内閣委員会

1975-08-19 衆議院 全304発言

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会議録情報#0
昭和五十年八月十九日(火曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 藤尾 正行君
   理事 越智 伊平君 理事 加藤 陽三君
   理事 木野 晴夫君 理事 大出  俊君
   理事 中路 雅弘君
      大石 千八君    塩谷 一夫君
      竹中 修一君    林  大幹君
      三塚  博君    山本 政弘君
      木下 元二君    鬼木 勝利君
      受田 新吉君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 大平 正芳君
        自 治 大 臣 福田  一君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長
        官)      井出一太郎君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      植木 光教君
 委員外の出席者
        人事院総裁   藤井 貞夫君
        人事院事務総局
        任用局長    小野 武朗君
        人事院事務総局
        給与局長    茨木  広君
        人事院事務総局
        職員局長    中村  博君
        内閣総理大臣官
        房広報室長   関  忠雄君
        総理府人事局長 秋富 公正君
        行政管理庁長官
        官房審議官   川島 鉄男君
        大蔵省主計局次
        長       松下 康雄君
        大蔵省主計局給
        与課長     吉居 時哉君
        大蔵省主税局長 大倉 眞隆君
        自治省行政局公
        務員部長    植弘 親民君
        内閣委員会調査
        室長      本田 敬信君
    —————————————
委員の異動
八月八日
 辞任         補欠選任
  和田 貞夫君     細谷 治嘉君
同日
 辞任         補欠選任
  細谷 治嘉君     和田 貞夫君
同月十九日
 辞任         補欠選任
  旗野 進一君     塩谷 一夫君
同日
 辞任         補欠選任
  塩谷 一夫君     旗野 進一君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 公務員の給与に関する件(人事院勧告に関する
 問題)
     ————◇—————
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藤尾正行#1
○藤尾委員長 これより会議を開きます。
 公務員の給与に関する件について調査を進めます。
 去る八月十三日の一般職の職員の給与等の改定に関する人事院勧告につきまして、人事院より説明を聴取いたします。藤井人事院総裁。
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藤井貞夫#2
○藤井説明員 先般の勧告に対しましての説明をお聞き取りいただきまする機会をお与えいただきましたことを、ありがたく感謝をいたす次第でございます。
 お配りをいたしております書類として勧告及び報告、それから参考資料、給与勧告についての説明がございますが、その中の給与勧告の説明を中心にいたしまして、その要点について御説明を申し上げたいと存じます。
 人事院は、例年のとおり、官民給与の双方について実態調査を実施いたしたのでございますが、本年の経済情勢は民間調査の結果にも十分反映を見られるわけでございまするが、なお、これを比較いたしました場合の官民給与の較差は、平均金額にいたしまして一万五千百七十七円、比率にいたしまして一〇・八五%であることが明らかと相なりましたので、この較差を埋めるための給与改定を行うことが必要かつ適切であると認めた次第でございます。
 本年の給与改定に当たりましては、民間給与の状況さらにはその配分の傾向、公務員の生活の実情等を考慮いたしまして、俸給表に重点を置きつつ、諸手当につきましても生活給的な配慮を特にいたしまして所要の改善を行うということにいたした次第でございます。
 まず、俸給表の改善について申し上げたいと存じます。
 本年の民間におきまする初任給、それから職務の階層別給与の上昇の傾向を考慮しながら、特に家族持ちの中位等級職員の給与の改善に重点的な配慮をいたしまするとともに、指定職を含みまする上位等級、すなわち一、二等級等につきましては、それらとの均衡上必要な最小限度の配慮をするということにとどめた次第でございます。
 初任給につきましては、ことしは民間の状況もそれほど重点はかかっておりません。そういうことで、これとの見合いで考慮いたしましたが、しかし昨年の国会の御審議等におきまして、特に三公五現との関係について附帯決議がなされておるわけでございまして、特に高校卒初任給につきましては、三公五現と国家公務員との関係では非常な開きがあるということは事実でございますが、そう一遍にこれを詰めるわけにもまいりませんが、本年は附帯決議の趣旨も尊重いたしまして、なるべくその差を広げないということを重点的に配慮いたしまして六千八百円の引き上げということに、これについては特に配慮をすることにいたしております。
 それから、職種別に見ました場合は、なお依然として人手不足が続いております看護婦、医師等について特に配慮をいたしますほか、大学、高専の先生につきましては、さきに行われました人確法に基づく義務教育諸学校教員の第二次改善との均衡を考慮いたしまして、少なくとも著しい逆転等のことが起こらないような配慮をいたしまして改善を加えることにいたした次第でございます。
 それから、医療職俸給表(二)につきまして、特に新二等級を新設いたしまして、これについては病院等の薬局長なりあるいは一部の放射線技師長なり臨床検査技師長の一部に適用する道を開くことにいたしております。特二等級でございます。
 次に、諸手当の改善でございますが、これにつきましては、生活給的なものに特段の配慮をして改善を加えることにいたしております。
 まず、扶養手当についてでございますが、これは現在配偶者については五千円でございますものを一千円上げて六千円、それから配偶者以外の扶養親族のうち二人につきましては、現在千五百円のものを五百円ずつ上げておのおの二千円といたしまして、この結果、奥さんと子供二人といういわゆる標準家庭については一万円の扶養手当が出せるということにいたした次第でございます。
 それから、通勤手当でございますが、これにつきましては、やはり民間における支給状況なり職員の通勤の実態を考慮いたしまして改定することとしております。特に昨年、国鉄並びに私鉄等の運賃の引き上げ等がございましたので、現行の通勤手当でカバーする部面の比率がそれだけ相対的に低下をいたしておることがございますので、これにつきまして配慮をいたしました。
 すなわち具体的には、運賃相当額の全額支給の限度額を現行八千円に二千円プラスいたしまして一万円といたしました。二分の一加算額を加えた最高支給限度額を現行の九千円から一万一千五百円に引き上げることにいたしました。すなわち運賃として通勤手当で対象とする、めんどうを見るというのは一万三千円ということに相なるわけでございます。
 また、自転車等の交通用具の使用者に対する手当額についても二割方改善をすることといたしております。
 住居手当につきましては、これも民間の状況並びに公務員住宅入居者との関係をも考慮いたしまして、借家、借間の居住者に対する手当の支給限度額等について改正を行うことにいたしております。すなわち従来までいわゆる足切りが四千円でございましたものが、御承知のように本年の二月におきます公務員住宅の家賃の改定によりまして約三五%程度の値上げが行われたのでありますが、それとの見合いで、足切りを千円伸ばしまして五千円にいたしまして、五千円を超える家賃、間代を支払っている職員に対して支給することに改めることにいたしました。これが中心の改正でございます。それと同時に、最高支給限度額についても千円の上積みをするということにいたした次第でございます。
 それから、医師の確保というものがなお依然として、特に僻地等においては困難な問題がございますので、これに対する対策の一環といたしまして、初任給調整手当について現行十三万円に一万円積み足して十四万円の支給月額の限度にするということにいたしましたのと、いわゆる医系教官、文部省、厚生省等におります病院勤務でない医系教官等に対する初任給調整手当についても、医師との均衡上従来いろいろ問題がございました。そういうことで、昨年これについても初任給調整手当を支給するということで制度を踏み切ったわけでございますが、ことしその支給の限度を現行二万五千円から三万円ということにすることにいたしますとともに、支給期間の限度を相当程度延ばすという措置を講ずるということにいたしたいということでございます。
