予算委員会第三分科会

1974-03-09 衆議院 全381発言

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会議録情報#0
昭和四十九年三月九日(土曜日)
    午前十時開議
 出席分科員
   主査 渡辺 栄一君
      塩谷 一夫君    戸井田三郎君
      大出  俊君    多賀谷真稔君
      八木 一男君    石母田 達君
      木下 元二君    三浦  久君
      石田幸四郎君    小川新一郎君
   兼務 阿部 昭吾君 兼務 芳賀  貢君
   兼務 村山 喜一君 兼務 山本 政弘君
   兼務 吉田 法晴君 兼務 小沢 貞孝君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 長谷川 峻君
 出席政府委員
        内閣官房副長官 大村 襄治君
        人事院事務総局
        職員局長    中村  博君
        総理府人事局長 皆川 迪夫君
        厚生省医務局長 滝沢  正君
        労働大臣官房長 北川 俊夫君
        労働大臣官房会
        計課長     水谷 剛蔵君
        労働省労政局長 道正 邦彦君
        労働省労働基準
        局長      渡邊 健二君
        労働省労働基準
        局安全衛生部長 中西 正雄君
        労働省婦人少年
        局長      高橋 展子君
        労働省職業安定
        局長      遠藤 政夫君
        労働省職業安定
        局失業対策部長 佐藤 嘉一君
 分科員外の出席者
        法務省人権擁護
        局調査課長   加藤 泰也君
        大蔵省主計局主
        計官      梅澤 節男君
        文部省初等中等
        教育局中学校教
        育課長     別府  哲君
        厚生省児童家庭
        局企画課長   松田  正君
        労働省職業安定
        局審議官    岩崎 隆造君
        自治省行政局振
        興課長     田中 和夫君
        日本国有鉄道職
        員局能力開発課
        長       秋山 光文君
        日本電信電話公
        社厚生局長   小沢 春雄君
    —————————————
分科員の異動
三月九日
 辞任         補欠選任
  塩谷 一夫君     戸井田三郎君
  多賀谷真稔君     大出  俊君
  木下 元二君     石母田 達君
  山田 太郎君     渡部 一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  戸井田三郎君     塩谷 一夫君
  大出  俊君     岩垂寿喜男君
  石母田 達君     東中 光雄君
  渡部 一郎君     松本 忠助君
同日
 辞任         補欠選任
  岩垂寿喜男君     多賀谷真稔君
  東中 光雄君     津金 佑近君
  松本 忠助君     石田幸四郎君
同日
 辞任         補欠選任
  津金 佑近君     三浦  久君
  石田幸四郎君     小川新一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  三浦  久君     木下 元二君
  小川新一郎君     山田 太郎君
同日
 第一分科員山本政弘君、吉田法晴君、第二分科
 員芳賀貢君、村山喜一君、小沢貞孝君及び第五
 分科員阿部昭吾君が本分科兼務となった。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 昭和四十九年度一般会計予算中厚生省、労働省
 及び自治省所管
 昭和四十九年度特別会計予算中厚生省、労働省
 及び自治省所管
     ————◇—————
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渡辺栄一#1
○渡辺主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。
 昭和四十九年度一般会計予算及び昭和四十九年度特別会計予算中、労働省所管を議題といたします。
 この際、政府から説明を求めます。長谷川労働大臣。
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長谷川峻#2
○長谷川国務大臣 昭和四十九年度一般会計及び特別会計予算中労働省所管分について、その概要を御説明申し上げます。
 労働省所管の一般会計の歳出予算額は、一千九百九十三億七千六百二十七万二千円で、これを前年度当初予算額一千六百八十八億一千七百八十六万七千円に比較いたしますと、三百五億五千八百四十万五千円の増加となっております。
 次に、労働保険特別会計について御説明申し上げます。
 この会計は、労災勘定、失業勘定及び徴収勘定に区分されておりますので、勘定ごとに歳入歳出予定額を申し上げます。
 労災勘定は、歳入歳出予定額とも五千四百七十五億二千四百七十三万七千円で、これを前年度予算額四千二百七十七億九千二百三十三万二千円に比較いたしますと、一千百九十七億三千二百四十万五千円の増加となっております。
