公害対策及び環境保全特別委員会
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会
会議録情報#0
昭和四十七年六月十六日(金曜日)
午後二時十七分開会
—————————————
委員の異動
六月十五日
辞任 補欠選任
加瀬 完君 杉原 一雄君
六月十六日
辞任 補欠選任
杉原 一雄君 大矢 正君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 加藤シヅエ君
委員長 大矢 正君
理 事
金井 元彦君
矢野 登君
伊部 真君
内田 善利君
委 員
青木 一男君
田口長治郎君
高橋雄之助君
寺本 広作君
原 文兵衛君
安井 謙君
渡辺一太郎君
茜ケ久保重光君
占部 秀男君
杉原 一雄君
栗林 卓司君
加藤 進君
衆議院議員
公害対策並びに
環境保全特別委
員長代理理事 山本 幸雄君
国務大臣
国 務 大 臣 大石 武一君
政府委員
経済企画庁総合
開発局長 岡部 保君
環境庁企画調整
局長 船後 正道君
環境庁自然保護
局長 首尾木 一君
林野庁長官 福田 省一君
建設省大臣官房
審議官 小林 忠雄君
建設省河川局次
長 川田 陽吉君
衆議院法制局側
衆議院法制局第
一部長 川口 頼好君
説明員
法務省民事局参
事官 古館 清吾君
農林省農政局参
事官 松元 威雄君
農林省農政局参
事官 川田 則雄君
通商産業省公害
保安局参事官 森口 八郎君
通商産業省鉱山
石炭局鉱業課長 佐藤淳一郎君
—————————————
本日の会議に付した案件
○大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○自然環境保全法案(内閣提出、衆議院送付)
○狩猟者団体法制定に関する請願(第七号)(第
一五号)(第二七号)(第四五号)(第五八
号)(第六三号)(第六四号)(第七七号)
(第八〇号)(第八二号)(第八三号)(第八
四号)(第八七号)(第九五号)(第九六号)
(第九七号)(第一〇二号)(第一〇三号)
(第一〇四号)(第一〇八号)(第一二一号)
(第一二二号)(第一二三号)(第一二四号)
(第一四八号)(第一四九号)(第一五七号)
(第一五八号)(第一六九号)(第一七三号)
(第一七五号)(第一九一号)(第一九二号)
(第一九四号)(第一九五号)(第二〇一号)
(第二一三号)(第二一五号)(第二一七号)
(第二一九号)(第二二〇号)(第二二四号)
(第二二五号)(第二二六号)(第二二七号)
(第二二八号)(第二二九号)(第二三二号)
(第二三三号)(第二三六号)(第二三七号)
(第二五四号)(第二五五号)(第二五六号)
(第二五七号)(第二六七号)(第二六八号)
(第二六九号)(第二九一号)(第二九八号)
(第三〇三号)(第三〇四号)(第三〇五号)
(第三一六号)(第三三九号)(第三四六号)
(第三四七号)(第三五四号)(第三五五号)
(第三五六号)(第三五七号)(第三六〇号)
(第三七四号)(第三八〇号)(第三八一号)
(第四二三号)(第四六四号)(第四六五号)
(第四六六号)(第四七八号)(第四八五号)
(第四八六号)(第五一〇号)(第五一二号)
(第五七四号)(第五七五号)(第六一六号)
(第六二五号)(第六二六号)(第六四九号)
(第六六〇号)(第六六一号)(第七二六号)
(第七五七号)(第七六四号)(第八〇二号)
(第八〇三号)(第八三九号)(第八四〇号)
(第八六〇号)(第八九四号)(第八九五号)
(第九一五号)(第一〇四三号)(第一〇六九
号)(第一〇八三号)(第一〇九七号)(第一
〇九八号)(第一〇九九号)(第一一〇〇号)
(第一一〇一号)(第一一一四号)(第一一五
四号)(第一一九〇号)(第一二〇八号)(第
一二一五号)(第一二二一号)(第一二八五
号)(第一二九七号)(第一三〇六号)(第一
三七三号)(第一三八九号)(第一五二〇号)
(第一五五一号)(第一五五七号)(第一六一
四号)(第一七六九号)(第一七八六号)(第
一八六五号)(第一九二五号)(第二〇四五
号)(第二三六六号)(第二六六六号)
○瀬戸内海の環境保全に関する請願(第一五〇四
号)
○名古屋港西五区の渡り鳥渡来地保存に関する請
願(第一九四七号)(第一九七三号)(第二一
六七号)(第二一六八号)
○自然保護のため山梨県連峰スカイライン建設計
画の中止に関する請願(第二一六五号)(第二
五五〇号)(第二五五一号)(第二五五二号)
(第二六二二号)(第二六四一号)(第二六四
二号)(第二六四三号)(第二六五五号)(第
二七七六号)(第二七七七号)(第二八〇二
号)
○石鎚山系の自然保全に関する請願(第二一六九
号)(第二二三八号)(第二二三九号)(第二
二四〇号)(第二二四一号)(第二二四二号)
(第二二四三号)(第二三〇二号)(第二三四
二号)
○東京湾の干潟保護に関する請願(第三〇二六
号)(第三〇二七号)(第三〇二八号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
○特別委員長の辞任及び補欠選任の件
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この発言だけを見る →午後二時十七分開会
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委員の異動
六月十五日
辞任 補欠選任
加瀬 完君 杉原 一雄君
六月十六日
辞任 補欠選任
杉原 一雄君 大矢 正君
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出席者は左のとおり。
委員長 加藤シヅエ君
委員長 大矢 正君
理 事
金井 元彦君
矢野 登君
伊部 真君
内田 善利君
委 員
青木 一男君
田口長治郎君
高橋雄之助君
寺本 広作君
原 文兵衛君
安井 謙君
渡辺一太郎君
茜ケ久保重光君
占部 秀男君
杉原 一雄君
栗林 卓司君
加藤 進君
衆議院議員
公害対策並びに
環境保全特別委
員長代理理事 山本 幸雄君
国務大臣
国 務 大 臣 大石 武一君
政府委員
経済企画庁総合
開発局長 岡部 保君
環境庁企画調整
局長 船後 正道君
環境庁自然保護
局長 首尾木 一君
林野庁長官 福田 省一君
建設省大臣官房
審議官 小林 忠雄君
建設省河川局次
長 川田 陽吉君
衆議院法制局側
衆議院法制局第
一部長 川口 頼好君
説明員
法務省民事局参
事官 古館 清吾君
農林省農政局参
事官 松元 威雄君
農林省農政局参
事官 川田 則雄君
通商産業省公害
保安局参事官 森口 八郎君
通商産業省鉱山
石炭局鉱業課長 佐藤淳一郎君
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本日の会議に付した案件
○大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○自然環境保全法案(内閣提出、衆議院送付)
○狩猟者団体法制定に関する請願(第七号)(第
一五号)(第二七号)(第四五号)(第五八
号)(第六三号)(第六四号)(第七七号)
(第八〇号)(第八二号)(第八三号)(第八
四号)(第八七号)(第九五号)(第九六号)
(第九七号)(第一〇二号)(第一〇三号)
(第一〇四号)(第一〇八号)(第一二一号)
(第一二二号)(第一二三号)(第一二四号)
(第一四八号)(第一四九号)(第一五七号)
(第一五八号)(第一六九号)(第一七三号)
(第一七五号)(第一九一号)(第一九二号)
(第一九四号)(第一九五号)(第二〇一号)
(第二一三号)(第二一五号)(第二一七号)
(第二一九号)(第二二〇号)(第二二四号)
(第二二五号)(第二二六号)(第二二七号)
(第二二八号)(第二二九号)(第二三二号)
(第二三三号)(第二三六号)(第二三七号)
(第二五四号)(第二五五号)(第二五六号)
(第二五七号)(第二六七号)(第二六八号)
(第二六九号)(第二九一号)(第二九八号)
(第三〇三号)(第三〇四号)(第三〇五号)
(第三一六号)(第三三九号)(第三四六号)
(第三四七号)(第三五四号)(第三五五号)
(第三五六号)(第三五七号)(第三六〇号)
(第三七四号)(第三八〇号)(第三八一号)
(第四二三号)(第四六四号)(第四六五号)
(第四六六号)(第四七八号)(第四八五号)
(第四八六号)(第五一〇号)(第五一二号)
(第五七四号)(第五七五号)(第六一六号)
(第六二五号)(第六二六号)(第六四九号)
(第六六〇号)(第六六一号)(第七二六号)
(第七五七号)(第七六四号)(第八〇二号)
(第八〇三号)(第八三九号)(第八四〇号)
(第八六〇号)(第八九四号)(第八九五号)
(第九一五号)(第一〇四三号)(第一〇六九
号)(第一〇八三号)(第一〇九七号)(第一
〇九八号)(第一〇九九号)(第一一〇〇号)
(第一一〇一号)(第一一一四号)(第一一五
四号)(第一一九〇号)(第一二〇八号)(第
一二一五号)(第一二二一号)(第一二八五
号)(第一二九七号)(第一三〇六号)(第一
三七三号)(第一三八九号)(第一五二〇号)
(第一五五一号)(第一五五七号)(第一六一
四号)(第一七六九号)(第一七八六号)(第
一八六五号)(第一九二五号)(第二〇四五
号)(第二三六六号)(第二六六六号)
○瀬戸内海の環境保全に関する請願(第一五〇四
号)
○名古屋港西五区の渡り鳥渡来地保存に関する請
願(第一九四七号)(第一九七三号)(第二一
六七号)(第二一六八号)
○自然保護のため山梨県連峰スカイライン建設計
画の中止に関する請願(第二一六五号)(第二
五五〇号)(第二五五一号)(第二五五二号)