 それから、先般御審議をいただきました義務教育等教員特別手当でございますが、これについては一応定額ということできておったわけでありますけれども、その後諸般の情勢を検討いたしまして、今般の改正でまた基礎の俸給額が引き上げに相なりますこともございますので、新俸給月額の四%相当額を基準としたものに改正をいたしますとともに、先般の当委員会でも附帯決議がございました趣旨を尊重いたしまして、産業教育手当、それから定時制通信教育手当受給教員に対しても、義務教育等教員特別手当の一部を併給することに改めたいと考えております。
 それから期末、勤勉手当、いわゆる賞与につきましては、例年どおり前年の支給実績を調査いたしましたが、その結果、去年と同様の比率が出ておりまして、民間との均衡が保たれておりますことが明らかになりましたので、現行のまま据え置きとすることにいたした次第でございます。
 以上が俸給表並びに手当に関する勧告案の内容でございますが、その次に申し上げておきたいと存じますのは、本年の調査いたしましたところによりますと、民間企業のうちには、四月現在非常に厳しい情勢を反映いたしまして、残業規制とかあるいは一時帰休とか、さらには役付手当のカット等を行っておるものがかなり見受けられます。特に部長、課長等の役付手当の一時的減額につきましては、大規模の製造業等についてはかなりの率に当たるものがこれを実施をいたしておることが見受けられまするので、これを見過ごしてまいることもいかがかと存ぜられる節もございますので、本省課長等に支給する俸給の特別調整額、いわゆる管理職手当、これを一年間にわたって一〇%削減することといたしますとともに、指定職職員については、御承知のようにこれは俸給一本でございまして、いろいろな手当がございません。地域給に当たる調整手当だけでございまして、あとの扶養手当なり特別調整額等はございません。俸給一本に組み入れられておるわけでございますが、これにつきましては、いま申した管理職手当の減額に見合うことといたしまして、その俸給のアップ率を削減するという措置を講ずることにいたしました。この結果、指定職の最高号俸でございます東京大学の学長あるいは京都大学の学長に適用される俸給額につきましては、四・六%の上げ幅にとどめるという結果に相なった次第でございます。
 最後に、週休二日制の問題でございます。
 これは昨年、おととし二回にわたりまして、民間の実情の調査の結果ともにらみ合わせて報告をいたしておるわけでございますが、本年も引き続きその実際の民間における実情を調査いたしました。その結果、民間におきまして何らかの形で週休三日制を実施いたしておりまする事業所の割合は六七・四%ということでございます。従業員数によりますと、大規模の会社等もこれに入ってまいりますので、八割を超えるというような状況に相なってきておるわけでございます。これらに対応いたしまして人事院といたしましては、五十年度を目途に試行計画の策定その他についての措置をいたしてまいりたいという趣旨のことを申しておるわけでございますが、われわれといたしましても、その後、この趣旨に従い試行計画の策定に努めてきております。ただ何分にも、公務は行政サービスを維持していかなければならぬ、それでないと、国民生活に重大な影響を与えるという基本的な問題がございます。したがいまして、行政サービスを維持しつつこれを行っていくためには、さらに実地に即した検討を行うことが必要であると考えられますので、これは当委員会においても先般来ずっと申し上げてきておりますように、当面、来年の初期から試行基準に基づく試行計画、すなわちテストをやっていく、これを具体化するということといたしまして、関係諸機関との緊密な連絡のもとに所要の検討を進めることにいたしたいということを申し述べておる次第でございます。
 最後に、改定の実施時期については、当然本年四月一日ということでお願いをいたしておる次第でございます。すでに三公社五現業職員についての公労委の裁定が完全実施されることに決まっておりますことから、公務員給与につきましても、この勧告が完全に実施されますることにつき、国会及び内閣の格段の御配慮を心からお願いをいたしまして、内容の概略の説明を終わらせていただく所在でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
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藤尾正行#3
○藤尾委員長 これにて説明は終わりました。
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藤尾正行#4
○藤尾委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
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大出俊#5
○大出委員 このたびの勧告をめぐりましては、私がこの間大平大蔵大臣に承りましても、人事院の独走は許しがたいなんということを平気で言うわけでありまして、新聞紙上にあらわれる各種論評もしきりに公務員の賃金が高い、高い——一つも高くはない、生活困窮の度をきわめているのにそういう論評でございましたから、そういう中で大変詰めた作業をなさいまして勧告を出していただいたわけでありまして、その労をまことに多といたす次第でございまして、その意味では感謝を申し上げるわけでありますが、ただ、公労協並みという、まあ横目でにらんで出さなければうそになるだろうと、こういう答弁を総裁はいたしましたが、その意味ではまことにもって不満であります。
 悪い冗談が聞こえてまいりまして、大出何がしがこの委員会で、逆算をして計算をすると一〇・九五だと言ったと。私のところに勧告内容をお持ちになった方まで、先生、一〇・九五とおっしゃいましたねと、こういう話でございまして、私の耳に入ったのが悪い冗談かあるいは本音かわかりませんけれども、大出さんが一〇・九五と言ったので、まさかそのとおり出すわけにもまいらぬから、ちょっと下げて一〇・八五にした。全国の公務員諸君挙げて私の責任を追及する、こういうことになりかねぬわけでありまして、まことにもってこれはけしからぬ冗談だということになるわけであります。つまり公労協並みでないというところに大きな問題が残されております。それにもかかわらず、新総裁大変御苦労なさいました点について、先ほど申し上げましたように、重ねて感謝を申し上げておきたいのであります。
 そこでまず第一に、総裁談話というのが実は出されているわけであります。これは人事院総裁であります。この談話が例年と趣をいささか異にする中身になっている。妙な気がするわけであります。この総裁談話で例年にないことを言っておられますけれども、これは一体どういう意味を持つことになるのか、まず承りたいのであります。
 ちょっと要点を申し上げますと、五十年八月十三日の人事院総裁談話。「一般職国家公務員については、人事院の勧告が、労働基本権制約に対する代償措置として最も重要な処遇改善の途であることにかんがみ、」昨年これはない。「労働基本権制約に対する代償措置として最も重要な処遇改善の途であることにかんがみ、」こういう言い方をされているのであります。これは一体何をもってわざわざことしこのことを、言わずもがなのことだったということで昨年は入れなかったのかもしれませんが、本年入れた理由は一体どこにあるのか。
 もう一つ、真ん中の少し後の方に「昨今の厳しい社会経済情勢のもとに、」というところから始まりまして「公務部内においても、当然のことながら能率の増進と行政サービスの向上のため更に一段の努力を傾注するとともに、」と言っておいて「組織の活力の昂揚のための施策を一層強力に展開することが要請されているものと考える。」ということ。「組織の活力の昂揚のための施策を一層強力に展開することが要請されている」これは一体何ですか。この二点について総裁からまず承りたいのであります。
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藤井貞夫#6
○藤井説明員 ことしの総裁談話では、言わずもがなのことを言っておるのではないかというような御指摘もわれわれの耳にすでに入っております。ただ「労働基本権制約に対する代償措置として最も重要な処遇改善の途である」というようなことを、過去の勧告の際にも申し上げたことは実はございます。ただ、ことしの場合は、われわれもわれわれなりに世間のいろいろ厳しい情勢というものを受けとめまして、いろいろ苦慮をしたような実績もございます。そういうことでございまするけれども、しかしながらやはり人事院の勧告というものは、官民較差があればこれを追いつかせることなんだ、それが過去の累積で積み重なって今日まで来ておる。幸い国会、内閣の非常な御配慮によって、すでに四十七年からは四月一日完全実施ということで来ておるわけであります。ところがこれが、いろいろ厳しい経済情勢であると言いながら、もしその道がまたもとへ戻っていく、あるいは一部でも完全実施が阻害されるということになりますと、これは大変な大問題であるというふうに私なりに受けとめております。そういうことで、ぜひ何とか——情勢はわかるけれども、しかし、そういう民間の厳しい情勢というものは四月実施の民間の給与情勢に反映しておるのだから、それでなおかつそういう較差が出ておれば、これを追いつかせる、較差を是正するということは当然のことであるから、ぜひともひとつ完全実施の道を閉ざさないでほしいということを切々と実は訴えたかったということのように御了解が賜りたいと存じます。
