浜田幸一の発言 (公害対策特別委員会)
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○浜田委員 いまの長官の御説明ですと、明原丸が正しい加害者であるという断定はできない、いまの段階は調査の段階であるということに理解をさしていただきたいと思うのです。
次に進ましていただきたいと思いますが、これはあなた方の真意ではないと思いますけれども、今回の捜査にあたって、海上保安庁はあまり乗り気でなかったということが出ているのです。これは「海上保安庁が再調査指示、犯人割出しに疑惑、資料拒む「三管本部」県は困惑」という題名なんです。ただし、その中でどういうことが取り上げられているかといいますと、三管本部そのものに県当局から資料要求をしたときに、その資料が出なかったということについてははっきり出ていませんが、私はこの問題で議論はいたしません。ただ、お伺いしたいことが一つありますから、これにははっきりお答えしてください。これが一番大きな重大な問題だと思います。
過般千葉県の友納知事は、その関係会社である鶴見輸送株式会社、これはきのうおたくのほうで捜査の手入れをされたところだと思います。これには十二月十二日の日付でこのような文面で出しております。
木更津市および袖ケ浦町地先のり養殖漁場への油流入事故に関する調査(照会)
昭和四十六年十二月四日木更津市および袖ケ浦地先のり漁場へ油が流入する事故がありましたが、その以前数日間の東京湾を航行中の船舶関係者等によりそれぞれ航行時の状況を聴取し、これを総合すると川崎市扇島シーバースにおける明原丸への燃油を給油中の油流出事故と極めて密接な関係があるものと判断されるので必要につき下記につき至急ご回報願います。
記
昭和四十六年十二月一日またはその直前において明治海運株式会社所属明原丸へ舶用燃油を供給したことに関し
一 この給油のために稼動した給油船の船名、所有者、住所、トン数、送油管の径、送油ポンプの能力
二 重油の供給を受けた会社名および供給年月日および数量
三 一に記した給油船が明原丸に給油した年月日、給油開始時刻、同終了時刻および数量
四 明原丸への給油中における油溢出事故の有無、有の場合その詳細について
十二月の十二日にこの文書を実は送りまして、そういう事実があったかどうか回答を求めたところ、これに対して、この会社からは何ら回答が出ておりません。
それからもう一つは、明治海運株式会社に対してであります。この文面を読んでおると長くなりますので、簡単に申し上げますと、明原丸のトン数とか船舶の所有者、氏名とか船舶運航者とか、これを雇っている者の住所、氏名あるいは用船期間、本船の航海の運航計画、こういうことについてまたお知らせをいただきたいということで問い合わせをしたら、これにも回答が全然出ておりません。
それからもう一つは、おたくのほうの調査ではどうなっているかわかりませんが、酒井海運株式会社というのがあります。この会社も明原丸に関連のある会社でありまするけれども、この会社に対してやはり同じものを出しております。ところが、これも回答をしてきておりません。とすると、あなた方がきのう捜査の手入れをした、捜査権を発動したということになれば、当然その会社には何かしら関係がある。油を流した船に対して給油をした会社だとか、雇っている会社だとか、何かしら関係があると思うのです。ところが、実際に東京湾の中にその油の被害がどうのこうのという以前の問題として、海洋汚染防止法の適用を受けるその会社が、千葉県知事に対して一切の回答をしないという姿勢については、私どもはどうしても納得できないのです。そしてまたおかしなことには、海上保安庁が、公害対策委員会を本日開く前のきのう十四日、回答も何もしない、われ全然関知せずという会社に対して手入れを行なっております。少なくとも千葉県が確認した段階の中においては、明原丸が確かにそういうことに関係があるという割り出しをしたのはきのうではなくて、もっと以前の問題だったと思うのです。十四日、問題が起こってから十日間後にこの問題で公開捜査ということになったわけですけれども、その以前の問題として海上保安庁がやれなかったかどうかです。警察本部に対して千葉県知事からもその要請をしたところ、われわれの取り締まりの対象になる捜査権の発動については、海上保安庁が先に手を出した場合にはそれは海上保安庁がやるのだ、そういうしきたりになっておりますということの回答らしい。これは海上保安庁でなくて警察庁だったら、もっと早く原因追及をして公開捜査に踏み切ることができたと私は思う。そこに海上保安庁が疑惑を持たれる理由があるのではないかと私は思う。これが一つ。
もう一つは、今回海上保安庁に対しても、実は友納知事から、「木更津市および袖ケ浦町地先のり養殖漁場への油流入事故に関する調査ならびに係官の派遣について」依頼をいたしました。「本事故については、十二月一日扇島シーバースに着桟中の明治海運株式会社所属明原丸への給油作業中の事故ときわめて密接な関係にあるものと判断されます。このため両事故の結びつきの重要な資料として本船に積載した当該重油を仕向地入港前に押収する必要があるので貴部係官の派遣を下記によりお願いします。なお、これについては本県係員一名を同行させます。」というお願いをいたしました。この前段のお願いは聞いてくれまして、係官を二名ペルシャ湾に対して御派遣をいただく、サウジアラビアのラスタヌラに御派遣をいただくとともに、海上保安庁の係官はただいまビザの申請中であるということであります。ただし、千葉県側の考えは、本県係員を一名同行させていただきたいということは、あなたのほうはそれが犯人であるかどうかを逮捕するほうですね。ところが、千葉県側は逮捕をした者との間でこの問題の処理をする側なんです。千葉県が連れていってもらいたいということを言っているのは、これは当然最後に裁判になります。そのときのために、現在船に積んである油そのものを参考資料としてとりたいからなんです。ところが、保安庁から返ってきた返事は、捜査に行く場合に第三者の介入は許さない、こういう回答をいただいているわけです。それならば、ひとつ飛行機の中で乗り合わしたということで今後の漁民のために一緒に連れていっていただけませんかということを言ったら、その場合については考えましょうという回答なんです。これだけの問題が起こって、この問題の処理に悩んでおる者が数多くあるときに——捜査上の秘密もわかります、また疑わしきは罰せずという論拠もわかります。しかし、問題を解決するために必要な資料を集めに行く、このことが捜査を妨害するものでも何でもないと私は思う。明治海運はこの問題について、油の中にしろうとの人が入ると電気とか磁気が起こって爆発する危険性があるから、それは御遠慮願いたいということで——同じようなことを明治海運にも出しているのです。あなた方を犯人と認めているのではありません、実際に関係があるかどうか調査をしたいので、海上保安庁ではこう言っておりまして参画はできませんから、明治海運の社長から船長に対して油を採取することをお許しいただきたいというお願いを出している。これに対しても断わりがきた。海上保安庁も断わってきた。長官、正しい捜査を行なうのに、第三者である善良な千葉県が、少なくとも海洋資源を守ることに忠実な千葉県の代表が、なぜ海上保安庁長官の派遣する者と一緒に同行することができないのですか。私は海上保安庁のその姿勢に疑問を感ぜざるを得ない。本来であれば、この問題については、千葉県が行くということではなしに、漁民の母であり父であるといわれている水産庁がむしろ海上保安庁に同行して、調査をするくらいの熱意を持っていただく性格のものだと思うのです。われわれが調査したように、海上保安庁はほんとうにそういう態度をお取り続けになっているのか。またこの問題については、今後も、捜査権の機密保持という観点から、日本の国会に了承していただいて派遣する者をも拒否されようとするのか。私は、このことについて長官の基本的な考え方を伺っておきたいと思います。