社会労働委員会

1974-05-16 衆議院 全268発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
昭和四十九年五月十六日(木曜日)
    午前十一時九分開議
 出席委員
   委員長 野原 正勝君
   理事 大野  明君 理事 斉藤滋与史君
   理事 葉梨 信行君 理事 山口 敏夫君
   理事 山下 徳夫君 理事 枝村 要作君
   理事 川俣健二郎君 理事 石母田 達君
      伊東 正義君    大橋 武夫君
      加藤 紘一君    粕谷  茂君
      瓦   カ君    住  栄作君
      田中  覚君    高橋 千寿君
      登坂重次郎君    羽生田 進君
      大原  亨君    金子 みつ君
      島本 虎三君    田口 一男君
      田邊  誠君    村山 富市君
      森井 忠良君    八木 一男君
      山本 政弘君    田中美智子君
      寺前  巖君    大橋 敏雄君
      坂口  力君    小宮 武喜君
      和田 耕作君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君
 出席政府委員
        厚生大臣官房審
        議官      三浦 英夫君
        厚生省薬務局長 松下 廉蔵君
        厚生省児童家庭
        局長      翁 久次郎君
        厚生省保険局長 北川 力夫君
        社会保険庁医療
        保険部長    柳瀬 孝吉君
 委員外の出席者
        議     員 川俣健二郎君
        議     員 大橋 敏雄君
        議     員 和田 耕作君
        文部省社会教育
        局婦人教育課長 志熊 敦子君
        社会労働委員会
        調査室長    浜中雄太郎君
    —————————————
委員の異動
五月十五日
 辞任         補欠選任
  伊東 正義君     大石 武一君
  粕谷  茂君     萩原 幸雄君
  瓦   力君     福田 篤泰君
  小林 正巳君     大久保武雄君
  住  栄作君     田中 龍夫君
  高橋 千寿君     天野 公義君
  粟山 ひで君     近藤 鉄雄君
  小宮 武喜君     池田 禎治君
同日
 辞任         補欠選任
  天野 公義君     高橋 千寿君
  大石 武一君     伊東 正義君
  大久保武雄君     小林 正巳君
  近藤 鉄雄君     粟山 ひで君
  田中 龍夫君     住  栄作君
  萩原 幸雄君     粕谷  茂君
  福田 篤泰君     瓦   力君
  安井 吉典君     村山 富市君
  池田 禎治君     小宮 武喜君
同月十六日
 辞任         補欠選任
  山本 政弘君     八木 一男君
  小宮 武喜君     神田 大作君
同日
 辞任         補欠選任
  八木 一男君     山本 政弘君
  神田 大作君     小宮 武喜君
    —————————————
五月十五日
 結核予防法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三四号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 国民健康保険法の一部を改正する法律案(川俣
 健二郎君外十三名提出、衆法第三〇号)
 結核予防法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三四号)(参議院送付)
 日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第五五号)
 優生保護法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、第七十一回国会閣法第一二二号)
     ————◇—————
この発言だけを見る →
大野明#1
○大野(明)委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長の指名により私が委員長の職務を行ないます。
 川俣健二郎君外十三名提出の国民健康保険法の一部を改正する法律案を議題とし、その趣旨の説明を聴取いたします。川俣健二郎君。
    —————————————年の国民健康保険法の制定とともに発足し、以来三十有余年、業種別組織たる特性を生かし、民主的かつ効率的運営によって、国民の医療確保とその健康の保持に貢献してまいりました。今日、国民健康保険組合は、店舗自営業者、自由業者、医療関係者などによるもの百五十一、あるいはまた、四十五年六月、日雇い健康保険の擬制適用の廃止によって新設された大工、左官、とび職などによるもの三十六、合計百八十七組合、被保険者総数二百六十万人、九十六万世帯にも達しております。
 さて、これらの最近における経営状況を見ますと、医学薬学の進歩、給付の改善、受診率の増大等により、医療費が年々二〇%前後の伸びを示すため、実に容易ならざる事態になっております。たとえば、四十六年度の保険料負担を見ますと、一世帯当たり、市町村国保の年平均六千三百十三円に対し、国保組合平均は、何と一万六千三百六十円にも及ぶという異常な事態さえ生じております。
