内閣委員会

1974-05-09 衆議院 全209発言

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会議録情報#0
昭和四十九年五月九日(木曜日)
    午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 徳安 實藏君
  理事 加藤 陽三君 理事 小宮山重四郎君
   理事 中山 正暉君 理事 野呂 恭一君
   理事 上原 康助君 理事 大出  俊君
   理事 中路 雅弘君
      越智 伊平君    大石 千八君
      奥田 敬和君    田中  覚君
      竹中 修一君    旗野 進一君
      藤尾 正行君    三塚  博君
      大原  亨君    木原  実君
      吉田 法晴君    和田 貞夫君
      鬼木 勝利君    鈴切 康雄君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 亀岡 高夫君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      小坂徳三郎君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 山中 貞則君
 出席政府委員
        内閣審議官   粟屋 敏信君
        内閣審議官   小幡 琢也君
        内閣法制局第二
        部長      味村  治君
        内閣総理大臣官
        房総務審議官  佐々 成美君
        行政管理庁行政
        管理局長    平井 廸郎君
        防衛政務次官  木野 晴夫君
        防衛庁参事官  大西誠一郎君
        防衛庁参事官  長坂  強君
        防衛庁参事官  岡太  直君
        防衛庁長官官房
        長       丸山  昂君
        防衛庁防衛局長 久保 卓也君
        防衛庁人事教育
        局長      高瀬 忠雄君
        防衛庁衛生局長 鈴木 一男君
        防衛庁経理局長 小田村四郎君
        防衛庁装備局長 山口 衛一君
        防衛施設庁長官 田代 一正君
        防衛施設庁次長 鶴崎  敏君
        防衛施設庁総務
        部長      安斉 正邦君
        防衛施設庁施設
        部長      平井 啓一君
        防衛施設庁労務
        部長      松崎鎮一郎君
        経済企画庁総合
        開発局長    下河辺 淳君
        外務省アメリカ
        局長      大河原良雄君
        建設省計画局長 大塩洋一郎君
        建設省道路局長 菊池 三男君
        自治政務次官  古屋  亨君
        自治大臣官房審
        議官      横手  正君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局捜
        査第一課長   佐々木英文君
        運輸省鉄道監督
        局民営鉄道部長 中村 四郎君
        運輸省航空局飛
        行場部長    隅  健三君
        内閣委員会調査
        室長      本田 敬信君
    —————————————
委員の異動
五月八日
 辞任         補欠選任
  笠岡  喬君     田村 良平君
  近藤 鉄雄君     三原 朝雄君
  田中  覚君     前田治一郎君
  三塚  博君     天野 公義君
同日
 辞任         補欠選任
  天野 公義君     三塚  博君
  田村 良平君     笠岡  喬君
  前田治一郎君     田中  覚君
  三原 朝雄君     近藤 鉄雄君
同月九日
 辞任         補欠選任
  田中  覚君     赤城 宗徳君
  服部 安司君     奥田 敬和君
  川崎 寛治君     大原  亨君
同日
 辞任         補欠選任
  大原  亨君     川崎 寛治君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 国土総合開発庁設置法案(内閣提出、第七十一
 回国会閣法第二三号)
 防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律
 案(内閣提出第四五号)
     ————◇—————
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徳安實藏#1
○徳安委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、第七十一回国会閣法第二三号、国土総合開発庁設置法案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木原実君。
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木原実#2
○木原委員 それでは、総務長官がお見えでございますので、まず提案者としての長官に初めに伺っておきたいのです。
 われわれの手元にいまありますのは、あなたのほうからいただきました資料を含みましたこれだけなんです。国土利用計画法案がきょう成立するが、御承知のような経過がございまして、この役所は、それに関連をしていろいろとやってもらわなければならない要素もたくさんあると思うのです。それにしては、何といいますか、去年の法案を、いまこれからやろうというわけなんで、その辺について、何か提案者として考える余地というものはなかったのですか。
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小坂徳三郎#3
○小坂国務大臣 昨日、国土利用計画法案が委員会を通過いたしまして、本日、本会議で了承されるというふうに聞いておりますが、その利用計画法が決定されましたら、われわれは、それにもちろん十分沿っていきたい。したがいまして、国土総合開発庁という原案で御審議を賜わるようにお願い申し上げておりますが、私らといたしましては、十分、国土利用計画法の精神を踏まえまして、この精神が、国土総合開発庁において十分生かされるような方向で仕組みを考えております。
 しかし、まだきまったばかりと申しますか、委員会の御審議が昨夜終わったばかりのところでございますので十分なるあれはできませんが、しかし、心がまえといたしましては、それに沿ってまいる考えでございます。
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木原実#4
○木原委員 それは、私どもの事情も似たようなものだと思うのです。しかし。もしそれならば、地価抑制ということに一つの焦点を据えて、建設のほうでも、あれだけの画期的な論議がありまして、ようやく大部分の野党の間が一致をして、一つのかなり前進的な法案が出た。これに対する期待というものが、われわれにもあるわけですね。しかし、ある意味では、それとの関連の中で、国土関係についての施策を集中してやろう、こういう役所をつくろうということなんですが、それにしては、いわゆる国土総合開発法時代の、いわば関連の中で、この役所の構成や理念や考え方というものが出たわけなんですね。