(第二六二二号)(第二六四一号)(第二六四
二号)(第二六四三号)(第二六五五号)(第
二七七六号)(第二七七七号)(第二八〇二
号)
○石鎚山系の自然保全に関する請願(第二一六九
号)(第二二三八号)(第二二三九号)(第二
二四〇号)(第二二四一号)(第二二四二号)
(第二二四三号)(第二三〇二号)(第二三四
二号)
○東京湾の干潟保護に関する請願(第三〇二六
号)(第三〇二七号)(第三〇二八号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
○特別委員長の辞任及び補欠選任の件
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加
加藤シヅエ#1
○委員長(加藤シヅエ君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
昨十五日、加瀬完君が委員を辞任され、杉原一雄君がその補欠として選任されました。
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この発言だけを見る →まず、委員の異動について御報告いたします。
昨十五日、加瀬完君が委員を辞任され、杉原一雄君がその補欠として選任されました。
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加
加藤シヅエ#2
○委員長(加藤シヅエ君) 大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続き質疑を行ないます。
質疑のある方は順次御発言を願います。
この発言だけを見る →前回に引き続き質疑を行ないます。
質疑のある方は順次御発言を願います。
寺
寺本廣作#3
○寺本広作君 短い期間の間に、いわゆる公害の無過失損害賠償責任法案をまとめられるのは、さだめし御苦労であったと存じます。大石長官の御努力に敬意を表したいと思います。
問題としては、大気汚染、水質汚濁に範囲を限られたことであるとか、原因についての因果関係の推定が入っておらぬとかいって、だいぶ問題が残っておるようではございますけれども、私は、自分で工場における労働災害の無過失損害賠償を手がけたことがございますが、工場での、労働災害についての無過失損害賠償の制度を工場法に取り入れるまでは、明治以来、ずいぶん長い間の歴史がございます。それに比べると、今度は非常に短い期間にこれだけまとめられたということは、非常にこれは公害立法の上にやっぱり一つの時期を画することであって、大石長官の御功績だと存じております。そういうことでもございますし、会期もきょう一日ということでございますから、本来であれば、質問をせずに、これは無条件で賛成したほうがいいとも考えましたけれども、実は昨年の八月、水俣病の認定についての行政不服審査の決定にあたりまして、私はこの委員会で長官に二、三の質問をいたしました。その関係と、今度の衆議院での修正部分がどういうふうに運用されていくかということで、やはり関係の人たちは非常に聞きたがっているだろうと思いますので、その点をただしておきたいと思いますから、お許しいただきたいと思います。
昨年の八月、水俣病の認定について、認定基準を緩和して、できるだけ多くの人たちが被害者救済の恩典にあずかれるようにという、大石長官の温情ある御決定がございました。あれ以来現地では、従来であれば視力障害であるとか、歩行困難であるとか、運動障害であるとか、いわゆる有機水銀中毒に随伴するいろいろな徴候、ハンターラッセル症候群といっているそうですが、そういうものがそろっておる人を患者として認定するということでございましたが、昨年の八月の環境庁通達以来は、そういう徴候が全部そろわぬでも、一つでもあれば、それが水俣湾の魚介類の摂取との関係が明らかであれば、患者として認定するようにという通牒が出まして、あれ以来、新たな患者がずいぶんたくさんいまなお認定されつつございます。この事態、新たな患者が認定されるという事態は、この法律が施行になりましたあともおそらく続くと思います。この法律が、十月一日から施行する、こうなっておりますが、十月一日以降も新たな患者の認定は続くものと、こう思います。
そこで、衆議院修正の部分でございますが、政府原案にはなかったわけですけれども、経過措置として、「改正後の水質汚濁防止法第四章の規定は、この法律の施行後に生ずる損害について適用する。」、こうなっております。「施行後に生ずる損害について適用する。」と、こうありますが、水俣病のような病気でございますから、いきなり突発的に出るということでなく、長い間、汚染された魚介類を摂取しておる間に、有機水銀が蓄積されてこういう症状が出てくる、損害が出てくると思います。実際、あの認定を見ておりましても、いつ発生したということは認定の中に入っておりませんので、やはり水俣病だということを認定した時期に損害が発生したものだと、こう思われます。そこで、そこの法律解釈ですね、これは「法律の施行後に生ずる損害」というのは……。
この発言だけを見る →問題としては、大気汚染、水質汚濁に範囲を限られたことであるとか、原因についての因果関係の推定が入っておらぬとかいって、だいぶ問題が残っておるようではございますけれども、私は、自分で工場における労働災害の無過失損害賠償を手がけたことがございますが、工場での、労働災害についての無過失損害賠償の制度を工場法に取り入れるまでは、明治以来、ずいぶん長い間の歴史がございます。それに比べると、今度は非常に短い期間にこれだけまとめられたということは、非常にこれは公害立法の上にやっぱり一つの時期を画することであって、大石長官の御功績だと存じております。そういうことでもございますし、会期もきょう一日ということでございますから、本来であれば、質問をせずに、これは無条件で賛成したほうがいいとも考えましたけれども、実は昨年の八月、水俣病の認定についての行政不服審査の決定にあたりまして、私はこの委員会で長官に二、三の質問をいたしました。その関係と、今度の衆議院での修正部分がどういうふうに運用されていくかということで、やはり関係の人たちは非常に聞きたがっているだろうと思いますので、その点をただしておきたいと思いますから、お許しいただきたいと思います。
昨年の八月、水俣病の認定について、認定基準を緩和して、できるだけ多くの人たちが被害者救済の恩典にあずかれるようにという、大石長官の温情ある御決定がございました。あれ以来現地では、従来であれば視力障害であるとか、歩行困難であるとか、運動障害であるとか、いわゆる有機水銀中毒に随伴するいろいろな徴候、ハンターラッセル症候群といっているそうですが、そういうものがそろっておる人を患者として認定するということでございましたが、昨年の八月の環境庁通達以来は、そういう徴候が全部そろわぬでも、一つでもあれば、それが水俣湾の魚介類の摂取との関係が明らかであれば、患者として認定するようにという通牒が出まして、あれ以来、新たな患者がずいぶんたくさんいまなお認定されつつございます。この事態、新たな患者が認定されるという事態は、この法律が施行になりましたあともおそらく続くと思います。この法律が、十月一日から施行する、こうなっておりますが、十月一日以降も新たな患者の認定は続くものと、こう思います。
そこで、衆議院修正の部分でございますが、政府原案にはなかったわけですけれども、経過措置として、「改正後の水質汚濁防止法第四章の規定は、この法律の施行後に生ずる損害について適用する。」、こうなっております。「施行後に生ずる損害について適用する。」と、こうありますが、水俣病のような病気でございますから、いきなり突発的に出るということでなく、長い間、汚染された魚介類を摂取しておる間に、有機水銀が蓄積されてこういう症状が出てくる、損害が出てくると思います。実際、あの認定を見ておりましても、いつ発生したということは認定の中に入っておりませんので、やはり水俣病だということを認定した時期に損害が発生したものだと、こう思われます。そこで、そこの法律解釈ですね、これは「法律の施行後に生ずる損害」というのは……。
大
寺
寺本廣作#5
○寺本広作君 それでは、大臣でないと答えられぬ部分は留保さしていただきたいと思いますので、そのつもりでお答えをいただきたいと思います。
そこで、この法律を運用する上で、「法律の施行後に生ずる損害」というのは、認定時期をさすものと理解していいかどうか、その点について伺いたい。
この発言だけを見る →そこで、この法律を運用する上で、「法律の施行後に生ずる損害」というのは、認定時期をさすものと理解していいかどうか、その点について伺いたい。
川
川口頼好#6
○衆議院法制局参事(川口頼好君) ただいまの御質問の部分は、具体的には非常に微妙な問題が多々あるかと考えております。
そこでこの問題は、裁判所はもちろんのこと、政府で一種の公定解釈というふうなものが、いずれいろんなケースについて具体化されることだと思うのでありまするが、実を申しますと、衆議院段階では、この修正に関連しただけのことを私が申しますと、そういう話が重点になりませんで、いま先生御指摘の部分があまり重点になりませんで、事修正に関する限りは、むしろ原因行為、つまり排出行為でございますね、工場からいろいろ有毒物質が排出される、その排出の時期、御承知のようにその部分に議論が集中いたしまして、そこで、たとえて申しますと病気の、医学的にはいろいろな原因がずっと前から発生しておったらしい、しかし、それがはっきりと医学的に認定されるという時期はこの法律施行後の事態であったというふうな事柄は、私と政府側と意見が食い違いましたからまたこれは迷惑をかける趣旨じゃございませんが、私の考え方では、そういう場合でも、「この法律の施行後に生ずる損害」というので読めるのじゃないかというふうな感じをもって立案をいたしました。しかしこの問題は、ここだけの話に限りますが、あらゆる法律で、実は労働者災害補償法とかその他の関係でも同様な問題がございまして、御参考までに申し上げますと、その部分について、ある程度の時期の判定につきましての基準みたいなものができているように伺っております。