 なお、先刻も申し上げましたが、三公五現につきましては、すでに仲裁裁定ということで実施の道が開かれておるわけでございます。といたしますと、同じ職場で机を並べておる諸君の中にもすでに実施が決まっておる者とそうでない者との差別があって、そういうことはやはり職場の管理運営、士気の高揚ということにも非常に影響がございます。それらの配慮をいたしまして、万が一にもこの完全実施の道が閉ざされることのないようにという、実は思い余った心境からこういう談話を出したということにお含みを願いたいと存じます。
 それからもう一つ、「組織の活力の昂揚のための施策を一層強力に展開することが要請されているものと考える。」ということを言っておりますが、これは、やはりいま申し上げましたように、完全実施ということ、これはどうしてもやっていただかなければなりませんと同時に、やはり公務に対しては世間の批判というものがあることも事実でございます。無論その批判というものが見当違いのもの、あるいは誤解に基づくものもたくさんあると思いますけれども、しかし、そういうものは知らないというようなことでそっぽを向くわけにはまいりません。御承知のように公務員の仕事というものは公務の執行であり、しかも公務員の給与というものは国民の税金によって賄われるという筋合いのものでございますから、常にやはり公務員は公務員なりに自粛自戒しなければならぬ、そういうことが必要でありますと同時に、職場自体におきましても、公務能率の増進というようなことと並行いたしまして、職場における組織の活力を高揚していく、具体的に申すならば昇進昇格等の人事管理の問題もございますし、さらに研修というような点もございます。それから、だんだん問題になっておりまする退職管理というようなことにつきましても、いずれはやはり何らかの措置を講じてまいらなければならぬ時期が来るのではないかということで検討を始めなければならぬということもございます。しかし、これは当委員会でも申し上げておりますように、公務員の場合、近い機会に直ちに定年制に踏み切るとかいうようなことは、いまのところは実は考えておりません。これについては、その周辺をめぐるいろんな問題がございます。そういう問題を踏まえてまいりませんと事は解決をいたしませんので、そういう点には慎重に配慮しながら、しかし一つの活力高揚の一環として検討していかなければならぬ事実がございます。そういうことで、やはり公務部内においても、管理者におきましても、行政管理庁等も、それなりの職場で御努力はいただくわけでございますけれども、われわれ人事管理の当局としての責任を持っております者といたしましても、そういう点についてもひとつ特段の御配慮をいただきたい、そういうことを考えましたので、以上の二点について申し上げた次第でございます。
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大出俊#7
○大出委員 この前段の「労働基本権制約に対する代償措置」だとあえてうたった真意というのは、今回の人事院勧告をめぐりまして、口の前で私は大蔵大臣に質問を続けたわけでありますが、大蔵大臣は大変渋い言い方でございました。最初は、これは何を言い出すのかと思っていると、もっともあの人は人が質問したって三年たって返事するようなタイプですからね、下を向いて寝ているのかと思えば考えているという人ですから、出足は悪いですけれども、それにしてもどうも少し歯切れが悪過ぎる。つまり人事院の独走は許さぬというようなことを言い出すんですからね。だから、そういう周辺の事情、だが筋を通して物を考えれば、代償措置なんだと、この筋を一歩たりとも崩すわけにまいらないという決意のほどを明らかにされたし、あわせて、なおのことだから完全実施をしてもらわなければならぬという強い人事院の意思をここにうたわれた、いまそういう趣旨の御答弁でございますから、そのようにこれは受け取らせていただきたいのであります。
 この点は、後ほど改めて総務長官にも承りたいところでありますが、また後段の部分につきましても、きょうは小野任用局長さん等もお見えでございますから、少し突っ込んで承りたいのでありますが、とりあえず総裁はかたい決意で、完全実施を一歩たりとも曲げてもらっては困るという、そういう決意を明らかにされておられます。それを受けてひとつ総務長官に承りたいのでありますが、中身については後ほど申し上げますけれども、今回の勧告の扱いにつきまして、実は私、十三日の午後二時に、後ほど御出席をいただきますが、井出官房長官にお目にかかりまして、一体政府はこの勧告の扱いをどう考えているかと聞いたら、人事院総裁がお持ちになったときに総務長官にも御同席をいただいて、いろいろその御意思のほどを承った。したがって、政府としては総務長官から談話の形で意思表示をさせていただいたと、こうおっしゃる。すぐで、時間がございませんでしたから、私ども手元にございませんので、読み上げていただけぬかと言ったらお読みになった。私は、黙って聞いていて、それは昨年の総務長官談話とはえらい違いではないかと言ったら、井出さんけげんな顔をして、どこが違うと言う。「完全実施」という言葉のその「か」の字も入っていない、これは一体何事だ、しきりに財政がどうのこうのと、給与担当の責任者として必要のないことを言っているではないか、こういう言い方をしましたら、そんなことはないと最初言いましたが、これは私、十二年間給与をやっているので、毎年総務長官が何を言ったかちゃんと頭に入っている。だから「完全実施」と去年は入っていたと言ったら、大出さんがそうおっしゃるのだからそうでございましょう、だが入っていないけれども、この書いてある行間に「完全実施」の意思がにじみ出ているはずでございますと、文人長官と言われるだけありまして、「完全実施」が行間ににじみ出ていると言う。ではにじみ出ているのかいないのか、文字になっていないのだから、長官、あなたも委員会にあらわれて、にじみ出ているという点についてひとつ説明してくれということになっているわけです。
 ときに、行間ににじみ出ていると言うんですけれども、これは文字に書いていないのですから、総務長官にまず承りたいのは、何で一体去年と著しく違って「完全実施」の「か」の字もないような談話をお出しになったのか、ここのところをまず承っておきたいわけであります。
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植木光教#8
○植木国務大臣 八月の十三日に人事院勧告が行われまして、私から総務長官談話を発表したことは仰せのとおりでございます。その中にも書いておりますように、人事院勧告を政府が「尊重することが公務員制度を適正に運営をしていくための基本的建前である」という認識を私は強く持っているのでございます。したがいまして、財政事情なども厳しいことは御承知のとおりでございますが、私も承知をいたしておりますけれども、しかしながら、できるだけ早い機会に給与の改定が行われるよう誠意をもって対処いたしたい、こういう談話を出したわけでございます。
 この中に「完全実施」という文言がないではないかという仰せでございますが、これは確かに、昨年も一昨年も「完全実施」という文言は入っておりまして、今回は入っておらないということは事実でございます。しかしながら、検討を開始いたします、勧告の当日に発表いたします中に、完全実施をいたしますということを断言するということは、これはまあできないわけでございます。したがいまして、もう大出先生十分御承知のように、昨年も「勧告の完全実施に努めてきたところでありますが、今回の勧告についても、」と、こういう言い方をしているわけでございます。
 私は、基本的たてまえとして人事院勧告を尊重しなければならないということを言いますことによりまして、同じことを言ったつもりでございまして、昨年までの談話におきましても、この人事院勧告を尊重し、できるだけ完全実施したいという政府の基本的態度を示しているのでございまして、その基本的態度につきましては何ら従来と変わるところはございません。前回の当委員会におきましても完全実施について最善の努力をするということを申し上げた決意には、何ら変わりはないのでございます。
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大出俊#9
○大出委員 あなたはそう言っても、行間ににじみ出ているか出ていないかの話になるのでね、そう言うと。これに書いてあるのを見れば一目瞭然で、今度のあなたの談話は、植木さんになって何でこんなに違うのかと思うくらい中身が違う。言っていることは尊重しか言っていない。「政府は、これを尊重することが公務員制度を適正に運営していくための基本的建前であるとの考えで処理してきたところであります。」尊重することが適正運営の基本的たてまえだと、こうあなたは言っているだけです。そこで次に何を言っているかと思えば「今回の人事院勧告の実施については、」いきなり財源が出てくる。「特に財源をはじめ諸般の事情を慎重に検討する必要がありますが、」と、前にこう誓いちゃっている。尊重がたてまえだ、尊重なんですね。完全実施ではないんですよ。尊重がたてまえだ。だが次の方で、財源を初め諸般の事情をまず慎重に検討しなければならぬと、こう言っている。その結果でなければどうなるかわからぬというのです。「私はできるだけ早い機会に給与改定が実施されるよう誠意をもって対処してまいる」尊重がたてまえだ。財源を初め諸般の事情を慎重に検討しなければならぬと、尊重がたてまえだが、財源その他を慎重に検討しなければなりません、その上でできるだけ早い機会に給与改定が実施されるようにと、これは完全実施ではないのです。尊重だ。財源がないのです、だから検討するんですよ。その上で早い機会に給与の改定実施。改定実施というのは不完全実施だって改定実施です、これしか言っていない。こんなばかげた給与担当大臣としての談話なんというものは見たことがない。
