梅田勝の発言 (本会議)

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○梅田勝君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案に断固反対する立場から討論を行なうものであります。(拍手)
 まず、最初に指摘しなければならないのは、本法案の審議が十分尽くされないまま、反対を無視し、委員会採決が行なわれたことであります。
 日本共産党・革新共同は、本法案審議にあたり、政府、国鉄当局が宣伝する赤字なるものの実態、運賃値上げの物価への影響、さらには、十兆五千億円という巨額な設備投資計画の内容など、問題点を明らかにするために徹底して審議を尽くすという態度で臨んだのであります。そして、その審議に不可欠な資料の提出を要求し、旅客は黒字、貨物は赤字という国鉄経営の実態をはじめ、さまざまな問題点を国民の前に明らかにしたのであります。
 しかるに、政府、国鉄当局は、赤字の貨物、とりわけ大企業貨物に対する特別の割引や新幹線工事の請負契約、土地買収の実態などに関する資料の提出を拒否し、疑問点の解明を妨害し続けてきたのであります。わが党の質問者が、なお未提出の資料提出を要求し、質問の続行を求めたのは当然のことであります。ところが、自民党は、去る六月十二日の委員会で、事前の理事会における正式の補充質問通告を無視し、細田委員長代理は、一方的に質疑終了を宣言し、あらかじめ通告した議事進行の発言要求さえ故意に無視して、本法案の議了を強行したのであります。
 これは、議会制民主主義を踏みにじるものであり、自民党の非民主的な体質を端的に示すものであります。(拍手)わが党はこれに厳重に抗議をするものであります。(拍手、発言する者多し)
 なぜこのような非民主的な運営が行なわれたのか。それは、国鉄運賃値上げがきわめて不当で、全く根拠がないことが徹底的な審議を通じて国民の前に明らかにされることを、政府・自民党が何よりもおそれたからであります。(拍手)
 すなわち、本法案は、第一に、深刻な物価値上げを一そう促進するものであります。
 田中内閣は、大企業の土地買い占め・商品投機を野放しにし、地価、物価の急騰を引き起こしました。しかも、衣食住を中心に物価上昇の火の手がますます燃え盛ろうとしているまさにそのときに、国鉄運賃の大幅な値上げを強行し、火に油を注ごうとしているのであります。その上、今後十年間に四回の値上げを行なうことを予定し、国民を今後いつまでも物価上昇に縛りつけようとしているのであります。
 田中総理は、国鉄は国民の足だと言っておりますが、国民の多くは、今回の値上げによって、遠くにいる家族、親戚をたずねることさえますます困難にされようとしているのであります。
 本来、物価安定に責任を負うべき政府が、事もあろうに、インフレのさなかに、全般的な物価上昇に強烈な影響を与える国鉄運賃の大幅値上げを行なうことは、断じて許すことができません。(拍手)
 第二に、本法案は、黒字の旅客に貨物の赤字の穴埋めをさせようとするものであります。
 これは言いかえるならば、大企業の流通経費を減らすために、国民に大幅な運賃値上げを強制するということであります。一日当たり一億円ももうかっている旅客運賃を、今後十カ年に連続四回の値上げで二倍以上にしようとするやり方を、国民は絶対に納得するものではありません。(拍手)しかも、貨物はばく大な赤字を出しているにもかかわらず、大企業、米軍に対しては、政府、国鉄当局はさまざまな特権的便宜を与え、運賃割引を行なっているのであります。このような大企業奉仕、国民無視のやり方が許されてはなりません。
 第三に、本法案は、つくり出された赤字なるものを根拠に、国民には運賃値上げを、国鉄労働者には十一万人の人員削減を押しつけ、国鉄を一そう大企業に奉仕させようとするものであります。
 周知のように、国鉄は百年の歴史を持ち、今日、巨大な資産を持つ企業体として成長を遂げております。これを築いたのは運賃を払った国民と汗水流した国鉄労働者であるということは、言うまでもありません。(拍手)政府は、これまでわずかの出資金しか出さず、独占資本の高度成長に国鉄を利用させてきたのであります。貨物輸送力強化のために過大な工事を押しつけた結果、昭和三十二年から四十六年までに国鉄が借金し、支払った利息だけで何と一兆四千五百億円、四十六年度末累積赤字の一・八倍にも達するのであり、もし政府が、借金ではなく、出資をしていたならば、六千五百億円の黒字になっていたのであります。また、国鉄当局は昭和三十六年以降、過大な減価償却によって五千六百三十六億円も黒字から落とし、赤字を人為的につくり出しておるのであります。この額は、四十六年末赤字の実に七割に相当しているのであります。
 今回の国鉄再建案なるものは、これらの国鉄の大企業奉仕の体質を変えるどころか、悪名高い日本列島改造のために、あげて国鉄を奉仕させ、十兆五千億円の巨大な設備投資によって、大企業にはますます近く、国民にはますます遠くなる国鉄をつくろうとするものであります。(拍手)
 こうして、政府案によれば、十年後の国鉄の長期債務は約十一兆円と三倍にふくれ、累積赤字は二兆六千億円と現在の二倍以上にもなるのであります。このような計画が国鉄財政再建の名に値しないことは、だれの目にも明らかではありませんか。
 わが党は、運賃値上げを押え、同時に国鉄財政を真に再建するために、すでに国鉄財政五項目の改善に関する提案を行なってきました。すなわち、まず設備投資は、国民が真に必要としている大都市通勤輸送力の増強や路線の建設、整備などを優先する適正な規模に改め、その費用は、公共交通機関にふさわしい費用負担の原則によって国の資金でまかない、長期負債の縮減と利子負担の軽減をはかり、大企業本位の運賃体系を抜本的に改革し、さらに国鉄の管理運営を民主化することであります。そして、国民に運賃値上げを強制することなく、また、国鉄労働者に十一万人削減、合理化の苦痛を与えることなく、安全で、安くて、快適な国民のための国鉄をつくることが可能であると確信をするのであります。(拍手)
 以上、私は、国鉄運賃値上げに反対する圧倒的多数の国民の声を代弁して、政府が直ちに本法案を撤回することを強く求めて、反対討論を終わるものであります。(拍手)

発言情報

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発言者: 梅田勝

speaker_id: 17840

日付: 1973-06-14

院: 衆議院

会議名: 本会議