私から、あまり確定的な意見を申し上げることは、控えさせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →そこでこの問題は、裁判所はもちろんのこと、政府で一種の公定解釈というふうなものが、いずれいろんなケースについて具体化されることだと思うのでありまするが、実を申しますと、衆議院段階では、この修正に関連しただけのことを私が申しますと、そういう話が重点になりませんで、いま先生御指摘の部分があまり重点になりませんで、事修正に関する限りは、むしろ原因行為、つまり排出行為でございますね、工場からいろいろ有毒物質が排出される、その排出の時期、御承知のようにその部分に議論が集中いたしまして、そこで、たとえて申しますと病気の、医学的にはいろいろな原因がずっと前から発生しておったらしい、しかし、それがはっきりと医学的に認定されるという時期はこの法律施行後の事態であったというふうな事柄は、私と政府側と意見が食い違いましたからまたこれは迷惑をかける趣旨じゃございませんが、私の考え方では、そういう場合でも、「この法律の施行後に生ずる損害」というので読めるのじゃないかというふうな感じをもって立案をいたしました。しかしこの問題は、ここだけの話に限りますが、あらゆる法律で、実は労働者災害補償法とかその他の関係でも同様な問題がございまして、御参考までに申し上げますと、その部分について、ある程度の時期の判定につきましての基準みたいなものができているように伺っております。
私から、あまり確定的な意見を申し上げることは、控えさせていただきたいと思います。
寺
寺本廣作#7
○寺本広作君 非常にあいまいな御答弁をいただいたわけでございますが、患者本人にとっては、非常にこれは問題だと思うんですよ。ことしの十月一日までに認定を申請するか、十月一日を過ぎて認定するか。損害賠償を受けられるか受けられぬかということは、実は故意過失の立証ができるかどうかということにかかるわけですよ。故意過失が事業主側にあったということを立証するということは、非常に困難です。それで患者としては、必ずこれはその認定を受けた時期が損害の生じた時期だということになれば、いまから申請は見合わして、十月一日以降に持ち込むだろうと思うんですよ。そこいらのところをあいまいにしておくと、これは非常に立法者としての手落ちになると思う。だから解釈を明確にしておかぬと、この法律に賛成ができぬと思うんですがね、どうですか。
この発言だけを見る →川
川口頼好#8
○衆議院法制局参事(川口頼好君) きょうたまたま衆議院の議員さんもいらっしゃいませんので、私の、法律家としての一定のそういう意味の考え方は持っておりますが、これは事柄が非延に微妙で、かつ重大でございますので、その部分は、申しわけありませんが、政府側のその問題についての解釈ということでお願いをいたしたい。と申しますのは、これが、衆議院での論議がその部分に突っ込んでなされておりまして、それに私が介入しておりましたら、お話し申し上げてもいいのでありますが、私がさっき申し上げたような事情でありまして、ちょっと遠慮を申し上げたほうがよろしいかと考えております。
この発言だけを見る →寺
船
船後正道#10
○政府委員(船後正道君) まず、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法の認定と、この民事上の損害賠償の関係でございますが、これは原則といたしまして関係はございませんが、また、認定のときというものも、これはあくまでも行政上の特別措置法の運用の問題でございまして、民事上の損害発生のときと関係はございません。
それから次に、無過失責任の損害の発生の時期でございますが、これは私ども一般論といたしまして、被害者が立証すべきものと考えております。その損害が、法施行後に生ずるものであるかどうかという点につきましては、これは、損害は一瞬にして発生するわけのものではございませんので、御指摘の水俣病に限らず、一般の疾病による損害につきましても、あるいは物質的損害につきましても、損害の発生の時期というものはケース・バイ・ケースに決定されるべきものであると、かように考えております。
この発言だけを見る →それから次に、無過失責任の損害の発生の時期でございますが、これは私ども一般論といたしまして、被害者が立証すべきものと考えております。その損害が、法施行後に生ずるものであるかどうかという点につきましては、これは、損害は一瞬にして発生するわけのものではございませんので、御指摘の水俣病に限らず、一般の疾病による損害につきましても、あるいは物質的損害につきましても、損害の発生の時期というものはケース・バイ・ケースに決定されるべきものであると、かように考えております。
寺
寺本廣作#11
○寺本広作君 法改正後に生ずる損害、それは原告側において立証責任がある、こういうことでございます。しかし、自分の病気がいつ発生したかということは、医者がこれを決定するものでございまして、なかなか原告側が自分で立証するということは困難であろうと思います。いま企画調整局長から、公害による健康被害者の救済に関する法律と損害賠償は別だと、こういう答弁がありました。この点は非常にやはり問題だと思います。
昨年八月、環境庁の次官の通牒が出ましたとき、私はその点を指摘しておきました。水俣病に二種類あるのか。健康被害者の救済に関する水俣病と、損害賠償の対象たる水俣病と、水俣病に二種類あるのか。それは別個のものだという通牒に書いてあったことは、むしろ書かぬほうがよかったろうということをその際指摘しておきました。これはやはり、この水俣病の概念が二つあるということは、非常に問題だと思います。せっかく大石長官が、水俣病の定義を広げて認定された、しかし、それは損害賠償は受けられぬ、これでは、まさに仏つくって魂入れずというか、竜を描いて目玉を入れぬようなやり方じゃなかろうか、こう思います。
この法律の適用が受けられると、患者は非常に簡単に、事業主の故意過失を立証せずに損害賠償を受けられるから、おそらく水俣病の認定を受けた、この被害者救済法の認定を受けた者は、民事上の賠償を受けられるようになると思います。ところが、この法律を見ていると、その認定の時期もはっきりせぬ、発生の時期も、損害の生じた時期についてもはっきりせぬ。自分で立証せんならぬ。その上、ただし書きがついておりますが、ただし書きには、これは衆議院の修正で、被害者が立証をしなければならぬのが政府原案であったのに、衆議院の修正によると、事業主のほうに本法施行前の排出であることの立証責任が転換されております。その点は非常に被害者に有利のように見えますが、チッソのような会社で、現にもう製造をやめてしまっている、そして廃液も出ないように処分しておるということになると、本法施行前に廃液が出たものであるということを立証することは非常にたやすいことであって、患者としては、せっかく本法施行後に認定を受けたということで本法の保護を受けられるように見えますけれども、実際は実益はちっともない、こういうことになろうかと思います。
いまの水俣のように、製造をもうやめてしまった、廃液も処分してしまったというような場合には、本法施行後認定された患者でも、この法律の保護を受けられるものか、受けられぬものか。衆議院法制局はどういうふうに解釈しておられるか、ちょっとお伺いしたい。
この発言だけを見る →昨年八月、環境庁の次官の通牒が出ましたとき、私はその点を指摘しておきました。水俣病に二種類あるのか。健康被害者の救済に関する水俣病と、損害賠償の対象たる水俣病と、水俣病に二種類あるのか。それは別個のものだという通牒に書いてあったことは、むしろ書かぬほうがよかったろうということをその際指摘しておきました。これはやはり、この水俣病の概念が二つあるということは、非常に問題だと思います。せっかく大石長官が、水俣病の定義を広げて認定された、しかし、それは損害賠償は受けられぬ、これでは、まさに仏つくって魂入れずというか、竜を描いて目玉を入れぬようなやり方じゃなかろうか、こう思います。
この法律の適用が受けられると、患者は非常に簡単に、事業主の故意過失を立証せずに損害賠償を受けられるから、おそらく水俣病の認定を受けた、この被害者救済法の認定を受けた者は、民事上の賠償を受けられるようになると思います。ところが、この法律を見ていると、その認定の時期もはっきりせぬ、発生の時期も、損害の生じた時期についてもはっきりせぬ。自分で立証せんならぬ。その上、ただし書きがついておりますが、ただし書きには、これは衆議院の修正で、被害者が立証をしなければならぬのが政府原案であったのに、衆議院の修正によると、事業主のほうに本法施行前の排出であることの立証責任が転換されております。その点は非常に被害者に有利のように見えますが、チッソのような会社で、現にもう製造をやめてしまっている、そして廃液も出ないように処分しておるということになると、本法施行前に廃液が出たものであるということを立証することは非常にたやすいことであって、患者としては、せっかく本法施行後に認定を受けたということで本法の保護を受けられるように見えますけれども、実際は実益はちっともない、こういうことになろうかと思います。
