吉田法晴の発言 (内閣委員会)
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○吉田委員 私の尋ねたところにはお答えがなくて、法のたてまえを説明されましたが、法のたてまえの説明は、幾らか資料をいただいておりますから私どももわかります。
差しとめ請求権、あるいはインジャンクションと申し上げたのは、こういう障害——法律の一条の後段に、「自衛隊の特定の行為により生ずる損失を補償することにより、」と書いてあります。だから、損失補償もやはりあるわけです。日本の場合には、こうやって法律で根拠をつくる以外に、正直申し上げまして、判例で積み重ねるということが少ない。若干の公害裁判等については、大きな前進はございますけれども、これも一つの公害かもしらぬと思いますけれどもね。「自衛隊等の行為又は防衛施設の設置若しくは運用により生ずる障害の防止」、損害の防止とは書いてございません。損害の防止とは書いてございませんけれども、後段に、「損失を補償することにより、」ということですから、広義の意味においては、損害の賠償ではございませんけれども、金銭による補償ではございませんけれども、防止措置ということで、あとで出てきますが、農業用施設云々といったようなものもございます。これらのものは、これは農林省の補償要綱を思い出しますが、ダムをつくった、そこで家も、たんぼも、農道も水没した、そのかわりに耕地を提供する、あるいは家をつくったり、あるいは農道をつくる、実はこういう現物補償現物賠償の形が行なわれている。私は、広義の意味においては、障害の防止云々ということでございますから、法理的にいうと、広義の差しとめだと思うのです。ですから、損害の防止とそれから補償と二つを含んでいる法律だと思うのです。それを日本の場合には、判例で積み重ねない。だから、こうやって法律をつくるわけです。
そうすると、その場合に働く法理というのは、いまの憲法あるいは民法あるいは行政法、そういうものの共通の法理というものがこの中で働くでしょう。さっき労働委員会の話をしました。あるいは行政委員会の問題につきましても、公務員制度は民主的な公務員制度、その民主的な公務員制度についても、昔と違って人事院というものをつくったり、あるいは人事権なら人事権の行使についても、救済措置は講じております。公平委員会というものがある。いまでは、大都市についていえば人事委員会があります。そういう制度が、この法律の中にはないではありませんか。そうすると、それはどうして救済をしますか、こう聞いている。
これは、行政法で広義の防止措置を講ずる。それが公共事業の援助であろうが何であろうが、障害の防止の措置を講ずるのです。これは広義の差しとめ請求なり、あるいは差しとめ請求権に基づいて、私法上保障されておる請求権に基づいてインジャンクションを働かせる、差しとめを請求するというのではない、それはわかる。しかし、行政法なら行政法で障害を防止しようということには間違いないじゃないですか。そうしたら、他の行政法にある組織、チェック・アンド・バランスの組織というものが考えられなければならぬじゃないか。不服のある者は、訴訟でやったらいいということで済まぬのじゃないかということを、法制局には申し上げておるわけです。その具体的な方法を講じないで、いや、恣意にはまかせませんと、防衛庁長官は胸をたたかれるけれども、幾ら胸をたたいてみたって、制度上それが保障されなければいかぬじゃないかということを申し上げておるが、法制局はどうですか。