内田常雄の発言 (物価問題等に関する特別委員会)

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○内田国務大臣 それは私はこういうことになると思います。日本の経済の環境が変わってまいりました。簡単に申しましても、エネルギーあるいはその他の日本の産業をここまで引き上げてきた工業の原材料というものが従来のように無制限に、かつ安い価格で日本に入ってくるような条件が充たされない。したがって、その場合には日本の経済の成長度が当然低くならざるを得ないわけでありまして、その場合にその物価さえ引き上げれば、あるいはまた賃金さえ引き上げれば、昔のような生産性を上げたり日本の経済の成長の幅を大きくするようなことが再び返ってくるかというと、私はそうではないと思います。物価を幾ら上げましても、あるいは賃金を幾ら上げましても、いま申しますような日本の経済の基礎をなす環境を昔に戻すことができないとすれば、これは賃金、物価問題だけでは解決はできないわけでありますので、そこに今後のすべての問題があると思います。
 言いかえると、賃金や物価というものは経済を引っぱる牽引性があると同時に、実体経済の影でもあると思いますので、賃金、物価だけを追っかけること、これは国民生活が貨幣経済の上に成り立っておりますからきわめて大切なことではありますけどれも、それはそれといたしまして、日本の実体経済をどのように一体構造的に変えていくかということとあわせて、その物価、賃金問題というものを解決しなければ、石油の価格を高くすれば石油がたくさん戻ってきてその他のほうに何の影響もないということではないし、また賃金を上げれば、石油価格ばかりでなしに海外の農産物等が高くなっても、あるいはそれらの供給が窮屈になってもそれらの問題がすべて解決するということではないと考えますので、お尋ねのお答えにはなりませんけどれも、新価格体系というものは昔の価格体系に比べて何%ぐらい上がったものかということだけではない。私は、そこにいろいろな質的な、また構造的な変化も織り込んだものになろうと考えますので、そのような見地からいまいろいろの研究をさせておること、先ほど申したとおりであります。これはただ一つのパイロットモデルにいろいろな資料をはめ込みまして、がらがらっと回して、電子計算機がこういう答えを出しましたということでは私は済まされない問題であると思いますので、日本の国の将来、また勤労者の幸福や国民生活全体のことを考えながら良心と誠意を持った一つの経済指導方向というものを出してまいることが私ども経済企画庁に与えられた使命である、かように考えながらやってまいりますので、何らかの機会に今後の経済指導政策や物価等のあり方あるいは賃金等のあり方につきまして皆さま方の御意見を承る機会があろうことを私は期しております。

発言情報

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発言者: 内田常雄

speaker_id: 13196

日付: 1974-04-25

院: 衆議院

会議名: 物価問題等に関する特別委員会