大出俊の発言 (内閣委員会)
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○大出委員 鎌田次官が、大臣おっしゃるように人事委員長さんの会合にはお出になっているんですね。実はここに「自治事務次官あいさつ(要旨)」という印刷したのがあります。これは全文ございますが、これを見ますと大分激しいんですよ。それも後で自分の方に文句が来ないように、鎌田さんという人は頭がいいですからね、わりと大きな声でがちゃがちゃ言うんですけれども、ここではうまく、ポイントは一生懸命逃げている。植弘さんの知恵かもしらぬ、笑っているから。どぎついことを言っている、言っているんだけれども、がしゃんとやられそうなところは、巧みにという言葉が当たるのだろうと思うんだけれども、前の方で言っているのは、人事院が勧告したってそんなものは、率というものは結果なんだから、率は問題じゃないのだということを言っていて、それで最後は「適正」な給与の実現に努められるようになんて「適正」と言っておけば、何が適正かという議論になってしまうからこれはわからぬわけですけれども、これは総体的にながめると国より下げろということなんですね、簡単に言ってしまえば。そう言っている。全部あるんですからね、ここに。これは、なかなか知恵者もそろっているからうまいこと言っていますが、異例のことです、こんなことはいままでやったことがないんですから。
しかも人事委員会の委員長さんを呼んでこんなことを言うとなれば、これは大変なことなんです。本当ならばお隣においでになる人事院総裁藤井さんを三木総理が呼んで、大平さん流に人事院の独走は許さないなんてことを言ってごらんなさい、天下の大騒動になってしまう。地方人事委員会という小さい組織だから、その意味では、こんなことが行われても大騒ぎが起こっていないだけのことで、これはやはり御存じのとおりに独任機関でございまして、第三者機関ですからね。
私は、御存じのとおりにILOに何べんも行っている男ですけれども、竹内さんが法務省からおいでになって力説をしている、地方人事委員会について代償機関ですからと言って。ところがILOそのものは、地方人事委員会というのは完全な代償機関から見ればほど遠いということを言い続けている。そういうところにこういうことをやるというのは穏やかでない。独自の権限を持つ第三者機関、スト権に対する代償機関である人事委員会に対する不当な介入だと言い切らざるを得ない。私は、この点はいかに言葉の上で気をつけて言ってみても、結果的に同じことになると思う。この点はここで決着をつけようとしても、時間がありませんからそうは参りませんけれども、明確にしておきたいと思うのであります。
そこで、先ほどの点でもうちょっと申し上げておきたいのですが、さっき私が申し上げましたのは、今度の人事院の調査です。五十年八月十三日の人事院総裁藤井さんの名前でお出しになった報告に公務員の賃金が明確になっている。つまり人事院所管の五十万の公務員の方々の本年四月における平均給与月額を算定すると、俸給で十二万四千九百円しかもらっていないですね。俸給で十二万四千九百円寸まさに三木さんがもらっておって一〇%返納される十二万、これが本俸です。扶養手当が四千五円、調整手当が四千七百四十五円、合計で十三万三千六百五十円、そしてその平均年齢は四〇・三歳、悲しき四十歳なんですね、これは。四十歳を超えておられる公務員の方々、これが平均なんです。四十歳を超えておられて平均扶養家族数が一・六人、まあ二人ですね。それで十三万三千六百五十円しかもらっていないという現実なんですね。これは税金が入っている。これで高い高いと言われたのでは、これは公務員たる者立つ瀬がない。よしんばラスパイレスその他いろいろおっしゃるので、私は、そうは思いませんけれども、百歩譲って、皆さんの主張のように一〇%仮に高いと仮定してみても、じゃ十三万三千六百五十円の一〇%上乗せしたら幾らになる。一万三千円ふえるだけです。そうならば十四万六千円台、ちょっと計算をして十四万七千円台に乗る。十四万。それで地方公務員は高い高いと言われたのじゃこれは立つ瀬がない。
