大出俊の発言 (予算委員会第三分科会)
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○大出分科員 片や企業利潤は、この表によりますと、ちょうど昨年の三月期が一九八・九ということでピークにあります。これは当然、不況から回復したときですから。ずっと見まして、一番落ち込んでいる九月でも六〇・四あるんですね。まさに対照的に企業はかせぎ過ぎているが、毎月勤労統計にあらわれておりますように、労働者の家計というのはたいへんな苦しい状態にある。しかもそれが二月期の消費者物価の二〇・四%に及ぶ上昇で、さらに傾向値としては落ち込みが続きそうである。こういう時期に実はいま春闘が行なわれようとしている、こういうわけであります。
だから、もう一点つけ加えておきますが、四十八年の労働者のつまり家計費というものを中心に一点、例をあげさしていただきますが、この四十八年に年収百五十万の人、この人の家計費は八割見なければなりませんから百二十万であります。これは若い御夫婦に子供さん二人の標準世帯であります。年収百五十万、家計費が八割でございますから百二十万。ところで年間平均で一一・七%、全国の消費者物価が上がっている。そうすると百二十万の家計費に一一・七%を掛けなければなりませんから、掛けますと年間十四万四百円という数字が出てまいります。つまり、一年前と同じ家計費、つまり同じ生活をしようとすれば、十四万四百円の家計費についてのプラスがなければ同じ生活程度は維持できない。これが厳密な数字のあらわしている実態であります。
もう一つ、私、大蔵省に求めまして、昨年の十二月の、これは衆議院議員大出俊要求資料、こう書いてありますが、正確な国民全体の貯蓄総額を出してみましたら、ちょうど二年ばかり前は五十八兆でございましたが、べらぼうなふえ方をいたしまして、百二十七兆八千五百三十九億円あるのですね。ところがこの国民の貯金、この中にはこまかく見ていくと法人預金も多少ありますから総額はもうちょっと落ちるとは思いますけれども、二・七%の物価上昇、逆にこれは一一・七%預金が減価するわけでありますから、よけい払わなければ買えぬのですから、計算をいたしますと、この預金総額百二十七兆八千五百三十九億円の減価額は、掛ける一一・七、十八兆一千四百六億円、これだけ減価しているのですね。預金が十八兆減価している。一億の国民で割りますと、一人当たり十八万一千四百六円になる。
さらにもう一点申し上げておきますが、税金であります。かくのごときインフレの時期には富のたいへんな落差ができますが、本来税金が調整する役割りを果たすべきなんですが、そうなっていない。時間がありません、一つだけ申し上げますが、いま申し上げた年収百五十万円の人の昨年の減税は何と年間九千百三十二円しかない。〇・六%であります。これは話にならぬ。そこへもってきて、大蔵省の試算によりますと、これはモデル試算でありますが、四十七年に年収二百五十万円の標準世帯の方の税金を納める総額、これが二十三万四千百五十五円。この二百五十万の年収の人が昨年、経済企画庁の経済見通しに基づく一五%の平均の個人消費支出の上昇があった、つまり一五%賃金が上がったと見て、大蔵省の試算でありますが、二百五十万が一五%上がりますと二百八十七万、つまり三十七万円ふえたわけであります。となりますと、同じ人間で税金の総額は二十八万三千九百六十四円になる。差し引き何と同じ人間で一五%上がっただけで税金が四万九千八百九円年間でふえている。増税であります。明らかに日本の税制はインチキであります。かつ逆進型であります。こういう状況でございますから、だれがどう算定しても、この数字を詰めてまいりますと、ことしの賃金要求というのは三〇%をこえざるを得ない。陰のほうでしきりに二三%、二五%ぐらい出して落とすところは端から落としちゃったらなんというようなことを政府内部の方々が、あなたと申し上げませんけれども、四月十日ごろにはまとめてなんというようなことを——四月十日にはまとめてのほうはおたくのほうの考えでしょうが、とてもそんなことでまとまる状態にない。そこで小坂さんに私は聞いたんですけれども、ストライキをやるといったら処分をする、それだけで事済むか。そうしたら小坂さんは、あなたの出ている席上での話が新聞に載っておりましたが、いやその席で言った覚えはない、ないが、考え方を申し上げる。力と力の対決などという時代は過ぎ去ったんだ。何よりも話し合いをして、そこでどれだけ目減りをしているかということもしさいに検討してフランクに、政府統計だけでものを言わずに、インフレ下でございますから、何とかひとつ生活が成り立つような、そういう詰め方をやっていかなければならぬ時代である。ストライキを打たれたから処分する、そういう時代じゃないということを、スト権の問題を離れて話しておりました。大臣、ひとつ所管の大臣でございますから、この春闘に臨むまず基本的な姿勢、いま私が申し上げたような実情にあって、労働省も実質賃金の低下は御存じである。となると、一体そのところを、あなたは基本的に小坂さん以上のことを言っていただかなければ困る。総務長官はいま、皆さんの話し合いでスト権担当なんですよ。皆さんがそれを含む春闘の舞台裏で舞台を回される責任者でございますから、基本姿勢をひとつこの際明らかにしていただきたい。まず第一点であります。