 そうしますと、精神を体してやるとおっしゃるわけですけれども、それならば、私どもとしても、これは、まず役所の名称から始まって、多くの分野について、これまた、あらためて当委員会におきまして、審議のやり方なり、あるいはまた精神を入れる入れもののあり方について、一ぺん与野党の間で相当な議論をしてみなくちゃならぬ、こういう感じがするわけです。ですから、そうなりますと、いまの段階で、これを去年のままでどうぞ、こうおっしゃられて出されましても、これは、ああそうですかと言っていただくわけにいかないんですね。ある意味では、もう少し政府のほうだって、立法府の動きについて関心を持たれて、意のあるところを体してやっていくという姿勢にならぬものだろうか。もっとも、総理府の長官は、貸し座敷みたいなものでして、責めるのは少し見当違いなんですけれども、それにしても、提案者ですから、それぐらいの心がまえを関係当局に対して指示をされて、もう少しわれわれが審議しやすいものを出してこられるようなことが必要じゃなかったのか、こう思うのですが、どうですか。
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小坂徳三郎#5
○小坂国務大臣 木原委員の御指摘のとおりでございますが、いずれにいたしましても、利用計画法が昨日でございます。もちろん、そういうことを踏まえて、一応のプランは事務的にはございます。そうしたプランを、いまここで申し上げることが適当かどうかも、ちょっと私、判断に苦しみますが、いずれにいたしましても、この土地の問題というのは、きわめて重要であるということと、それからまた、このような土地の問題を、ただ放置しておくということは、日本の社会の全体の一種の地くずれみたいなものを、精神的にも、またあらゆる面におきまして起こす。したがいまして、この問題を早急に取り上げていくという一番の基本の利用法が決定されつつあるわけでございますので、それに沿った事務的な考え方を一応はまとめてございますが、もし必要あらば、そんなようなことを申し上げて、御審議の御参考にしていただければとも考えております。
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木原実#6
○木原委員 それでは、いずれにいたしましても、長官のおっしゃるとおりですから、腹を割って、せっかくわれわれも審議をするつもりですから、別の見解がありますけれども——しかし何も、緊急に土地の問題というものが必要でないと考えておるわけではありません。そうなりますと、これを、このまま審議をしてどうですかと言われましても、冒頭申し上げましたように、われわれといたしましても、いただきかねる分野がずいぶんある。
 だから、われわれの手で修正を加えたり削ったりする作業をやるか、それとも、いままでの立法府の動き等について御勘案を願って、いま一応のというお話でございますけれども、お考え方の方向があるならば、腹を割って出していただいて、そして、それではよりベターなものはどうなのか、こういうふうにしていけば、われわれもやりやすいと思うのですが、どうでしょうか。
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小坂徳三郎#7
○小坂国務大臣 その点につきまして、どういう形式で御審議を賜わるのが一番いいのかということも考えまして、多少内々には検討いたしましたが、本件につきましては、委員長並びに当委員会において、ひとつ方向を出していただければ、われわれとしては非常にありがたいわけです。
 同時にまた、基本的に今後きまりました利用計画法が非常にいい方向だと私は考えておりますので、これを十分生かし得るような組織、仕組み、そしてまた、行動力のある新しい担当官庁というものを考えておるわけでございますが、これはひとつ、委員長並びに理事会において御検討いただければ、私としては非常にありがたいと思うのですが、その点につきまして、いまここで、私の事務的に考えております問題について、二、三考え方だけを述べさせていただく程度でいかがでございましょうか。
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木原実#8
○木原委員 これは委員長、当委員会としましても、相当の作業をやらなくてはならぬという感じがするわけです。これは、われわれその労をいとうものではありません。しかし、それにいたしましても、去年のこれを出してというのでは、われわれもなかなか食いつきかねるわけです。
 そこで、いま長官の発言もありましたが、これは、ぜひ当委員会て——これは一人の国務大臣を含む新しい庁を一つつくるわけですから、ほかの並みの設置法の修正案等とは違いまして、われわれも相当慎重にやらなくてはならぬと思うのです。そのことを踏まえまして、当委員会でも十分な成案が得られるような御努力を、委員長にお願いをしたいと思います。
 そこで長官、やや理念的なことを、少し伺っておきたいと思うのですが、この役所をつくられて、一体何をやろうとしているのか、国民の前に、ともかくこれだ、これをやるのだ、これを、まずひとつ提案者として明らかにしてもらいたいと思うのです。
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小坂徳三郎#9
○小坂国務大臣 この役所をつくることによって、まず、なさねばならぬことは、現在もうほとんど常識化しております土地の問題、それから同時に、土地の暴騰を押えていくということ、それから、同時にまた、土地問題を中心にして、現在非常にふくれ上がっておる大都市の過密状態、また一方における日本の農村の非常な過疎状態、こうしたような問題を、ともかくここら辺で一応安定的な状態において均衡を保たせるということ、同時に、地価の抑制ということについては、いろいろ議論があったと思いますけれども、やはり取引に対して制限を加えていく、第三者的な機関を通すというような方向の中でこれに取り組むと同時に、地価公示制等も、新しい役所においてどんどんこれを前進させていく。いずれにいたしましても、地価の暴騰をここら辺で食いとめていくということ、それから、国土の全体の配分及びその基盤の上に立って、もっと正常化していくということが一番大きなねらいでございます。
 それと同時に、従来、総理府で担当しております災害対策等も、この際思い切って、国土総合開発庁に移管をしていくとか、あるいはまた、現在、非常に重要な問題になっております水資源の問題も、これを総合開発庁の中で処理していく。また、先ほどもちょっと触れましたが、過密対策に対しては、首都圏あるいは近畿圏中部圏等のいろいろな各ファンクションが総理府の下部にございますが、これも大都市問題として一括してこの新しい役所に持たせるとか、同時にまた、調査能力においては、予算の配分についても強力な行動力を持たせる。
 いずれにいたしましても、従来ばらばら行政の中で土地の問題、過疎過密問題が、問題の解決のしようのないような形で非常にこんがらかってしまっておったわけであります。これを交通整理をいたしまして、強力にその問題に対してこの一省庁をもって全力投球をしたい、そうして、これを解決していく、そのような方向を、この役所の一番重要な役割りと考えております。
