田中角榮の発言 (本会議)
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○国務大臣(田中角榮君) 第一には、過剰流動性の問題でございますが、四十六年下期から四十七年上期に至る外貨増加による円資金が企業の手元に蓄積され、その資金が土地、株式等に投入されたことは、いなめない事実であります。なぜこのような資金に適切な吸収方法等や金融の引き締めがなされなかったかという問題がございますが、当時は、御承知のとおり、初めての円平価調整の直後でございまして、国内には景気の不況感というものが相当あったわけでございますし、しかも、中小企業対策が必要があるということで、国会においてもこの円平価調整に対する国内対策を急がなければならないという背景があったことは御承知のとおりでございます。また、国際収支対策として、輸出の内需への転換を促進しなければならなかったということもございます。
しかし、その結果、土地や株式というものに余剰な金が投入をされて、一部経済に混乱をもたらしておるという現況に対して、土地に対しましては、諸般の措置を講じ、今国会で御審議をお願いしておるということでございます。また、市況商品である木材、大豆、繊維などにつきましても、価格の高騰が見られるということは、御指摘のとおりでございます。これに対しましては、政府は、先ほども述べましたとおり、緊急輸入の促進、政府在庫の放出、関係業界への協力要請、商品取引所の規制等の措置を講じておるわけでございます。
また、過剰流動性対策としましては、一月以来、預金準備率の引き上げ、また、きょう第二段目の引き上げを実施するわけでございますが、そのような措置に加え、土地関連融資の抑制、日本銀行の窓口指導による貸し出し抑制の強化等の措置を講じておりますし、特に商社については、大手商社等に対する日本銀行の手形買い入れ限度額制度の創設や、商社向け貸し出しの抑制という、かつて行なったことのないような強い措置をとっておるわけでございますので、これら諸般の措置の効果は次第に浸透していくものと考えておるのでございます。日本の経済が非常に大きくなっておりますので、急旋回をして効果をあらわすということはなかなかむずかしい状態にございますが、しかし、これだけの措置が矢つぎばやに行なわれていくのでございますから、その効果は次第に浸透していくものと考えておるのでございます。過剰流動性の吸収には今後とも配意をいたし、投機的活動の排除には十分つとめてまいりたいと、こう考えております。
それから立法に対してどう考えるかということでございますが、先ほども申し上げたとおり、今回の事態に対しましては、基本的には、緊急輸入の促進とか、政府在庫の放出、関係業界への協力要請、商品取引所の規制、過剰流動性の吸収などの諸施策を中心とした行政的措置の活用で対処してまいることが正しいと思いますが、これを補完するための立法措置につきましても、各方面の御意見を徴しながら検討してまいります。正常な経済活動の確保のためには、皆さまの御意見も徴しながら、また、国民の英知を吸収しながら、適時適切なる措置を果敢に採用してまいりたいと、こう考えます。(拍手)
〔国務大臣中曾根康弘君登壇、拍手〕