吉田法晴の発言 (内閣委員会)

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○吉田委員 いまのお二人の説明で、私の解釈なり意見というような立場が明らかになりましたが、それは民事上の損害ではないのだから、財産的な損害あるいは人格権の損傷ではないのだから、完全賠償はせぬのだ、こういうわけであります。これは社会政策についていえば、慈恵的な社会政策と同じことだと思うのですけれども、やはり人権に対する評価が違うということだと思うのです。飛行機が飛ぶにしても公共の施設だから、特にそれは防衛問題についていえば、そのために損害を受けても、それは国全体を守るために被害を及ぼすのだから、少々の被害はしんぼうしなければならぬというのが基本にあるように思います。したがって、因果関係は要らぬ、しかし、その防音をするために、障害を防止するために市町村がやってやる、それを国が補助してやる、こういう考え方です。
 ところが、それで済まなくなっている。公害問題についていっても、昔の考え方でいうならば、工場から煙が出るのはあたりまえなんです。こういう話があります。八幡に来て、八幡製鉄の煙が問題になってから、もっと減してくれという申し出をしたところが、八幡に来れば、煙突から煙が出ているのはあたりまえな話じゃないか、煙突から煙が出ることを承知の上で八幡に就職している人間が何を言うか、こういった話があったということです。それで済まなくなっている。それで済まなくなって、ばい煙なりあるいはその中に一酸化炭素なり窒素化合物等があったら人間のからだに被害を与える、損害を与える、それが昔のように許されなくなったから公害問題というものが起ってきた。基地公害とかいろいろなことがいわれますけれども、なぜ、それが言われるようになったか。これはやはり人権の向上です。その上にこの法律ができているのじゃないですか。昔の考えのように、国がやることについて何を文句を言うか、黙れという思想なら別問題です。私はそうじゃないと思うのです。
 まあ、基本的に立場が違いますから、法理的な考え方も違うようですが、少なくとも私はあなた方と、いまこの法律を必要とした、あるいは基地であろうと、その障害なりあるいは損害なり与えないようにしなければならなくなった、その現実、そこの認識が違うところです。防音にしても、あるいは障害を除こうとするならば、それは因果関係を必要としないけれども、そのかわりに完全に押える必要がある。一部分でいいのだ、財政的な予算の範囲内でというのは、私は間違いだと思います。
 もし、それが通るということになるならば、それは、大阪なら大阪の空港の問題は起こらぬでしょう。あるいは新幹線なら新幹線の公害という問題は起こらぬでしょう。国鉄にもまだ若干あるようです。少なくとも法制局にそういう考えがあったのでは、法律を通じて国民の権利義務を守る、憲法に保障された人権が保障されるということがないということを申し上げて、これ以上の論争はいたしません。
 そこで、食い違う点だけは明らかになりましたから、個々の具体的な問題について聞いてまいります。多少、法文の順序に従って聞いてまいりましたが、特定防衛施設の指定と関連市町村の指定の問題。総理が、周辺地域に及ぼす影響を考慮しと言われる、その考慮しというところに、相当因果関係は必要としないのかと尋ねようと思ったのですが、いまの説明で、相当因果関係が必要としない理由がわかりました。そこで、それは尋ねても無意味、見解が違うのですから、考え方が違うのですから、それはやめます。
 ただ、政令案も見せてもらいましたけれども、実際にはどこに適用されるかというのはたいへんわかりにくい。そこで、参考資料を見ておりましたら、現行法の五条、特定飛行場の基準ですね、政令九条に、「自衛隊等の航空機その他の航空機で、ターボージェット発動機を有するものの離陸又は着陸がひん繁に実施されている飛行場とする。」というのがあります。そしてこれは、それに基づく防衛施設庁の告示九号に、十七ですか、千歳以下新田原飛行場までの例がございます。その中には、私の地方の築城、芦屋等も含まれておるわけですが、WECPNL八十以上とか九十以上とか基準はございますが、この現行法での特定飛行場の基準等は、この特定防衛施設指定の際の基準になり得るのかどうか。これはWECPNL云々で基準が違っておりますから、そのものであるとは思いませんけれども、しかし、ターボジェットエンジンを有するものが発着をするということになると、ほとんどその大部分になるわけであります。ここにあげてあります十七、あとでどこかがつけ加わっておりますから十八か十九ですね、いかがでしょう。

発言情報

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発言者: 吉田法晴

speaker_id: 22988

日付: 1974-05-09

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会