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木原実#10
○木原委員 私は、問題は二つあると思います。長官いまお述べになりました、何といいましても、いまの暴騰を続ける地価に対して、抑制の一つの強力な機関にしたい、そのたてまえの議論は、私ども反対ではございません。この点につきまして、いま建設大臣もお見えでございますから、後ほどとくと承っておきたいことが幾つかあります。
 ただ、その前に入り口の問題ですけれども、総務長官、きょう実は、行管の長官にもお出ましを願って伺いたいと考えておりまして、行管のほうからも局長に来てもらっておりますけれども、入り口の問題としまして、特に当委員会としては、いままでの流れからいたしますと、やはり非常に大きな問題の提起だと思うのです。つまり、この役所をつくる中身の問題ではなくて、いままで、私どもの委員会が、政府側から受けとめてきた問題というのは、行政機構の簡素化であった。全体として、行政分野の膨張に対してできるだけの抑制を加えていきたい。御案内のように、行管を中心にしまして、臨時行政調査会でしたか、その答申もあり、この委員会としては、かつては一局削減であるとか、あるいは総定員法であるとか、あるいはかなり機械的とも思われるような削減の方針が出されてまいりました。あまりにも、これは機械的過ぎはしないか、行政需要というものの実態を踏まえてもっと考えたらどうだというような議論を、われわれもついこの間までしていたわけですね。ところが、ここのところへ来まして、御承知のように、この庁も国務大臣を一人置きまして、かなり強力な役所を一つ新設するということですが、これはつい一、二年前までは、当委員会の流れとしては考えられない提案なんですね。
 そうなりますと、一体いままでの行政機構を簡素化していくという政府の基本的な流れというものは、まさに変わったのかどうか、こういうことをまず明らかにしてもらいたいと思うのです。これは行管の局長見えておりますけれども、国務大臣ですから、おそらく御見解がおありだと思いますので、ひとつ御見解を承っておきたいと思います。
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小坂徳三郎#11
○小坂国務大臣 行政簡素化ということは、現状のような縦割り行政をやっておる、縦割り行政を中心にする行政機構を簡素化することは、私は当然だと思います。やはり簡素化をしなければ、そこに当然、縦割りでございますから権限の凝結があって、しかも、血の通わなくなるというようないろいろな問題もあるし、また、横との連絡がうまくいかないということも、従来十分にみんながわかっておる点でございます。一方、現在のような社会の発展そしてまた複雑化、いろいろな問題が出てきておる中におきましては、私は、もう縦割り行政だけでは受けとめきれない問題が山積していると思うのです。都市の問題一つとりましても、これは、とても縦割り行政の中では、何とも手の下しようがなくなっております。同時にまた、過疎問題にいたしましても、そうじゃないでしょうか。同時にまた、現在いわれている土地の問題等を見ますと、これはもちろん、各省が縦割りの中で努力をいままでしたと思いますが、それがばらばらであって、少しもそれが集中的な政策効果をあげ得ないということも、すでに十分国民はわかっておるのじゃないか。
 いま、この国土総合開発庁のような横割りの行政機構をつくって、そうして、いま日本の最大の問題である土地の問題に取り組もうという考え方は、行政簡素化という観点から、十分認められてしかるべきものであるし、むしろ、こういうような横割りの組織体をつくって、それに強力な権限を与えて持っていくということが、これからの行政府の基本的な改善への第一歩になるのじゃないか、私はそのように考えます。
 そういう意味で、今回、御提案申し上げている国土総合開発庁というような横割り行政機構を、今後はもっと他の面にも広げていかなければならない、そのようにも考えておりまして、行政の簡素化ということ、くどいようでございますが、国民から見て簡素化されることが必要であり、国民から見てその役所が、自分らの生活に非常に有効に働いているのだという認識に立つべきだと考えまして、その際に、こうした横割りの強力な機構をつくっていくということは、むしろ行政簡素化ということと同じような意味を持つのじゃなかろうか。私自身も、この新しい機構にたいへん新しい行政の息吹きを感じておりまして、私自身は、ぜひひとつ委員各位の御理解をいただいて、これを前進させていただきたいというふうに思うものでございます。
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木原実#12
○木原委員 いま長官がおっしゃったことは、かつてわれわれがずいぶん強調したこととよく似ているわけなんです。ところが、それに対しましては、かつて佐藤内閣時代、そうじゃないと言うんですね。それはそうだけれども、しかし、どうもそういうことを言っていると、いつの間にか役所の機構というものは膨大になってしまって、とても歯どめがきかない、だから、やや乱暴であるけれども、たとえば一局削減だとか、あるいは総定員法で何%か人員を切るとか、こういうことをやらなくちゃならないのだ。しまいには総理も、理屈はないのだ、ともかくこれをやらなければどうしようもないのだというようなやりとりが、実はこの委員会でもあったわけなんです。私は、長官の見解は正論だとは思うのです。
 そこで、しからば行管当局の見解を、私はこの際、あわせて聞いておきたいと思うのです。どうですか。
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平井廸郎#13
○平井(廸)政府委員 従来の行政管理庁と申しますか、あるいは内閣の方針といたしまして、確かに佐藤内閣当時から先生御指摘のような、機構についてはスクラップ・アンド・ビルドの原則、定員については、いわば不拡充の原則と申しますか、そういう考え方を基調として仕事をしてまいったことは事実でございます。その考え方自体は、基本的には、現在といえども変わっておりませんし、たとえば、そういう例といたしまして本年度の、四十九年度における査定の内容を見ましても、いわゆる局レベルの増設というものは、一切認めておりません。総需要抑制というような情勢もございましたが、いわば必要最小限度の部の増設三にとどまっておる。それも、実質的には相当官職を振りかえて設置するというようなやり方で、実質的には、そういう原則を極力貫くべく努力をいたしてまいっておる次第でございます。
 ただ一方で、総務長官御指摘のように、いわゆる縦割り行政に対する総合調整機能の強化というものの必要性も、新しい公害問題、環境問題、あるいはこの種の都市問題等につきまして、最近非常に強く出てきていることも事実でございまして、こういう新しい行政需要に対応する機構というものも、最小限度必要ではないかということも事実でございます。そういう意味におきまして、四十六年には、完全な意味のスクラップ・アンド・ビルドの原則から逸脱はいたしておりますが、環境庁の設置ということも認めておりますし、今回、国土総合開発庁の設置も、そのような趣旨で最小限度必要なものとして認めた。
