思います。
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浜田幸一#28
○浜田委員 それは信頼すべき海上保安庁長官の言うことでございますから、私も無理に資料提出を求めませんけれども、さかのぼってもう一つお伺いしますが、明治海運に対して千葉県側が要請したときに、これは民間ペースなのでわれわれが関知することではないという御答弁であったわけでありますが、海上保安庁は明治海運に対してどういう強力な要請を求めているのですか、その点をお伺いします。
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手塚良成#29
○手塚政府委員 一番求めておりますのは、当時の、油積み込み中の立ち会いの責任者、それを私どもは一応事情聴取をしたい。そのためにはその本人が現在乗り組み員の一員として航海中でありますので、向こうへ着き次第早急にこちらへ帰してもらいたい。そのためにはこちらからそれにかわるかわりの乗り組み員を送らなければならない、そういうものを送る手配をしてください、そういうことをいま要請いたしております。
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