 失業勘定は、歳入歳出予定額とも五千八百六億七千九百二十二万四千円で、これを前年度当初予算額四千七百五十一億五千八百九十四万四千円に比較いたしますと、一千五十五億二千二十八万円の増加となっております。
 徴収勘定は、歳入歳出予定額とも八千百三十四億三千五十五万五千円で、これを前年度予算額六千六百十一億三千三百四十一万八千円に比較いたしますと、一千五百二十二億九千七百十三万七千円の増加となっております。
 最後に、石炭及び石油対策特別会計の石炭勘定中、当省所管分としては、炭鉱離職者の援護対策等に必要な経費として百二十億九千九百一万八千円を計上しておりますが、この額は、前年度予算額百九億四千七百六万七千円に比較いたしますと、十一億五千百九十五万一千円の増加となっております。
 以下、この労働省予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと存じます。よろしく御審議のほどをお願い申し上げる次第でございます。
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渡辺栄一#3
○渡辺主査 この際、おはかりいたします。
 ただいま長谷川労働大臣から申し出がありました労働省所管関係予算の重点事項につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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渡辺栄一#4
○渡辺主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 以上をもちまして、労働省所管についての説明を終わりました。
    —————————————
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渡辺栄一#5
○渡辺主査 質疑に先立ち、念のため申し上げます。
 質疑者が多数おられますので、質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。
 なお政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は的確に要領よく、簡潔にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
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大出俊#6
○大出分科員 春闘を前にいたしておりますから、関連をする幾つかの問題を承りたいのでありますが、きょうはいささか声わずらいをいたしておりまして、たいへんお聞きいただきにくい質問になりますので、お許しをいただきます。また、大臣の顔を見ると、あんまり質問がしにくくなるのですがね。昨年末はたいへんお世話になりました。たいへん御尽力をいただきました。御礼を申し上げておきます。
 ところで、昨日の新聞に、この国の労働者の実質賃金の低下に関しまする労働省の月例報告みたいなものが出されております。つまり、ここでいう四%の実質賃金の減というのは、昨年の十二月あるいはいまからいうと昨年の一月ごろからの毎月勤労統計に基づく傾向値としてどういう趨勢をたどって四%減になったのかという、それをひとつ御説明いただきたいのであります。ただ四%ではわからぬわけでありまして、そこはいかがでございますか。
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道正邦彦#7
○道正政府委員 四十八年一月におきましては、名目の賃金の増加率が一六%でございまして、これに対しまして消費者物価の上昇率が六・二%、したがいまして、実質賃金の増加率は九・三%であったわけでございます。以後毎月、若干の出入りはございますけれども、四十八年平均では八・九%、それから昨年の賃金改定期以降の四十八年四月からの平均では一月までを含めまして七・二%であったわけでございますが、一月分につきましては四%の対前年同月比マイナスになったわけでございます。
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大出俊#8
○大出分科員 ここにエコノミストが編集した毎月勤労統計を中心にして、昨年の一月から今年の一月にかけての実質賃金の推移というのを表にしております。これはいみじくも企業利益、これは営業利益が中心でありますが、この上昇の度合いというのを同じく表にして一つの表に二つ上下に並んでいるわけです。端的にあらわれておりますが、まず毎月勤労統計を中心にしてみますと、昨年の一月の前年対比でいうところの労働者の実質賃金の上昇率は、この表によりますと一二・二%あったようであります。これがずっと物価上昇とともに下がってまいりまして、昨年の十二月に五・七%。つまり昨年の一月に一二・二%の実質賃金の上昇が見られたものがどんどん下がってまいりまして、十二月には五・七%に落ち込んだ。それが昨年の年間平均の物価上昇は全国で一一・七%でありますが、それがこの表で見ますと、いまの一月に入った段階で計算をいたしますと、労働大臣がお話しになっている四%の実質賃金のさらに減、こうなるわけであります。
