吉田法晴の発言 (内閣委員会)

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○吉田委員 私が申し上げるまでもなく、憲法の地方自治の最後の条文は九十五条、「一の地方公共團體のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共團體の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、國會は、これを制定することができない。」、これは「一の地方公共團體」ですから、一つの地方公共団体。私は記憶しておりますが、憲法ができまして間もなくの国会では、長崎だとか広島だとか、一つの市がその方向として、権利義務にも若干の関係があったかもしれないと思いますが、平和都市宣言をするのにさえ住民投票が行なわれた。この条文は実は最近は死んでいる。あまり運用されていない。しかし、基地を許すかどうか、あるいは米軍から返ってきた基地を自衛隊が使いたい、それを許すかどうかということで町をあげて争いになり、それで市町村長の選挙が行なわれていることは、御存じのはずであります。ですから、これはたいへん大事な問題であります。したがって、この法律で、いわば金の大判か小判か知りませんが、ほっぺたをたたきながら、どうですか、どうですかというやり方は、私は、少なくとも民主主義のやり方としては間違いだと思うのです。
 いま、政令をつくるときには各省相談をして閣議にかかる、それから九条の指定の場合についても、各省相談をするということですが、問題は、自治政務次官に聞きますが、法上に明確に書いてあるなら——いま言われるように、自治体のことだから、税源、税収による財源、それから交付税、特交その他、とにかくいろいろ自治体を育てるについては、誤りをなからしめるためには、住民の福祉のためには、自治省は苦心をしておられる。ところが、それと関係があるかもしれぬけれども、横から相談を受けるだけで、基地のあるところについては、特別施設の指定をしたら、ほとんどの公共施設については十割、十分の十です。それから、そのほかにも、いままでの基地交付金のほかに新しく交付税をやろうという。その交付税とその他の交付税との関係等は、たてまえからいうならば、純然たるプラスになることかもしれませんけれども、金額が多くなりまして、ことしの予算は五億が計上されているようですが、おそらくだんだんふえてまいりましょう。
 問題は、論理とそれから法律なり憲法なりの精神に従って、ほんとうに住民の福祉ということで選択がなされるならば、いま読み上げました憲法の条章のような、住民の意思に従って選択をされるならば、言うところはありません。言うところはありませんが、住民の意思の表現と、それから、いわば政府からぼたもちでほっぺたをたたいてのやり方との間には、私は矛盾が出てくると思う。まあ、そうはしませんと、こう言われるけれども、政令案を私どもも拝見いたしましたけれども、政令が閣議にかかる、あるいは九条指定の際に、閣議の決定だから、自治省にも相談をするということでは、やはり私としては安心ができない。それが、政令になるのかあるいは何になるのか知らぬけれども、制度としてこういたしますということを、はっきり言われぬ限りは、山中長官は、きのうでしたかおとといでしたか、大みえを切られましたけれども、それは通るまでの話であって、通ってしまったら、やはりこれだけ政令が多くて、防衛施設庁の長官の権限が強ければ、民主的な運営というものは、なかなか困難だと思うのです。具体的な方法について、もしお気づきの点があれば、明らかにお示しを願いたいと思います。

発言情報

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発言者: 吉田法晴

speaker_id: 22988

日付: 1974-05-09

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会