齋藤邦吉の発言 (社会労働委員会)
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○齋藤国務大臣 ただいま議題となりました結核予防法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
近年、結核医療の進歩、結核対策の進展等によって、結核患者は著しく減少し、健康診断による患者の発見率も低下してまいりました。特に、年少者については、患者が激減し、健康診断による患者の発見率もきわめて低いものになっております。この反面、危険度はきわめて少ないとはいえ、とりわけ年少者に対する健康診断の際のエックス線被曝による健康に対する影響については、十分に配慮する必要があります。このような状況等にかんがみ、年少者に対する定期の健康診断及び予防接種について適切な措置をとろうとするものであります。
まず第一に、結核予防法による定期の健康診断は、現在、毎年実施することとされておりますが、患者の発生状況、エックス線被曝による健康に対する影響等を総合的に考慮し、適切に実施することができるように、政令で定める定期において実施することに改めることとしております。
第二に、予防接種は、ツベルクリン反応検査の反応が陰性または疑陽性である者に対して行なうこととされておりますが、疑陽性である者については、そのほとんどがすでに結核に対する免疫を有しておりますので、陰性である者に対してのみ予防接種を行なうことに改めることといたしております。
第三に、市町村長は、小学校就学の始期に達しない者のうち、幼稚園や施設で集団生活をしていない者に対して、毎年、ツベルクリン反応検査を行ない、かつ、その反応が陰性または疑陽性である者に対し、定期の予防接種を行なうこととされておりますが、予防接種による免疫効果はかなり長期間にわたって持続するものであることが明らかにされましたので、小学校就学の始期に達しない者に対し、政令で定める定期において、ツベルクリン反応検査を行ない、かつ、その反応が陰性である者に対し、定期の予防接種を行なうことに改めることとしております。
そのほか、結核予防法による医療に関する給付にかかる診療報酬の審査及び支払いに関する事務を、新たに、国民健康保険団体連合会等にも委託することができるようにし、診療報酬請求事務の簡素化をはかることとしており、体身障害者福祉法及び児童福祉法についても同様の措置をとることとしております。
以上がこの法律案を提出する理由でありますが、この法律案につきましては、参議院において施行期日に関し修正が行なわれたところであります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
次に、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
日雇労働者健康保険につきましては、昨年、給付期間の延長、現金給付の引き上げ等の制度の改善をはかったところでありますが、一方健康保険についても昨年の法改正により家族療養費の給付割合の引き上げ、高額療養費の支給等大幅な給付改善が実現したところであり、今日においては、日雇労働者健康保険の給付を健康保険の給付に準ずる内容のものとすることが、緊急の課題となっております。
このため、政府といたしましては、日雇労働者健康保険制度の現在の仕組みを維持しつつ、その内容を健康保険の水準に引き上げる方針のもとに、家族療養費の給付割合の引き上げ、高額療養費の支給、傷病手当金の支給期間の延長等大幅な給付改善を行なうとともに、保険料についても健康保険と均衡のとれたものに改定する等の制度の改善をはかることとした次第であります。
次に、改正案の内容について申し上げます。
まず、医療給付の改善につきましては、第一に、昨年の健康保険の改正と同様、家族療養費等の給付割合を五割から七割に引き上げるとともに、高額な医療につきましては、家族療養費等にあわせて高額療養費を支給することとしております。
第二に、療養の給付期間及び家族療養費の支給期間を現行三年六カ月から五年に延長することとしております。
また、この医療給付の改善にあわせて、初診時一部負担金についても健康保険と均衡のとれたものに改定することとしております。
次に、現金給付の改善につきましては、傷病手当金の支給期間を現行三十日から六カ月に延長する等、傷病手当金、出産手当金、埋葬料、分べん費等について、健康保険の給付に準じたものに改善することとしております。
また、保険料につきましては、今回の大幅な給付の改善に見合って健康保険と均衡のとれたものとするため、現在賃金日額に応じて第一級五十円から第四級二百円までの四段階とされているものを、賃金日額の等級に応じて第一級六十円から第八級六百六十円までの八段階とすることとしております。なお、この改定は、保険料の急激な負担増を避けるため、昭和五十一年度までの間に段階的に行なうこととするとともに 賃金日額の低い第一級及び第二級の被保険者負担分について軽減措置を講じております。
最後に、この法律の実施の時期につきましては、昭和四十九年十月一日としております。
以上が、この法律案を提出する理由でありますが、何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。