 そうなりますと、念のためにもう一つ承りますが、これは東京の速報だと思いますけれども、二月の消費者物価の上昇、これは二四%あるように思いますが、いかがでございますか。二四%になりますと、傾向値としてさらに実質賃金は二月に低下する、そういう傾向を、時間がありませんからこまかく言いませんが、この表を論理的に推してまいりますと、どうしてもさらに落ち込む傾向を持っている。つまりこの傾向は、いまの物価上昇が解消しない限りは変わらない。だからたいへんな家計費に対する圧迫になっている、こう見たいわけであります。見なければならぬわけでありますが、このところはいかがでありますか。
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道正邦彦#9
○道正政府委員 対前年同月比で四%のマイナスになりました原因につきましては、いろいろ技術的な問題もございます。しかしながら、主としては消費者物価の上昇の強まってきたことによる影響でございますので、私どもといたしましては先行きについて、物価の動向いかんにより楽観はできないものと考えております。
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大出俊#10
○大出分科員 楽観ができないということは、物価がおさまらなければさらに実質賃金の低下傾向が続く、こういうことになると思うのですが、大臣、そうでございましょう。
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長谷川峻#11
○長谷川国務大臣 物価をいかに押えるかということはいま最大な命題でございまして、国会の御審議もそういうところにあると思っております。でありますから、物価を押えることに重点を置きながらも、一方いまのような消費者物価が勤労者に及ぼす影響については、深甚の注意をしながら見守っているところであります。
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大出俊#12
○大出分科員 片や企業利潤は、この表によりますと、ちょうど昨年の三月期が一九八・九ということでピークにあります。これは当然、不況から回復したときですから。ずっと見まして、一番落ち込んでいる九月でも六〇・四あるんですね。まさに対照的に企業はかせぎ過ぎているが、毎月勤労統計にあらわれておりますように、労働者の家計というのはたいへんな苦しい状態にある。しかもそれが二月期の消費者物価の二〇・四%に及ぶ上昇で、さらに傾向値としては落ち込みが続きそうである。こういう時期に実はいま春闘が行なわれようとしている、こういうわけであります。
 だから、もう一点つけ加えておきますが、四十八年の労働者のつまり家計費というものを中心に一点、例をあげさしていただきますが、この四十八年に年収百五十万の人、この人の家計費は八割見なければなりませんから百二十万であります。これは若い御夫婦に子供さん二人の標準世帯であります。年収百五十万、家計費が八割でございますから百二十万。ところで年間平均で一一・七%、全国の消費者物価が上がっている。そうすると百二十万の家計費に一一・七%を掛けなければなりませんから、掛けますと年間十四万四百円という数字が出てまいります。つまり、一年前と同じ家計費、つまり同じ生活をしようとすれば、十四万四百円の家計費についてのプラスがなければ同じ生活程度は維持できない。これが厳密な数字のあらわしている実態であります。
 もう一つ、私、大蔵省に求めまして、昨年の十二月の、これは衆議院議員大出俊要求資料、こう書いてありますが、正確な国民全体の貯蓄総額を出してみましたら、ちょうど二年ばかり前は五十八兆でございましたが、べらぼうなふえ方をいたしまして、百二十七兆八千五百三十九億円あるのですね。ところがこの国民の貯金、この中にはこまかく見ていくと法人預金も多少ありますから総額はもうちょっと落ちるとは思いますけれども、二・七%の物価上昇、逆にこれは一一・七%預金が減価するわけでありますから、よけい払わなければ買えぬのですから、計算をいたしますと、この預金総額百二十七兆八千五百三十九億円の減価額は、掛ける一一・七、十八兆一千四百六億円、これだけ減価しているのですね。預金が十八兆減価している。一億の国民で割りますと、一人当たり十八万一千四百六円になる。
 さらにもう一点申し上げておきますが、税金であります。かくのごときインフレの時期には富のたいへんな落差ができますが、本来税金が調整する役割りを果たすべきなんですが、そうなっていない。時間がありません、一つだけ申し上げますが、いま申し上げた年収百五十万円の人の昨年の減税は何と年間九千百三十二円しかない。〇・六%であります。これは話にならぬ。そこへもってきて、大蔵省の試算によりますと、これはモデル試算でありますが、四十七年に年収二百五十万円の標準世帯の方の税金を納める総額、これが二十三万四千百五十五円。この二百五十万の年収の人が昨年、経済企画庁の経済見通しに基づく一五%の平均の個人消費支出の上昇があった、つまり一五%賃金が上がったと見て、大蔵省の試算でありますが、二百五十万が一五%上がりますと二百八十七万、つまり三十七万円ふえたわけであります。となりますと、同じ人間で税金の総額は二十八万三千九百六十四円になる。差し引き何と同じ人間で一五%上がっただけで税金が四万九千八百九円年間でふえている。増税であります。明らかに日本の税制はインチキであります。かつ逆進型であります。こういう状況でございますから、だれがどう算定しても、この数字を詰めてまいりますと、ことしの賃金要求というのは三〇%をこえざるを得ない。陰のほうでしきりに二三%、二五%ぐらい出して落とすところは端から落としちゃったらなんというようなことを政府内部の方々が、あなたと申し上げませんけれども、四月十日ごろにはまとめてなんというようなことを——四月十日にはまとめてのほうはおたくのほうの考えでしょうが、とてもそんなことでまとまる状態にない。