いまの水俣のように、製造をもうやめてしまった、廃液も処分してしまったというような場合には、本法施行後認定された患者でも、この法律の保護を受けられるものか、受けられぬものか。衆議院法制局はどういうふうに解釈しておられるか、ちょっとお伺いしたい。
川
川口頼好#12
○衆議院法制局参事(川口頼好君) 先ほど政府のほうから、行政的な認定という話と、それから裁判上、つまりこの法律施行後に生ずる損害の客観的な解釈がどうなるかという話とは、論理的には関連がないというふうな趣旨の御答弁がありましたが、私も同様にその辺は考えております。
したがいまして、やや突っ込み過ぎるかもしれませんが、病気というのは、まあ私ども医者じゃございませんけれども、何か、ある日まで何もなくて、ある日突如としてぽっと出てくるというふうなケースは、あまりないだろうと思うのでありまして、むしろ非常に長い経過を経て、医学的にいうと、ずっとからだの中にそういう将来の危険性をはらんでいて、それがある時期に、非常に明瞭な形でこれは病気だというふうな形になるのだろうと想像するわけでございまして、そういったデリケートな部分の認定につきましては、個々のケースによりまして、裁判官が、その「生ずる」というのは、なにも病源が、病気の本源的な源が将来生ずると機械的に解釈する必要はないのでありますから、御要望の向きに一〇〇%報いられるかどうかは申し上げられませんけれども、そのような弾力的な解釈でおそらく裁判所はしてくるであろうというふうに考えております。
この発言だけを見る →したがいまして、やや突っ込み過ぎるかもしれませんが、病気というのは、まあ私ども医者じゃございませんけれども、何か、ある日まで何もなくて、ある日突如としてぽっと出てくるというふうなケースは、あまりないだろうと思うのでありまして、むしろ非常に長い経過を経て、医学的にいうと、ずっとからだの中にそういう将来の危険性をはらんでいて、それがある時期に、非常に明瞭な形でこれは病気だというふうな形になるのだろうと想像するわけでございまして、そういったデリケートな部分の認定につきましては、個々のケースによりまして、裁判官が、その「生ずる」というのは、なにも病源が、病気の本源的な源が将来生ずると機械的に解釈する必要はないのでありますから、御要望の向きに一〇〇%報いられるかどうかは申し上げられませんけれども、そのような弾力的な解釈でおそらく裁判所はしてくるであろうというふうに考えております。
寺
寺本廣作#13
○寺本広作君 だんだんと、衆議院の法制局の答弁と政府の環境庁の答弁が歩み寄ってきたように思います。水俣病患者であるという認定と、損害賠償ということは別個のものだ、水俣病の認定というのは公害による健康被害者救済法の認定であって、この民法の特例である損害賠償とは別個の問題だ、こういう答弁のようでございますが、その考え方は、昨年の八月の環境庁次官通牒以来一貫していると思います。しかし、現実には、なかなかそういうふうにはなっておらぬというのが、ほんとうだと思うのです。
というのは、損害賠償を求めるのには、現在では裁判所に訴え出るか、直接当事者と交渉するか、または中央公害審査委員会に持ち出すか、この三つの方法しかないと思います。当事者同士で交渉する場合には、故意過失の立証というのは、そう大きな要件にならぬで片づくと思います。裁判所に出れば、故意過失の立証、こういうものは絶対な要件になってくる。中央公害審査委員会に持ち出しても、おそらく故意過失ということを相当問われるのではないかと思います。これは厚生省の時代に厚生省に設けられました千種委員会での調停を見ておりましても、故意過失の立証がないまま調停しておられるので、裁判の場合より幾らか手ぬるいと言いますか、非常に不十分だという世間の非難を受けた。ああいう調停が出た原因は、故意過失の立証が非常に不十分であったということに原因があると思います。
水俣病でも、阿賀野川の事件でいいますと、これはすでに水俣で有機水銀が、無機水銀が有機水銀に変わり、その有機水銀が魚介類を経て人間に入ってくる、その関連、メカニズムが立証されたあとでありますから、裁判所が、事業主にそういうことのないように注意する義務がある、注意義務の推定を裁判所がやって、そして事業主の過失責任が問われて過失賠償がきまったと思うのです。ところが、そのような科学的な事実が立証される前の水俣病、それがいま問題になっている水俣病だと思います。そういう水俣病について、裁判所がそういう事業主の過失責任を推定したという事実がありません。前例がないわけです。この法律で、その病気の発生時期のことも書かなければならぬし、それから会社側にとっては、この法律施行前に製造はやめたのだというようなことで、いとも反証が楽である。裁判所に持ち出すのには、裁判所では、いま申しましたとおり無機水銀が有機水銀に変わり、有機水銀が魚介類のからだを通して人間に入って水俣病が起こるという、そういうメカニズム発見前の事例として、裁判所も事業主の過失責任を推定しにくいということになりますと、どうしてもやはり水俣病患者というのは、どう救っても助からぬなという感じがいたします。そのことをおそらく患者の人たちも知っておられるのじゃなかろうかと思います。そこで直接交渉に持ち込んで、環境庁長官と熊本県知事にあっせんをしてくれと頼んでおられるのだろうと思います。
さらに、いま企画調整局長御答弁のように、水俣病の、健康被害者を救済するための水俣病であって、賠償は別だぞと、こういう通牒を出されましたけれども、事実としては、結果としてはやはり環境庁長官はその調停を引き受けざるを得ないようになっている。というのは、やはり世間から見ておりますと、環境庁長官は大いに認定基準を緩和して、温情をかけられた、仏もつくられた、しかし魂は入っておらぬじゃないかという、国民感情といいますか、そういうものがあると思うのです。そこで、どうしてもあれは行政機関として、環境庁長官は自分であっせんを引き受けざるを得ないような結果になったのではないかと思います。ただ、これは行政と司法は別だ、損害賠償は司法だから、行政の関知せざるところであると言って逃げられぬようになっているのが、現在の環境庁の立場ではないかと思います。そこいらのところを、大臣の心境はどうかということを聞こうと思ったわけですけれども、おいでになりませんので、これはあとに残させていただきます。
そこで、そのいまの問題と関連して、この衆議院修正の第三項、「(検討)」というサブタイトルのついたところがございます。これで「政府は、公害に係る被害者の救済に関し、その損害賠償を保障する制度について検討を加え、その結果に基づき、すみやかに、必要な措置を講ずるものとする。」と、こう書いてある。本来ならこれは附帯決議程度のものじゃないかと思いますが、やはり事柄が非常に重要だというので、政府にこういうふうに義務づけられたものだと思います。
その中で、これは単純に読むと、その損害賠償を保障する制度というのは、おそらく損害賠償の責任は確定した、しかし事業主に支払う能力はない、そういう場合、支払いの方法を確保するための制度を考えろと、こういうふうに読めるわけですけれども、立法府が政府にこういうことを義務づけした。政府は損害賠償を保障する制度をつくって、すみやかに必要な措置を講じろと、こういうわけですから、その責任が確定したというとにかく救いのあるものでなく、公害の原点に立つと言われる水俣病のように、非常にむずかしい、しかも救いのないものをこの「(検討)」の損害賠償を保障するという制度、その中に入れて、政府がすみやかに必要な措置を講ずる用意があるかどうか、この文章をそういうふうに読めぬかということを、ひとつお尋ねしておきたいと思います。
この発言だけを見る →というのは、損害賠償を求めるのには、現在では裁判所に訴え出るか、直接当事者と交渉するか、または中央公害審査委員会に持ち出すか、この三つの方法しかないと思います。当事者同士で交渉する場合には、故意過失の立証というのは、そう大きな要件にならぬで片づくと思います。裁判所に出れば、故意過失の立証、こういうものは絶対な要件になってくる。中央公害審査委員会に持ち出しても、おそらく故意過失ということを相当問われるのではないかと思います。これは厚生省の時代に厚生省に設けられました千種委員会での調停を見ておりましても、故意過失の立証がないまま調停しておられるので、裁判の場合より幾らか手ぬるいと言いますか、非常に不十分だという世間の非難を受けた。ああいう調停が出た原因は、故意過失の立証が非常に不十分であったということに原因があると思います。
水俣病でも、阿賀野川の事件でいいますと、これはすでに水俣で有機水銀が、無機水銀が有機水銀に変わり、その有機水銀が魚介類を経て人間に入ってくる、その関連、メカニズムが立証されたあとでありますから、裁判所が、事業主にそういうことのないように注意する義務がある、注意義務の推定を裁判所がやって、そして事業主の過失責任が問われて過失賠償がきまったと思うのです。ところが、そのような科学的な事実が立証される前の水俣病、それがいま問題になっている水俣病だと思います。そういう水俣病について、裁判所がそういう事業主の過失責任を推定したという事実がありません。前例がないわけです。この法律で、その病気の発生時期のことも書かなければならぬし、それから会社側にとっては、この法律施行前に製造はやめたのだというようなことで、いとも反証が楽である。裁判所に持ち出すのには、裁判所では、いま申しましたとおり無機水銀が有機水銀に変わり、有機水銀が魚介類のからだを通して人間に入って水俣病が起こるという、そういうメカニズム発見前の事例として、裁判所も事業主の過失責任を推定しにくいということになりますと、どうしてもやはり水俣病患者というのは、どう救っても助からぬなという感じがいたします。そのことをおそらく患者の人たちも知っておられるのじゃなかろうかと思います。そこで直接交渉に持ち込んで、環境庁長官と熊本県知事にあっせんをしてくれと頼んでおられるのだろうと思います。