 去定のやつ、これを見るというと明確なんですね。去年は「政府は、人事院の勧告を尊重することを基本的建前とし、」その次にすぐ続いて「勧告の完全実施に努めてきたところでありますが、」三年間完全実施してきています。だから「今回の勧告についても、誠意をもつて対処する所存であります。」明確じゃないですか。尊重をたてまえとして勧告の完全実施をやってきた。三年間やってきた、だから今年も勧告について誠意をもって対処する所存です、これなら去年もおととしも尊重がたてまえだから完全実施をやってきました、今年も去年と同じように誠意をもって実施しますと、こう言っているわけですから、これならば完全実施の努力を誠意をもっておやりになるということが明らかです。だから、いわば今度は百八十度違う。完全実施、この意思を表示した上で「この際、公務員諸君においても、一段と公務能率の増進と行政サービスの向上につとめられるよう、強く期待するものであります。」これならわかる。尊重がたてまえですよ、完全実施をやってきましたよ、だから、ことしも誠意をもって対処しますよ、したがって一段と公務能率を上げてくれ、こう訴えているわけですからなるほど筋が通った談話なんです。
 ことしは、あなたは「完全実施」の「か」の字もない。行間もヘチマもあったものじゃない。これしかない。改定、もって読んで字のとおりであります。こういうふざけた談話をお出しになるから全国大騒ぎになるわけですよ。あなたの所管されている総理府だって、一体これどういうことになるのですかと私に質問までちゃんと来ている。働いている皆さん、みんなこの談話で心配している。何で一体、給与担当の大臣がそこまで大蔵省の方に顔を向けなければいかぬのですか。いかがですか。
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植木光教#10
○植木国務大臣 先ほど申し上げましたように、完全実施という文言はこの中にございませんけれども、しかし人事院勧告を尊重するということが基本的なたてまえであることは、完全実施を今日までしてきた沿革をとらえての私の談話でございまして、したがって、先ほども申し上げましたように、勧告せられました当日、直ちに完全実施ということを申し上げるということが、私といたしましてはまだ断言できる段階ではない。私の気持ちは、もう申し上げるまでもなく完全実施をしなければならないというところにあるわけでございます。したがって、昨年と同じ姿勢で、すなわち完全実施をしたいという昨年のその姿勢と同じ姿勢で今回も臨んでいるのでございまして、したがって、この中には先ほどお読みになりましたように、公務の増進と行政サービスの向上というのが抜けておりますのも、実は完全実施をするということが基本的に方針が決められました段階でこそ初めて公務員諸君に対しても公務能率の増進と行政サービスの向上に努めてほしいと言えるわけでございますから、したがって、その点は私としてはこの際は談話として出さなかったわけでございます。
 なお、当日行われました給与関係閣僚会議におきましては、先ほど人事院総裁が談話の中で出しておられますと同一の趣旨の発言をいたしまして、人事院勧告が十分に尊重せられるようにという強い発言をしたという事実をもってひとつ御理解をいただきたいと存ずるのでございます。
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大出俊#11
○大出委員 いまの総務長官の言葉じりをつかまえては申しわけないのですけれども、そういう意味じゃないんだが、おっしゃったから言うんだけれども、これは完全実施をいたしますと言える段階になったら公務能率の向上と行政サービスの向上を言いたいというわけですね。どうも完全実施すると言えない段階だから、公務能率の増進だとか行政サービスの向上に努めてくれというようなことは言えない。そうすると、あなたは完全実施しないのなら、公務能率の増進は、これは全く増進どころじゃない、どんどん低下しても、あるいは行政サービスが低下しても、これは完全実施しないんだからしょうがない、それがしまいにはストライキみたいになってもこれはしようがない、こういうことになりますよ、あなたのいまのお話しなら。完全実施が言えないから行政能率の向上とかサービスの向上とかというようなことは言えないとあなたはおっしゃる。完全実施が言える段階になって公務能率の向上を言い、行政サービスの向上を言いたいと、こう言う。裏返せばそういうことになる。だから、そんなばかなことはないと私は思うのです。ですから、あなたは間違いなく完全実施の御意思をお持ちだと思う。
 そこで承りたいのですが、これは十七日の東京新聞ですけれども、「完全実施表明へ」と、こう書いてあるんですね。皆さんは、新聞に載っている記事というものは都合が悪いときはそれは勝手に書いたんだと言う。都合のいいときは新聞をごらんなさいと言う。まことに都合よくできていますが、これは早手回しなんですよ。「政府十九日の衆院内閣委で完全実施表明へ」と書いてある。きょうあなたここで完全実施を表明なさることになっている。その理由をここに三つ書いてある。その理由は——これは経過がここにありまして「十三日午後の給与関係閣僚会議に続き、月末に二回目の会議を開いて正式に態度を決めるが、十六日までに非公式ながら完全実施の方針を内定した。」と書いてある。内定したのかしてないのかまず承りたいのですが、その理由の一「先に三公社五現業職員の給与を公労委の仲裁裁定どおり引き上げている」二番目「ここ数年、完全実施の線が定着している」三番目「多難を予想される臨時国会で野党との争点を少しでも減らす必要がある」この三点目はよけいなことですがね。そうでしょう。この三点目はなしにしましょう。この一と二。十六日に内定した、こうあるのですが、これは少し早手回しですけれども、総理府傘下の方々からも電話連絡があるような世の中ですから、いつまでも皆さんに心配をさせていても仕方がない。したがって、給与担当の責任あるお立場で、早手回しに新聞が書いておりますが、したがって期待感をお持ちになる公務員の方々おいでになるわけでありますから、総務長官としては、何としてもことしは引き続いて完全実施をする、この方向で全力を挙げて努力をするということでひとつはっきりお答えをいただきたい。でないと、さっき申し上げた談話がありますだけに、私ども応対に非常に苦労しておりますので明確にしていただきたいのですが、いかがでございましょう。
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植木光教#12
○植木国務大臣 給与関係閣僚会議の後、十五日の閣議におきまして、人事院勧告を私から報告をいたしました。その後、各省庁間でいろいろ協議をしているわけでございますが、公式に特別に会議は持ったわけではございませんで、まだこの実施につきまして決定を見たということではもちろんございません。しかしながら、給与担当閣僚といたしましては、人事院というものは現在の公務員制度のもとでは公務員の労働基本権の代償機関でございます。このことは国内的にも国外的にも政府自身も述べてきたところでございますので、したがって、勧告を尊重すべきは当然であると存じます。さらにまた、三公社五現業が赤字であります団体におきましても四月から仲裁裁定の完全実施をしているという状況にかんがみましても、非現業公務員がこれら職員と均衡のとれた処遇を受けるということは当然であると考えているのでございまして、したがって、私といたしましては、強い決意で完全実施のための努力をしているということでございます。
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藤尾正行#13
○藤尾委員長 大出君に申し上げます。ただいま自治大臣が席に着かれまして、出席時間が三十分ということになっておりますので、ひとつ自治大臣に対する質疑を御集中いただけばありがたいと思います。
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大出俊#14
○大出委員 お見えいただけばすぐ切りかえて福田大臣から御答弁いただく、こういうお約束を私もいたしておりますから早速入らせていただきたいのですが、実は二つございます。お忙しいところ担当の委員会でないところへお出かけいただいてどうも恐縮でございます。通産大臣をおやりの時代以来しばらくでございますけれども、本当にきょうはありがとうございました。
 実は、給与関係閣僚会議をお開きになる際に、地会公務員の関係を御担当でございますので、いわば中心的なお立場でございます。総務長官が担当の大臣として御努力をいただくわけでありますけれども、やはり一つの合議の結果として物は決まるわけでありますから、そうしますと、何としてもこの際、今日勧告が行われるに至る経緯の中に実は数々の心配が公務員諸君の胸の内にある、そういう意味できょうはどうしてもお出かけをいただきたい、こういうことでお願いをいたしました。これが一つであります。