そこで小坂さんに私は聞いたんですけれども、ストライキをやるといったら処分をする、それだけで事済むか。そうしたら小坂さんは、あなたの出ている席上での話が新聞に載っておりましたが、いやその席で言った覚えはない、ないが、考え方を申し上げる。力と力の対決などという時代は過ぎ去ったんだ。何よりも話し合いをして、そこでどれだけ目減りをしているかということもしさいに検討してフランクに、政府統計だけでものを言わずに、インフレ下でございますから、何とかひとつ生活が成り立つような、そういう詰め方をやっていかなければならぬ時代である。ストライキを打たれたから処分する、そういう時代じゃないということを、スト権の問題を離れて話しておりました。大臣、ひとつ所管の大臣でございますから、この春闘に臨むまず基本的な姿勢、いま私が申し上げたような実情にあって、労働省も実質賃金の低下は御存じである。となると、一体そのところを、あなたは基本的に小坂さん以上のことを言っていただかなければ困る。総務長官はいま、皆さんの話し合いでスト権担当なんですよ。皆さんがそれを含む春闘の舞台裏で舞台を回される責任者でございますから、基本姿勢をひとつこの際明らかにしていただきたい。まず第一点であります。
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長谷川峻#13
○長谷川国務大臣 私は、いま大出さんがおっしゃったように経済情勢その他たいへんな、このたびの春の賃金改定は第二の国難とさえ実は申し上げているわけであります。ですから、そういう総合的な大事なときでございますから、まさに労使が国民的視野に立ちながら、そして円満なうちに話し合いがつくようにやってもらいたい。そのためにこそ、いまだかつてないことだと言われておりますが、昨年就任以来、労働四団体の方々と総理に会っていただき、あるいは各大臣にいろいろ会って実情を、もちろん国会の御議論が中心でございますが、そういう方々が申し上げるいろいろな問題等もフランクに聞いてもらう、そういう話し合いの中に問題を煮詰めてまいりたい、こういう考えでやっていることを御理解いただきたいと思うのです。
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大出俊#14
○大出分科員 話の場所でございますが、関係閣僚という名がつきますように、つまり春闘要求を出しておりますですね、これは国民春闘という意味で。こういうインフレの時期には、弱いところにしわが寄るのが原則であります。だからそこを上げていこうというのは、これはあたりまえであります。かつ労働組合だって、企業の側が国民からインフレ利益という形で価格転嫁をしてしぼり上げたたいへんな利益、労使間で団体交渉で分け合って春闘が終わったんじゃ、国民から吸い上げた利益を労使間で分け合って終わりですというんじゃ、これは運動にはなりません。社会に責任を負う労働組合の立場じゃない。だから国民春闘にならざるを得ぬ必然性を持っているわけであります。だからこれは四つに取り組んでいただきたいし、取り組み始めていただいていることは評価をいたします。だが、このあたりでやはり関係のございます閣僚を集めていただいて、そういう形での舞台をつくった話し合いは私は必要なのではないかと思う。そのあたりを大臣はなかなかはっきりものをおっしゃらぬように、新聞紙上で見る限りでは受け取れるのでありますが、まず第二番目に、その辺のところは社会的に責任のある、企業もそうでございましょうが組合もそうなんですから、しかも異常な春闘でゼネストを五日、六日やられたら、去年の四・二六、二七だって横浜の食糧倉庫には米が半日分もないのですよ。たいへんなことになってしまいますよ。あのときに北海道のジャガイモが出てこないだけで後遺症が三カ月も続いている。これは田中内閣の存立にもかかわりかねないです。だからそういう意味ではきちっと話し合いの漏れのない舞台をおつくりいただき、専門的にとおっしゃるならばその中に専門の部会でもつくっていただいて、早く話が進むようにお考えいただきたいのでございますが、その点いかがでございますか。
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長谷川峻#15
○長谷川国務大臣 心配している面は先生と私も同じでございます。そういうことからしますというと、やはり米の食糧倉庫の問題一つにしましても、海、陸、空全体のゼネストなどということになったら、これは人心のいらいら、さらにまた一番憂える物価の高騰、こういう問題などがありますから、これはその方々と直接——要求をいれるとかそういうことじゃなくても、国会で皆さん方が御議論いただくので、議会政治の国でもございますし、そして有力な御意見がこうして出ることでございますから、そういう問題の中に全体の雰囲気として何とかこれを円満にいくようにしてみたい。それにはどんな方法があるのか。向こうの方々が言うことをただ全部のむこともあり得ないこともあるのです。それをよくうしろのほうで腕だけ振り上げて、こっちを向かなければ絶対、絶対でも困る。そういう意味のゆるやかな話の中に何とかじょうずにみんなを持っていくという姿勢こそ、一方私はまた御指導願いたい、こう思います。
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大出俊#16
