佐藤達夫の発言 (内閣委員会)

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○佐藤(達)政府委員 九日に国会及び内閣に勧告申し上げましたのでございますが、本日、説明お聞き取りの機会をお与えいただきまして、たいへんありがたく存じます。
 例年のとおりでございますけれども、袋の中に「給与勧告についての説明」という横長の印刷物が入っておりますので、私が便宜それをながめながら御説明を進めてまいりたいと思います。
 人事院は、例年のとおり、官民給与の精確な比較を行ないますために、一般職国家公務員の全員について給与の実態調査を行ないますとともに、民間のものにつきましては、企業規模百人以上、事業所規模五十人以上の全国で約七千四百の民間事業所を抽出いたしまして、その従業員五十四万人についてきわめて精密な給与の実態調査を行ないまして、その結果、官民の給与の比較をいたし、ましたところ、その較差は一五・三九%であるということが明らかとなりました。したがいまして、この較差を埋めるために今回給与改定の勧告を申し上げた次第でございます。
 改定の内容は、第一に俸給表の改善でございます。俸給表の改善につきましては、民間における初任給その他職務の階層別の給与上昇傾向などを考慮いたしまして、私どもの勧告でも特に初任給及び中位等級の改善に配慮いたしました。なお、あわせて、職務の実態の変化等に応じまして、特一等級というような等級の新設をいたしますとともに、一部号俸の間引きによりまして、昇給間差額の改善等を行なうことといたしたのでございます。
 そのうち初任給につきましては、一般の事務・技術の場合について申し上げますと、その俸給は、大学卒、つまり上級乙試験合格者でございますが、大学卒程度で五万三千五百円にいたします。現行は四万五千三百円でございます。それから高校卒程度の者につきましては、すなわち初級試験合格者でございますが、四万四千八百円にいたします。現行は三万七千五百円でございます。
 次に、先ほど触れました特一等級を設けますのは、行政職俸給表の(二)、税務職俸給表、公安職俸給表の(一)及び(二)、海事職俸給表(二)、医療職俸給表(二)の各俸給表に、現在の一等級の上に特一等級を設けたわけでございますが、たとえば行政職俸給表の(二)で申しますと、大型作業船舶の長でありますとか、あるいは大規模な車庫の車庫長であるとかいうような人々が特一等級に格づけされることに相なるわけでございます。
 次に、号俸の間引きでございます。これは、各俸給表の中位号俸以上において号俸を間引きいたしまして、昇級間差額を広げたわけでございますが、これらについては、場合によっては、新号俸に切りかえになりますまでの間、中間的に暫定俸給月額を支給するなどの技術的のいろいろな措置を考えております。
 それから指定職俸給表でございますが、これは現在甲と乙とに分かれております。これができました当初は意味がございましたけれども、現在では特に甲、乙に分ける必要性を認めませんので、これを廃止いたしまして、俸給表としての体系の整備をはかりました。と同時に、民間役員給の調査も本年いたしましたので、これに応じまして俸給額の引き上げをやっております。
 次は、諸手当関係の改善でございます。諸手当につきましては、かねて御報告申し上げておりましたように、今回の民間調査では、ほとんど全部にわたって民間の調査を行ないました。したがいまして、その結果に応じまして手当てをいたしましたものも相当幅広くなっておるわけでございます。
 その第一は扶養手当でございます。これは相当力を入れたものの一つでございますが、扶養家族のある職員の処遇ということに特に重点を置きまして、その中でも配偶者に対する手当を三千五百円にいたしました。現在は二千四百円でございます。次に子供のうち二人、これは各千円といたしました。現行はそれぞれ八百円でございます。なお、母子家庭の世帯主など、配偶者のない職員の子のうち一人は二千五百円、現在は千六百円というような改善をしております。
 次は住居手当でございます。これは現在では、一カ月当たり三千円をこえる家賃、間代を払っておる者を対象といたしておりましたけれども、公務員宿舎等の値上げもございまして、今回は一カ月当たり四千円をこえる家賃、間代を支払っておる職員を対象にいたしております。しこうして支給月額は、家賃、間代と四千円との差額が三千円に達するまではその額、その差額が三千をこえるときは、そのこえる額の二分の一の額を二千円を限度として三千円に加算した額ということにいたしております。最高支給限度額は現在の三千円から五千円に上がることになります。
