長谷川峻の発言 (社会労働委員会)

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○国務大臣(長谷川峻君) ただいま議題となりました勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 いまや国民の大部分を占めるに至っている勤労者とその家族の生活の動向は、わが国経済社会の将来に深く関連する問題でありますが、勤労者生活の現状を見ますと、賃金水準は近年における経済成長に伴って年々大幅に改善されてきているものの、貯蓄や住宅等の資産の保有の面ではなおいまだ相当の立ちおくれが見られるところであります。
 このような勤労者生活の実情にかんがみ、勤労者の財産形成を促進してその生活の一そうの安定をはかるため、昭和四十六年に勤労者財産形成促進法が制定され、勤労者財産形成貯蓄について税制上の優遇措置が講じられるとともに、財産形成貯蓄の一部を原資として勤労者のための持ち家分譲融資制度が設けられたところでありますが、制度発足後二年間で財産形成貯蓄を行なっている勤労者数は早くも二百七十万人に達し、その貯蓄額は千六百億円をこえるに至っており、勤労者の財産形成促進制度に対する期待がいかに大きいものであるかがうかがわれるのであります。
 しかしながら、このような勤労者の期待とその努力にこたえ、その生活を真に豊かで安定したものとするためには現行の財産形成促進制度の内容は、まだ必ずしも十分とは申せません。
 政府は、このような観点から勤労者財産形成促進制度を大幅に拡充したいと考え、そのための案を勤労者財産形成審議会に諮問し、その答申をいただきましたので、ここに勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案として提出した次第であります。なお、本法案のほか、財産形成促進制度の改善措置のうち、財産形成貯蓄の利子非課税限度額の引き上げ並びに持家取得を目的とする財産形成貯蓄で積立期間七年以上のものについての税額控除率の引き上げ及びその要件の緩和等の税制上の援助措置を充実する措置につきましては、すでに租税特別措置法の一部を改正する法律案に盛り込んで御審議をいただいてその成立を見たところであります。
 次に、この勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案の内容につきまして概要を御説明申し上げます。
 第一は、勤労者財産形成貯蓄制度の改善であります。
 すなわち、日本住宅公団や宅地開発公団法案により新設が提案されております宅地開発公団等が発行する宅地債券等の購入等またはその購入等のために預け入れ等を行なう預貯金等で一定の要件を満たすものを、新たに勤労者財産形成貯蓄に含めることといたしております。
 また、勤労者財産形成貯蓄を行なっている勤労者が転職をした場合に転職後も従前の勤労者財産形成貯蓄契約に基づいて引き続き貯蓄をすることができるようにするため、勤労者財産形成貯蓄の要件の整備を行なうことといたしております。
 第二は、勤労者財産形成基金制度及び勤労者財産形成受益金制度の新設であります。
 勤労者の財産形成を一そう促進するため、事業主は、その事業場の労使の合意に基づき財産形成貯蓄を行なっている従業員を加入員として勤労者財産形成基金を設立することができるものとし、基金は事業主から加入員一人当たりおおむね均等の拠出金を受け入れ、金融機関等との信託契約等に基づいてこれを運用し、七年ごとにその受益金を加入従業員に分配することとし、その従業員が分配を受けた受益金について課税上特別の措置を講ずることといたしております。
 さらに中小企業等で財産形成基金を設立することが困難であるものについては、事業主が労使の合意に基づいて直接金融機関等と勤労者財産形成基金と同様の機能を有する勤労者財産形成受益金契約を締結することができることといたしております。
 第三は、勤労者財産形成貯蓄付加金制度の新設であります。
 事業主が財産形成貯蓄を行なう従業員に対して、その貯蓄を援助するため、労使の合意に基づき金融機関等と財産形成貯蓄付加金契約を締結し、従業員の年間の財産形成貯蓄額の一定率に相当する付加金を拠出したときは、その従業員が受ける付加金及びその運用収益について、課税上特別の措置を講ずることといたしております。
 第四は、長期財形住宅貯蓄契約者に対する住宅金融公庫等の住宅資金貸し付けについての特別措置の新設であります。
 積立期間七年以上の長期財形住宅貯蓄契約に基づいて七年以上積み立てを行なった勤労者に対しては、住宅金融公庫等が行なう住宅資金賃し付けについて、通常の貸し付け限度額に当該勤労者が行なった長期財形住宅貯蓄の預貯金等の総額の二倍に相当する金額を加えた金額まで割り増しして貸し付けることができることといたしております。
 また、これに関連して、雇用促進事業団が行なう住宅分譲貸し付けまたは住宅金融公庫等が行なう割り増し貸し付けに必要な資金を円滑に調達するため、勤労者財産形成貯蓄契約を締結した金融機関等に対し、事業団及び公庫の資金調達への協力を義務づけることといたしております。
 その他、この法律案におきましては、その附則において、所得税法、法人税法、租税特別措置法、地方税法及び住宅金融公庫法等関係法律の所要の整備を行なうことといたしております。
 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 長谷川峻

speaker_id: 17201

日付: 1974-05-16

院: 参議院

会議名: 社会労働委員会