○大出分科員 いま妙なことをちょっとおっしゃいましたが、わからぬわけでもないからいいのですが、ただやはり施設の人だとか母子家庭だとか身障者だというところに二千円というようなばかなことを、財源は百二十億でしょう、官房長官に私が聞いたら。迎賓館があそこにできるというわけだ。幾らだ。百億だ。あんなものをつくらぬだって、いま外国のお客さんを接待しているのだ。そうでしょう。ばかみたいにあんなものに百億かけるのだったらこの国の低所得階層に、寝たきり老人に、やらにゃならぬことは山ほどありますよ。それはおたくのほうがそこらあたりは底上げするような考え方をお持ちにならぬと、厚生省サイドだけでは事務的には進みませんですよ。そうでしょう。だからやはりそこらのところは、こういうときには大胆に、フランスのカルチェ・ラタン闘争じゃないけれども、ドゴールさんずばっと前に出た。ずばっと出なければ世の中渡っていかないのですよ。
 そこで、ストライキ権の問題について承りたいのでありますが、さて、この春闘の中の一つにストライキ権の回復の問題がある。あるいは郵政省のように、全逓との間のように、これは公労協の分野ですから大臣のほうですけれども、実損回復という問題が一つある。これはILOの最終報告にも、全逓の百七十九号事件で明らかになっている。しかもこれは昨年、表に出ているやっと、もう一つ裏に念書と、そのもう一つ裏に口頭了解とこうある。念書以下は念のためにないことにしておくとあなたは言うのだけれども。つまりここまでの問題があるので、一つはスト権の問題、総務長官の権限だけでは済みません。基本的に一体どうお考えか。ILOの中身は詳しく言いません。それが一つ。もう一つ実損回復。ゼロというふざけた話はないのであって、ここらは一体どうお考えになるか、基本的にお伺いしたい。
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長谷川峻#17
○長谷川国務大臣 スト権の問題は、昨年の公制審の答申を受けて立って、内閣の内部にいろいろな連絡会議などをつくり、私も就任以来、作業がどうなっているかということをずっとフォローしてみました。しかし部長、課長いろいろな会合を十五回とか何回かやったということでございましたが、これはたいへんむずかしい問題であることは、七年間かかって公制審が出した、それがまたいろいろ並列とか三つ並べられたという事態もございますので、むずかしいことはわかります、企業の内容とか経営の問題とか国会の審議、予算の問題等とかありますので。しかし時期が時期でございますから、それをひとつ前進させるというふうな意味で、二月二十七日かに第二回の連絡会議を開き、そういう手配を続けている。ただしかし、いまいつの時期にこうするというふうなことはなかなかむずかしいということは御理解いただけると思っておりますが、研究はこういう機会をきっかけにして絶えず進めるような段階であるということは御理解いただけると思います。
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大出俊#18
○大出分科員 総務長官じゃございませんで長谷川労働大臣ですから、実は私が注文つけようと思ったことをあなた先にお答えになった。ここに八年間かかった公制審答申がございますが、「可及的すみやかに争議権の問題を解決するため、」こううたっているわけですね。これがみそなんです。だから満場一致にしたわけです。ところがとたんに政府のほうは、これはストライキ権を差し上げるなんということを意味しないと、いきなりこう言う。小坂さんは私に、組合がストライキ権に足がかかったというじゃないかと先に言うから、政府だって、そんなことを言えば、これはストライキ権を意味しないということを官房長官談話で先に発表するじゃないか、それが間違いなんだ。両方そうなっていたんではドライヤーの言うように不信感は深まるばかり。だが、スト権問題に足を入れるのはきっかけがなければできない。これだけ大きな国民を動かす春闘だからこそ、政府のほうも例年とは態度が違う。一つ間違うとえらいゼネストに発展する社会情勢、生活情勢にあるから態度が違う。力と力の対決じゃ事済まぬということになった。この時期にこの問題を少なくとも前に進める土台ときっかけをつくることにしなければ、労使関係のいままでの不信感の累積をもとに戻そうなどということはできない。これはほかならぬ労働省、労働大臣の責任であろう、仕事であろう、私はこう思うわけであります。きっかけをつくる、この方向で御努力を願いたいのですが、いかがでありますか。
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長谷川峻#19
○長谷川国務大臣 私もILO委員会の前文に書いております相互理解、そういう雰囲気を高めるというのが前文の大きなテーマだと思っています。いまの日本で大事なものはやはり千三百万の勤労者、こういう方々が日本の生産の大きなもの、そして生活をしょっている、こういうのを守りもし、向上させるのが労働省本来の仕事だ、こう思っておりますので、おっしゃるとおり、あなたの御希望のとおりいついつどうこう、すぐということはありませんけれども、そういう前向きの姿勢であることは御理解いただきたいと思います。
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大出俊#20
○大出分科員 私の、きっかけをつくっていただきたいという質問に前向きな姿勢で取り組む、こういうことでございますから、中身に触れると時間が長くなります。
