森中守義の発言 (運輸委員会)
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○森中守義君 派遣報告を申し上げます。
派遣されました委員は、黒住、鬼丸、小柳、小平各委員と私の五人で、三月二十三日、福岡空港周辺における航空機騒音の実情調査を行なってまいりました。
まず福岡空港長から、空港の概要説明を聴取、次いで、空港周辺における主要な地点の騒音の実態について調査し、最後に、地元関係者から陳情、要望等を聴取してまいりました。
福岡空港は、昭和二十年旧陸軍によって建設された空港で、戦後は米軍により板付空港として使用されてまいりましたが、昭和四十五年返還が決定、四十七年四月一日から運輸省の設置管理をする第二種空港となったのであります。一部米軍、防衛庁の施設が残っておりますが、返還後は、管制、航行援助施設等最新の機器を導入し、民間空港としての機能を十分発揮できるような体制になっているとのことでありました。現在、滑走路は長さ二千八百メートル、幅六十メートルで、運用時間は二十四時間でありますが、朝七時から夜の十一時までには終了することになっている。定期便は国内線で一日百三十五便、国際線で週五十四便、利用客は昨年一年間で約五百万人に達しております。面積は約三百五十ヘクタールで、うち民有地が四割程度あり、空港の運営にあたっては、騒音問題をはじめ、地元住民との調整に十分な配慮を行なっているとのことでありました。
次に、空港周辺地域の騒音実態調査について申し上げます。
私ども一行は、音量測定器を持って、まず箱崎地区の宮松小学に参りました。当小学校は、二重窓方式により、空港返還前から防衛庁により防音工事が行なわれており、冷房工事を運輸省が行なうことになっております。DC8が通過しましたので音の強さを測定いたしましたところ、五十七ホンになっておりました。ここで最初に問題となりましたのは、これらの工事に対する国庫補助率が七五%になっておりますが、今日の異常な物価情勢に対応して、工事単価の引き上げと工事量の確保のために、抜本的対策が必要ではないかとの問題が提起されたことであります。この問題は、今回の調査を通じ一貫した問題点として、あとでも申し上げますが、各方面からの要望事項ともなっております。
次に、二又瀬地区に参りました。この地点は、離陸後、高度二百メートルの直下に当たり、実測では、DC8が九十七ホン、ボーイング727で九十六ホンに達し、われわれの聴覚としては、かなり高い騒音としての感を受けました。
次に、麦野地区の板付小学校に参りました。ここでも一応の防音工事が行なわれておりますが、室内は換気方式になっており、今後の冷房工事をどうするかが課題でございます。
次に、大野城市山田地区に参りました。この地区は、第一種地区に隣接したところで、住宅建設等の開発が急速に進められている地区であります。騒音防止対策の見地から見れば、必ずしも好ましい状態ではございませんが、騒音防止法をはじめ現行法体系のもとでは何ら規制の足がかりもなく、今後の重要な課題となっておる地区として注目すべきものと思われます。
次に、立花寺地区に参りましたが、この地区は、着陸直前、高度五十メートルの地点でDC8の音を実測しましたところ、百三ホンでありました。その実感はことばでは容易に表現できませんが、非常に強い音で、機体から受ける威圧感も強く、今回の改正案では、第三種地区に指定されることになっております。これらの地区内における騒音対策については、格段の配慮が必要であると痛感をいたします。
以上で現地調査を終わり、次に、地元関係者からの陳情の要旨について申し上げます。
まず福岡県より
1、緑地帯その他の緩衝地帯の造成等、知事が策定する空港周辺整備計画の実施については、その実施主体の明確化及び財政面の強化を行なわれたい。
2、航空機騒音による障害防止のための事業実施にあたり、地方公共団体の経費負担増にならないよう配慮されたい。
3、住宅の所有者が防音工事を行なう場合の助成については、所有者の負担にならないよう配慮されたい。
などであります。
次に、福岡市からの陳情の趣旨は
1、環境庁告示による「航空機騒音に係わる環境基準」の早期達成。
2、福岡空港周辺整備機構の早期設立。
3、当面、騒音対策事業並びに周辺住民の住家防音補助事業ワクの拡大と早期着工について。
の要望がありました。特に、さきに述べたように、最近の物価上昇により防音工事の国庫補助率七五%、地方二五%となっているが、これが実質五〇%以上の負担となっており、地方財政の現状から抜本的対策を講じてほしいとの強い要望が行なわれました。
次に、大野城市より
1、市庁舎の防音工事を騒音防止法の補助対象にしてほしいこと。
2、騒音防止補助事業の補助額の大幅引き上げの早期実現に当たってほしい。
3、放送受信料減免区域の拡大について。
の要望がありました。
また、福岡空港地域対策協議会より
1、民家防音工事の全額国庫負担による促進について。
2、進入表面下の住家の移転については、個別移転は反対であり、全体としてとらえてほしい。また、空港そのものの移転も考えてほしい。
3、農耕阻害補償の実現をはかってほしい。
などの要望がありました。
以上で報告を終わりたいと思いますが、福岡空港の立地条件、周辺整備の現状から見れば、国及び関係者の適切にしてすみやかな騒音防止対策が講じられれば、現在の騒音障害を著しく改善できるのではないかと思われますので、関係者の一そうの努力を要望いたして報告を終わります。