田中正巳の発言 (社会労働委員会)

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○田中国務大臣 前段の政策の選択についての先生の御意見は私も全く賛成であります。福祉なるがゆえに何でもかんでもこれを進めるというようなこと、深い反省も施策もなしにこれを進めるということについては、よほど今後考えてみなければならぬ。一例を挙げれば、世上よく言われているような負担能力を考えない無料化政策のごときものは、やはりこの際は慎重に反省してみる必要があろうというふうに思います。あるいは負担能力のある者について、人気取りのために公費負担を投入するなどという一部の傾向に対しては、われわれはやはりそういうこともまた考え直さなければなるまいというふうに思っているわけであります。
 しかし、さればといって今後やはり社会保障は必要なものについては進めていかなければならぬということも事実でありますので、この財源の確保について一体どうするかということでございます。いま先生は目的税のようなことをいろいろおっしゃっておりますが、私はこれについてはなかなかそう簡単にはいくまいというふうに思っているわけであります。国民の福祉を求める声は相当に強いのですが、これに対する財政負担とか負担のあり方については、どうも十分な自覚がまだないというふうに思わなければならぬ一面もあるわけであります。果たしてこのような目的税というものが円滑に誕生ができるかどうか。今日のところ、このような目的税を起こすということについてにわかにこれを明らかにするといったようなことについては私としてはまだ踏み切れない、やはり一般的な税財源の中でやっていく以外に方法がないのじゃないかというふうに思われるわけであります。
 要は、今後ますます進めていかなければならぬこうした社会保障の財源について、国民のコンセンサスをどうやって求めていくかということが私は今後の課題だろうと思われるわけであります。
 このことはまた年金の財政方式についても言えるのではなかろうかと私は思われるわけでありまして、賦課方式論というようなことを申しておりながら、反面、これについての協力の体制というものが現実問題としてとれないということになってはこれはもう問題にならないわけでありますので、こうした国民のコンセンサスをどういうふうな形で求めていくか、これは単なる、たとえば社会保障税のような目的税の関係のみならず、年金の財政方式についても同じように言えるのではなかろうか、これが今後のわれわれの悩みだろう、かように思っております。
 まあ強いて申すならば、私は諸外国の例と比較をいたしまして社会保障費がわが国の場合非常に低い、給付が低いというようなことをいろいろ尋ねてみますと、ヨーロッパの先進諸外国との間で決定的な、つまりわが国の負担の低さを如実に示しているものは保険料負担でありまして、ヨーロッパの社会保障先進国に比べると、約三分の一ぐらいしか保険料を払っておらないという事実がございまして、これはいろいろ調べてみると、まさしくその年金の成熟化の問題との関連があるようでございますので、今後は保険料負担をどのようにして国民の理解と納得のもとに求めていくかというようなことが、今後の一つの財源調達のあり方として大いに検討に値するものではなかろうかというふうに思ったりいたしておりますが、まだこの点については結論を得ているわけではございません。漠とした感じをお答え申し上げたわけであります。

発言情報

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発言者: 田中正巳

speaker_id: 10985

日付: 1975-04-16

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会