 ただし、この場合におきましても、純然たる機構の新設にとどまることは、極力回避いたしまして、御承知のように、経済企画庁の総合開発局、首都圏整備委員会、近畿圏整備本部、中部圏開発整備本部、建設省の宅地部等の既存機構を極力統合いたしまして、実質的には機構の増大一拡張にならないようにという配慮をいたしたつもりでございます。
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木原実#14
○木原委員 それにしても、私は、やはり朝令暮改に過ぎるような感じがあるわけです。おっしゃるように、既存の省庁の部局を統合したり抽出して合わせたり、そういう御努力があることは認めるわけなんです。しかし、せっかく臨調で出された中には、われわれの主張を含めている。われわれがいままで主張してきましたことは、ともかく国民生活が非常に複雑多岐になってきているし、それに対応する行政需要もいろいろ新しいものが相次いでふえてきている、やはりそれに対応していかなくてはならないではないか、こういう議論を、ここでもずいぶんいままで主張してきたつもりなんです。
 ですから、繰り返すようですけれども、いまあなたなり長官がおっしゃった考え方に、私どもは決して反対するわけじゃありません。むしろ、われわれが主張してきたことを、おっしゃられるような感じがするわけなんです。しかし、ついこの間までは、この委員会あげてそうじゃなかったわけです。それは、たてまえの議論としては確かにそうなんだ、しかし、そんなことを言って、少し甘い顔をしたら役所というものはふえてしまって、ともかく公務員の数がふえてしようがないから、大なたをふるってやるんだ。そうなったら、結局、たとえば国民が一番欲しておる行政サービスの部門、抵抗の弱いところが削られて、どちらかというと、管理的な部門のようなものがやたらにはびこることになりはしないか、こういう警告なども申し上げたと思うのです。今度の場合でも、たてまえの議論は、私も賛成ですけれども、実際には一つの大臣を置いて、非常に大きな管理部門がいきなり出てくるという形をとっているわけです。だから私は、このお尋ねをするわけです。それでは、この役所ができまして、地価の五%でも一〇%でも下げることができるのか、納税者の立場、国民の立場から見れば、まず、その約束をいただきたいような感じがするわけです。
 昨年でしたか、経済企画庁が物価局というものをつくったわけです。私は、これは何んだと言ったわけです。だから、この物価局というものをつくったら、たとえば物価の一%も下がるのか、こういう約束を求めたわけですが、これは、まあ少し極端な議論だというのですが、ところが、皮肉なことには、物価局ができたとたんに、御案内のようにインフレ、狂乱でしょう。何をやっているんだということになるわけです。それほど物価問題が大事なら、私は、おにいさんに申し上げたのですが、物価局などというけちくさいことを言わないで、経済企画庁をあげて、かつてあったように物価安定本部なり物価省なり、そういうものに全部やりかえたらどうだ、こう申し上げたこともあるわけです。しかし、そうもいきませんで、物価局でやります、こういう話だったのですけれども、お互い政治というものは結果において批判をする、そういう宿命を持っているわけです。物価局などというのは、手近な例ですけれども、役所はできた、たてまえはりっぱだった、しかし、その裏づけは一つも与えられなかった、結果においては行政機構だけは、しかも大臣を含めて非常に膨大になっていった、それをやはりおそれるわけです。
 だから、それについてのきちんとした歯どめ、ありようというものについては、総務長官だけの御責任ではありませんけれども、特に保利さんを長とされます行管などには、一つの流れがあると思いますから、この段階でちゃんとした理念のようなものを打ち出してもらって、これからはこれでいくのだ、こういう方向を出してもらいたいと思うのです。
 と申しますのは、この委員会には、いま一つ経済協力大臣を置こうという案が出ているのですね。私も、この委員会に長年席を置いておりますけれども、一つの国会の中で、二人大臣をつくる設置法を審議するなどということは未曽有のことなんです。しかも、あとでお伺いしますけれども、そればかりじゃありません。総理の御発言によりますと、今度は中小企業省だ、住宅省だというんですね。まごまごしておりますと、この一年の間に大臣があと三人も四人もふえてくる。そうすると、これは国家行政組織上の問題として、インフレ時代だからといって、一体こんなにやたらに大臣というものが膨張していいのか、こういう問題がある。この点では、私は、伝えられました閣内における山中防衛庁長官の発言というものを、一ぺん聞いてみたいという気持ちもするわけです。だから、総理の発言が次々に、報道によりますと、思いつきだとかいろいろなことをいわれておりますけれども、それにしても、あまりにも思いつきが過ぎるのではないのか。
 そうなりますと、この入り口の問題で、やはりここではっきりとしたこれからの行政機関、行政機構のあり方についてのちゃんとした理念を示されませんと、ここで私どもが、必要だといって甘い顔をすれば、それじゃ経済協力大臣、これも、ちゃんと大義名分は立つわけです。中小企業省、これも大義名分はつくわけです。これは、つい数年前までは、私どもが同じく中小企業省をつくれという議員提案を、法案を、実はここに提起をしてきたいきさつもあります。趣旨には反対のしようがありません。しかも住宅省だ、こういうふうに考えますと、この辺できちんとした行政機構のありようというものについて、政府部内の統一した意思といいますか、きちんとした理念を出してくれませんと、当委員会としては、ああそうですかというぐあいには、なかなかまいらない、実はこういう関連があるわけです。ですから恐縮ですが、再度閣僚として御見解を承っておきたいと思います。
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小坂徳三郎#15
○小坂国務大臣 木原委員のただいまの御指摘は、まことに適切だと私は思うのです。やはりわれわれも、こういうような新しい国務大臣を置こうというわけでございますので、ただいま御指摘のような問題がなおざりになっておっては、これは、もう全く話にならないと私は思います。
  〔委員長退席、野呂委員長代理着席〕
そういう意味で、ただいまの御指摘は、この国土総合開発庁設置の基本の線に十分生かしていくということを前提に私は考えたいと思います。
 同時にまた、環境庁のような、公害問題というものが一つの国民的な、あるいは市民の生活にとってきわめて切実な問題になって、一つの権限を持って環境庁ができました。その結果は、やはり総量規制という、いままで考えられなかったようなことが、実際面として実施されてきている。そのことだけでも、私は、国民生活にとってはプラスではなかったかと思います。
 私は、環境庁の活動も十分に評価されてしかるべきだと思いますが、この土地の問題、そしてまた資源の問題、特に水の問題、過疎過密の問題、こういう問題は、とても一省の一部局のよく担当し得るところじゃないわけでございまして、先ほどからもるる申し上げているように、そうしたものを総合的に集約して、そして横割りの一つの大きな行政体をつくって対処しなければならぬ。同時に、それを指導する国務大臣が、ぜひこれは国務大臣というポストの中で——閣内においての発言、そしてまた、政府の一つの重要な役割りを果たすものとして国務大臣をもって充てるということは、この重要な国土の問題というよりも、土地の問題、それからこれは同時に大都市の問題、農村の問題、すべてにかかわる問題でございますので、やはり私は、こうした——屋上屋というような御観察もあるかもしれないし、また、その結果がどうかという御疑念も十分わかりますが、やはりそれは、担当する国務大臣がその衝に当たるという、その責任を明確にしておく必要があるというふうに考えるわけでございます。