 このような事態は、国民健康保険組合のうち約八割が、何らかの程度、法定給付率を上回る給付を行なっている事情をしんしゃくしてもなお異常と断ぜざるを得ません。この事態のよって来たるところは、市町村国保に対する国庫補助率が、医療給付費の四〇%であるに比べて、国保組合に対しては二五%にとどまっていることであります。すなわち、国保組合は、四〇%と二五%の差一五%分相当額たる約百六億円を、国にかわって背負っているということになるのであります。
 しかるに政府は、臨時調整補助金の名のもとに、わずか七十億円(四十九年度予算)を計上しているにすぎません。一方、市町村国保に対しては、四〇%の補助に加えて、五%の財政調整交付金制度があることは、御案内のとおりでありましょう。どこから見ても、国保組合に対する国の対応は、著しく公平を欠くものといわざるを得ないのであります。
 本案、右の観点から、政令の定めるところにより国民健康保険組合に対して補助できる率を四〇%に引き上げるとともに、政令の定めるところにより、五%の調整補助金を交付することができることとしたわけであります。
 なお、本案は、施行期日を四十九年十月一日といたしております。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに成立を期せられんことをお願いして、提案理由説明を終わります。
     ————◇—————
この発言だけを見る →
大野明#2
○大野(明)委員長代理 結核予防法等の一部を改正する法律案、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案、優生保護法の一部を改正する法律案を議題とし審査を進めます。
 結核予防法等の一部を改正する法律案、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案について、その趣旨の説明を聴取いたします。斎藤厚生大臣。
    —————————————
    —————————————
この発言だけを見る →
齋藤邦吉#3
○齋藤国務大臣 ただいま議題となりました結核予防法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
 近年、結核医療の進歩、結核対策の進展等によって、結核患者は著しく減少し、健康診断による患者の発見率も低下してまいりました。特に、年少者については、患者が激減し、健康診断による患者の発見率もきわめて低いものになっております。この反面、危険度はきわめて少ないとはいえ、とりわけ年少者に対する健康診断の際のエックス線被曝による健康に対する影響については、十分に配慮する必要があります。このような状況等にかんがみ、年少者に対する定期の健康診断及び予防接種について適切な措置をとろうとするものであります。
 まず第一に、結核予防法による定期の健康診断は、現在、毎年実施することとされておりますが、患者の発生状況、エックス線被曝による健康に対する影響等を総合的に考慮し、適切に実施することができるように、政令で定める定期において実施することに改めることとしております。
 第二に、予防接種は、ツベルクリン反応検査の反応が陰性または疑陽性である者に対して行なうこととされておりますが、疑陽性である者については、そのほとんどがすでに結核に対する免疫を有しておりますので、陰性である者に対してのみ予防接種を行なうことに改めることといたしております。
 第三に、市町村長は、小学校就学の始期に達しない者のうち、幼稚園や施設で集団生活をしていない者に対して、毎年、ツベルクリン反応検査を行ない、かつ、その反応が陰性または疑陽性である者に対し、定期の予防接種を行なうこととされておりますが、予防接種による免疫効果はかなり長期間にわたって持続するものであることが明らかにされましたので、小学校就学の始期に達しない者に対し、政令で定める定期において、ツベルクリン反応検査を行ない、かつ、その反応が陰性である者に対し、定期の予防接種を行なうことに改めることとしております。
 そのほか、結核予防法による医療に関する給付にかかる診療報酬の審査及び支払いに関する事務を、新たに、国民健康保険団体連合会等にも委託することができるようにし、診療報酬請求事務の簡素化をはかることとしており、体身障害者福祉法及び児童福祉法についても同様の措置をとることとしております。
 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、この法律案につきましては、参議院において施行期日に関し修正が行なわれたところであります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
 日雇労働者健康保険につきましては、昨年、給付期間の延長、現金給付の引き上げ等の制度の改善をはかったところでありますが、一方健康保険についても昨年の法改正により家族療養費の給付割合の引き上げ、高額療養費の支給等大幅な給付改善が実現したところであり、今日においては、日雇労働者健康保険の給付を健康保険の給付に準ずる内容のものとすることが、緊急の課題となっております。
 このため、政府といたしましては、日雇労働者健康保険制度の現在の仕組みを維持しつつ、その内容を健康保険の水準に引き上げる方針のもとに、家族療養費の給付割合の引き上げ、高額療養費の支給、傷病手当金の支給期間の延長等大幅な給付改善を行なうとともに、保険料についても健康保険と均衡のとれたものに改定する等の制度の改善をはかることとした次第であります。