 もう一つは、十五日でございますか、人事委員長さんを全国からお集めになって会議をお開きになる、さらにその後で総務部長さんをお集めになってお話しになる、前に鎌田次官から通達みたいなものも出ているというふうな一連の経緯がございます。
 楠弘さんですか、おいでになりますが、いままでラスパイレスとはどんなものだとか、あれはいいかげんじゃないか、このデータを見たって間違いだらけじゃないか、一〇%ふえちゃったり、翌年同じ自治体で一〇%減っちゃってみたり、これは一体何だ、横浜なら横浜の例を挙げて、コンピューターに入れるといったって、インプットする調査所見が違えば結論は出やせぬじゃないか、山崎さんの書いたものまで引用して実はやりとりもしておりますから、そういう議論を大臣とする気はない。ただ、地方公務員の置かれている立場、地場賃金との関係などなど、私も長い経験がございますから、そういう点で大臣のお考えを承っておきたい、この二点で実はお出かけをいただいたわけであります。
 まず、第一の点でございますけれども、いろいろ紆余曲折が今日までございます。三十日には大蔵大臣に直接お出かけいただいて御質問申し上げたりいたしましたが、自治大臣のお立場で、今回の勧告の完全実施ということについて、いま総務長官からお聞きのとおりの御答弁がございましたが、閣僚会議の主要メンバーの一人としてどうお考えになるか、ひとつ意思表示を賜りたい、これが第一でございます。御答弁いただきたいと思います。
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福田一#15
○福田(一)国務大臣 お答えを申し上げます。
 私も地方公務員の関係を担当しておる者といたしまして、この今回の勧告が完全実施されることを望んでおります。
 ただし、これは決まったわけでないことは総務長官の言われたとおりでありまして、私が正式に発言する機会があればそれを要望いたしたい、かように考えております。
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大出俊#16
○大出委員 明確なその点についての御答弁をいただきました。
 そこで、第二の問題でございますが、地方公務員の賃金が高いか、低いかという大きな議論が今日まで続けられておりまして、私も人事院ができるころから今日まで給与を手がけておりますから、たくさんの場面、またたくさんの地域の調査もしてまいりまして、たくさんの異論も持っております。
 だが、そこでまず一つ承りたいのは、いま完全実施への御配慮をいただきましたが、大臣の目でごらんになって、公務員の賃金というのは高い、こうお思いなのかどうかという点ですね。
 このことしの人事院の調査に基づく資料によりますと、四〇・三歳という年齢で、扶養家族構成が一・六ぐらいになっているはずでありますけれども、そういう四十歳を超える方、これで十三万三千円ちょっとの金額であります。十三万円台。これは税込みでありますから、税金を抜きますというと、まさに四十歳を超える方々で、この間植木さんと議論をいたしましたように、総理の給料を一〇%返納されたというので、十二万ばかり返納したわけでありますが、まさに返納部分の一〇%ぐらいにしか当たらぬ給料しかもらっていない。これでは妻子を養っていくのになかなか大変なことです。
 公務員の賃金というものは、景気がいいときにはまるっきりばかみたいだ。娘を公務員にやったんじゃ一生苦労するというようなことになって、今度は景気が悪くなった途端に公務員の賃金は高い高い、これは過去の不況のときでも必ずそうでありました。これは一つのプリンシプルがない、原則がない。つまり、行政の衝に当たっておる皆さん、みずからの責任ある所在、そこでやる仕事の直接の担当者である方々、公務員諸君、この生活を踏まえて、公務員の賃金というものはかくあるべし、好不況にかかわらずこれでいいんだというそれがないということになると、これは重大な問題です。
 景気のいいときには、同窓会をやったって、おまえ幾らもらっているのだ、ばかみたいじゃないか。二次会に行ったって、おれが払うと言うのは、みんな民間の方が払う、これが常ですよ。景気が悪くなると途端に、やれ高い、そのときに必ず出てくるのは地方公務員の賃金です。植弘さんだって御存じでしょう。自治省のえらい方がしきりに渡りだ、昇短だ、けしからぬと言っているけれども、その人自身地方の自治体の総務部長なんかやっているときには、自分で渡り、昇短をやってきたでしょう。植弘さん、あなた苦笑いしておりますけれども……。
 実際に人事院の対応等級の取り方一つながめたって、横浜市なら横浜市というところで民間賃金と比べれば、高い高いと言っている地方公務員との差が二万七千円くらいある。だから、地方の人事委員会の権限で勧告をするのはあたりまえです。本当ならば、人事院並みの勧告をすることは低きに失する、こういうことなんです。
 つまり今日の四〇・三歳くらいの方々で、人事院がお調べになっている平均のところで、これが税込みで十三万円台の給料しかもらっていない。それが仮に一〇%商いといったって十四万円台、これが一体そんなにかね、太鼓で高いぞ高いぞと言うほどに高いのかどうか、このインフレの中で生活ができるのかという実態を、まずこれは福田さん、きのうやきょうじゃありませんからもう十分御承知で、自治大臣というお立場でいろいろおっしゃっているんだろうと思うのでありますけれども、その辺をちょっとお漏らしをいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
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福田一#17
○福田(一)国務大臣 お答えをいたしたいと思いますが、いま大出さんの言われております四十歳を基準にして大体十三万くらいになる、こういうことにつきましては、実は私、数字をはっきりつかんでおりませんから、何とも申し上げることは困難でありますが、前段のそれに至るまでの段階において、大体公務員の給与の問題と民間企業の給与の問題についてどう考えていくべきかということについては、これは基本問題でありますから、お答えをいたさなければならないと思うのでありますが、私は、やはり民間企業というものは、公務員と比べて安定性が非常に少ないと思います。すなわち、公務員の場合においては、安定性が非常にあるわけでございまして、企業がつぶれるというようなことはあっても、神奈川の県庁がつぶれたり、あるいはまた横浜の市役所が給料を払えなくなるなんて、そんなばかなことはあり得ない。そういう意味で、私は長い目で見た場合においては、国家公務員とか地方公務員というのは、一応生活の安定が得られる面にあると思います。しかし、もちろんこれからの企業の問題について、そういうことがあった場合にほっておいていいというわけではない。もちろん国としては措置をしなければなりませんが、非常に安定性があるということが、考えなければならない一つである。そういう意味合いから言いますと、民間の企業より商いというようなことは、これは少し不公平な面が起きやしないかということがあると思うのです。
 そこで、いまあなたから具体的なところの例をとってお話しがございましたが、私は、それぞれのところにおいてしかるべくお決めになる問題であって、これは条例で決めることになっておりますから、何も横浜市でそうだとか神奈川の県庁でそうだということが全国的に通ずるということにはならないのじゃないかと思うのです。だから、それぞれのところにおいて、それぞれの議会あるいは理事者が法律でもって定められてある条文を正当にというか、素直に理解をして、それに応じて行政をやっていただくということが自治省としての姿でなければならない、私は、こう考えているわけなのであります。
 詳しいことは、もうあなたの方が専門家なんで、私などはあなたに教えてもらわなければいかぬ立場かもしれませんが、しかしラスパイレス方式などというのも一つの物の考え方を出しているわけなんで、実は私は、いつも申し上げておるのですけれども、私も、二十年月給取りをいたしておりまして、月給取りの心理というものはよく知っているはずなんです、新聞記者を二十年間やりましたから。こういう関係で見ますと、一定年齢で一定の学校を出たということになりますと、その給料を一つだけ合わせてみると、大体その会社の体系というものはわかるのです。それは自分の同期生が千円も二千円も高くなると全く不愉快千万で、実際言うと文句が出るわけなんです、自分の方が下だということで。それから、ある意味では自分の方が上に上がると非常にいい気持ちになったりなどして、ここいらは月給取り心理というものでありましょうか、いずれにしても一つのものを調べると、上の方もこれについてずっと上がっているし、下の方もずっとそれについて下がっているというのが私は給与体系だと思うのです。