 もう一点承りたいのですが、この春闘の中で、政府と組合との交渉の中で、実は昨年の四・二六、二七のストライキのときに陰に隠れた部分——私は総評の大木君と兄弟分の仲です。机を並べて全逓の執行委員を一緒にやってきた仲です。彼が結んだ中身を即刻私はそのままリコピーでとってここに持っている、いまだから言うんですが。これは原文ですよ。山下元利さんと大木君のやりとりした文章、ここにちゃんとマル印となっている。これは印です。そのままとっている。表に出ている覚え書きは別にあります。これはILOの報告の載っているこれです。だが、もうこれは実は私どもはやみだと思っていない。山下元利君とも話しましたが、いやいろいろあるんだが、この際は大出さんかんべんしてくれと言う。それでやみじゃない。これに基づいて口頭了解がある。この口頭了解の中に実損回復の問題がちゃんと触れている。「過去の処分に伴う昇給延伸の回復の問題について引き続き協議する。恣意的に差別は行なわない。」、この「恣意的に差別は行なわない。」ということを解釈し合っているわけです、大木君と山下君と。山下君が官房長官のところに飛んで行っているわけです。「恣意的な差別というのは特別昇給を持ち込まないという意味である。」こういうやりとりを最後にしてあるわけですよ。政治ですから、こしらえても腹におさめて、ないと言う場合も必要でしょう。関係閣僚会議の席上で一ぱいたたかれたから黙ってしまって何も言わない、これも政治です。官房長官と私も個人的に話しております。いろいろなことがありますが、非公式な話ですからここでは言いません。言いませんが、私の希望は、話し合って判こまで押してあるこの問題をこの春闘の過程でもう一ぺん表に出すべきであるという考え方を実は私は持っているのです。いろいろなことがありましたが、情勢が去年とは違う。閣内の皆さんだっておわかりを願えると思う。このまま表へ出すといって出せなければ、別な角度でいいから、文章は違ってもいいが、ここに書いてある中身は非常にいいことを書いてある、山下元利官房副長官と総評の大木君以下のスタッフとで徹夜で話したのですから、煮詰まっているのですよ。だから、これをもう一ぺん表に出す努力をしていただきたい。いまここで認知しろとは言わない。言わないが表に出す努力をしていただければ全逓の実損回復問題でも片づく。最後にこの点を一点お伺いしたいのだけれども、時間がありませんから、いまの一点ともう一点だけ。
 実は昭和三十三年、いまの田中角榮総理大臣が郵政大臣のときに、彼に私は首を切られたわけですが、これが全逓処分の第一号であります。ところが三十三年ですから足かけ十六年、ILOは、ストライキをやって処分をした、だが身分上の不利益取り扱い、主任になれぬとか課長になれぬとかという取り扱い、賃金上の、金銭上の損失、これが長い期間ついてまわるということはよくないと何べんも何べんも勧告しているわけですね。十六年間続きっぱなしであって、実損回復はゼロであるという郵政省と全逓の関係というのは、国際的な常識といわれるILOの勧告からいけば話にならぬ状態なんです。きのう原田郵政大臣に聞いたら、おとなげないことだけれども特別昇給をあわせてやらしていただきたいと言わざるを得ないと言う。重ねて聞いたら、おとなげないことと申し上げているのですから、私の真意はそれで以心伝心おわかりいただけると思うというので、特別昇給をやるということを言っているのはおとなげないことだ、だからそのおとなげないことをいただきましょう、以心伝心伝わってきたこのことを認めましょうということで別れているのですが、技術的な問題じゃなくて、実損回復が十六年間ゼロであるということは、ILOで何べんも言っていることに照らして特別昇給はしないなんてことは言いわけであります。やらなかったということが事実として残る。そうすると、さきのこの問題を一ぺん表に出す努力を——同じものでなくてもいいけれども、真意が同じようなことになるものを出して話を詰めていくという努力と、あわせて最後に残る一つの実損回復の問題を言えば、足かけ十六年ゼロであるという手はなかろうという点についてどうお考えかをお答えいただきたいと思います。これも春闘をまとめる一つであります。
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長谷川峻#21
○長谷川国務大臣 前段のものは、実を言うと理解というとおかしいが、直接私なんか関係していないことなんで、あなたのお話のとおり、よく当時の話を聞くとタマムシ色とかコガネ色とか、両方の解釈でそうなっておる。内容はわかりませんが、そんなことと私は理解しておるわけです。いま新しい話を聞いたようなわけでして、あとの問題につきましては郵政省、これは昇給延伸の問題等々については労使の間で進んでいるような話を聞いているのです。しかしながら、何かなかなか妥結しないような話なども聞くので、ことに郵政関係、全逓関係はあなたは詳しいので、きょうあなたから話を聞いたことを、将来問題が起こったときの重大な参考にして見守っていきたい、こう思っています。
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大出俊#22
○大出分科員 進んでいるように聞いていると大臣はおっしゃった。実は私が田邊君と二人で昨年末政治的にまとめたものですから、私自身がまとめたものですから、一番よく知っている。知っているからこそここでものを言っているのですから、おたくのほうに一枚かんでいただかぬと、旧来の歴史がありまして踏み切れない立場におる官僚の方々もおいでになる。私のほうも殺されちゃ困るのです。だからその意味では、公労協関係というのはいろいろな意味で労働省が所管官庁でありますから、だからそこらは一枚かんでいただいて、公労協内部に一つ残った問題があって、だからこの念書云々の問題についても時間がかかったわけですから、だから口頭了解の中に入れて、また解釈までつけているわけですから、つまりそれはそこにネックが一つあったから、公労協全体がまとまりにくいから、そういうことでございます。だからどたんばにいってこの問題は出てまいりますので、あらかじめ大臣にその心証をという意味で申し上げたわけであります。