 先ほどの御指摘は、ほんとうにわれわれも、そうしたことが設立後二年、三年たったときに、十分成果があがったということを、この議場において申し上げられるような努力をなすべきものであるというふうに考えております。
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木原実#16
○木原委員 おっしゃることは、私もよく理解できますけれども、しかし、もう少し突っ込んで考えますと、建設大臣の御見解も聞いておきたいと思うのですけれども、今度こういう役所をつくると、経済企画庁の関係、建設省の関係、いろいろいままで大臣の権限のもとにあった分野というものが統合されていくわけなんですね。それで、ことばじりをとらえるようですけれども、いま長官がおっしゃったような、たとえば水の問題なり都市の問題なりについても、それじゃ、いままでの建設省としては、手に余るものになったのかとお伺いしたいわけなんですね。
 つまり、おっしゃるように、それは、これだけ大きな問題ですから、一省をつくって、この新しい大臣が権限を与えられて、統括をして総合的にやっていこうというのは、これは、もうたてまえや趣旨の議論としては、そのとおりだと思うんですね。いつの場合も、そういう形で問題は出てくるわけなんですね。実際にもう建設省の事務の分野では手に負えなくなって、そうしてある意味じゃ、権限をそれぞれ出し合って一省をつくる、こういうようにも読み取れるわけなんです。
 そうすると、逆に言うと、いままで建設省は一体何をやっていたのだ、こういうことにもなりかねないので、ひとつ建設大臣の御見解も聞いておきたいと思うのです。
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亀岡高夫#17
○亀岡国務大臣 手に余るというようなことは、全く考えてはおりません。ただ建設省設置法に、木原委員も御承知のとおり示してあるとおり、建設省としては実施省、実施官庁という色彩が非常に強いわけでございます。そういう意味におきまして、実は一昨年来、土地が非常に急上昇してくる気配を見せた、土地政策を進めたい、こう申しましても、建設省としては、所管事項じゃない面が実は法律的にあったわけでございます。それと同時に、いろいろ道路の計画あるいは河川の改修の計画、都市計画、もろもろの国土整備の計画を進めるにあたりまして、国土の状態がつまびらかじゃない。国土調査法という法律がございますけれども、この法律が一向に、国土全般をおおうまでには、二十年、三十年、百年もかかるというような速度でしか進んでおらないということでございまして、国費を投入していきます際にも、非常に過剰投資になっておる面がある。
 そういういわゆる国土の基本的な政策、計画を企画するといったような面につきまして、やはり一省庁をおこして、そこで統括的にまず国土調査という面から国土の実態、これは、ほんとうに宅地なのか、いま、たいへん大きな問題になっておるわけでありますけれども、その実態がはっきりと、どこの省においても、つかめていないという問題が実は現実でございます。しかも一物四価と申しますか、一つの土地に対して、自治省でやっております固定資産税の評価額、それから建設省でやっております公示価格、それから大蔵省の相続財産の際に基準といたします価格、それから時価、こういう一物四価といったようなのが現実でございます。こういう面を、やはり基本的に改善をしていかなければならないということになりますと、どうしてもやはり土地に対する問題、それから水にいたしましても、さようでございます。農林省、建設省、通産省ということで、それぞれ各省のなわ張りに左右されて、国民が実は非常に苦労しておることも、木原委員御承知のとおりでございます。
 そういう面を、この際ひとつきちんとした姿でこれを断行していこうということで、先ほど来総務長官からお答え申し上げておりますような、国土総合開発庁というものをつくりまして、国土総合開発の計画並びに企画、そういう面に対する基本的なデータをきちんと把握して、そうして、それに基づいて、各省がそれぞれの行政事項を、計画的に科学的に進めていけるような体制をどうしてもつくる必要があるということで、この国土総合開発庁の設置についての法案をお願いしておるということでございます。
 したがいまして、この法案を作成するにあたりましては、建設省といたしましては、積極的に協力をいたしまして、中途はんぱで仕事が非常にしにくいというような面の部門を、実は国土総合開発庁に移しがえをして、そうしてより強力な力を発揮してもらえるようにということで、実は建設省としては、積極的に協力をするという体制をとった次第でございます。
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木原実#18
○木原委員 建設省ができる中で、いろいろな論議があったのを、私も記録で読んだことがございますけれども、国土の保全ということが、建設省が生まれる前に非常に大きな理念としてあったわけですね。それからまた一時期、国土省のようなものをつくるとかつくらないとかいう議論が、われわれのサイドにもございました。いま大臣のおっしゃった御熱意は、わかるわけですけれども、しかし、別のことばで言えば、事務量がある意味では、非常に複雑になり膨大になってきた、しかも態様もいろいろ変わってきた、そういう部門を、結局抽出して統合して、より効率的なことをやったらどうだとお考えになったというふうに、私はおことばを承ったわけですけれども、しかし、考えようによれば、それならば建設省なら建設省のワクの中で、もう少し何かやりようはなかったのか。つまり大臣を新しく一人ふやす、そしてこれには、別の問題が出てくると私は思うのですけれども、あえて一省庁をつくらなければならない必然性——問題の大きさや何かはわかりますよ。しかし事務量は、さまざまに態様が変わりふくれてくる、そのつどに少しずつ統合してやっていけば、これは、もう田中総理ではありませんけれども、次々といろいろなものが必要になってくるような感じがするわけです。だから、それに押されて、それじゃというので、ある意味では便宜そういうものをつくっていく、これでは、もとに戻るようですけれども、一体この行政機構は、どこまでいったら調子が合ってくるのだという心配があるわけなんですね。
 ですから、ここであわせて聞きますけれども、総理の御発言の中に、住宅省云々という御発言がございましたが、私は、はなはだ奇異に感じたわけなんですね。官房長官も、おそらく総理の意を受けられて、何か新聞報道によりますと、来年度にでも検討したい。この住宅省が必要だという見解を総理から聞けば、おそらく皆さんのおっしゃったと同じことをおっしゃると思うんですね。私も、たてまえとしては、これだけやはり住宅問題が出ているわけですから、それに対応するきちんとした行政機関があって悪いとは言いません。たてまえとしては、みんなわかるわけなんです。しかし、そういう形で必要だ、必要だということでやれば、けじめがないという感じがするわけです。