 次に、改正案の内容について申し上げます。
 まず、医療給付の改善につきましては、第一に、昨年の健康保険の改正と同様、家族療養費等の給付割合を五割から七割に引き上げるとともに、高額な医療につきましては、家族療養費等にあわせて高額療養費を支給することとしております。
 第二に、療養の給付期間及び家族療養費の支給期間を現行三年六カ月から五年に延長することとしております。
 また、この医療給付の改善にあわせて、初診時一部負担金についても健康保険と均衡のとれたものに改定することとしております。
 次に、現金給付の改善につきましては、傷病手当金の支給期間を現行三十日から六カ月に延長する等、傷病手当金、出産手当金、埋葬料、分べん費等について、健康保険の給付に準じたものに改善することとしております。
 また、保険料につきましては、今回の大幅な給付の改善に見合って健康保険と均衡のとれたものとするため、現在賃金日額に応じて第一級五十円から第四級二百円までの四段階とされているものを、賃金日額の等級に応じて第一級六十円から第八級六百六十円までの八段階とすることとしております。なお、この改定は、保険料の急激な負担増を避けるため、昭和五十一年度までの間に段階的に行なうこととするとともに 賃金日額の低い第一級及び第二級の被保険者負担分について軽減措置を講じております。
 最後に、この法律の実施の時期につきましては、昭和四十九年十月一日としております。
 以上が、この法律案を提出する理由でありますが、何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
この発言だけを見る →
大野明#4
○大野(明)委員長代理 優生保護法の一部を改正する法律案につきましては先国会で趣旨の説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
大野明#5
○大野(明)委員長代理 御異議なしと認め、さように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
大野明#6
○大野(明)委員長代理 質疑を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金子みつ君。
この発言だけを見る →
金子みつ#7
○金子(み)委員 結核はかつては日本では国民病であるとか亡国病であるとかいうふうにいわれて、長いこと日本の死亡率の第一位を占めるというような状態が続いてきたことは御承知のとおりだと思います。二十年ほど前から、大体昭和二十六年でしたでしょうか、結核対策が新たにつくられて、そして結核の実態調査を五カ年ごとに行なうとか、それに基づいて患者管理をするというような政策がとられるようになりましてから、過去二十年の間における結核の蔓延率が低下したとか、あるいは死亡率が一位であったものが十位に下がったとかというような、結核に関する諸政策の成果というものは一応評価できるものがあると思うわけでございます。しかし結核の死亡率が二十年前に比べて、一位であったものが十位に下がったということは、死亡の数は減ったということであると思いますけれども、なくなったということではない、ゼロになったということではないわけでございます。そこで日本の結核の状態というのは、十年あるいは二十年前の状態に比べますと、非常に形が変わって、今日なお別の形で非常に大きな問題が残されているということを私たちは認識しなければならないと思うわけでございます。
 たとえば、昭和四十七年には結核による死亡率が人口十万に対して一一・九というふうになりまして、死亡率第十位ということになったわけでございますけれども、御承知のようにWHOの西太平洋地域、これは日本を含みます西太平洋沿岸に存在する諸国でありまして、どちらかといえば後進国あるいは中間の国とか、そういったいわゆる先進国とは考えられていない国の多い地域でございます。その地域を対象としている西太平洋地域のセミナーでは、WHOは、結核に関してはその死亡率を人口十万に対して一〇にするという一つの目標を持っているということを承知いたしております。また同時に、結核に関する国際会議、国際結核学会でも同じように人口十万に対して一〇というところで線引きをしている。そこで、ここで線引きをして先進国と後進国とを振り分けているわけでございますが、そういうことになりますと、日本の場合は後進国になっているわけです。結核に関しては依然として後進国であるということを照明されてしまっております。しかもその後進国ぶりがどんな程度に後進国になっているかといえば、オランダでは人口十万に対して一・二、オーストラリアが一・四、アメリカが一・四、カナダが二・一というふうな先進国の数字に比べてみますと、二・九という日本の数字ははるかに高い、五倍ないし十倍も高いということがいえると、思うわけです。ですから日本は結核はもう解決したのだとか、あるいは日本はもう結核の問題は重要ではないんだというようなことは、とてもじゃないけれどもいえないと思うわけです。この高い数字を、先進国に比べて十倍もの死亡率をまだ持っている日本の場合に、これを先進国並みに低下させていこうとするためには、まだまだ十年や十五年はかかるということは、結核の専門の方たちが口をそろえておっしゃっているところでございます。ですから、たまたま死亡率が二十年前に比べれば十分の一を減ったからといって、気をゆるめたりあるいは手を抜いたりということは許されないと思うわけです。
