寺前巖の発言 (社会労働委員会)

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○寺前委員 いま御指摘になった共済手帳をわかりやすくするとか、説明を広報紙にとか、あるいは請求するよう働きかけるとか、これは従来からもおやりになっている内容だと私は思うのですね。それだけではやはり解決しないところに来ているのじゃないのでしょうか。最近の事例ですが、大阪市の都島区の三億工業という会社があります。ここの荻野勇二さん、幸夫さんという方が最近おやめになったわけですが、退職金を当然もらえるという状況下にありながら会社からくれないということで、これは私はちょっと聞いた話で、事業団の方にどうしてくれないんだという連絡があった。この事業団というのは大抵府県では労政課がお世話をしているようなんですが、実際には事業団の出先みたいなものはないわけでしょう。ですから結局東京まで電話を入れなければならぬ、こういうことになっているようです。ところが、わざわざ東京まで電話を入れるわけだけれども、このお二人の人の例を見ると、結局のところ事業団の方では払っている。ところが御本人には渡らない。こういうシステムになってしまうのは、一体原因は何なのだろうか。私は、これはやはりかなりの部分が放置されているという問題と、それから実際に途中でなくなってしまっているという問題、こう考えてみたときに、制度の機構としても、本人に確実に渡るような、また本人が常時受け取ることができるような機構の改革をやらないことにはこれは進まないんじゃないだろうか、私は抜本的にその辺を考えてみる必要があるのじゃないかというふうに思うのです。
 たとえば、今度失業保険の制度が変わりまして雇用保険ということになっていく。雇用保険が全的になってくる。五人未満の人たちも対象になってきた。一たん六カ月以上働いておる人たちがおやめになって、職安へ行って、私はどこどこで働いていたのですと請求をしたら、職安の方で事業主に対して、あなたのところで働いておったようだな、ちゃんと金を納めて雇用保険を支払うようにしなさい、ちゃんと職安が世話をして、本人に手渡るように今後世話をしていく。こういうように努力をするということを、この間あの雇用保険が通ったときに説明があったと思うのです。だからおやめになった方は、要するに雇用関係にあった方は、必ずそういうことでこれから職安の窓口を訪ねていかれるということになってくるだろうと思うのですね、どんな場合においても。そうしたら、本人が職安の窓口に行ったときに、中小企業退職金の共済のこの制度に入っているという労働者に、明確に本人に在職時に手帳を渡しておく、それから、会社が納金をするたびに銀行の方から、本人のところに金が納まっていますよという通知があるとか、そういうような制度がきちんとされていたら、本人が雇用保険をもらいに行くときに、あわせてそれについて窓口の方で、おたくは中小企業のそれに入っていませんか、わかりません、こういう手帳をもらいませんでしたか、ちゃんとこういう窓口の方で相談する。そうしたら、あっ、こういうものをもらっていますよと言ったら、直ちに当局の方で相談をするとか、これは私は単なる思いつきの一例ですから、それがいいかどうか所管の違いもあるからなかなか役所というところはむずかしいけれども、私はかなり放置されているという事態と、現に払っているのにもらっていないという労働者が出てくるということになったら、現在の支払いのあり方というのは事業団の方から事業主気付で本人渡しという通知が出ているようですね。だから事業主気付で行く限りにおいては、本人おらぬようになったらパアになってしまうというのは現在の執行の姿自身の中に問題があるんだから、それと切り離す受け取り方法というものを研究しないことにはこの問題は解決しないんじゃないだろうか。
 先ほど局長さんから魅力あるものにしたいという問題がありました。これは私は基本だと思う。なぜかというと、現に最近新聞を読んでいたら大阪の事例が出ていました。この共済制度に入っているのは一〇%から一五%くらいの企業だ、圧倒的に入っていない。これはそのものの持っている魅力性の問題が一つあると私は思う。だから、これが一つはっきりしなければならないと思います。しかし同時に、入っているところがせめて入っているという権利を労働者が受給できる、それをしやすい機構につくり変える、基本的にその機構上も支払いの体制を変える必要があると私は思うのだけれども、その辺の見解を聞かしてもらいたいと思います。

発言情報

speech_id: 107504410X01019750325_004

発言者: 寺前巖

speaker_id: 9886

日付: 1975-03-25

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会