 そこで、お伺いしたいわけですけれども、これは総理の御発言ですから、おそらく思いつきや何かではないと思うのです。来年度にはやろうというわけです。しかし、かりに住宅省なるものが必要だというその観点に立ちましても、じゃ、ここでわれわれは、国土総合開発庁なるものの新設の問題について、いま審議をし、考えていこうとしているが、たとえば、住宅の問題の半分以上は土地の問題だと俗にいわれますね。そんなようなことを考えますと、それじゃ住宅省をつくろうという構想があるならば、この問題と関連をして、国土住宅省でもつくったらどうかという、これは、まあ思いつきですけれども、そういう議論だって、私は成り立ってくると思うのです。
 ですから、私は御見解を聞いておきたいと思うのですが、一つは、事務量が非常に複雑になり膨大になってくる。しかも、国民の要求なり声なりというものにこたえていかなければならないというサイドの問題もある。それで一つの省庁をつくっていこう、それは、それなりに筋は通ると思うのですけれども、ただ、それについてのけじめというか、歯どめというか、行政機構全体のあり方の中で何かを考えていかないと、いまおっしゃったように、次々と総理のような御発想になってくると思うんですね。だから、もし住宅省をつくるという考え方が示されました場合に、建設省としてはどんなふうにお考えになりますか。
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亀岡高夫#19
○亀岡国務大臣 建設省は、現行法によりまして住宅行政を担当いたしておるわけでございます。したがいまして、総理が具体的にどのようにお話しになられたか、私は直接は総理から承っておりません。しかし、この間も建設省から発表申し上げましたように、国民の三五%は住宅に対して不満を持っておるという調査も出ておるわけでございます。特に三大都市圏においては、住宅問題はきわめて大きな政治課題であることも、木原委員御承知のとおりでございます。したがいまして、こういう国民の要望にこたえなければならないという気持ちが、総理のおことばになって出てきたと私は実は受け取っておるわけでございます。
 したがいまして、建設省といたしましては、とにかく機構を考える前に、まずいかにして宅地を造成し、いかにして住宅に苦労をしておる諸君に対して、住宅に対する不満を解消していくかということに全力をあげなければいけない。それにつきましても、幸い四党間で土地利用計画に関する法律も、昨日委員会で通過をさせていただきましたので、これで一応の、建設省は従来非常に地価問題に苦労してきておるわけでございますが、その点についての一つの大きな母法と申しますか、一つの法律を制定していただける段階になってまいりましたので、これを基本にいたしまして、従来なかなか住宅が建たない、土地が提供されないという原因を排除してまいる。これは、地方自治体の超過負担の問題でありますとか、あるいは過密の問題でありますとか、いろいろな地方自治体が、もうこれ以上人口はふやしたくはない、これ以上の超過負担には耐えられない、そういう面の現実を改善してまいりますとともに、やはり現に自然増する住民もおるわけでございますので、そういう方々に対する住宅をどうしても建設してまいらなければならないということも、これまた現実でございますので、これらをあわせ考えて、建設省としては効果ある住宅対策をとり得ると、実は私は最近は確信をいたしておるわけであります。
 その一例を申し上げますと、実は先般、江東地区を見てまいったわけであります。災害対策の面からもたいへん大事な場所でございますが、あそこはもう御承知のとおり、大きな工場がどんどん疎開をいたしまして、そのあとにいわゆる高層住宅の建築、この住宅をつくるにあたりましても、緑地、緑化という問題も相当考慮に入れまして、それから公共施設等も考慮に入れまして、いわゆる再開発というような面についての努力もいたしておるわけでございまして、今国会におきましても、宅地開発公団の法案でありますとか、あるいは土地の再開発の法案でありますとか、御提案を申し上げて、御審議をいただいておるゆえんでもございます。
 と同時に、実は政府といたしましては、機構を幾つもつくるじゃないかという御批判でございますが、それにつきましては、できるだけ定員は入れかえ、組みかえということでふやしていかないという一つのブレーキを持って取り組んでおりますことも御理解をいただきたい、こう思うわけであります。
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木原実#20
○木原委員 そうしますと、総理もしくは官房長官の新聞を通じての御発言を見ますと、つまり住宅省についても、かねて検討してきたのだ、こういう意味の御発言もありました。私も、おやおやと思ったのですが、ただ、そういう総理の構想がもしあるとすれば、もうこれは、来年度にも検討する、こう新聞紙上で発言をしておるわけなんですが、建設省としては、住宅省をつくる方向で努力をなさる、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
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亀岡高夫#21
○亀岡国務大臣 私としては、総理にさらに意向を十分確かめた上で決心をしていきたい、こう考えておりまして、新聞で私も読みましたけれども、総理のお気持ちも、先ほども申し上げたように、住宅問題が非常に大きな問題になっておりますために、総理のああいう御発言になったのか、その辺の事情をよく検討した上でこの問題に対処していきたい、こう考えております。
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木原実#22
○木原委員 あなたが担当大臣で、住宅問題については、いまたいへん御見識を披露されたわけなんですが、ああいう総理の発言を聞いておりますと、設置法を扱う委員会のメンバーの一人としまして、本気になって——本気になってというと悪いのですが、まじめに審議をする気にならなくなるわけですよ、一体総理は何を考えているのだと。繰り返すようですけれども、ついこの一、二年前までは、行政簡素化が至上命題で、いろいろな言い方はあるけれども、ちょっとゆるめれば、役所というものはどんどんふえてどうしようもないのだ、これでは納税者に対して申しわけないと、こう言ってきた。当時の総理は、理屈はないけれども、ともかくこれは認めてくれとまでおっしゃったんですよ。それに対して私どもは、これはおかしいではないかと、こう言ってきたわけですね。だから、朝令暮改に過ぎやしないかというのです。このままで突っ走られたのでは——ちょうど、たまたま総理の発言をつなぎ合わせますと、この庁をつくる、つくらぬという問題が、何か入り口の問題のような気がするわけです。
 ですから、この行政機構のありようという問題について、先ほども申し上げましたように、政府の基本的な理念、考え方、佐藤内閣時代と変わった点があれば、変わった点をしかと明らかにして、この委員会において、きちんとした表明をいただきませんと——たてまえは、総務長官から御説明ありましたように、まことにりっぱなんです。私どもも、それに反対するわけじゃありません。しかし、ひるがえって、これまた別の観点からいたしますと、これは、たいへんなことになるぞという感じがするわけなんです。いっそういうふうに政府は変わったんだという疑念を抱くわけなんです。それだから、くどいようですけれども、繰り返しこの入り口の問題で御質問申し上げておるわけなんです。住宅省の問題にしましても、担当大臣が新聞紙上で見て、これからは総理の話も聞いて、まだ決心がついていないという意味のお話でございましたけれども、決心はこれからされるというお話でございましたけれども、それでは困ると思うのです。