 そこでお尋ね申し上げたいと思いますのは、結核実態調査でございますが、たしか昨年、昭和四十八年は実態調査の行なわれた年だと思うのですが、その結果は集計ができておりますでしょうか、どれぐらい前進しておりますでしょうか。もしおわかりになっていらっしゃいましたら教えていただきたい。
この発言だけを見る →
三浦英夫#8
○三浦政府委員 昨年は昭和四十八年十月に結核の実態調査を行なっております。ただ結核の実態調査につきましては集計の項目その他が非常に複雑になっておりますので、現在統計調査部で集計中でございまして、まだ結果が判明していないような次第であります。
この発言だけを見る →
金子みつ#9
○金子(み)委員 わかりました。それではその集計はでき次第教えていただきたいと思います。
 続いてお尋ねをしたいと思いますのは、私は日本の医療問題はかなり水準が上がってきているというふうに一応考えております。もちろん一つ一つ分析して考えれば、ある専門の方々は、日本の医療はまだ十年や十五年はおくれているとおっしゃる方もありますし、それから日本は、医学の進歩に比較して医療はまだまだおそいのだというふうにいわれている場合もございます。しかし一般的に申しまして、かなり水準は上がってきたと考えていいのじゃないかというふうにも思われると思います。
 ところで、そのような状態になっているのにもかかわりませず、なぜこのように結核の死亡率がもっと下がっていかないのだろうという疑問があるわけでございます。申し上げるまでもありませんけれども、もともと結核は呼吸器の伝染性疾患でございますし、その原因もはっきりしているわけでございます。ですから言うなれば予防可能の疾病だということができると思うのです。ガンのように原因がはっきりしないで予防対策が非常にむずかしいものは別といたしまして、伝染病なんというものは原因がはっきりわかっているのですから、予防できないはずがない。予防可能な疾病であるにもかかわりませず、非常にその成績が遅々として進まないという問題について私はふしぎに思っているわけなんです。なぜこれがこんなに時間がかかるのだろうかという問題でございます。その原因が、日本の気候とかあるいは食生活とか生活環境とか栄養問題とか、そういうようなことにも関係があるかもしれないと思いますが、もしそうであるとすれば、そのようなものも考慮に入れた、幅広い総合対策が結核対策の中に組みこまれていかなければならない、そんなふうに思うのでありますが、日本の政府はガンというともうぴりっと電気に打たれたみたいになって、ガンを退治するためにはというので、ガン予防対策、あるいはガンの治療の問題につきましては非常に御熱心でばく大な予算を組んでいらっしゃいます。ところが結核についてはあまり目ざましい予算の変化も見当たらないというふうなことから考えますと、結核対策についてどのように考えていらっしゃるかということが不安でございますし、まずこの死亡率の低下の問題につきまして、なぜ下がらないのだろうという私の端的な質問にお答え願いたいと思います。
この発言だけを見る →
三浦英夫#10
○三浦政府委員 先生おっしゃいますように、現在結核の死亡率は人口十万、一一・九になっております。これをちなみに昭和二十五年に比べますと十分の一、昭和三十五年に比べましても三分の一程度になっております。ただ、確かに先生のおっしゃいますように、かつての急速に死亡率が低下してきた当時から見ますと、最近は死亡率の低下も速度が落ちてきております。その原因につきましては、従来は結核は国民病といたしまして、おそらく全国民平均的に結核にかかった方があったわけでございますが、最近の結核の様相は、御承知のとおり、たとえば高年齢層であるとか、あるいは特定の地域に結核患者さんが集中しておるとか、あるいは山村あるいは農漁村というような地域に集中しておる、こういう現象があらわれてきておりまして、いわば特定の階層、特定の地域等に問題がしわ寄せになってきております。こういう地域につきましては、健康診断とかあるいは予防接種を行なうにつきましても、学校とか事業所に比べまして非常に受診率が悪いとか、あるいはなかなか病院に来てくださらない、こういうようなことが原因となって死亡率の低下がやや鈍化してきておるのじゃないかと思う次第でございます。したがいまして、私どものこれからの対策は、そういう方面に重点を置いた結核対策を推進していきたいと思っておるような次第でございます。
この発言だけを見る →
金子みつ#11
○金子(み)委員 死亡率の地域差のお話が出ましたが、これについても少し実態を御説明申し上げて、御意見をいただきたいと思います。
 いまの死亡率でありますけれども、地域差の話が出たのですが、全国平均がいま申し上げた一一・九、ところがこの地域差を少し調べてみますと、九州の鹿児島県が三一・三、長崎とか佐賀とか大分とか九州の北のほうですね。北九州市も合わせて、一八というふうな数字が出ております。要するに西日本ですね。西日本側はこのような数字です。ところがこの西日本の数字に比べて、東日本といわれている宮城県とか新潟県とか長野県とかあるいは関東の群馬県とか埼玉県とか、こういうところは六・九程度でございます。けたが一つしかありません。このように、西日本に高くて東日本に低いという実態が発見できるわけでございます。
 それからまた、いまのは死亡率ですが、結核の罹患率についても、全国平均は十万対二二七・八という数字が示されておりますが、これに対して、やはり九州の大分とか熊本とか、こういうような地方、あるいは神戸、大阪、この辺まで延ばしてみても、大体二一二とか二〇〇とか百九十幾つとか、こういう高い数字ですね。二〇〇台になっております。ところが東日本のほうは、先ほど申し上げた長野とか新潟とかというところは一〇〇にもならない、七〇台、八〇台、こういうふうに低いわけでございます。これもやはり西が高く東が低い、こういうことになっております。