さらに、いま企画調整局長御答弁のように、水俣病の、健康被害者を救済するための水俣病であって、賠償は別だぞと、こういう通牒を出されましたけれども、事実としては、結果としてはやはり環境庁長官はその調停を引き受けざるを得ないようになっている。というのは、やはり世間から見ておりますと、環境庁長官は大いに認定基準を緩和して、温情をかけられた、仏もつくられた、しかし魂は入っておらぬじゃないかという、国民感情といいますか、そういうものがあると思うのです。そこで、どうしてもあれは行政機関として、環境庁長官は自分であっせんを引き受けざるを得ないような結果になったのではないかと思います。ただ、これは行政と司法は別だ、損害賠償は司法だから、行政の関知せざるところであると言って逃げられぬようになっているのが、現在の環境庁の立場ではないかと思います。そこいらのところを、大臣の心境はどうかということを聞こうと思ったわけですけれども、おいでになりませんので、これはあとに残させていただきます。
そこで、そのいまの問題と関連して、この衆議院修正の第三項、「(検討)」というサブタイトルのついたところがございます。これで「政府は、公害に係る被害者の救済に関し、その損害賠償を保障する制度について検討を加え、その結果に基づき、すみやかに、必要な措置を講ずるものとする。」と、こう書いてある。本来ならこれは附帯決議程度のものじゃないかと思いますが、やはり事柄が非常に重要だというので、政府にこういうふうに義務づけられたものだと思います。
その中で、これは単純に読むと、その損害賠償を保障する制度というのは、おそらく損害賠償の責任は確定した、しかし事業主に支払う能力はない、そういう場合、支払いの方法を確保するための制度を考えろと、こういうふうに読めるわけですけれども、立法府が政府にこういうことを義務づけした。政府は損害賠償を保障する制度をつくって、すみやかに必要な措置を講じろと、こういうわけですから、その責任が確定したというとにかく救いのあるものでなく、公害の原点に立つと言われる水俣病のように、非常にむずかしい、しかも救いのないものをこの「(検討)」の損害賠償を保障するという制度、その中に入れて、政府がすみやかに必要な措置を講ずる用意があるかどうか、この文章をそういうふうに読めぬかということを、ひとつお尋ねしておきたいと思います。
川
川口頼好#14
○衆議院法制局参事(川口頼好君) この問題は、特に衆議院でいま先生が御質問になったようなことを論議されたいきさつはないように記憶いたしまするが、私の法制局としての感じから申しますと、それは全然関係がない。つまり、具体的な損害賠償を無過失でやれるかどうかという経過規定の問題と、それからいま仰せの第三項のこういう一般制度の話とは全く無関係で、かりに、水俣病のすでに発生した患者について、もうこの新法の無過失の損害賠償が認められず、依然として過失責任の立証が要求されるというふうな解釈があったとしましても、この三項の話は全然別に、過去のものも何もかも入れて検討していいものだというふうに考えております。
この発言だけを見る →船
船後正道#15
○政府委員(船後正道君) 衆議院の修正によります附則三項の規定は、ただいま寺本先生が御指摘のような趣旨で設けられたものと解しております。
この損害賠償を保障する制度でございますが、私どもといたしましては、個々の賠償債務というものの存在を前提といたしましてその履行を確保する制度のみならず、広く一般的な、保険あるいは基金と言われておりますような損害賠償を確保する制度も含む、このように考え、今後検討いたしたいと思っております。なお、この損害賠償を保障する制度ということにつきまして、過去の立法例によりますれば、たとえば自動車損害賠償につきましては、損害賠償を保障するというような表現で、加害者不明の場合の損害賠償をいかに処理するかということまで取り扱っております。
この発言だけを見る →この損害賠償を保障する制度でございますが、私どもといたしましては、個々の賠償債務というものの存在を前提といたしましてその履行を確保する制度のみならず、広く一般的な、保険あるいは基金と言われておりますような損害賠償を確保する制度も含む、このように考え、今後検討いたしたいと思っております。なお、この損害賠償を保障する制度ということにつきまして、過去の立法例によりますれば、たとえば自動車損害賠償につきましては、損害賠償を保障するというような表現で、加害者不明の場合の損害賠償をいかに処理するかということまで取り扱っております。
寺
寺本廣作#16
○寺本広作君 船後企画調整局長の御答弁で、かろうじてこれは救いの余地が出てきたなという感じがいたします。この衆議院修正の規定による「施行後に生ずる」という問題が認定問題と関係ないとか、挙証責任の転換でも水俣病は助からぬと、助からぬことばかりいままで答弁されておったわけですが、第三項の、この「(検討)」というサブタイトルの損害賠償を保障する制度というのは、賠償責任が確定したものの支払い能力の担保ということだけでなく、もっと広範に考えてよろしいという話でございます。この点は非常にありがたい制度だと、規定だと思います。
大石長官も、いまおられませんけれども、ストックホルムで、ともかく水俣病、イタイイタイ病をああいう事態まで立ち至らせたのは、これは政府の責任だということを世界に向かって言われたわけですから、病気の認定はしてあげた、しかし損害賠償には手がありませんというようなことでは、これは環境庁長官が世界に向かって言われたことが、から手形になる、こう思います。そこで、衆議院修正の二項で救えぬとすると、三項でぜひそういう人たちを救い上げるように政府で十分研究されて、すみやかに必要な措置を講じていただくようにお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
なお、大臣にお尋ねしたい部分は留保いたします。
この発言だけを見る →大石長官も、いまおられませんけれども、ストックホルムで、ともかく水俣病、イタイイタイ病をああいう事態まで立ち至らせたのは、これは政府の責任だということを世界に向かって言われたわけですから、病気の認定はしてあげた、しかし損害賠償には手がありませんというようなことでは、これは環境庁長官が世界に向かって言われたことが、から手形になる、こう思います。そこで、衆議院修正の二項で救えぬとすると、三項でぜひそういう人たちを救い上げるように政府で十分研究されて、すみやかに必要な措置を講じていただくようにお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
なお、大臣にお尋ねしたい部分は留保いたします。
内
内田善利#17
○内田善利君 先日の委員会で、私はこの法律案の審議に基づいて、長崎県の対馬のカドミウム汚染のことについてお聞きしたわけですが、その実情をまずお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →川
川田則雄#18
○説明員(川田則雄君) お答えいたします。
対馬につきましては、農林省は二つの調査をやっております。一つは、厚生省、通産省と共同いたしまして、カドミウム汚染の概況を調べる調査でございます。これは四十五年にやりましたが、四十六年の三月三十一日付で地方農政局から農林省がその結果を集めて、そうしてその結果をいろいろ検討した結果、四十六年六月九日に調査結果を公表いたしております。そしてこの公表の際には、関係する県の東京事務所長を農林省に招集してその内容を説明すると同時に、県に通報いたしております。その結果は、玄米が一PPM以上のカドミウムが存在する圃場は、九地点調査いたしたうち三点でございます。それから同年、その概況を把握するという調査と同時に、詳細な調査を実施いたしました。この結果は、四十五年の十二月と四十六年の二月、二回にわたり長崎県が公表いたしております。前の調査は、農林省が公表いたしましたのは、委託事業で長崎県にお願いしたことから、農林省が公表いたしまして、長崎県に連絡したという経緯をとっております。また、あとの調査は長崎県が発表したということにつきましては、これは農林省の補助事業でございまして、事業主体が長崎県であるということから、長崎県で発表いたしております。
そういう結果に基づきまして、農林省といたしましては長崎県と協議いたしまして、まず最初の措置は、米の交換の措置でございます。これは四十五年度産米三・三トンについて、四十六年一月二十九日に交換いたしております。それから次に、配給の措置を講じております。これは四十六年四月から十月にかけまして、約六トンの米を配給をいたしております。そのほか、カドミウムの汚染の改良というものをどういうぐあいにやったらいいかというようなこと、これは将来、そこの改良をするという場合の基準を設定するということに関係いたします。それにつきまして、対策基準調査という試験圃を、その地区に約五カ所設けております。そのほか、長崎県はその地方の米に対するカドミウムの抑制というようなことで、四十六年に事業費を約百七十一万七千円で補助し、また四十七年には、三百十六万八千円で長崎県は補助をいたしております。その他、県としては健康調査を行ない、そういう一連の調査結果から、県としては対策地域の指定、特別地域の指定を行なうというようなことを考えております。
現在までやった調査、それに基づく措置は以上のとおりでございます。
