大原亨の発言 (外務委員会)
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○大原委員 私は、きょうはアメリカが広島、長崎に設置をいたしております原爆傷害調査委員会、ABCCですが、このABCCの日本における活動の法的な根拠、それからこれからの組織や活動のやり直しに対する日本の政府の態度、こういう問題に集中して質問をいたしたいと思います。この問題は科学技術特別委員会あるいは社会労働委員会等で今日まで一昨年以来議論を重ねてきたところでありますが、いよいよ日本の政府がどのように腹をきめるか、この問題に対してどう対処するかという結論を出す段階にきたと思いますので、いままでの議論を踏まえながら質問を進めていきたいと思います。
その第一は、ABCCの存在については、法的には昭和二十七年のアメリカ大使館からの口上書、その中にはABCCの本国の職員、アメリカ側の上級職員について関税その他外交上の特権を認める問題を含めてのABCCの活動に関する口上書があるわけであります。この問題はいままでしばしば議論があって外務省側からも御答弁があったわけでありますが、この口上書だけでアメリカが日本において原爆傷害の調査活動をする根拠とするには、これは根拠としては非常に欠陥のあるものであり、私が指摘するまでもなく占領中はアメリカの占領軍のプレスコードその他があって、原爆のことはすべて秘密であった、公表してはならなかった。それは第二次大戦直後のアメリカの核独占時代とも関係をするわけでありますが、そういう経過を経まして、講和条約の成立以後ABCCのあり方についていろいろ議論があった。アメリカからも問題の提起があったけれども日本の政府はこれを避けてきた。そしてアメリカ側の口上書と日本側のそれに対する返答をもってABCCを占領の時代のままで継続してきた。そこで、加害国が被害国の被爆者を調査する活動の根拠としてはこれは問題ではないかということが広島あるいは長崎の市民間においてもあるいは国民感情の中においてもずっと続いてきたわけでありますけれども、いまやかなり長期にこれから二十年ないし二十五年にわたって調査をしなければ完結をしないというふうなテーマを持っておる調査の項目がある。そういう現状において約二十四、五年を経過したわけでありますけれども、今日あらためて再検討しなければならぬというふうな情勢である。外務大臣にまず外務省の見解をお尋ねしたいのですが、昭和二十七年にABCCの活動に関するアメリカ側の口上書に対して日本側が出した答弁、この答弁、やりとりはABCCの根拠の国家間の取りきめとしては法的な拘束力を持たないし、これはきわめて不備なものである、欠陥があるものである、そういう外務省の見解は外務大臣は十分御理解なさっておると思うけれども、それについてまず外務大臣の見解をお尋ねいたしたいと思います。