 なお、この改定によって支給額が減る人もございますので、そういう方々については、昭和四十九年三月三十一日までの間、暫定的な経過措置を設けておくつもりでございます。
 なお、持ち家居住者の問題はかねがね懸案で、今回も相当熱心に検討いたしたのでありますけれども、遺憾ながらまだすっきりした結論を得ませんので、なお今後力を入れて検討を続けてまいりたいという心組みでおります。
 次は通勤手当でございます。これは交通機関等利用者の場合につきましては、全額支給の限度額を現在の四千円から今度五千円に引き上げました。次に、二分の一加算額を加えます場合の最高支給限度額を、現在六千円のものを七千円に引き上げることにいたしております。
 次は自転車等の交通用具使用者の場合でございますが、これも引き上げまして、片道十キロメートル未満の者については、現行の千円を今度千百円に引き上げます。片道十キロメートル以上は、現在の千五百円を千八百円に引き上げます。なお、通勤不便地から通っております者につきましては、十五キロメートル以上の区分を新たに一段階設けまして、現在の段階を二段階にいたしました。しこうして、片道十キロメートル以上十五キロメートル未満の者については二千円、これは現在は千八百円になっております。それから片道十五キロメートル以上は二千五百円、現在はもちろん一段階でありますから千八百円でありますが、これを二千五百円に引き上げるということにいたしております。
 なお、交通機関と自転車等を併用する人々についても同様な措置をとることにしております。
 次に宿日直手当でございますが、これは支給額の引き上げを各種についていたしております。普通の宿日直勤務については一回千円といたしました。現在は六百二十円でございます。それから矯正施設等における管理または監督の業務を主として行ないます宿日直勤務につきましては一回二千円といたしました。現在は千二百円でございます。それから常直勤務、これは登記所などの一人庁の場合でございますが、現在の四千四百円を今度は月額七千円といたしました。これは月額で支給することにしておるわけです。なお、そのほか、学寮当直などについては、その適用範囲を一部拡大いたしますとともに、身体障害者の収容施設その他の更生援護施設、あるいは盲ろう学校等における入所者の生活の介助などを行なう特殊な宿日直勤務をしております方々につきましては、勤務一回について千五百円の手当を支給することにいたしております。これらの方々は現在は普通の宿日直の扱いをしておったのでありますが、今回特段の措置として、これを切り離して勤務一回千五百円を差し上げるということにいたしておるわけでございます。
 次に医療職俸給表の(一)でございますが、これはもう例年御説明をいたしておりますように、民間の病院のお医者さんと国立病院のお医者さんとの間の給与の較差は非常に幅広いものでございまして、それを埋めるべく四苦八苦してまいったその処置の一つでございます。ことしは幸いにしてその隔たりがだいぶん狭くはなってまいりましたけれども、なお放任できないということで、いわゆる初任給調整手当、この支給限度額をさらに最高一万円引き上げまして、現在十万円のものを今回十一万円、これを最高といたしております。それから初年度月額を据え置く期間も延長することにいたしております。
 次は調整手当でございますが、これはずっと引き続き各地方の特殊事情について私ども検討を続けてまいっておるのでありますが、今回は、支給地域とされております市町村の地域、これを昭和四十八年四月一日現在のものに改めます。その結果、地域的には相当広まることになります。なお、東京その他の大都市周辺の地区についての官署指定の基準を若干緩和いたしまして、これを拡大することにいたしております。
 次に特殊勤務手当等でございますが、中でも、交代制勤務に服します職員に対する夜間特殊業務手当、たとえば航空管制官というような人々の夜間特殊業務手当の額を、勤務一回について深夜の全部にわたる場合は四百五十円、深夜の一部にわたる場合は三百円に引き上げます。現在は、深夜の全部の場合は三百円、深夜の一部にわたる場合が二百円ということになっておるわけです。そのほかの一般の特殊勤務手当につきましても、最近、給与水準が非常に上がっておりますので、定額できめられておりますこれらの手当の額についても、幅広く改善をいたしたいと考えております。