 さらに感染性の肺結核の罹患率、これはたいへんおそろしいのですが、この感染性の肺結核の罹患率を見ますと、全国平均では三二・一でございますが、同じように西側、和歌山県五七・六とかというところが高いです。これに比べて、長野県が一五というふうなぐあいに、非常に下がってくる。どれを見ましても西側が高くて東側が低い、こういうような数字の結果が出ているわけなんですが、これは何が原因かということですね。たまたま偶然なのでございましょうか。常識的にいえば、東北とか北海道あるいは長野とか新潟とか、こういう地方のほうが気候も悪いし、結核にとっては条件としては好条件ですから結核が多い、あるいはあたたかいほうの側は、西側は結核が少ないと常識的に考えられ得るような気がするのですけれども、実態はその逆なんですが、これは一体何が原因なのでございましょうか。その原因と、それからそれに対する対策とをお考えでございましたら聞かせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →
三浦英夫#12
○三浦政府委員 確かに先生の御意見のとおり、西日本に結核の罹患率あるいは死亡率が非常に帯くなっております。これは確かにそのとおりでございます。実はこの原因につきまして学会の先生方にいろいろ御意見を聞いたりしているのでございますが、その原因そのものはなかなかわからないようでございます。ただはっきりしておりますことは、結核対策に取り組んだところが早かったところほど、早く死亡率あるいは罹患率が減ってきているのは、これは確かなようでございます。したがいまして、先生おっしゃるとおり、結核は撲滅できる病気でございますから、今後はこういう罹患率等の高い地域にできるだけ対策の重点を持っていって、結核の撲滅をはかりたいと思っているような次第でございます。
この発言だけを見る →
金子みつ#13
○金子(み)委員 早く取り組んだところが早くいい成績を出した、こういうふうにいまおっしゃったわけですけれども、そうすると、たまたま偶然東日本側のほうが早く取り組んで、そうして西側は取り組みがおそかったというふうに理解できるのですが、それでよろしいのでしょうか。
この発言だけを見る →
三浦英夫#14
○三浦政府委員 一がいにそれはいえないようでございますが、実は私どもも、先生のおっしゃるとおり、学会の先生方と、どうして西日本が高いのかという疫学その他いろいろな見地から研究けしておりますが、その原因がよくわからないのが実情のようでございます。
 ただ、早く取り組んだところが早かったというと、今度は西日本にそうじゃなかったということになるのでございますが、そういう意味でなしに、早く取り組んだところは早くなっていることも事実のようでございます。
この発言だけを見る →
金子みつ#15
○金子(み)委員 そうすると、私はふしぎだと思いますのは、学者の先生に伺ったらよくわからないとおっしゃったからやむを得ない、こういうふうにしか聞こえないのですよ。でもそれでは、国の政策として、これからは学者に聞いてもわからなかったのだからやむを得ないでは済まないと思うわけですね。それはやはりわからせなければ意味ないのじゃないでしょうか。どこまでも追及してわからせる、その機能もお持ちだと思いますし、能力もお持ちだと思いますから、長い間はうっておいたというのはどういうことなんでしょう。一日も早くわからせて、そうして西側の高いのを、東ができているのになぜ西ができないのか、私はそんなおかしな話はないと思うのですね。ですから、やはり政府自体が熱心に取り組んでいらっしゃらなかったのじゃないでしょうか。その辺私は非常に疑問に思うのです。
この発言だけを見る →
三浦英夫#16
○三浦政府委員 受診率とか、そういう方面からも検討を加えております。先生おっしゃるとおり、私どもこれからの結核撲滅対策は地域的な問題、階層的な問題がございますので、そういう原因を十分学会の先生とも探求をいたしまして、さらに力をいたしていきたいと思っている次第でございます。
この発言だけを見る →
金子みつ#17
○金子(み)委員 いまの問題はできるだけ早い機会に改善できるように努力していただきたいと思います。
 続いて別の質問をさせていただきたいと思います。
 いまは地域差の問題で非常に問題が残っているということがわかったわけでございますが、今度は結核患者の職業別と申しますか、どういうような生活をしていらっしゃるかというようなことによって差があるかどうかということでございます。それについて数字を調べてみますと、いわゆる新規登録患者、新しく発見されて登録された患者の職業別は、一番高いのは無職、職業についてない人というのが、私の調べました四十七年の数字では二三・二%と出ておりました。その次に高いのが一二・五で、これは家事従事者と書いてありましたけれども、家事従事者の中の、おもにこれは主婦でございます。主婦が非常に高い。そのほかには自営業ですね。職人とか商売をしていらっしゃる自営業の方が大体八%近い。それから農林漁業の人が同じぐらい高い。あるいは自由業の人が少し下がって三台になる、こういうような数字が出ています。いずれにしましても、こういうような職種の方たちが結核登録患者全体の半ば以上を占めている、五〇%をこえているわけですね。六〇%近くこの職種の方たちが登録されているということがわかったわけです。