 そこで道正さんに一つだけ承っておきたいのですが、タマムシ色ということばによくあらわれている。非常に都合のいいことばでございます。だからタマムシ色、どっちから見てもこう見えるというそのことについて、落とすところはここだというのがそのときにあるのです。あるがそれが出てきてはまずいからタマムシにしておくわけですから、それがここに落ちるはずだったタマムシが、こっちにおっこってしまっては困るのです。そういう意味で、昨年の念書云々の問題等については、ひとつその中身をもう一ぺん読み直していただいて、この春闘の中でポイントになっているものは、同じものがたくさんあるわけですから、生かす御努力を願いたいのであります。いかがでありますか。
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道正邦彦#23
○道正政府委員 私は実はほんとうに念書なるものを知らないわけでございます。しかしながら七項目の合意、これはよく存じております。それから、それに基づきまして誠心誠意やっているつもりでございます。御指摘のように三公社五現業、いろいろ内部事情が違います。一番問題があるのは郵政関係だと思っております。しかしながら、本来労使の問題でございますから、労使が誠意をもって話し合いをされる性質のものでございますけれども、側面からお手伝いすることがあればさせていただきたいと思っております。
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大出俊#24
○大出分科員 これで終わりますが、なかなか、アリの一穴というのがありまして、ものごとがまとまりそうになって、ぱっときれいにいきそうだというときに、一つ石ころがころがっておりますとがったり横にいってしまったりする、そういうことになりますので、用心深く詰めるものは詰めておく必要があるという意味で申し上げているので、御留意をいただきますようにお願いをいたしまして終わります。
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渡辺栄一#25
○渡辺主査 村山喜一君。
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村山喜一#26
○村山(喜)分科員 大出君の質問と非常に関連があると思うのですが、きわめて重要な問題でございますので、このスト権の問題を中心に、労働大臣に私は話を詰めてもらいたいと思っているわけでございます。きのうの夕刊を見てみますと、物価の上昇率が実質賃金を上回りまして、一月の労働者の賃金は四%事実上減になった、ダウンをしたということが発表されておりました。これは朝鮮動乱以来のことであります。昭和二十九年そういうようなことがあって以来、初めてのできごとだと報道をしているわけでございます。そういう中から三・一ストライキが行なわれました。そうしてこれは、インフレ阻止と国民の生活要求を掲げての非常に整然としたストライキが行なわれたと私は思うのです。インフレ弱者に対するところの措置とスト権の回復というのがこの春闘の大きな柱になっておる、私はそう思うのであります。
  〔主査退席、戸井田主査代理着席〕
これについて政府に対して国民からどういうような反応があったのかわかりませんが、労働者側のほうに対しましては、かねてある苦情というものはほとんどない。それよりもむしろ激励のことばが返ってくる。これはやはり国民がストライキに対して、それぞれ要求を持っているわけだけれども、その要求に対するいわゆる表現のしかたというものが自分たちではできない、だから彼らがやってくれたんだというような形の中で終わっているのではなかろうかと私思うのでありますが、労働大臣はあのストライキ回避のために一人残って非常に御努力をされたことも、私も知っております。しかしながら、政府全体の姿勢の中で、はたしてそういうような、ストライキはどんなことがあっても回避するのだという積極的なかまえがこの前あったのであろうか。私はそのことを疑いたいのであります。疑いたくないわけでございますが、客観的に見ればストライキやらしてみろ、その結果世論がどういうふうに反応するか見てみようじゃないか、こういうような態度にさえ出てきておるのではなかろうかと思うのでありますが、あのストライキをごらんになりまして、客観的にどういうふうに受けとめていったらいいというふうに、いま大臣はお考えになっていらっしゃるのですか。
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長谷川峻#27
○長谷川国務大臣 こういう時代ですから、日本全体に交通ストライキみたいなものがあったのでは、雪が降っただけでも東京では野菜が高くなるということですし、しかも人心のいらいらが起こったらたいへんなことだということと、もう一つは、やはり政治ストということははっきりしておるのですから、そういうことはぜひおやめいただきたいという感じは内閣全体、私はそう思うのです。国民もそうなんです。でありますから、そのことを四団体の方々あるいは各団体の方がおいでになりますと、お願い申し上げた。しかし御要求の中には、底辺の方々に対する御同情の御意見もありました。これは、その方々に直接御要求におこたえしたということでもありませんが、国会の御審議もあり、政府の考えておることでございましたから、百三十億、六百八十五万人にああいう手当てができたのですが、百三十億では足りない、三百億だというふうな御意見などもありまして、あれが回避できなかったのは残念だと思います。