 私は、ここで、もう少し観点を変えて伺っておきたいのですが、皆さんも閣僚の御一員としまして、閣僚の場合、定員という問題があるのかないのかわかりませんけれども、簡単にということばが適切かどうかわかりませんけれども、大臣がともかくやたらにふえていっていいものかどうか、こういう問題が私は出てくると思うのです。これは国家行政組織上のかなりシビアな議論を一度しなければならない。皆さん方がその担当者でいらっしゃいませんから、きょうは避けたいと思いますけれども、やたらに、まあ粗製とは申しませんけれども、少なくとも乱造されたのでは、閣議のあり方、それから閣僚の責任、内閣全体の意思統一をはかってやっていく、そういう面からも問題が出てくるのではないか、こういう懸念を抱くわけなんです。
 それで、とりあえず閣僚としての御感想だけ聞いておきますけれども、大臣というものは、二十人でも二十五人でも、必要に応じてふえていってよろしいとお考えになっているのかどうか、その辺を軸にして御感想をひとつ聞かせていただきたいと思いますが、どうですか。
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小坂徳三郎#23
○小坂国務大臣 私は、先ほど来申し上げておりますように、現在の社会情勢全般が、非常に大きく変化していると思います。したがいまして、現在あるような行政機構の縦割り行政だけではカバーできないということは、これは、だれでも認めているところだと思うのです。特に国土関係の問題、土地の問題等につきましては、当然国務大臣を充てて、総合的な調整機能、それから今度はこの内容としても、税制とか金融等についても相当主体的に扱える、これは先ほど御指摘の物価局とはたいへん違う点だと思いますが、そうしたような権限まで持たせていくというふうに考えますと、現在のこの土地に対する国民の関心と、また同時に、土地から起こっておる日本の社会の中における不平等というようなものを考えた場合には、どうしてもこれに対して対応する役所を早くつくっていかなければならぬというふうに私は思うのです。
 そういう意味で、ただいま御指摘のように、国務大臣がざらざらとたくさんできるのはどうかというような御質問でございますが、やはり行政は、国民のニードに沿っていくべきものではないか。こういうような横割り行政のシステムが、環境庁に始まって今度の国土総合開発庁という御提案申し上げているような役所、これができてくると、これからあとは、やはり従来の縦割り行政から基本的に横割り行政的な官庁組織、行政機構というものが絶対必要だと私は思っております。そういう意味で、そのような方向に今度は進むべきだと私は思っておりますので、その進展の度合いに応じて、あるいは国務大臣をどうするかということも、その中で考えていっていいことではなかろうか。同時にまた、縦割り行政の一部が廃止されることだってあり得るわけでございます。
  〔野呂委員長代理退席、委員長着席〕
そのような、一つの変化の時代の中における行政機構のあり方というものについては、繰り返して申し上げますが、横割り的なこうしたようなシステムが必要だ、これにどんどんと移行していく世代であるというふうに私は認識しております。
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木原実#24
○木原委員 私は、一般論しかお述べになれないお立場ではないかと思いますので、了承いたしますけれども、しかし、こういう形でどんどん役所ができていく、大臣がふやされていく、これは、立法府の立場から見ますと、やはり行政権の基準のない、拡大の道を歩くのではないか、こういう憂慮を抱くわけなんです。そうなると、私は、立法府の一員としまして、こういう形で、ある意味では行政府の機構、権限というものが、おそらく基準や歯どめのないままに、必要だからという形でふえていっていいのかどうか、こういう問題が残ってくると思うのです。確かにおっしゃるように、行政というものは、国民のニードによって、それに対応していくような姿でふえていく、あるいはまた役所等が新設をされていっても、これは国民の声にこたえていく道だ、行政サービスを拡大していくんだと、確かにその面は正論だと思うのです。それを否定するものじゃありません。しかし、それにしても、一つの限界なり歯どめというものがないと、それじゃ行政権がやたらに、ということばが適切かどうかわかりませんが、ふえていって、何でもオーケーかという問題もやはり残るわけなんです。
 ですから、これは、突き詰めて言えば、立法府の立場から見て、行政府のありようについて、かなりシビアな議論もしてみなくちゃならない。また、いま総理のいろいろの御発言が、行政機構の問題についてあるわけでありますけれども、総理の真意というものをきちんとただして、もしわれわれが、それについて了解なり納得なりがいくものならば、それは、おっしゃるように、国民の声にこたえ、いまの行政需要にこたえていろんなものをつくっていくということについては、やぶさかではございません。しかし肝心かなめのところは素通りをしていって、これも必要だ、あれも必要だという形で問題が出されてきているように、われわれとしては、受けとめざるを得ないわけなんです。
 そこで、これは委員長にお願いでございますけれども、この設置法もそうでございますけれども、この委員会には、この国会の中で少なくとも二人の大臣を新設するという法案がかかっているわけですね。一つは国土総合開発庁、いま一つは経済協力大臣、そして御承知のように、総理の御発言の中で、近い将来に住宅省もしくは中小企業省、こういうようなものをつくるのだ。相次いでいるわけですね。そういう行政府の責任者の発言がありながら、ああそうですかと言うわけには、なかなかいかない面が立法府としてはあると私は思うのです。適当な機会に総理の御出席をいただいて、それらを全部くるめて、一体、総理御自身が、行政府のあり方、行政機関のあり方についてどのようなお考え方を持っているのか、真意を明らかにしてもらいたい。そういう機会をぜひつくっていただきたいと思うのです。
 それからまた、私は、冒頭論議をいたしましたように、当委員会ではついこの間まで、行政の簡素化ということが至上命題だという形で、政府から絶えず問題が出されてきたわけなんです。しばしばこの委員会の中でも論議になりましたことは、一局削減の問題であるとかあるいは総定員法の問題であるとか、そういう流れがあったわけですね。ところが、その考え方は生きているのだという御説明が、長官や行管のほうからもありましたけれども、しかし、それが生きていながら、同時に新しい大きな省庁というものが、次々につくられていく方向での構想が打ち出されている。そのかね合いというものは一体どこにあるのだ。これらの点は、私はやはり行政府の最高の責任者から真意をただして、そして、この問題の審議に入るべきではないのか、こういうふうに考えるわけです。ひとつ委員長のお手元で手続的なお計らいをお願いしたい、このように思います。
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徳安實藏#25
○徳安委員長 理事会で相談いたしまして、決するようにいたしますから……。
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木原実#26
