吉田法晴の発言 (内閣委員会)

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○吉田委員 どうも前提が違うようですけれども……。二十六条をあげられましたが、この平均賃金で何百日分とか、あるいは何千日分とかいうことになると思うのですが、その一つの例としては労災等が考えられる。ところが、労災自身についていえば、この死者について昔は四百日分、いまは一千日分。ところが、一千日分で公害補償が完全にできるかといえば、そうでもないでしょう。
 人間の命の点をお話を申し上げますと、あの雫石の上空で全日空機に自衛隊機がぶち当たった。これは自衛隊の側に欠陥がございましたし、訴訟になったらたいへんだということで、あそこで初めて一千万円というものが出てきたと私は思う。ところが、この水俣病の場合には人権問題もございます。なおす方法もない、そして過失があったということで千何百万という数字が出てまいりました。ですから、平均賃金の何百日分あるいは千日分云々という言い方は、やはり評価として低いと私は思うのです。これは公害問題についての国際的な水準、訴訟の結果出てきている水準を見られたら、わかると思うのですけれども、スモンであったかと思いますが、ドイツならドイツの場合には、日本の金になりますと何十億円。そのドイツの例あるいはイギリスの例と比べてみて、日本の森永なら森永、これは、あなたの所管じゃないけれども、要するに水準が違う。これが、だんだん国際化してまいる。そして、さっき長官は訴訟をやったらとおっしゃいますが、訴訟をやったら、なくなった人についていえば、計算方法が出ておりますから、だんだん上がってまいりまして、一千万円をたぶんこしてまいります。その国際的な水準から考えると、被害者救済制度で考えられておる二十六条の計算方法をはるかにこします。
 そこで、行政法でそういう被害者の救済方法をつくるのはけっこうだけれども、しかしそれは、加害者の責任をはっきりする。裁判で出るであろうところの、加害者の責任が全く救済されるということでなくて、この制度の範囲内で、そしてまた加害者が全部の責任を持たなければならぬ、しかし持ったものをどういうぐあいに国や公共団体が補完するかということてなしに——いわば結果的に加害者責任をぼかす結果になるのではないか。それが訴訟にも影響してまいります。そういう欠陥をどういうぐあいにして補完をされるか。加害者責任の不足分をどういうぐあいに補完をされるか。あるいは救済制度の限度で打ち切るのでなしに、残されたものについては、どういうぐあいに完全にしていく努力あるいは意向を持っておられるかということを聞いておるわけです。
 前提を省略してお尋ねしますから、ちょっと飛躍をいたしますけれども、いま引きました国際的な例等を考えなから、——何を考えているかは、察しがついたと思いますけれども、そういう点から考えて、この制度の足らざるところを、環境庁としてはどう補完をしていくか、あるいは拡充していくか、こういうことを聞いているわけです。

発言情報

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発言者: 吉田法晴

speaker_id: 22988

日付: 1974-05-23

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会