 だから、ラスパイレスというものも、そういう意味で比べてみたときに大体の見当が出てくると思う。しかし、いかに民間の給与が高くても、やはりそういうような公務員という立場から見て、まあこれくらいでがまんしてもらわなければということで人事委員会がよく判断をする、それからまた、それをやる場合、人事委員会が、一体横浜とか——横浜ばかり言ってはいけませんが、小田原なら小田原とかあるいは大阪なら大阪で財政事情は今後どういうふうになるんだろうということも考えてやはり決められるということが望ましい姿である。これを直接にこうしなさい、ああしなさいと言う権限は、法律によってわれわれは与えられておりません。ただ、その場合に一種の助言をするということだけは何も悪いことではない。それが次官通達の形になってあらわれたり、あるいは人事委員長を集めた場合あるいは総務部長を集めた場合に表現されておると私は思うので、実は私は、どっちの委員会にも出ておりませんから、出たときにどういうことを言ったかということは、その担当の者に聞いていただけばいいが、私は、そのことはちゃんと示してあるつもりなんです。逸脱してはいけない、法律を逸脱しない範囲においてよく指導をするということは必要だ、こういうことだけははっきりさせてありますから、私の自治大臣としての考え方はそういうふうに理解をしていただければ結構だと思う、場合によって行き過ぎがあればわれわれは是正しなければいけません。われわれは行政官でございますから、常に法律の定めるところに従って行政をよく運営していくという義務があると考えておるわけでございます。
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大出俊#18
○大出委員 鎌田次官が、大臣おっしゃるように人事委員長さんの会合にはお出になっているんですね。実はここに「自治事務次官あいさつ(要旨)」という印刷したのがあります。これは全文ございますが、これを見ますと大分激しいんですよ。それも後で自分の方に文句が来ないように、鎌田さんという人は頭がいいですからね、わりと大きな声でがちゃがちゃ言うんですけれども、ここではうまく、ポイントは一生懸命逃げている。植弘さんの知恵かもしらぬ、笑っているから。どぎついことを言っている、言っているんだけれども、がしゃんとやられそうなところは、巧みにという言葉が当たるのだろうと思うんだけれども、前の方で言っているのは、人事院が勧告したってそんなものは、率というものは結果なんだから、率は問題じゃないのだということを言っていて、それで最後は「適正」な給与の実現に努められるようになんて「適正」と言っておけば、何が適正かという議論になってしまうからこれはわからぬわけですけれども、これは総体的にながめると国より下げろということなんですね、簡単に言ってしまえば。そう言っている。全部あるんですからね、ここに。これは、なかなか知恵者もそろっているからうまいこと言っていますが、異例のことです、こんなことはいままでやったことがないんですから。
 しかも人事委員会の委員長さんを呼んでこんなことを言うとなれば、これは大変なことなんです。本当ならばお隣においでになる人事院総裁藤井さんを三木総理が呼んで、大平さん流に人事院の独走は許さないなんてことを言ってごらんなさい、天下の大騒動になってしまう。地方人事委員会という小さい組織だから、その意味では、こんなことが行われても大騒ぎが起こっていないだけのことで、これはやはり御存じのとおりに独任機関でございまして、第三者機関ですからね。
 私は、御存じのとおりにILOに何べんも行っている男ですけれども、竹内さんが法務省からおいでになって力説をしている、地方人事委員会について代償機関ですからと言って。ところがILOそのものは、地方人事委員会というのは完全な代償機関から見ればほど遠いということを言い続けている。そういうところにこういうことをやるというのは穏やかでない。独自の権限を持つ第三者機関、スト権に対する代償機関である人事委員会に対する不当な介入だと言い切らざるを得ない。私は、この点はいかに言葉の上で気をつけて言ってみても、結果的に同じことになると思う。この点はここで決着をつけようとしても、時間がありませんからそうは参りませんけれども、明確にしておきたいと思うのであります。
 そこで、先ほどの点でもうちょっと申し上げておきたいのですが、さっき私が申し上げましたのは、今度の人事院の調査です。五十年八月十三日の人事院総裁藤井さんの名前でお出しになった報告に公務員の賃金が明確になっている。つまり人事院所管の五十万の公務員の方々の本年四月における平均給与月額を算定すると、俸給で十二万四千九百円しかもらっていないですね。俸給で十二万四千九百円寸まさに三木さんがもらっておって一〇%返納される十二万、これが本俸です。扶養手当が四千五円、調整手当が四千七百四十五円、合計で十三万三千六百五十円、そしてその平均年齢は四〇・三歳、悲しき四十歳なんですね、これは。四十歳を超えておられる公務員の方々、これが平均なんです。四十歳を超えておられて平均扶養家族数が一・六人、まあ二人ですね。それで十三万三千六百五十円しかもらっていないという現実なんですね。これは税金が入っている。これで高い高いと言われたのでは、これは公務員たる者立つ瀬がない。よしんばラスパイレスその他いろいろおっしゃるので、私は、そうは思いませんけれども、百歩譲って、皆さんの主張のように一〇%仮に高いと仮定してみても、じゃ十三万三千六百五十円の一〇%上乗せしたら幾らになる。一万三千円ふえるだけです。そうならば十四万六千円台、ちょっと計算をして十四万七千円台に乗る。十四万。それで地方公務員は高い高いと言われたのじゃこれは立つ瀬がない。
 そこで、これを民間と比べてみますと——人事院はなかなか幾ら言ったって出さない。今度は鎌田さんやその後の行政局長さんですか、林さんですかな、ここへお出になってもらっていろいろ言っていますよ、調査結果を公表しろとか。しかし人事院だって公表しやしない。調査諸表などを出してくれと言ってねばったら、前の総裁佐藤さんが怒った。この席でけんかになった。出したことはない。対応等級なんて言ったって、向こう様の年齢を明らかにしていない。十歳も違う人と突き合わせている、対応等級をとっている。たとえば十歳違いの人と対応させれば、年齢の開きが十年あるのですから、一年間で民間と公務の昇給の間差が三千円開いているとすれば、十年違えば三万円違うんですよ。
 私なんかいい例なんですが、早稲田の英文科を途中でやめて逓信官吏練習所へ飛んだ。それで逓信官吏練習所を卒業したから、郵政省の官吏で郵便局へ勤めていた。私の早稲田の当時の同級生が日赤の本社の総務部長をやっている。横浜のノザワ松坂屋の筆頭常務。これはもう大変なものですよ。だから十年の年齢の開きがあれば、一年間の昇給間差が三千円民間が高いとすると、十年間で何と三万円の給料の差ができてしまう。にもかかわらず、年齢は不問に付して対応等級を人事院はおとりになる。ここに明確な資料もある。対応等級をここにおとりになっている。一等級の例をあげても、本省の課長さんと五百人規模以上の支店長さん、工場長さん、部長、次長と対応させている。本省の課長さんというのは五一・四歳、五百人規模以上のところの民間の方は四七・七歳、大変な年齢差であります。本省の課長さんで五百人規模以上の課長、これは四三・一歳。もう一つ、五百人規模以下に下げて、ちょっと年齢はふえるけれども四五・五歳。本省の課長補佐は、民間の五百人規模以上の課長代理と対応させますが、四十歳です。そうするとここで九・六歳の年齢差がある。課長まで行くのに九・六歳、約十年の年齢差があるとするといまの話になってしまう。三万円違ってしまうのです。それが労働省のこの調査というのは、私も長年手がけていますけれども、一番確実だと見ていい調査、センサスですよ。ここにございますけれども、労働省、政府が調査している中でこれは一番規模が大きいし、手数もかかっている賃金構造基本調査です。残念ながら四十八年六月までしかまだ私の手元に入っていない。これで見ますと、まず二十五歳のところを見ると行政(一)表の七等級の二、六万四千三百円。これは四十八年の比較で四十九年のはまだ出てない。労働省からまだもらってない。これに対して民間の方が幾らかというと八万二千五百円、約二万円違う。ところで三十歳のところをとると、行(二)で六等級四号ですから八万円。民間が十万円超えている。三十五歳のところで六等級の九で公務員が九万七千三百円。民間が十二万六千六百円。だんだん開いてしまう。四十歳、公務員は五等級の十一ですから十一万八千四百円、民間は十四万五千円に行ってしまう。五十歳というところへ来ると三万七千六百円開く、賃金構造基本調査の対比でいって年齢で調べていきますとね。つまりこれが実態なんです、大臣。
 ですから、これはその地域、六大都市にしろ七大都市にしろ、人事院の対応等級というのは片っ方にありますけれども、さて具体的な話をしていきますと、高校をお出になった娘さんで勤めてちょうど五年目で幾らもらっているのだと言ったら十七万だ。どこへ勤めているのだと言ったら横浜の三菱商事。その御家族の中に公務員の方がおる。十年勤めている。公務員というのはつまりませんね先生、こう言うわけです。娘が十七万円持ってくると言う。フジタ工業に私のめいが勤めている。これだってまだ勤めて四年目ぐらいで十六万くらい持ってくる。公務員というのはまるきり話にならぬ。
 だから、実際にそういう同じ年齢を合わせて官民対比をやれば、センサスにあらわれたとおりの数字が出てくる。ここに非常に大きな問題がある。だから、地方の人事委員会の独自の権限の、国家公務員より低くしなさいと言わんばかりに次官が出ていって物を言うというのは、行き過ぎであり、介入であり筋違いだという気がする。これは独任機関でございます。
