田中角榮の発言 (本会議)
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○国務大臣(田中角榮君) 第一に、円の実質切り上げの状況下での日本経済の将来の見通しについて申し上げます。
変動相場制下における円レートの実勢高により、輸出関連産業や輸出品との競合産業等には、中小企業を中心にかなりの影響が出てくるものと思われるのでありますが、一方、国際収支や物価面に対しては、好ましい影響を与えるものと期待をされるのであります。
政府としては、当面、輸出関連中小企業等に対し万全の措置を講じますとともに、変動相場制移行に伴う経済面への好ましい効果を十分活用しながら、国民福祉と国際協調を軸とする経済運営につとめてまいりたい、こう考えるわけであります。
第二は、生活必需物資高騰の評価と対策等に対しての発言に対して答えます。
最近、過剰流動性や世界的な農産物の不作等を背景に、一部市況商品について投機的動きが強まっておることは事実であります。これに対して、政府は、緊急輸入の促進、政府在庫の放出、関係業界への協力要請、商品取引所の規制等、各般の対策を実施いたしますとともに、流動性過剰の状態を是正するため、本年に入って、預金準備率の引き上げ、日銀の窓口指導の強化、日銀の手形買い入れ限度額制度の創設、土地融資の抑制措置等の諸施策を講じておるのでございます。今後とも、事態の推移を監視しつつ、所要の対策を講じてまいりたいと考えておりますが、これら行なった施策の効果は漸次あらわれてくるものと期待をいたしておるのであります。
第三は、投機抑制の新立法等についての発言に答えます。
政府としましては、現在の事態に対しては、基本的には行政的措置で対処するというのが考えでありますが、これを補完するための立法措置につきましても、各方面の意見を徴しながら現に検討を進めておるのであります。
第四点は、自由経済の原則のもとでの問題に対しての御発言がございましたから、お答えを申し上げます。
もちろん、わが国は自由主義経済体制が最も望ましいものであるという考えは、全く変えておらないわけでございます。戦後、世界の歴史に例のないような成長を続けられたのも、自由主義経済を基調としてきた政策が功を奏したものであることは、言うをまたないわけでございます。しかし、自由主義経済のもとであっても、企業活動の自由が確保されねばならないことは当然ではありますが、過度の投機などの反社会的行為を放任することはできないわけでございます。政府は、企業に社会的責任を自覚した行動を求めるとともに、正常な商行為が行なわれるよう、適切な指導、監督を強化してまいりたい、こう考えるわけでございます。
また、政府は、経済成長の成果がより一そう社会のすべての階層に行き渡り、国民がひとしくゆとりと潤いのある生活ができるよう、社会保障の充実、生活関連社会資本の整備、豊かな自然環境の確保などにつとめてまいりたい、こう考えております。(拍手)
〔国務大臣櫻内義雄君登壇、拍手〕