 それから、ただ登録の数字だけでなくて、感染性の結核であるかどうかという問題がまた大きな問題になると思います。感染性であるかないかということが結核の場合には非常に大きな意味があると思うのですけれども、感染性の患者の場合で見ますとさらにその比率が高くなる。感染性の場合は六一・九%、六二%がこの職種の方たちで占められているという実態がわかるわけでございます。
 そこでお尋ねしたいと思いますことは、こういうグループは、いわゆる結核対策の中の定期健康診断というものからはずれている人ですね。たとえば学校の検診とかあるいは事業所とかそういうところの定期検診からはみ出していて、保健所で行なっている住民検診の対象になっている人たちじゃないか。いわゆる定期外でございますか、それを定期外と言うのかどうかよくわかりませんが、いずれにしましても、住民検診の対象になる人たちだというふうに理解いたします。
 そうすると、この人たちの場合は、非常にむずかしいのは、検診のために一日休むということが直接収入に影響いたしますね。ですから、検診のために休んで行くというわけにもいかない。それをやっているとさっそく収入に影響してきますし、収入が減りますから、それはなかなかできないというような原因があるんじゃないかと思うのですね。
 そういたしますと、地域住民検診をなさる場合に、どういうふうな形で、こういう人たちを検診に引き出せるような対策を従来とっていらしたのかどうかということです。非常にむずかしいと先ほどちょっとおっしゃっていらっしゃいましたけれども、尋常一様の呼びかけぐらいでは、この種の人たちを検診に引っぱり出すことはむずかしいと私は思う。どのような対策を用意していらっしゃるでしょうか。この人たちこそ問題の人たちなんですよ、多いんですから、そしてその人たちが受けていないんですから。これをするためには、どういう具体的な対策を御準備なさっていらっしゃるか、持っていらっしゃるか、教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →
三浦英夫#18
○三浦政府委員 確かに、先生の御指摘のとおり、自営業者の方であるとか主婦の方であるとか無職の方、こういう方々に結核の新規登録が多い、あるいは定期の市町村長の行ないます検診になかなか参加してくれない、これは事実のとおりでございます。それに比べまして、学校とか職場では集団検診が非常にやりやすい。そういうような観点から、結果といたしまして、主婦とかあるいは農村の方というほうに結核の罹患率が高いというようなことも起こっているかと思う次第でございます。
 私どもといたしましても、これからの対策はそちらへ重点を向けていかなければならぬ、かように思っております。
 その一つの方法といたしまして、昨年度から、成人病の検診、特に循環器疾患等でございますが、これを市町村で実施を——これは法律でやるのでなくて任意でございますけれども、そういうものとか、あるいは血圧検査とか、そういうものとあわせて、できるだけ受けていただくようにというような呼びかけを、地域の婦人会とかあるいは自治会等に行なっているような次第でございまして、一つだけではなかなかお受けにならなくても、いろいろな検査を総合的にやっていただけば、受診をしていただけるんじゃないか、かように思っているような次第でございます。
この発言だけを見る →
金子みつ#19
○金子(み)委員 たとえば、いまお話が出た成人病検診というのがありますね。その成人病検診というのには、非常にみんな出てくるわけですよね、おっしゃるように。数字の上でも、成人病検診の場合は、まだ成人病そのものがあまり認識されていなかった昭和三十年代では低いです。千人に対して一一・五ですから低いですけれども、昭和四十年では四六・五と大きな数字を出しておりますし、さらに一昨年の四十七年、一番新しい数字だと思いますが、七三・一というふうに、成人病検診の場合は、ウナギ登りに検診率が上がっていっているわけですね。
 ところが、結核の場合はその逆をいっているわけです。たとえば、四十年に一四一・九もあったのが、四十七年には八九・九、がたっと下がる、こういうような実態が出ているわけなんですけれども、これはいまお話しのように、成人病検診とあわせてやれば可能だというお見込みがあるんでしょうか。
この発言だけを見る →
三浦英夫#20
○三浦政府委員 幸いにしてそういう循環器とかあるいは検尿とか血圧検診とあわせてやった保健所管内では、従来よりも受診をしてくださる率が高くなっております。ですから、これも一つの方法じゃないかと思いまして、さらにこういう方法を推進していったり、あるいはまた、そのほか何かもっと受診に来てくださるような方法を考えて、受診率を高めたいと思っている次第でございます。
この発言だけを見る →
金子みつ#21
○金子(み)委員 ほんとうにむずかしいことはむずかしいと私も思います。私どもの住んでおります町内で保健所から、この成人病検診で呼びかけがきておりますし、それから、いろいろな団体が検診車を回して検診をする。それは、近くの広場、公園とか子供の遊び場のようなところに検診車を置いて、ここに検診車が来ていますから皆さん検診を受けてくださいと呼びかけをやっているわけですね。ところが、その呼びかけがあっても、そこに来ていることがわかっていても、なかなか足を運ぼうとしないのが一般の人たちの認識だと思うのですよ。これを引き上げていくというのは非常にむずかしいと思います。だから、ただ単なる呼びかけだとか、ビラを配るとか、チラシをまくとかいうことだけでは私はとてもできないと思うのですけれども、何かもっと効果的な方法というものは考えられないかどうかということが一つと、それから、いま成人病と一緒にしたらば検診率が高くなっているとおっしゃいましたが、その高くなっている検診率の実態を、いまでなくてもよろしいですが、数字で教えていただきたい。どのように高くなっているかということがわかるような数字がありましたら教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →