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そういう結果に基づきまして、農林省といたしましては長崎県と協議いたしまして、まず最初の措置は、米の交換の措置でございます。これは四十五年度産米三・三トンについて、四十六年一月二十九日に交換いたしております。それから次に、配給の措置を講じております。これは四十六年四月から十月にかけまして、約六トンの米を配給をいたしております。そのほか、カドミウムの汚染の改良というものをどういうぐあいにやったらいいかというようなこと、これは将来、そこの改良をするという場合の基準を設定するということに関係いたします。それにつきまして、対策基準調査という試験圃を、その地区に約五カ所設けております。そのほか、長崎県はその地方の米に対するカドミウムの抑制というようなことで、四十六年に事業費を約百七十一万七千円で補助し、また四十七年には、三百十六万八千円で長崎県は補助をいたしております。その他、県としては健康調査を行ない、そういう一連の調査結果から、県としては対策地域の指定、特別地域の指定を行なうというようなことを考えております。
現在までやった調査、それに基づく措置は以上のとおりでございます。
加
大
寺
寺本廣作#21
○寺本広作君 実は、昨年の八月、水俣病認定の行政不服審査に当たって、長官が認定基準を緩和して、患者を救えるようにするという通牒をお出しくださった。その際私は、賠償問題が必ずついてくる、それで、損害賠償問題は別だとあの通牒に書かぬほうがよかったということを申し上げておきました。その後、認定を受けた患者の皆さんが、被害者救済の法律の保護を受けられるだけでなく、賠償を求めるという方法に出ておられます。しかも賠償を求めるのに、民事訴訟にいっても、事業主の故意過失を立証することが非常にむずかしい、中央公害審査委員会に聞いても、やはり故意過失というものがある程度立証されないと、なかなかいい調停の結果が出ない。そこで自主交渉ということで、長官と熊本県知事のあっせんということで、長官のところに持ち込まれてたいへん御苦労をかけていると思います。
しかし、せっかく長官がああやって認定基準を広げてやるという措置をとられて、これは損害賠償は別だということで突っ放されたのでは、仏をつくって魂が入らぬということ、竜を描いて目玉が入っておらぬような感じがいたします。そういうことで長官は引き受けてあっせんをおやりくださっているものと、こう思うわけですが、そこでこの法律をそういう目で見てみますと、この法律施行後新たに生ずる損害についてこれを適用すると、こう書いてある。それから水俣病は、いま、長官がおきめいただいた新たな基準で、新たな患者がどんどん出よるわけです。これは、十月一日以降もどんどんそういう患者が出てくるだろうと思う。そうすると、その患者の病気の発生の時点というのは、これはなかなかわからぬです。だから、認定した時点がこの法律の施行後生じた損害になるか。そうすると、いま認定申請しておる者か、十月一日以降に延ばして認定を受けるようになるのです。
ところが、法制局の答弁も局長さんの答弁も、やはり民事と行政は別だ、損害賠償と行政は別だから、その行政認定が十月一日以降になっても、それで新たな、その時点で損害が生じたということにはならぬという、これは非常にむごい答弁だと思います。しかし法律解釈は、そういうことのようです。個々のケースで、いつ病気が発生したということを立証しなければならぬというお話でした。
そこで第二項の、法律施行前に有毒物を出した、原因物質を出したということを事業主が立証したら、これはやっぱりこの法律の保護は受けられぬというふうに、ただし書きでなっておるわけです。ところが、水俣のようにもう製造はやめてしまった、廃液も処分してしまったという事業主にとって、この後段の立証というのは非常に簡単だと思うんです。したがって、それでも患者は助からぬわけです。患者が助かる方法がないわけですね。
そこで第三項の「(検討)」というところの解釈をいま伺ったところです。この第三項によると、「政府は、公害に係る被害者の救済に関し、その損害賠償を保障する制度について検討を加え、その結果に基づき、すみやかに、必要な措置を講ずるものとする。」。これも法制局の答弁は非常に渋いものでしたけれども、企画調整局長さんの答弁が、非常に温情のある答弁でございました。法制局の答弁は、損害賠償を保障する制度は、損害賠償の責任が確定して、支払い能力がない場合の保障をこれは意味するような御答弁でした。しかし企画調整局長さんの答弁は、それだけに限らぬ、損害賠償の責任が確定しない場合でも救済できるような制度を検討します、そしてそのような措置をとりますと、こういうことでした。
そこで、大石長官はストックホルムで、とにかく水俣病、イタイイタイ病をああいう事態までほうっておいたのは政府の責任だ——これは私は政府だけの責任ではなく、地方自治体の責任でもあると、こう痛感するものですからこういうことを質問するわけですが、しかし大石長官は、ああいうふうに世界に向かって言ってこられたわけですから、一項、二項の文言、ただし書き、これはいずれも助からぬ、公害の原点に立つといわれる水俣病患者が、今度の無過失損害賠償責任法では助からぬ、それで、第三項で救っていただけるというなら非常にありがたい。唯一の救いだとこれは思うわけです。それでいま船後局長が、第三項の、政府側が検討してすみやかに必要な措置を講ずるものの中には、いまの事業主の故意過失の立証ができなくて救済の欠くる、そういう患者の救済を含めて検討する、と。その御方針を、まず大臣から確認していただければありがたいのです。
この発言だけを見る →しかし、せっかく長官がああやって認定基準を広げてやるという措置をとられて、これは損害賠償は別だということで突っ放されたのでは、仏をつくって魂が入らぬということ、竜を描いて目玉が入っておらぬような感じがいたします。そういうことで長官は引き受けてあっせんをおやりくださっているものと、こう思うわけですが、そこでこの法律をそういう目で見てみますと、この法律施行後新たに生ずる損害についてこれを適用すると、こう書いてある。それから水俣病は、いま、長官がおきめいただいた新たな基準で、新たな患者がどんどん出よるわけです。これは、十月一日以降もどんどんそういう患者が出てくるだろうと思う。そうすると、その患者の病気の発生の時点というのは、これはなかなかわからぬです。だから、認定した時点がこの法律の施行後生じた損害になるか。そうすると、いま認定申請しておる者か、十月一日以降に延ばして認定を受けるようになるのです。
ところが、法制局の答弁も局長さんの答弁も、やはり民事と行政は別だ、損害賠償と行政は別だから、その行政認定が十月一日以降になっても、それで新たな、その時点で損害が生じたということにはならぬという、これは非常にむごい答弁だと思います。しかし法律解釈は、そういうことのようです。個々のケースで、いつ病気が発生したということを立証しなければならぬというお話でした。
そこで第二項の、法律施行前に有毒物を出した、原因物質を出したということを事業主が立証したら、これはやっぱりこの法律の保護は受けられぬというふうに、ただし書きでなっておるわけです。ところが、水俣のようにもう製造はやめてしまった、廃液も処分してしまったという事業主にとって、この後段の立証というのは非常に簡単だと思うんです。したがって、それでも患者は助からぬわけです。患者が助かる方法がないわけですね。
そこで第三項の「(検討)」というところの解釈をいま伺ったところです。この第三項によると、「政府は、公害に係る被害者の救済に関し、その損害賠償を保障する制度について検討を加え、その結果に基づき、すみやかに、必要な措置を講ずるものとする。」。これも法制局の答弁は非常に渋いものでしたけれども、企画調整局長さんの答弁が、非常に温情のある答弁でございました。法制局の答弁は、損害賠償を保障する制度は、損害賠償の責任が確定して、支払い能力がない場合の保障をこれは意味するような御答弁でした。しかし企画調整局長さんの答弁は、それだけに限らぬ、損害賠償の責任が確定しない場合でも救済できるような制度を検討します、そしてそのような措置をとりますと、こういうことでした。
そこで、大石長官はストックホルムで、とにかく水俣病、イタイイタイ病をああいう事態までほうっておいたのは政府の責任だ——これは私は政府だけの責任ではなく、地方自治体の責任でもあると、こう痛感するものですからこういうことを質問するわけですが、しかし大石長官は、ああいうふうに世界に向かって言ってこられたわけですから、一項、二項の文言、ただし書き、これはいずれも助からぬ、公害の原点に立つといわれる水俣病患者が、今度の無過失損害賠償責任法では助からぬ、それで、第三項で救っていただけるというなら非常にありがたい。唯一の救いだとこれは思うわけです。それでいま船後局長が、第三項の、政府側が検討してすみやかに必要な措置を講ずるものの中には、いまの事業主の故意過失の立証ができなくて救済の欠くる、そういう患者の救済を含めて検討する、と。その御方針を、まず大臣から確認していただければありがたいのです。
大
大石武一#22
○国務大臣(大石武一君) 私は去年の八月に、水俣病患者の疑いのある者も救済したほうがよろしいということに行政的にきめたわけでございますが、これは、いまでも私は正しいと考えております。