そこで、これを民間と比べてみますと——人事院はなかなか幾ら言ったって出さない。今度は鎌田さんやその後の行政局長さんですか、林さんですかな、ここへお出になってもらっていろいろ言っていますよ、調査結果を公表しろとか。しかし人事院だって公表しやしない。調査諸表などを出してくれと言ってねばったら、前の総裁佐藤さんが怒った。この席でけんかになった。出したことはない。対応等級なんて言ったって、向こう様の年齢を明らかにしていない。十歳も違う人と突き合わせている、対応等級をとっている。たとえば十歳違いの人と対応させれば、年齢の開きが十年あるのですから、一年間で民間と公務の昇給の間差が三千円開いているとすれば、十年違えば三万円違うんですよ。
私なんかいい例なんですが、早稲田の英文科を途中でやめて逓信官吏練習所へ飛んだ。それで逓信官吏練習所を卒業したから、郵政省の官吏で郵便局へ勤めていた。私の早稲田の当時の同級生が日赤の本社の総務部長をやっている。横浜のノザワ松坂屋の筆頭常務。これはもう大変なものですよ。だから十年の年齢の開きがあれば、一年間の昇給間差が三千円民間が高いとすると、十年間で何と三万円の給料の差ができてしまう。にもかかわらず、年齢は不問に付して対応等級を人事院はおとりになる。ここに明確な資料もある。対応等級をここにおとりになっている。一等級の例をあげても、本省の課長さんと五百人規模以上の支店長さん、工場長さん、部長、次長と対応させている。本省の課長さんというのは五一・四歳、五百人規模以上のところの民間の方は四七・七歳、大変な年齢差であります。本省の課長さんで五百人規模以上の課長、これは四三・一歳。もう一つ、五百人規模以下に下げて、ちょっと年齢はふえるけれども四五・五歳。本省の課長補佐は、民間の五百人規模以上の課長代理と対応させますが、四十歳です。そうするとここで九・六歳の年齢差がある。課長まで行くのに九・六歳、約十年の年齢差があるとするといまの話になってしまう。三万円違ってしまうのです。それが労働省のこの調査というのは、私も長年手がけていますけれども、一番確実だと見ていい調査、センサスですよ。ここにございますけれども、労働省、政府が調査している中でこれは一番規模が大きいし、手数もかかっている賃金構造基本調査です。残念ながら四十八年六月までしかまだ私の手元に入っていない。これで見ますと、まず二十五歳のところを見ると行政(一)表の七等級の二、六万四千三百円。これは四十八年の比較で四十九年のはまだ出てない。労働省からまだもらってない。これに対して民間の方が幾らかというと八万二千五百円、約二万円違う。ところで三十歳のところをとると、行(二)で六等級四号ですから八万円。民間が十万円超えている。三十五歳のところで六等級の九で公務員が九万七千三百円。民間が十二万六千六百円。だんだん開いてしまう。四十歳、公務員は五等級の十一ですから十一万八千四百円、民間は十四万五千円に行ってしまう。五十歳というところへ来ると三万七千六百円開く、賃金構造基本調査の対比でいって年齢で調べていきますとね。つまりこれが実態なんです、大臣。
ですから、これはその地域、六大都市にしろ七大都市にしろ、人事院の対応等級というのは片っ方にありますけれども、さて具体的な話をしていきますと、高校をお出になった娘さんで勤めてちょうど五年目で幾らもらっているのだと言ったら十七万だ。どこへ勤めているのだと言ったら横浜の三菱商事。その御家族の中に公務員の方がおる。十年勤めている。公務員というのはつまりませんね先生、こう言うわけです。娘が十七万円持ってくると言う。フジタ工業に私のめいが勤めている。これだってまだ勤めて四年目ぐらいで十六万くらい持ってくる。公務員というのはまるきり話にならぬ。
だから、実際にそういう同じ年齢を合わせて官民対比をやれば、センサスにあらわれたとおりの数字が出てくる。ここに非常に大きな問題がある。だから、地方の人事委員会の独自の権限の、国家公務員より低くしなさいと言わんばかりに次官が出ていって物を言うというのは、行き過ぎであり、介入であり筋違いだという気がする。これは独任機関でございます。
このことを前提にして大臣に承りたいのですけれども、鎌田さんがこの中で、人事院がやっているのを一、二例にとって、五%の官民較差があれば勧告するんですよというようなことを言って、地方の人事委員会はけしからぬ、何をやっているのだ、ろくな調査もしないでなんと言っている、だけれども、人事院は六大都市や何かの人事委員会と連携をとって調査をされているはずだ。そうでしょう。だからそれは調べてないのじゃないのだ。
そういう前提で地方公務員法に基づく地方公務員の給与というのは、鎌田さんの話の中にも国に準ずる云々の話が出てくるけれども、準ずるということが一体どこに書いてあるか。地方公務員法に基づく給与決定の根幹というのは一体何ですか。お答えいただきたいのです。