 このことを前提にして大臣に承りたいのですけれども、鎌田さんがこの中で、人事院がやっているのを一、二例にとって、五%の官民較差があれば勧告するんですよというようなことを言って、地方の人事委員会はけしからぬ、何をやっているのだ、ろくな調査もしないでなんと言っている、だけれども、人事院は六大都市や何かの人事委員会と連携をとって調査をされているはずだ。そうでしょう。だからそれは調べてないのじゃないのだ。
 そういう前提で地方公務員法に基づく地方公務員の給与というのは、鎌田さんの話の中にも国に準ずる云々の話が出てくるけれども、準ずるということが一体どこに書いてあるか。地方公務員法に基づく給与決定の根幹というのは一体何ですか。お答えいただきたいのです。
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植弘親民#19
○植弘説明員 御指摘のように、地方公務員法の二十四条の一項というのが、まず地方公務員の給与決定の基本原財でございますが、これは職務給の原則でございます。さらに第三項、これも現在その基本になっておりまして、そこでは生計費、国家公務員、他の地方公共団体の職員、それから地域内の民間企業の従事者の給与を考慮して定めることになっておるのでありまして、文言としての準ずるというのはございません。しかし、この二十四条三項を解釈してまいりますと、国家公務員に準ずるというのが最も妥当であろうということで、地公法制定以来そういう指導をさしていただいておるわけであります。
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福田一#20
○福田(一)国務大臣 いま御質問がございました点で、私この問題は非常に根本的な問題であるから、御認識が、その点いささか違うかもしれないと思うのですが、確かに三菱商事であるとかいうような種類の一流会社の場合は別でありますけれども、そういうのはそうたくさんはないと思うのです。中小企業の例をとってみますと、もううんと悪いところでは高校卒業生でも七、八万円で就職している者も私は相当あると思うのです。われわれがすべて政治をやります上において考えておかなければならないことは、どこを基準にしてとって公平であるかという問題が一番基準になるのでありまして、そのとるとり方が非常に国民的なコンセンサスが得られるかどうかということが私は問題になろうかと思うのです。非常な一流企業といえども、これは倒産しないとは限りませんが、しかし一流企業の場合と中小企業、特に企業の相当数のものが中小企業ということになっておりますから、そういうところの人から見ると、あるいは商店主とかそういう人から見ると、これは何か異例のことで、いまおっしゃったような高校卒業生が十七、八万円取ったということであれば、これは異例なことでありますからそういうものは数が少ない。だから、とり方の問題を一応考えておかなければいけない、私は、公平かどうかという問題を考える前に、比較の対象をどうするかという問題の論議が一番大きくなるのじゃないかと思うのです。だから、みんな公平にやればいいという考え方になれば、これは社会主義か何かにしまして、みんな一律の給与をやるしか私はないと思うのですが、自由主義経済の中でやりますと、どこいらをとるかということでこれが正しいか正しくないかというけじめがつくのじゃないか、私は、そういう感じを持っておるわけです。
 もちろん先生もそういうことはよくわかっておいでになってお話しがあるのだと思っておるのですが、そういう場合に先ほど私が申し上げましたように、今回の人事院勧告というものは、時期におきましては私は四月からやるのが当然だという意味には考えておりますけれども、しかし今度国家公務員の場合に、国家公務員と地方公務員と比べてみて、非常に高いところがありますと、たとえば一〇〇と一四五、それがとり方が違っておるじゃないかということになれば、またもっと詳しいあれになりますけれども、たとえばそういうようなものがあれば、そういうところがそのままに存続していくということがいいことかどうか、これはやはり公平の原則で考えなければいけないのじゃないか、そういう意味のことを次官が言っておるのであり、また人事委員会においてもそういうことを言っておるのであって、おしなべて全部のものをしかりつけておるのだとは私は思いません。そういう特殊なものは今後は考えなさいよということを言うことは、考えたらいいのじゃないですかということを言うことは、一極の勧告ですね、しなさいというのじゃなくて勧告ですから、これは考えなさいよと言うことは少しも差し支えないのじゃないか。それは法律に定められたことを言っておるだけである。ただ、それがいかにも強圧的に抑えつけるような形になることは問題だと思うので、私もいつも委員会でも言っておるのですが、一〇〇に対して一四五というのは、一年ですぐ直せなんと言ったって無理じゃないか、それが現実のものとすれば、両三年くらいの間に順次直していくという心構えで運営していってもらえば——これは善意と見なければいけません。一応いままで十四万五千円取っていたのをいきなり十万円にするなんてそんなばかなことは考えてはいない。また自治省も考えておらない。しかし、うちは少し高いのだから、やはり少しは考えなければいかぬ、よそと比較しては高いから考えなければいかぬ、こういう気持ちになることが、一応一般の人から見て、自由主義経済の中において見ますというと、やはりそういうことを考えるのがしかるべきではないか。
 人事委員会というのは、法二十四条にあなたのおっしゃったように準じてという言葉はございません。いま公務員部長が言いましたように、参考にしてということでございますから、一体その一〇〇と一四五が正しい参考で出てきているのでしょうかという理屈を言われる場合に、うちとしても非常に困るのです。だから、それはやはり考えてもらいたい、こういう意味のことを言っていると理解をしていただきたいので、頭ごなしに全部右へならえというようなことを言える道理がないと思う。私は、府県の場合におきましても、大体一〇〇に対して一一〇というようなことがあれば、まあまあ四、五%くらいの差ができても、これはしようがないんじゃないかというようなことを、公式の場においても言っておるのでありまして、画一論者ではございません。しかし、そういう立場から見ましても、一〇〇と一四五というのを目をつぶっていろという考え方にはどうしてもならない、こういう気持ちのあらわれとひとつ次官通達その他のわれわれがとっている措置をお考え願って、御理解を賜れば幸いであるというのが私の考え方でございます。
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大出俊#21
○大出委員 大臣は、いま地方公務員法二十四条をおとりになりましたが、ここで「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」これが原則なんですね。「その他の事情を考慮して」「生計並びに」という。だから生計費が実際どうなっているかというところから調査をして考慮する。その考慮の枠というのがどこまでが考慮なんだ、それは一〇%なのか、二〇%なのか、三〇%なのか、考慮の範囲というのは。そんなことはここにうたってない、だから、そう言われれば困るんだとおっしゃる、その限りではわかっておっしゃっていると思いますから、それはそれでいいんですけれども、このあいさつを見るとここが抜けているんですよ。これは皆さん、憲法九十二条に言う地方自治の本旨というのは一体何だという問題、ここが抜けているんです。地方議会があるわけです。つまり地方議会が条例改正をお決めになっているわけです。承認をしたから決まっているのです。勝手に人事委員会がやったのでもなければ、勝手に理事者がやったのでもない。地方議会が決めたから条例になっているわけです。
 植弘さん、旧来からこういう解釈をとっているなんて言うんだけれども、昔、鈴木俊一さんなどがおいでになるころに、あなた方がしきりに最初はいばったんですよ。公務員は、地方公務員法ができたんだから法律によらなければ首が切れませんぞと私が官公労事務局長のとき言ったら、そんなことはないといばった。六大都市なんか条例でみんな首が切れるようになっている、こう言うのです。それは違法なんだと幾ら言っても聞かないから、私は質問書を法制局とも相談して出した。そうしたらいろいろ検討されて、確かに法律によらなければ首は切れませんとしまいに回答してきた。それなら条例が違反なんだから取り崩しなさいと言ったらみんな取り崩したのです。だから、いま条例で首が切れない。そうでしょう。地方公務員法ができたときの皆さんの解釈だってそういう前歴があるんですから。
 私は、野田武夫さんが自治大臣のときに、あなた方定年制法案をお出しになったからトップ質問でその問題から入りまして、とうとう答弁できなくなって、二日間私は地方行政の質問席にすわっていたんですよ。それでつぶれてしまいましたけれども。
 だから、そう簡単におっしゃられても困るのです。相手があってやっているんですから。だから正しくこの法律はやはりお考えいただきたいんですよ。大臣がおっしゃるとおりなんだ、その幅をと言われれば、なかなかこれは法律上の基準はない、だから大臣の言っているのが、どうも少しという、そういう趣旨で言っているのなら、その限度なら私は言いようがあると思うんですよ。確かに五十九条に「技術的」と入っているんですから、これは「技術的」なんですから、だから、その限り介入をしないという原則は立てておいていただかぬと、独任機関である、第三者機関である地方人事委員会の首根っこを自治省がつかまえて、こうだと言って押えつけちゃったのじゃ、それじゃ団交権とストライキ権を返せになっちゃう。
