大石武一の発言 (公害対策及び環境保全特別委員会)

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○国務大臣(大石武一君) 日本の自然環境が、高度経済成長の考え方によりまして、無秩序な開発ということによりまして破壊されておりますことは、同じ御認識のことと思います。このような国土の自然をどうかして守りまして、われわれが先祖伝来伝えてこられたこの豊かな自然を、やはりりっぱに温存して子孫に伝えることが、われわれの重大な使命であるとも考えますし、また、いろいろと世界の心ある人々が考えておりますように、このように自然の復元力なり豊かな自然をこわしていきますと、近い将来には人類の運命に大きな影響があるだろうということを考えますと、やはりわれわれはどのようなことがあっても、できる限りの、秩序のない破壊からこの自然を守らねばならないと決意いたしております。
 そういう考えで、環境庁が昨年の七月発足いたしましたが、その発足の当時から、われわれは日本のこの自然をどうかして守っていかなければならない、秩序のない破壊から日本を守らぬばならないと決意いたしまして、当時からこのような日本の自然を守る一つの法律をつくることをわれわれは心がけて努力してまいりました。そのとき、いろんな考え方をわれわれも自分で述べたり、あるいはいろんな考え方が、変わったり、進歩したり、進んだりしてまいりました。しかし、日本の国土全土を、やはりこのような秩序あるものの考え方によって、自然の守り方によって、保護したり、利用したり、あるいは活用をしたりしなければならぬという方針のもとに、この法案をつくってまいったわけでございます。
 しかし、そのような大きな、日本の全国土を全部調整するような法律は、ちょっと半年や一年や二年ではこれはつくられません。いろいろな、ほかの省庁も言っておりますように、環境容量であるとか、環境のいろんな状態であるとか、そういうものを全地域にわたって調査しない限りは、確実なその利用のしかた、活用のしかたの基準ができないわけでございます。そういうことで、われわれはそういうことを考えまして、五年後あるいは六年後、七年後には、そのような国土を守るような、そのようなものの考え方にあるいは行政に到達いたしたいと考えておるわけでございますが、その前提として、やはり一つの日本の国土、自然というものを守ってまいる心がまえと、その一部の準備を始めなければならないと考えてまいりました。
 われわれはいろいろ努力してまいりまして、ことに自然保護局がほんとうに血の出るような努力をいたしまして、あの一月の末には、実は一ころ新聞その他に発表になりましたような、一つの構想を持った内容のものができたわけでございます。しかし御承知のように、法律をつくる場合には各省庁の理解と協力を得なければ、これを法律案にすることはできません。そういうことをわれわれは一月の末から、各役所とあらゆる努力をしてまいりましたが、なかなか思うような協調が得られませんで、ようやく五月になりまして、しかも国会がもう会期延長になるような間ぎわになりまして、ようやくほかの省庁との一応の了解がついたわけでございます。そこではじめて内閣の法制局において法案の審議に入ったわけでございますので、実は、会期延長になりましてからこの法律案が国会に提案されるようなことになりまして、非常に申しわけなく思っている次第でございますけれども、そのようないきさつがあったわけでございます。
 しかも、その他の官庁との折衝におきましては、われわれの、以前に考えた構想とはだいぶ後退したものになってしまいました。たとえば、自然公園法とこの新しいわれわれが考えておるいろいろな他の保存すべき地域との間に、二つのものになったんですね。実は一本すっきりしたものを考えておったわけでありますが、いろいろないきさつでこんなことになってしまったわけでございます。われわれも残念でございます。しかし御承知のように、現在の日本の国土の自然の破壊の現状を見ますと、一日もこれはほうっておくわけにいきません。たとえわずかな地域であっても、一本の木であっても、われわれは至急にこれを保存したい、守りたいという気持ちでいっぱいでございます。そういうことで、この法律案は非常に欠点だらけの、必ずしもわれわれの期待どおりのものではありませんけれども、これでもある程度の日本の地域が守り得ると思います。
 でありますから、とりあえずこういうものでもとにかく早く法律にいたしまして、これを武器として日本の国土を少しでも守ってまいりたい、緑を少しでも守っていきたい、そうして、できるだけ早い機会にこの内容を充実して、三年、五年、七年の間には、われわれが理想としております日本の全国土に対する、日本の正しい国土の自然を守り得るような行政までこれを高めていきたいと、こういう望みを、悲願を持ちまして、あえて欠点があると知りながら、しかも御審議をいただく時間的な余裕の非常に少ないことをあえて知りながら、御無理をお願いした次第であります。そういう気持ちでおりますので、その点を十分御認識、御了承いただきたいと思う次第でございます。

発言情報

speech_id: 106814205X01019720616_135

発言者: 大石武一

speaker_id: 23383

日付: 1972-06-16

院: 参議院

会議名: 公害対策及び環境保全特別委員会