山崎昇の発言 (議院運営委員会)

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○山崎昇君 私は、社会党を代表しまして、きのう議長から諮問のございました凍結中の防衛並びに筑波大学法案を本会議の日程に追加する諮問に対しましてまず反対の態度を表明をしておきたいと思います。
 その理由は多くございますが、時間等もありますから、私はごく要約して申し上げてみたいと思います。
 昨年の総選挙が終わりまして、十二月の下旬に第七十一特別国会が召集されました。百五十日の会期で始まったわけでありまして、本来ならことしの五月の二十日でこの国会は終了しているはずであります。ところがその間、野党の反対を押し切りまして、与党の単独採決で二回にわたる会期の再延長が行なわれまして、今日その最後の会期末を迎えているわけであります。
 考えてみますというと、この法案の取り扱いについて私は二、三明らかにしておきたいと思うのですが、国会法その他の定めによりますというと、この七十一特別国会は、本年の一月二十九日に再開をされまして、衆議院における代表質問で論戦の火ぶたが切られました。二月の一日から四月の十一日まで予算委員会がございました。この間政府から百二十本に余る法律案が提案をされましたが、どう物理的に計算をいたしましても、毎日一日一本ずつ法律案を上げたとしても、予算委員会終了後会期末までは四十日しかございません。河野議長の発案であります衆議院と同じ審議時間をとるということになれば、法律案が二十本程度しか上がらないことは、野党が抵抗するしないの問題ではありません。そういういまの国会の仕組みの中で、あなた方は百二十本以上の法律案を出してきて、あたかも野党が抵抗したからこの法律案が通らぬような言い分は、私は受けるわけにはまいらないと考えます。
 そして五月の二十日から延長されましたが、その後七月の二十四までの間に何が起きたのか。考えてみれば、中村議長の失言、あるいは増原防衛庁長官の事件、さらには中曽根通産大臣の事件、そして小選挙区制のしゃにむになやり方等々が原因になって、委員会審議等がおくれたことは皆さん御存じのとおりであります。したがって、私ども野党からいえば、審議が停滞をしたのは政府・与党の不手ぎわであり、政府・与党の責任でありまして、野党がただの一回も不手ぎわをおかしてこの法案がおくれたことはございません。この点は明確にしておきたいと思うのです。
 さらに再延長になりましてから、七月の十七日には、皆さん御存じのとおり、その日の朝まで、天地神明に誓って強行採決をやりませんとか、あるいは十分審議を尽くしますとか、各委員会で決定したことをあなた方は破って強行採決をいたしました。そしてそれが通らぬというので再び土俵が広げられて九月二十七日までの会期延長となっているわけです。その間、田中総理のアメリカへの外遊、さらには河野議長の訪中等の問題がございまして、事実上八月の上旬までは審議ができませんでした。
 お盆にかけまして与野党が折衝し、御案内のとおり確認事項に判が押されております。私ども社会党は、この確認事項に基づいて国会の正常化、なかんずく参議院の権威のために戦ってきたつもりです。特に河野さんが議長になりましてから、参議院の自主性、独立性等々が述べられまして、参議院改革というのが旗じるしでありました。私どもも二年間これに参加した一人でありますから、いろんな批判はありましたけれども、あの確認事項に署名をして今日までやってまいりました。
 目下、委員会におきましては、多少の質問者が残っておることは事実でありますけれども、委員会は何の支障もなく運営をされております。それにもかかわらず、なぜ議長からああいう諮問が出されて、二十五日という日にちを設定をされてこれが議了されなければならぬのか、私どもはどんなに考えましても理解に苦しむ点でございます。また加えまして、この強行採決、あるいは皆さん御案内の会期の再延長については、これは公党間の約束を破ったことは事実であります。さらにまた国会法の、あるいは参議院規則等の所定の手続に従わずに行なったことも事実であります。
 こういうことを私ども考えてみますというと、今日の国会運営の停滞はすべて政府・与党の責任であって、私どもにそれをおっつけて、ともども責任をとらされるようなかっこうは、断じて私ども社会党は、これは許すことができません。しかし、事ここに至りまして、いま最後の段階を迎えておりますから、私どもこの委員会には出席をいたしておりますけれども、私どもの立場というものを明確に申し上げておきたいと思うわけであります。
 さらに、いま提案されようといたしておりますこの法案の内容につきましても、きわめて重大な内容であります。特に初めてと言われるだけに、この防衛に対する違憲判決は、たとえ一地方裁判所の判決でありましても、きわめて重大な内容を含んでおります。それは防衛庁設置法並びに自衛隊法が違法であるということと同時に、いまの自衛隊はかつての陸海空軍に匹敵をして、実力的にも戦力に当たると規定をされております。こういうことを考えるときに、これをこのまま推移をして、さらに増強する法案に私ども賛成することはできない。こういう点を十分政府は考えて、たとえば国会法の五十九条によりますというと、すでに一院で議決した問題でありますから、なるほど撤回はできないでしょう、法律的に撤回はできないでしょう。もしそうだとするならば、少なくとも国民に説得をするためには継続審議ぐらいの考え方があって私はしかるべきではないか、それすらもあなた方がしないというに至っては、私はやはり国民を代表する一人として納得できるものではありません。
 筑波大学におきましてもそうであります。これは管理体制の強化、あるいは教育、研究の分離、あるいはまた学長、副学長の権力集中等々、多くの教育基本の問題に関する内容を含んでおります。それを三大学の医学部の設置とからめまして提出をされて、しゃにむにこれまたやられてまいるということについては、どうしても私ども承服できません。そういう考え方をもちまして、今日に至るも十分審議をいたしておりますが、手続的にも、あるいはまた公党間の約束の上からいきましても、あるいは両法案の持つ性格からいっても、私ども社会党としては、この議長の諮問に答える場面ではありますけれども、残念ながらこれに賛意を表することはどうしてもできないということを明確にしておきたいと思います。
 したがいまして、これからあなた方はいろんな形でやられると思いますが、少なくとも参議院の名に恥じないように、十分論議が尽くされるように、議会制民主主義を守られますように細心の注意を払って運営をされますよう、特に最後に申し上げておきたいと思います。
 以上簡単でありますけれども、私ども社会党の反対する理由をかいつまんで申し上げて、反対討論を終わっておきたいと思います。

発言情報

speech_id: 107114024X03419730922_007

発言者: 山崎昇

speaker_id: 6197

日付: 1973-09-22

院: 参議院

会議名: 議院運営委員会