  〔戸井田主査代理退席、主査着席〕
しかし一方、やはりこういうときでありますから、いらいらがあまりなくて、ごたごたがなくて、そしてその日の、ことに受験生のことなども非常に心配したのですが、おくれたところは大学では試験をさせるとか、ある場合には誘導をよくやったとか、いろんなことで当時ごたごたがなかったということは、まず非常によかったのではないか。利用者の忍耐やらいろんな問題があります。しかし、こんなことがたび重なれば物価の高騰もございましょうし、また不測の事態でもあったらたいへんなことになるということで、いまから先もそういうふうなことのないようにお願いしたいという感じを持っております。
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村山喜一#28
○村山(喜)分科員 二月の二十一日に総理が労働四団体の代表に会われた。全閣僚も一緒に出席をされたようでございます。その後二十五日の春闘共闘委員会と労働大臣、あるいは労働四団体と経企庁長官や労働大臣、厚生大臣、大蔵大臣の交渉、そして総評と小坂総理府総務長官との会見。二十七日に春闘共闘委員会がまた労働大臣と交渉した。二十八日には労働大臣、厚生大臣、小坂総務長官、この三人が政府を代表して会われている。その中から生み出されたものは、いま大臣がおっしゃったような一人二千円の三カ月分の百三十億、これを予算措置をいたしましょう。その二番目には、公制審の答申を尊重いたします。しかし、これ以上には出ていないわけですね。そして小坂長官は、きょうは出席を求めておりませんが、スト権の問題をめぐっては、非現業については現行法制でやりましょう。三公社五現業はよく考えろと書いてあるのだ、だから話し合いをしたい。しかし、簡単にはきまりませんよ。解決というが詰まっていない。何にも具体的な答弁というものがないわけですよ。そこで、第三次公務員制度審議会の答申というのは、九月の三日に出ている。もう半年。スローモーであったことは小坂長官自身も認めておいでになる。そして、ILOの結社の自由委員会の第百三十九次報告ですね。これも十一月の十六日に理事会で採択をされているわけです。そういうような状況の中で、会ってみたら具体的に何も詰まっていない。これで、政治ストだ、違法ストだからやめなさい。これでは官房長官が談話を出されましても、労働者を納得せしめることだけではなしに、政府は誠意をもっていままで努力をしたということを国民に印象づけることさえもできないのではないだろうか、私はそういうふうに指摘をせざるを得ないのであります。労働大臣は労働運動について非常に理解を持っていらっしゃると思うのでありますが、私は、やはりこれは政府全体から見たら怠慢であった、非常に消極的な姿勢ではないか、こういうふうに指摘せざるを得ないのでありますが、ストライキをかまえなければそういうような具体的なものが前進しないというのでは、私はおかしいと思うのであります。大臣、これから前向きに対処願うと思うのでありますが、国民が怠慢ではないかというふうに思っている、そのことについて反省はございませんか。
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長谷川峻#29
○長谷川国務大臣 御案内のように、昨年の九月三日に公制審の答申が出ました。そのあとで政府のほうで連絡会議等々を開いて研究していることもわかっておりましたが、国会の場においても、ILOの結社の自由委員会のいろんな問題が論議されるときに、この問題についての御議論のあったことも私たちは承知しております。
 さて、こうした公共企業体のスト権の問題ということになりますと、何といっても片一方の公制審が三者構成でありながら八年もかかったという実態、そうすると、おくれるというのはただ怠慢でおくれたのか、事務的な諸君だからおくれたのかという問題が一つあると私は気づいた。なぜかなれば、問題が非常に大きい問題ということですね。たとえば争議権の有無が労使の関係に及ぼす影響なり、国民生活に及ぼす影響というものがありましょうし、それから当事者能力という問題が出ております。それから予算に対する国会の審議権の関係、さらには経済原則によるところの争議行為の抑制力の欠如という問題がテーマとなっております。その他経営形態等事業全般のあり方、こういうものを含めて検討するというのが一つのテーマでございますから、これらを、去年の九月に答申が出たから、すぐにこれ全体ということはなかなかできなかったのではないか。しかしながら、こういういろいろな問題のときにそれがクローズアップされて、ほんとうにお互い考えなければならぬチャンスであったということは、私は一つのメリットとして認めます。また、それらを受けて立つ、あなたの御質問などもこうしていただく、それは受けて立って議論をする中に、私たちが前向きの姿勢なり、また、できるものからやろうとするなら、どれをやるかとか、いろいろな問題が出てくる。しかし、そういうふうな一つの前進というものは当然こういう議論の中から出てくる。そういうことにおいていまから先も進めてみたい、こう思っているわけであります。
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