三浦英夫#22
○三浦政府委員 場所あるいは時間等もっときめのこまかいことをやっていただかなければならぬじゃないかと思っております。一律に個々のたくさんの方に遠い場所に集まってほしいとか、あるいは時間等につきましても一律の時間ではなかなか集まりにくいようなこともありますので、今後はもっときめのこまかい集団検診の方法を考えていきたいと思っております。
 なお、成人病との受診率の関係でございますが、全国的な平均の数値はございませんが、事例的なものはありますので、後ほど先生のところへまた御説明にあがりたいと思っております。
この発言だけを見る →
金子みつ#23
○金子(み)委員 いまの問題につきましては、数字をあとでいただきたいと思いますことと、それからどのように具体的な方策を——新しい考え方で何か計画を進めていただかない限り成果はなかなかあがらないというふうに思いますので、その点は十分御検討いただきたいと思います。
 続いてまた別の角度からこの結核の問題を取り上げてみたいと思います。
  〔大野(明)委員長代理退席、委員長着席〕
 結核に関するいろいろな統計調査というのは非常にたくさん出ておりますが、そのたくさん出ております調査したものの中から、私は年齢別の結核の実態を調べてみたわけでございますが、一口にして申しまして、結核患者の実態は、昔十年ないし二十年前の時代では、若い二十代の青年層ですね、十代の終り、いわゆるティーンエージャーといわれるころから二十代、三十代にかけて一番多かったということがいわれておりましたし、またそれは事実であったと思います。それが最近の傾向はそうではなくて、むしろ年齢の高い者に結核患者が多数発生しているという事実が数字の上で明らかにされているわけでございます。
 申し上げるまでもないと思いますからあまり詳しい数字を申し上げる必要はないと思いますけれども、たとえばいままで高かったと考えられていた二十歳までの人たちですね、こういう若い青年層、この二十歳以下のグループというのは今度は現実にはたいへんに少ないわけですね。大体−四%ぐらいしかない。それに引きかえて四十歳以上が非常に高くなっておりますね。四十歳以上だけをとってみても八〇%に近い数字を示しておりますし、さらにもっと問題だと思いますのは、六十歳以上が非常に高いということでございます。六十歳以上だけでも六〇%あるというようなことでございますので、問題は、結核は老齢化してきたということになるわけなんです、老齢化してくると、いろいろな意味におきまして非常にやっかいだと思います。だんだん結核は以前よりもむずかしくなってきたのじゃないかというふうに考えられるわけでありますが、いまは非常に老年層に多い、それから若年層には少ないという実態がございます。この老年層というのは、いずれはなくなっていきますね。死亡していく。何年か先に、老年層が退いたあとに若年層が入れかわりますね。入れかわって入っていった場合には、日本の結核の数字はいまとは変わるでしょうか。やはり同じようにまた高い数字を老年層になったときに示すでしょうか。それとも、低い人たちが入れかわったわけですから、それがその低いままでとどまっておりますでしょうか。言い直せば、結核が減少するということですね。そういうふうになるものでしょうか。ちょっとその点、私はわからないのですけれども、どういうふうにお見通しを立てていらっしゃいますか。
この発言だけを見る →
三浦英夫#24
○三浦政府委員 若い層の方に結核患者が少なくて老年層の方に非常に多い。まさに先生御指摘のとおりでございます。こうなりました原因にはいろいろあると思いますが、やはり一番大きな原因は、若い方はいろいろな機会に健康診断あるいは予防接種を受ける機会が多い。実際問題といたしまして、二十代までの方は八五%以上の方が予防接種あるいは健康診断を毎年のように受けておられます。ところが四十以上の方はなかなかそういう健康診断を受けていただけない。受診率にいたしましても四〇%以下になっております。これが結核の早期発見、早期治療ということからまいりまして——予防接種の効果が非常に高くなったこととか、あるいはその他全般からまいりまして、現在の若い層の方々が御老人になったら結核になる、こういうことはないと思いますので、結核は逐次、若い層の方々がこのまま老齢化したときに結核になるというような現象はまずないと思っておる次第でございます。
この発言だけを見る →
金子みつ#25
○金子(み)委員 そうすると、結核は年齢層が入れかわったときには下がっていく、減少するというふうに考えて間違いないですね。よろしいわけですね。——はい、ありがとうごさいました。
