徳永正利の発言 (運輸委員会)
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○国務大臣(徳永正利君) 田中総理がブリタニカにどういう論文を出されたか、実は私、多忙をきわめておりまして、まだ内容を拝見しておりませんけれども、大体の新聞等の報道によりますと、いまおっしゃったように、やはり日本の何と申しますか、格差の是正をうたいあげておられるんじゃないかと思うわけでございます。この格差是正政策というものは、いろんなやり方があると思いますけれども、私は田中総理のブリタニカの論文を論評するわけじゃございませんが、いまおっしゃったように、日本経済が今度は福祉優先の安定成長を目ざしていかなきゃならぬということは、これはもう異論のないことであると思います。
先生のいまおっしゃいましたのは、いままでは高度成長政策を面かじ一ぱいとってきたが、そろそろ取りかじに転換する時期じゃないかというお話でございますが、私も福祉優先、安定成長を目ざす海運政策——海運政策ばかりじゃなくて、すべての政策がそういう方向に向かう時期であろうというふうに思うわけでございます。
この海運だけとってそれにつけ加えて申しますならば、資源に恵まれない日本におきましては、年間大体五億トンにのぼる原材料を輸入して、しかも十分の一に当たる五千万トンを加工し輸出する。これで日本の、まあ極端に言えば、加工貿易、貿易立国の中心がそういうところにあるんではないだろうかと思うわけでございます。したがいまして、輸出入の物資にいたしましても、これが安定的な輸送を確保していかなければならないと思います。そういう面からも、造船にいたしましても、あるいは海運にいたしましても、あるいはまたこれに伴う船員の養成にいたしましても、原則というものはやはりそういう方向にいかなければならぬのじゃないだろうかというふうに思うわけでございます。
いままでの過去を振り返りまして、いろいろなひずみが出てまいっております。公害にいたしましてもその一つでございますが、そういうものを今度はじみちに克服して、いわゆる福祉優先の安定成長、これがためには、私は成長がとまったりすることはよくないことでございます。あくまでも安定成長の線に、まあ取りかじに持っていくか、あるいはかじを戻すかということであろうと思いますが、そういう方向に進むべきである、かように考える次第でございます。