伊藤五郎の発言 (本会議)
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○伊藤五郎君 ただいま議題となりました条約四件と法律案一件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
まず、欧州共同体委員会との協定は、欧州共同体委員会代表部のわが国への設置に同意し、かつ、同代表部に、わが国が接受している外交使節団に与えているのと同様の特権、免除を与えること等を定めたものであります。
次に、アイルランド及びスペインとの二重課税防止条約は、いずれも、相手国で事業を営む企業の利得に対する相手国の課税基準、船舶、航空機の運用利得に対する相互免税、投資所得に対する課税軽減等について定めるとともに、二重課税を回避する方法について規定したものであります。
次に、一九四八年にブラッセルで改正された文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約は、著作物の保護期間を著作者の死後五十年とすることを義務づけ、放送権の内容を詳細化し、朗読権を新たに規定するなど、著作者の権利保護の一そうの充実をはかったものであります。
以上四条約についての委員会における質疑の詳細は、会議録で御承知願います。
五月二十一日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、欧州共同体委員会との協定及び著作物の保護に関する改正条約は、いずれも全会一致をもって、また、アイルランド及びスペインとの二重課税防止条約は、いずれも多数をもって、それぞれ承認すべきものと決定いたしました。
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次に、国際協力事業団法案は、開発途上地域等の経済及び社会の発展に寄与し、国際協力の促進に資するため、国際協力事業団を設立し、既存の海外技術協力事業団及び海外移住事業団を統合して、その業務を引き継ぐほか、開発途上地域等の社会開発並びに農林業及び鉱工業開発に協力するための新たな業務を行なわせようとするものであります。
このため、本法律案は、事業団の資本金、組織、業務、既存の事業団等の権利義務の承継等について定めるとともに、主務大臣は外務大臣とするが、農林業開発に関する事項については農林大臣との共管、鉱工業開発に関する事項については通商産業大臣との共管としております。
委員会におきましては、わが国の経済協力の理念と基本姿勢、事業団の運営方針、農林業開発への協力、移住事業等、各般の問題にわたって質疑が行なわれましたが、詳細は会議録で御承知願います。
五月二十一日質疑を終え、討論に入りましたところ、日本社会党の田委員より、従来わが国の経済協力が明確な理念を欠き、企業進出や輸出振興、さらには特定の人々の利益と結びついて内外で多くの批判を浴びているにもかかわらず、これに対する真剣な反省のないまま、各省のなわ張り争いの妥協としてあいまいな機構を発足させることは危険である等の反対意見が述べられました。次いで、自由民主党の平島委員より、新事業団はわが国の経済・技術協力の有機的統一をはかり、開発途上諸国の経済・社会の発展と国民福祉の向上に一そう寄与することになる等の賛成意見が述べられ、最後に、日本共産党の星野委員より、本案は、過去の日本のあやまちに反省のないまま、大企業の新植民地主義的海外進出に一そう便宜を与えようとするものである等の反対意見が述べられました。
次いで、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告いたします。(拍手)