「疑い」というのは、世間でいう一般の、俗に使う疑いとは違いまして、医学的に「疑い」というのは、まず大体水俣病であろう、ただ症状が全部出そろっておらないから多少の問題はあるであろうけれども、ということで、まず七、八分どおりはそういうことを考えなければならぬということが大体「疑い」でございます。そういう意味でやはり私は、一人でも水俣病の疑いがあって放置される者があってはならないと考えまして、あのような拡大解釈的な判断をしたわけでございますが、そのことによって、いままで救済の手もなかった患者の一部が、ある程度救い出されてきたことは非常にけっこうだと思います。私は、そういうものに対して補償がなされるべきだと思います、生活その他の補償につきましては。ただ、これはいまのところは裁判で決定する以外にはないので、そのほうにおまかせしておりますけれども、行政的には、あのような拡大解釈をしたことはいまでも正しいと考えております。
ただ、その結果は、お話しのように自主交渉の仲立ちをしたり、いろいろめんどうくさいこともありますけれども、これはやむを得ないことと思います。だれかがああいうめんどうを見てあげなければなりません。だれもめんどうを見てくれる者がなければ、私どもでもよかろうという気持ちからやったわけでございますが、別に自分の権限とかいうことを何も考えないで、そういう努力をいたしておるわけでございます。
この法律案によって患者の補償がきまらないじゃないかというお考えのようでございますが、私は何らかの形で、この法律案が役に立つかどうかはわかりませんが、必ず水俣病の患者に対しては補償がなされるべきだと、なされると私は確信をいたしております。その補償の関係につきましては、私はあまり専門家でありませんので、おそらく船後企画調整局長がお答えしたことだと思いますが、その答弁が環境庁の考え方だとお考えいただきまして、その辺でひとつ御納得いただきたいと思う次第でございます。
この発言だけを見る →「疑い」というのは、世間でいう一般の、俗に使う疑いとは違いまして、医学的に「疑い」というのは、まず大体水俣病であろう、ただ症状が全部出そろっておらないから多少の問題はあるであろうけれども、ということで、まず七、八分どおりはそういうことを考えなければならぬということが大体「疑い」でございます。そういう意味でやはり私は、一人でも水俣病の疑いがあって放置される者があってはならないと考えまして、あのような拡大解釈的な判断をしたわけでございますが、そのことによって、いままで救済の手もなかった患者の一部が、ある程度救い出されてきたことは非常にけっこうだと思います。私は、そういうものに対して補償がなされるべきだと思います、生活その他の補償につきましては。ただ、これはいまのところは裁判で決定する以外にはないので、そのほうにおまかせしておりますけれども、行政的には、あのような拡大解釈をしたことはいまでも正しいと考えております。
ただ、その結果は、お話しのように自主交渉の仲立ちをしたり、いろいろめんどうくさいこともありますけれども、これはやむを得ないことと思います。だれかがああいうめんどうを見てあげなければなりません。だれもめんどうを見てくれる者がなければ、私どもでもよかろうという気持ちからやったわけでございますが、別に自分の権限とかいうことを何も考えないで、そういう努力をいたしておるわけでございます。
この法律案によって患者の補償がきまらないじゃないかというお考えのようでございますが、私は何らかの形で、この法律案が役に立つかどうかはわかりませんが、必ず水俣病の患者に対しては補償がなされるべきだと、なされると私は確信をいたしております。その補償の関係につきましては、私はあまり専門家でありませんので、おそらく船後企画調整局長がお答えしたことだと思いますが、その答弁が環境庁の考え方だとお考えいただきまして、その辺でひとつ御納得いただきたいと思う次第でございます。
船
船後正道#23
○政府委員(船後正道君) 私の先ほどの説明が、若干舌足らずのように思いますので補足させていただきますが、私どもは、この衆議院修正による附則の三項と二項とは、直接関係があるとは考えておりません。先ほど損害賠償に関する制度で、個々の民事上の債務の履行を担保する制度にとどまらないで、広く保険、基金というような制度まで考えたいと申したまででございまして、決して損害の発生がどうであるかということは申しておりません。そういった広い点につきましては、今後検討の結果、はたして制度に乗るかどうかというような点から検討を進めていくことになるかと思います。
この発言だけを見る →寺
寺本廣作#24
○寺本広作君 船後局長の答弁が少し後退したように思いますな、先ほどの答弁よりも。大石長官、やはりこの公害被害者の、病気の救済と損害賠償は別だというお考えが非常に強いのじゃなかろうかと思います。そういうことで、水俣病として認定は受けたが、損害賠償は受けられぬという事態が考えられる、その場合のことを考えていろいろ答弁が、こう弱くなったり強くなったりするのじゃなかろうかと思います。
私はいままでの裁判のあれを見ておりまして、阿賀野川の裁判というのは、これは事業主の過失を裁判所が推定してくれた。というのは、阿賀野川事件のときは、もう水俣のあの有機水銀が工場から出て、魚介類のからだを通って、人間にそれがとり入れられてくるということが立証されたあとです。会社は無機を使っているけれども、製造工程で無機が有機に変わって、有機が魚介類に入って、人体に蓄積されて水俣病になるということが立証されたあとですから、昭和電工の責任者は当然そういう排出物が出ないようにする義務があった。その義務を怠ったから過失があるということで、あれは賠償金が取れたと思うんです。
水俣病の場合には、そういう病気発生のメカニズムが立証される前のことですから、非常に裁判に持ち込んでも賠償の責任が立証しにくいと思います。それで、この法律で救わぬなら、もうほかに救う方法がないわけですよ。そこで、ほかに故意過失を立証する方法がないものだから、長官のところに持ち込んで何とかしてくださいと言っているのは、もう裁判所に行ってもいかぬ、中央公害審査委員会に行っても方法がないというので、長官のところにお願いに来ていると思うんです。水俣病の認定は受けた、しかし損害賠償は取れぬということは、これは患者が納得せぬだけでなく、国民感情としても、水俣病として認定は受けたけれども賠償は野放しだということではおさまらぬと思うんですよ。そういう追い詰められた気持ちで長官のところに、何とか調停してくださいと言ってお願いしているのが、いまのこの患者の気持ちだと思います。ごめんどうでも長官がそれをとにかく助けてやろうという気持ちでやってくださっているのは、そういう気持ちからじゃないだろうかと思います。
そうしてみると、やはりこの三項の解釈は、損害賠償の責任の確定したものを保障するというだけでなく、やはり水俣病として認定を受け、損害を受けているという、人間の責任関係を抜きにして保護する方法を考えていただけぬかと、そういうふうに三項を読めぬかということをお願いしているのですが、船後調整局長さんの答弁は、先ほどの答弁よりも、いま訂正されたのは少しまた狭くなってきたなという感じがいたします。大臣のお心持ちを伺って、この質問を締めくくりたいと思います。
この発言だけを見る →私はいままでの裁判のあれを見ておりまして、阿賀野川の裁判というのは、これは事業主の過失を裁判所が推定してくれた。というのは、阿賀野川事件のときは、もう水俣のあの有機水銀が工場から出て、魚介類のからだを通って、人間にそれがとり入れられてくるということが立証されたあとです。会社は無機を使っているけれども、製造工程で無機が有機に変わって、有機が魚介類に入って、人体に蓄積されて水俣病になるということが立証されたあとですから、昭和電工の責任者は当然そういう排出物が出ないようにする義務があった。その義務を怠ったから過失があるということで、あれは賠償金が取れたと思うんです。
水俣病の場合には、そういう病気発生のメカニズムが立証される前のことですから、非常に裁判に持ち込んでも賠償の責任が立証しにくいと思います。それで、この法律で救わぬなら、もうほかに救う方法がないわけですよ。そこで、ほかに故意過失を立証する方法がないものだから、長官のところに持ち込んで何とかしてくださいと言っているのは、もう裁判所に行ってもいかぬ、中央公害審査委員会に行っても方法がないというので、長官のところにお願いに来ていると思うんです。水俣病の認定は受けた、しかし損害賠償は取れぬということは、これは患者が納得せぬだけでなく、国民感情としても、水俣病として認定は受けたけれども賠償は野放しだということではおさまらぬと思うんですよ。そういう追い詰められた気持ちで長官のところに、何とか調停してくださいと言ってお願いしているのが、いまのこの患者の気持ちだと思います。ごめんどうでも長官がそれをとにかく助けてやろうという気持ちでやってくださっているのは、そういう気持ちからじゃないだろうかと思います。
そうしてみると、やはりこの三項の解釈は、損害賠償の責任の確定したものを保障するというだけでなく、やはり水俣病として認定を受け、損害を受けているという、人間の責任関係を抜きにして保護する方法を考えていただけぬかと、そういうふうに三項を読めぬかということをお願いしているのですが、船後調整局長さんの答弁は、先ほどの答弁よりも、いま訂正されたのは少しまた狭くなってきたなという感じがいたします。大臣のお心持ちを伺って、この質問を締めくくりたいと思います。
大
大石武一#25