○木原委員 それでは、この問題をもう一つだけ念を押しておきますけれども、これは建設大臣に、先ほどの住宅省の問題でございますけれども、ひとつ腹を割ってお話をいただきたいと思うんですけれども、私ども、総理の真意がどこにあるのかわかりませんが、推測をすれば、大臣と同じように、住宅問題がこれだけ深刻かつ重大な問題になってきている、しかも、この住宅に関しては、さまざまな複雑な問題もからんできている、ある意味では、手詰まりという側面もある、それに対して積極的に行政面でアプローチをしていく、そのためには、そこにいろいろな力を集中して、住宅問題解決の役割りをになう省を一つつくりたい、こういうたてまえのお話というのは、私どもも、その範囲の中においては、たいへんに賛成ができると思うのです。
 ただ、それにしても、先ほど申し上げましたような問題のほかに、建設省としていままでやってこられたお仕事の中、それからまた住宅問題は、建設省の中でもかなり大きなウエートを占める仕事になっているわけなんですが、総理の意向というものが明らかになれば、建設省としては、当然検討をされるわけなんですが、住宅省というものを、この際それではつくっていくほうがベターだ、建設省のいままでのお仕事の実績を踏まえて、そういう方向に踏み切れますかどうか、いまの段階でのお考え方を聞いておきたいのです。
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亀岡高夫#27
○亀岡国務大臣 戦後、荒廃した国土の上に、住宅政策によって今日一応の、先般の総理府の発表によりましても、あき家率が五%という段階にまで住宅建設が進められてきておるわけでございます。この間、建設省として全力をあげてきたわけでございますから、住宅政策のある程度の実績はあげてきておるわけでございますが、これ以上の、やはり国民の住宅に対する不満が三五%もあるという実態にかんがみまして、この三五%の不満を速急にやはり解決していかなければならないという責任が実は建設省にあるわけでございます。
 したがいまして、私どもとしては——昭和四十七年、四十八年という両年度にわたりまして住宅の、特に公的住宅の建設の進度が非常にダウンをしてきたわけでございます。いろいろ理由はありますけれども、極端にダウンしたわけであります。それらのいろいろな原因、よって来たる理由等も検討いたしまして、やはり宅地開発公団でありますとか、あるいは都市の再開発の法案でございますとか、あるいは農住関係の制度でありますとか、いろいろ手法をきわめまして、国会に御審議をいただいておる次第でございます。したがいまして、私といたしましては、特に今国会において、土地に対する母法とも申すべき土地利用計画法がまず制定をされますことによって、この住宅問題については、相当積極的な実施の成績があげ得るものと実は考えておるわけでございます。したがいまして、おそらく総理も、そういう事態を急速に解決するためには、一つの省をつくって国務大臣を置いて、速急に国民の要望にこたえるというお気持ち、と同時に、建設省に対する叱咤激励と、実は私は新聞を見たときに受け取ったわけでございます。
 したがいまして、先ほどもお答え申し上げましたとおり、総理の意中も十分お聞きした上に、私どもとして現在やっております面も、よく総理にもお話を申し上げまして、住宅省をつくったほうがいいのか、現行のままでも十分やっていけるのか、その辺のことをきわめていきたい、これが率直な私の考えでございます。
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木原実#28
○木原委員 叱咤激励ということは、おまえたち何やっていたのだということにもなるわけなんで、建設省として一言あってしかるべきところなんです。私どもも、建設省が取り組んでいる、たとえば住宅問題についての取り組みが万全だとは申しません。しかしながら、それがすぐ住宅省という一省をつくることに短絡していっていいのかどうかということについては、首をかしげざるを得ないという立場なんです。
 ましてや、まさに審議をこれから始めようとするこの国土総合開発庁設置法、この新しい役所に、われわれがもし期待するものがあるとすれば、やっぱり最大のものは、長官もおっしゃったように、土地の問題について地価の抑制を徹底し、そのことによって、住宅問題を解決する一つの基盤をつくることだ、こういうことに帰すると思うのです。そうなりますと、やはり土地の問題について、めどがつくということは、住宅問題について半ばめどがつくことにもなる。それだけのものを背負う役所が、まさにできようというならば、どうしても住宅省というものを、独立させたいお考えがあるならば、これと一緒にやったらどうだというのは、当然私は出てくる考えじゃないかと思うのです。
 これは、私もまだいま思いつきの段階ですから、とやかくのことは言いません。総理の思いつきよりも、私どもの思いつきのほうがより政府的じゃないかと思うのですが、どうも場所が違ったような感じがするわけなんです。われわれが押えていて、総理が何をやるのだやるのだ、こういうわけで、だから、インフレ内閣だなんていわれることにもなるわけですが、この点につきましては、私は、非常に重大な問題だと思うのです。一つには、行政機構のあり方ということにも関連をし、一つには、やっぱり住宅問題を踏まえて、いままでの行政上の仕事のあり方全体が問われるという側面があるわけです。それだけに、住宅の問題は、役所をつくればいいという問題じゃないと思うんですね。
 冒頭にも申し上げたように、役所はできたけれども、結果においてはどうにもならなかったでは、これは、もう済まされないわけですから、大事なことは、やはり具体的に国民に安い土地を、これから安心をして住める住宅を大量に供給することができるかどうかということにかかっているわけなんですから、機構の問題とか大臣を一人ふやすとかどうとかいう問題ではなくて、何がやれて何がやれないのだという問題を絶えず明らかにしながら、必要なものを求めていく、こういう姿勢であってほしいと思うのです。
 ですから、建設大臣のいまのお立場で、なかなかはっきり言いにくいような側面もあるかと思うのですが、やはりもっとこの住宅問題についての、き然とした建設省の態度というものを聞きたかったわけです。もう一度御決意をひとつ聞かせてください。
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亀岡高夫#29
○亀岡国務大臣 木原委員の申されるとおり、いかにして住宅を建てるかということが、最大の課題であるわけでございまして、実は、住宅の建たないよって来たる理由が幾つか、先ほど申し上げたとおり実在してきたわけでございます。それは土地の問題でございます。価格の問題もあるわけでございます。こういう問題に対して、国会のほうでも、今回、明快なる結論を出していただけるということでございますので、そういう面を基礎といたしまして、私どもいただいま国会に提案をいたしております宅地に関する関係法案でございますとか、あるいは都市再開発の新しい手法を盛った法案でございますとか、そういう点を十分に駆使いたしまして、いかにして住宅建設を促進して、国民の住宅に対する欲求不満を解消していくかということが、私どもに課せられた至上命令であるということで、全力投球してまいりたいと考えるわけでございます。
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