 そうしますと、老齢者の結核の問題でいま一つわからないことがありますのでお尋ねしたいと思いますのは、若い元気なころ、健康なころにつとめていますね、仕事をしていますから、いまお話しのように定期検診を受けて、そして管理がよく行き届くから結核は少ないということが考えられます。そうすると、定年過ぎてから、そういった管理の手を離れてから疾病がふえていった、こういうことになってくるわけですね、自然の勢いとして。結果としてそうなりますね。ということは、定年をこえた方々のための健康管理の対策が、定年までの就職していらっしゃる間と比べるといささか違ってきているのじゃないか。その辺にウエートがずいぶん置き方が違ってきているのじゃないかという気がします。就職している間は企業にまかせて、企業がそれを実施するようにということになっていますから、政府が直接手を出さなくてもできる問題で、企業にまかせてしまっていらっしゃる。定年過ぎたあとの問題は企業にまかせる問題じゃなくて、政府が直接手がけなければならない問題でございますが、そこへもってきてそのほうがぐっと成績が悪いというのは、むずかしいかもしれませんけれども、私はやはりそこに何かたるみがあると申しますか、真剣味が抜けているのじゃないかというような感じがするのですね。そういうことはあってはならないと思いますが、そういうことはございませんのでしょうね。私は確かめておきたいのです。
この発言だけを見る →
三浦英夫#26
○三浦政府委員 確かに職場とか学校におられて集団検診の受けやすい環境の方々に比べまして、お年寄りの方あるいは主婦の方等の受診率が低いことはまさに御指摘のとおりでございます。私どもこれに一番腐心をしておりまして、したがいまして何とかこの方々の受診率を向上していこうと思いまして、たとえば先ほど申し上げました成人病検診とあわせてやるということを始めましたのも四十八年度からでございます。昨年初めてこういうことを試みてやってみたわけでございますが、これからも先生御指摘のとおり、いろいろなことを考えまして、受診率の向上をはかってまいりたいと思っておる次第でございます。
この発言だけを見る →
金子みつ#27
○金子(み)委員 いま一つ老人の問題でお尋ねしてみたいと思いますことがございます。
 それは、最近は結核療養所の入院患者さんが非常に老齢化してきているという事実、これは先ほど来の話し合いの中で当然のことだと思うのですけれども、病床が老齢者、高齢者で占められて、特別養護老人ホームじゃないけれども、特養のような状態になりかかってきているという事実があるようでございます。
 その問題と、それからいま一つは、結核の療養所のベッドの利用率がたいへん低いですね。一般病院が八五%ぐらいだと思いましたが、結核の場合は六五%ぐらいで、ずいぶん低いですね。ということは、利用していないということになるのでございますけれども、利用していない理由がどういうところにあるかということは、私どもやはり疑問だと思うわけです。病人は一ぱいいるのですから、社会の中には。しかも高齢者あるいはその他先ほど申し上げたようなグループの人たちが。しかしそれを使っていないというのには何か理由があるだろうというふうに考えるわけでございますが、老人問題と関連して、政府ではそれをどのように考えていらっしゃるでしょうか。私どもは耳にいたしますところでは、最近の結核療養所に入所を希望してくる人たちが高齢者であるということや、重症者であるというようなことから、結核療養所ではそういう方が入院されると手間がかかると申しますか、非常に人手を要するので、どっちかといえばお断わりしたい、拒否されるという例がございます。それから長期入院でございますので、療養所側としては部屋代の差額をとるということもできない。そうすると採算がなかなか合いにくい。だから、長期にわたる高齢者の入所はお断わりしたいというようなことで断わられているケースもあるのですね。そういうようなこともあって、この利用率が少ないというふうなこともあるのじゃないかと思うのですが、そのほかにどんな理由があるというふうにそちらではお考えになっていらっしゃるでしょうか。
この発言だけを見る →
三浦英夫#28
○三浦政府委員 確かに現在の病床の利用率は六四、五%になっております。まさに御指摘のとおりでございます。私は、この基本的原因といたしましては、一つは、昔のような重症患者の方が少なくなってきたことが一つだと思います。さらにもう一つは、化学療法が発達いたしまして、昔のように長期間の治療を要しなくなってきた。さらに、化学療法の発達によりまして、従来でございましたら入院治療をしなければならないのが、外来治療で済まされるようになったということもあるのではないか、私は、そういう医学技術の発達、あるいは薬学の発達から来たのが基本だと思っておるような次第でございます。
この発言だけを見る →
金子みつ#29
○金子(み)委員 私どもが聞き及んでおります理由の一つの中に、いまのお話も確かにそうかもしれないと思います。長期入院者がたいへん少なくなっていることは事実でございます。しかし、短期で回転率がよくなって入院するということはあり得ると思うのですね。でも、入ってきていない。その中には、入院患者の人たちが一体現在の結核の医療で満足しているかどうかという問題なんかも入ってくる。患者の満足度というものがあるわけですね。その患者の満足度というようなものを調べてみたものがあるのですが、そうしますと、現在の状態で満足していると答えている人は六人に一人ぐらいしかいないのですね。あとは不満足なんです。不満足な原因は、食事がおいしくないとか、あるいは部屋がきれいでないとかあるいはサービスがよくないとか、お医者さんは一カ月に一回しか来てくれないとか、そういうような不満があって、満足していない。そうなるとこの問題は結核医療の中身の問題にもなってくると思うわけなんですが、このほうにつきましては万般間違いなくやっているというふうにお考えでございましょうか。実際問題としてはそういうことがあるわけなんです。そこら辺をどのようにお感じになっていらっしゃいますか。
この発言だけを見る →
← 戻る