山中吾郎の発言 (大蔵委員会)
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○山中(吾)委員 確かに日本列島は、人類ベース、世界ベースで考えなければならぬ問題は全部集約されておると思うのです。人口問題は世界第一の密集地であるし、資源はない、環境は模範的に破壊されておる。インフレは世界一といってもいい。食糧は外国依存で、自給体制が問題になっておる。したがって、人口、資源、食糧、環境、インフレ、いま国際会議で問題になっておる五つの問題は日本列島に集約されて、おのおの全部マイナスの模範的な姿にあるので、私は、大平大臣が現在変革期にあるということを具体的に見つめられて、いまのように第三者的表現でなくて、主観的にこうなければならぬという一つの心境のもとに表現されたのではないかと実は期待しておったのですが、そこは大平さんのいつもの慎重な表現で言われたと思いますけれども、もう少し認識を深刻に考えて、現在の日本の現状と日本の進む方向については深化をして具体的に財政に表現するようにしていただきたい、こういう期待で申し上げておるわけなんです。
同じ思想がずっとありまして、そのあとにも「土地をはじめとする富の配分その他に伴う社会正義の問題が真剣に問われるようになった。かくて我々は生産者指向に偏りがちであった従来の政策視点を生活者指向に移行させ、いわゆる生活の“量的拡大から質的充実へ”と転換しなければならなくなった。」との認識をされておるので、相当重大な決意をされておるのではないか。そしてその次に、さしあたり何よりも急務はインフレの収束であるという認識を、文章をずいぶん整理されて書かれておるのでありますが、これは大平さん自身の文章でしょう。人が書いたのではないですね。
そこで最後に、私は経済と教育というものは目標において一致させるべきだという信念を持っておるものですから、これは私にとって大事なんでお聞きしますが、「我々が目指す社会は、個人の多様な価値観を実現し得る自由な社会であると同時に、社会的公正の貫かれた社会でなければならない。また、高い福祉水準を保つとともに、すべての構成員が活力と生きがいに充ちたものでなければならない。さらに、物心両面にバランスのとれた健全さを維持する社会でなければならない。これらの二律背反的な課題を同時に解決し、調和せしめる社会は、人類の理想でありながら、かつて、いかなる国もその実現に成功したことのない課題である。」これを実現するのがわれわれ日本の課題であると言われている。
そういう意味において、自由と平等というふうなものの調和のとれた何か第三の社会が大平哲学の中に柱として立っておって、いままで二律背反的に不毛の論議がされておることに対する反省と何か大平さんが政治哲学をしっかり持ってこれに書かれたと見て、公の席上でもう一度確認をしておきたいと思って一応最初にお聞きしておるわけでありますから、これは大平さん自身の世界観であり、人生観であり、政治哲学だと思うのですが、そういう立場に対してもう一度大平さんの心境をお聞きしたいと思うのです。