○国務大臣(大石武一君) 私は、なるほど裁判と行政上の趣旨とは別のものと考えております。しかし私は、行政措置をしたから裁判で補償されないと考えておるということはございません。いま裁判の係争中でございますから、その結果についてはとやかく申し上げるわけにまいりませんけれども、必ず何らかの補償がなされるものと確信いたしております。その証拠に、会社では現に一部分に対しては、和解とかなんとかという形でありますけれども、生活の補償をいたしております。これは、明らかに会社としては責任を認めておるものと考えております。また、現に私が仲に立ちまして、沢田知事と一緒に仲に立ちまして、直接交渉の様子を見ておりますが、明らかに会社でも、その自分の責任は認めております。そういうことですから、私は何らかの補償は患者に対して、和解の形であるか何であるか、あるいは裁判の結果とか、いろんなことによりましょうが、何らかの必ず補償はなされるものと、そう確信いたしておるわけでございます。なお、阿賀野川があのような結末になりましたからには、水俣も当然同じようなケースになると私は考えております。そういう意味で私は補償がなされるものと、そういうことを確信いたしておるわけでございます。
この発言だけを見る →内
内田善利#26
○内田善利君 先ほど答弁いただいたわけですけれども、これはどういう調査をやったかという答弁であって、私の質問しているのは、なぜ本人たちに、一・〇PPM以上の米ですよ、食べてはいけませんよという知らせをしなかったのかということを質問しているわけであって、どういう調査がなされたかということを質問しているわけじゃないのですね。農地局による特殊調査を県までは公表したということですけれども、そのあとはどうなっても農林省はノータッチであるということなのか。そのあとはだれが責任を持って、農家の方々に、こうして調査の結果汚染されておりますよ、来年からはその米を凍結するとか、あるいは来年からはどうするとか、そういう指導はなされなかったのか、その辺をお聞きしているわけです。
この発言だけを見る →川
川田則雄#27
○説明員(川田則雄君) ただいまの内田先生の御質問でございますが、三戸の農家の方が、前段の農地局の調査の結果一PPM以上の米が出た。そのことにつきましては、同時にやっているほかの調査もございますし、全体的には、土壤のサンプリングをとるときには、農家の了解のもとにサンプリングをいたしておるわけでございまして、一PPM以上の米が出るということはこれは非常に重要なことでありまして、その結果が末端の農家に知らされなかったということは、非常に申し訳ないことだと。ただここで、私たちが長崎県で調べたところによりますと、三戸の農家のうちの二戸の農家につきましては、四十六年に休耕いたし、またもう一つの農家は、四十六年に転用いたしております。ただ三番目の農家で、これは前原町というところでございますが、この方のところに伝達がいかなかったのかどうか、つくっているという事実があります。
で、農林省としましては、食糧事務所が現在、米の仕分けをいたしまして分析をいたしておりますが、この二戸の農家は知っておるのに、あとの一戸の農家が知らなかったということについてのいきさつは、なかなかさだかではないのでございますが、当時といたしましては、調査その他について、県・市町村十分連絡の上に行なわれたことでありますし、私たちは、県のほうからも報告を受けていることについては、先ほど申し上げましたように、同地区で米について交換あるいは配給の措置をとっておる。また同じく同地区で、長崎県が土壤改良についての補助金を出しておる。そういうように、そこに全般的な対策を次々と県としても打っていっておられる。そういう中で、この一軒の農家の方については知らされなくて、つくっていた。その間の事情、いろいろ複雑なものがあるのだと思いますけれども、こういう結果が出たということは申し訳ないことだと思っております。
この発言だけを見る →で、農林省としましては、食糧事務所が現在、米の仕分けをいたしまして分析をいたしておりますが、この二戸の農家は知っておるのに、あとの一戸の農家が知らなかったということについてのいきさつは、なかなかさだかではないのでございますが、当時といたしましては、調査その他について、県・市町村十分連絡の上に行なわれたことでありますし、私たちは、県のほうからも報告を受けていることについては、先ほど申し上げましたように、同地区で米について交換あるいは配給の措置をとっておる。また同じく同地区で、長崎県が土壤改良についての補助金を出しておる。そういうように、そこに全般的な対策を次々と県としても打っていっておられる。そういう中で、この一軒の農家の方については知らされなくて、つくっていた。その間の事情、いろいろ複雑なものがあるのだと思いますけれども、こういう結果が出たということは申し訳ないことだと思っております。
内
内田善利#28
○内田善利君 それは県の報告だと思いますけれども、実地調査した結果は、四軒のうち三軒は、特別地域にも対策地域にも指定されていないのです。指定されていないので、ことしになって四十七年産米をつくらないようにしてほしいということを言ってきたから、びっくりしてこういう問題が起きたんですね。
おっしゃるとおり、一軒は、昨年、対策地域に指定されたわけですが、その一軒は、全部のたんぼが対策地域になったのじゃなくて、四十六年度産を試験的に、試験田として対策地域に指定になったわけです。その試験田が今度一・七二PPMが出た。そういう実情で、この家はことしはほかのたんぼもつくらないでほしいと、四十六年に対策地域にして試験田を調査した結果、一・七二PPM出たから、ほかのたんぼも、ことしは、すなわち四十七年産米はつくらないでほしいと、こう言ってきたわけです。ほかの三軒は全部、特別地域はもちろんのこと、対策地域にも指定されてない。そういうことでびっくりしたわけなんで、もう少し農林省はがっちりした調査をやってもらいたいと思うのですね。もしこれが事実でなければ、本人たちがおっしゃったことなんですから、どこかに食い違いがあるかと思います。
この発言だけを見る →おっしゃるとおり、一軒は、昨年、対策地域に指定されたわけですが、その一軒は、全部のたんぼが対策地域になったのじゃなくて、四十六年度産を試験的に、試験田として対策地域に指定になったわけです。その試験田が今度一・七二PPMが出た。そういう実情で、この家はことしはほかのたんぼもつくらないでほしいと、四十六年に対策地域にして試験田を調査した結果、一・七二PPM出たから、ほかのたんぼも、ことしは、すなわち四十七年産米はつくらないでほしいと、こう言ってきたわけです。ほかの三軒は全部、特別地域はもちろんのこと、対策地域にも指定されてない。そういうことでびっくりしたわけなんで、もう少し農林省はがっちりした調査をやってもらいたいと思うのですね。もしこれが事実でなければ、本人たちがおっしゃったことなんですから、どこかに食い違いがあるかと思います。
川
川田則雄#29
○説明員(川田則雄君) 私たちのほうも長崎県を通じて調べておりますが、それによりますと、その一つの、三軒目の前原町の農家の方については県の連絡が、いろいろないきさつがあったかと思いますが、とにかく米をつくっている。それからもう一つは、いま先生がお話になりましたように、米をつくっている農家が、対策地域、特別地域の指定の際に入らなかったというようないきさつがあることも事実でございます。
これについて私たちもよく調べてみましたら、県としては、農地局でやった三軒の調査と、あと農政局がやった細密調査ですね、その二つの結果について対策地域を指定する作業を進めたわけでございますが、一軒の前原町の圃場は、その圃場では一・三三PPMという数字が出ておりまして、それに、その周辺がこれに比べてかなり低い。そういうことから、いろいろと分析上のサンプリングの問題もあるのではないか、そういうことから、これは一応取り除いておいて、さらにことしの秋に分析して、その結果やはり一PPM以上の米が生産されるということであれば、追加指定をしたいと県は申しております。
ただここで、私たちは土壤汚染防止法の施行に基づいて次官通達を出しておりますが、それによりますと、過去において一度でも一PPMの米が生産されたところは、地域に指定するようにというような次官通達を出しております。その後、その措置は、地域指定については環境庁のほうに移っておりますが、私たちのほうといたしましては、長崎県とも打ち合わせをいたしておりまして、そして特別地域に指定するように、また環境庁のほうにも、これは特別地域に入れていただいたほうがいいのじゃないか、そういうような連絡をいたしております。そういうようなことでございますので、近く、長崎県のほうともよく相談いたしておりますから、結論が出て、特別地域の中に指定されることになると思います。
この発言だけを見る →これについて私たちもよく調べてみましたら、県としては、農地局でやった三軒の調査と、あと農政局がやった細密調査ですね、その二つの結果について対策地域を指定する作業を進めたわけでございますが、一軒の前原町の圃場は、その圃場では一・三三PPMという数字が出ておりまして、それに、その周辺がこれに比べてかなり低い。そういうことから、いろいろと分析上のサンプリングの問題もあるのではないか、そういうことから、これは一応取り除いておいて、さらにことしの秋に分析して、その結果やはり一PPM以上の米が生産されるということであれば、追加指定をしたいと県は申しております。
ただここで、私たちは土壤汚染防止法の施行に基づいて次官通達を出しておりますが、それによりますと、過去において一度でも一PPMの米が生産されたところは、地域に指定するようにというような次官通達を出しております。その後、その措置は、地域指定については環境庁のほうに移っておりますが、私たちのほうといたしましては、長崎県とも打ち合わせをいたしておりまして、そして特別地域に指定するように、また環境庁のほうにも、これは特別地域に入れていただいたほうがいいのじゃないか、そういうような連絡をいたしております。そういうようなことでございますので、近く、長崎県のほうともよく相談いたしておりますから、結論が出て、特別地域の中に指定されることになると思います。