 なお、期末・勤勉手当でございますが、これは民間調査の結果、現在の公務員給与の場合と大体均衡が保たれておるということが明らかになりましたので、これは現行のままに据え置くことにいたしております。もちろん給与が上がりますから実額はアップするわけでございます。かくして、以上のうち、官民給与の比較の基礎となる給与についての改善の内訳を申し上げますと、俸給で一三・三六%、諸手当で一・一七%、その他で〇・八六%、合計一五・三九%、これを平均の金額にいたしますと、平均一万四千四百九十三円ということになります。
 次に、宿題の問題になりますけれども、これは昨年の報告で触れたと思いますが、俸給の調整額制度の検討の問題、それから先ほども申しました調整手当の支給地域区分などの問題につきましては、今後なお引き続いて検討いたしたいと考えております。
 それから次は給与の口座振り込み制度の導入でございます。これは民間会社におきましても相当普及しつつありますので、公務部内においてもその導入を検討してもいい時期ではないかということで、これは検討してまいりたい。それからもう一つは死亡退職者の退職月分給与支給の合理化で、月の途中でなくなりましてもその月分は全額差し上げるべきではないか。これは国会職員の方々については、もう前からやっていらっしゃるというようなお話も聞いております。そういうととも検討すべき事柄であるというふうに考えております。
 それから、その(3)といたしまして、教員あるいは看護婦の方々の給与の改善については、私どもかねてから努力を重ねてまいったところでございますが、なお今後も一そうの改善をはかる必要が認められます。このことに関連いたしまして、従来から私どもとってまいりました官民比較の基本原則、これはもちろんあくまでも堅持いたしますけれども、その適用の方式については若干の変更を加えることがむしろ合理的ではないかということも考えられますので、これはすみやかに検討を行なってまいりたいという考えております。
 それから最後にいわゆる週休二日制の問題でございます。今回報告書においてこれに触れましたのでありますが、民間における勤務時間及び週休制度の実態について、この四月調査の機会に昨年に続いて調査いたしましたところ、週休二日制の普及状況については、去年に比べますというと顕著な進展が認められたわけです。去年の場合はたしか一七%でありましたものが、ことしは三七・六%ということに飛躍しておりますし、なお、実施予定をはっきりきめておる事業所、これも調べたのでありますが、それらの予定の事業所をも加えますと、昭和五十年中にはおおむね半数の民間事業所が何らかの形の週休二日制を実施することとなることが明らかとなりました。したがいまして、このような状況にかんがみて、職員につきましても週休二日制の採用を考えるべき段階に達したものと認めます。したがいまして、本院といたしましては、行政サービスの維持でありますとかその他諸般の事情に留意しながら、また関係機関とも連携をとりながら、当面、昭和五十年実施を目途としてその具体化について検討を進める所存でございます。
 なお、勧告に掲げます改定の実施時期は本年四月一日、宿日直手当については本年九月一日といたしております。
 以上が内容でございますが、今年の勧告につきましては、当委員会におきましての御激励もございます。われわれもできるだけ勧告期日を早めようという心がまえで、かつまた、総務長官もいらっしゃいますが、総理府の統計局の格段な御努力を得まして、幸いに昨年よりも六日早く勧告を申し上げることができたわけでございます。幸いにして、国会も再延長になりまして会期中になっておりますので、この勧告に基づく法案が一日も早く成立するようにわれわれとしては望んでおりますわけで、これが九月にでも差額支給ということになりますれば、これはこれとしてたいへん画期的な一つの成果ということにもなりますので、法案が提案されました暁においては、何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 以上で終わります。

発言情報

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発言者: 佐藤達夫

speaker_id: 24995

日付: 1973-08-28

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会