 昔、三十年に、人事院勧告を実施しないから、私ども公労協は、私は代表幹事の筆頭をやっていたんだけれども、ストライキぶつよりしようがなかろうというふうに踏み切った。かくて三十二年春闘で、東京駅前の中央郵便局を空にさした。当時私は全逓の中央本部の書記長で、田中角榮さんが郵政大臣で生きのいい四十歳の大臣だから私の首を切った。威勢のいい労働大臣の石田博英さんん。角さんと博さんで、けしからぬといって新聞記事を毎日出してくれる。
 だけれども、今日公労協というのはストライキを平気でぶちまくっているでしょう。これはどうしようもない。だから、余り不当な介入というふうに地方公務員の方が受け取るようなところまで自治省がお入りになることは、お慎みいただかぬと困る。そうでないと昔の公労協式に、それならどうしようもないじゃないか、代償機関たるものを認めないならストライキしかないじゃないか、こういう発展の仕方になる。一つ間違うと今度は、自治省の威令が行われるとすれば、全国至るところの自治体は大騒動になってきますよ。このことはILOが言っているとおり、日本の労使関係のつまり中心になる信頼関係を失う。私はよくないと思っているのです。
 だから、今回自治省がお集めになったのは、これは念のために大臣にはっきりさしておいていただきたいのですが、地方人事委員会は、法律上明定をされている第三者機関であり独任機関なんですから、知事部局にこれは責任を負うんですから、そういう機関であるという、そこに勧告権が厳として他の介入を許さず存在をするという、ここのところをきちっとお認めの上で五十九条の技術的助言の範囲で物を考えたのだとはっきりさしておいていただきたいと思うんですが、いかがでございますか。
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福田一#22
○福田(一)国務大臣 あなたは非常に専門的な立場からいろいろ御質問なさいました。私もいま五十九条の条文も読んでおりますけれども、先ほど来私が申し上げておるように、何もこうせいとかああせいとか言っておるのではなくて、そこいらが少し均衡を失するというか、少しルーズになり過ぎておる可能性がある、しかし、いま高度成長から低成長へ入るときだ、これからも高度成長は国際関係から見てもうほとんど望み得べくもない、そうすれば、やはりここいらでひとつ十分この趣旨を正しく理解して運営をしてもらいたい、こういう趣旨だと私は理解をいたしておりますから、あなたがおっしゃるように、命令のような形で私のところの自治省の者が言うておるとは思いません。ここはお互いにまあ理解し合うということです。要するに理解し合う。どこいら辺がいいかなというのは、常識というとおかしいが、まあ政治家でいうと腹と腹というようなことも言うたり、いろんなことを言いますが、理解し合うことなんですよ。これからは大変だ、地方公共団体の収入も余りふえない、むしろ逆に減るんだ、そういうときだからよく注意して、余り高いようなところは少しは考えにゃいかぬじゃないかという趣旨が出ておるのだと御理解を願えればいいと思うのです。高いから絶対に下げなければいけませんよとは私は言う権限はないと思います。法律にそんなことは書いてないのだから。われわれ行政官は法律の範囲内でやればいい。立法は立法府の権限なんですから。私はそういう意味でやったらいいと思うのです。ただし、常識を越えるということになると大いに批判が出てきますから、そこいらは私は、自治労にしても組合関係にしても、一般の情勢の理解というものをお互いがよくし合っていくという努力だけはしていただきたい、こう考えておるわけです。
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大出俊#23
○大出委員 これは、これから地方人事委員会が勧告するに当たっていろいろな問題が出てくると思うのでありますけれども、私は、何よりも地方住民の皆さんのことを念頭に置かなければならぬわけでありますから、とんでもない争いが激化するということをお互いに避けなければならないと思っているわけであります。
 そこで、ひとつ最後に大臣に御要望申し上げておきたいのでありますが、自治体の財政欠陥あるいは自治体財政が非常に危機に瀕するというようなことは、いまに始まったことじゃない。過去にも何遍か同じようなことがありました。そのたびに地方公務員の賃金が問題になってきた経過があります。歴史があります。その繰り返しでありますけれども、そこで、今度の地方財政の危機現象というのは一体何に起因するのだということです。
 この間、大臣、座談会にお出になって、長洲知事その他といろいろお話しになっておられたわけでありますが、大蔵省に物を言っていただかなければならぬ面がたくさんあると私は思うのです。スタグフレーション、こういうことになると不況とインフレが混在をするわけでありますから、インフレという面では谷間になる老人や母子家庭が出てくる、これを自治体経費、人を使って救済しなければならぬ、これは挙げて自治体の責任です。どうしてもそこに金がかかる。混在する不況という面からすれば、倒産も起こるわけでありますし、あるいは失業という問題も起こる。自治体はそこに行政機関を持っているわけでありますから、これまたすぐ何らかの対処をせざるを得ない。当然ここにも自治体の経費がかかり、人がかかる面が出てくるわけであります。
 さて、不況だということが混在しているわけでありますから税収は落ちる。逆に人件費、物件費は上がるということですから、基本的にこれはスタグフレーションということになるとすれば、自治体の財政が危機に瀕することはあたりまえでありまして、公務員給与であるとかあるいは何がしかの福祉の先取りだという問題ではなくて、私は、基本的にそこに問題がある、こう思っているわけであります。
 そこで、東京都の最近の実績なんか見ましても、一、二指摘しておきたいのでありますが、最近の三年ばかりのものを調べてみますと、法人二税、法人事業税あるいは法人住民税の占めるウエートが、たとえば東京都の例を見ますと、税収部門の中で非常に高いわけであります。五十年度を見ますと、東京都の場合には税収入が総収入の六七%なんですね。東京を調べてみますと、この六七%の税収のうちの四〇%が法人二税なんですね。ところが法人二税の増加率を見ますと、三年前四十八年は前年対比で三七%伸びている。三七・三%法人二税がぐっと伸びている。ところが二年前四十九年、ことしからいいますと去年ですね、前年対比で法人税の伸びが二五・三%。したがって、前年対比で三七・三%伸び、去年は二五・三%伸び、五十年度というのは一・七%しか伸びてない。三七、二五、一・七。これは税収六七%のうち四〇%を占める法人二税です。だとすると、このべらぼうな落ち込みによって都財政が危機に瀕するのはあたりまえでございまして、基本的には給与でもなければ福祉の先取りでもない、ここに一番大きなウエートがある、金額にしても圧倒的に高い、こういうことなんですね。そうすると、これは地方税制などのいろいろの矛盾もあります。そんなことをここでいま言ったってしょうがないのですけれども、そういう実情にある。
 そこで、この間大平さんとやりとりをしておりましたら、公共事業費を補正予算で上乗せをするという気持ちも多少あってお答えになっておりました。そうなると、地方自治体の場合には起債という問題がどうしても当面する問題になってまいりますが、てっぺんでぴしっと押さえられてしまう。国は公債でいいかもしらぬけれども、地方の場合はそうはいかない。どうしてもそこに大きなネックが出てくる。ところが、これは自治省の分野、責任ではないけれども、てっぺんで押さえられる、こういうかっこうになる。これは申すまでもないんですけれども、国税三税の三二%交付税率で決まっておりますけれども、そういう面でいくと、困窮している財政にさらに困窮の度を加えかねない要素がある。ここらをやはり自治大臣の立場で、いまどうするかということを本当に考えていただきたいと思っているわけであります。
 どうも横浜市長が社会党市長ですから、財政事情を詳しく私も知っておりますが、川崎もそうですし、東京もそうです。だから革新市長ならずとも、この時期に財政の危機を迎えるというのは、どなたがおやりになったって、限度は多少あってもその意味では同じなんです。だから、いま神奈川県なんというのは、引き継いだばかりの長洲——この間座談会をおやりになった長洲知事だけれども、骨格予算を組んで三百億とってありますからと津田さんは言って引き継いでいった。三百億あるのかと思ったら、ない。骨格予算に食い込んでしまっているわけですね、落ち込んでいますから。そういうことなんですから、その根本に触れてこれから自治大臣とも給与は給与としていろいろやり合っていくことになりましょうが、その基本のところを一度篤とお考えおきをいただきたいという気がするのですが、最後にその点だけひとつ御答弁いただきたい。
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福田一#24
○福田(一)国務大臣 大変根本的な問題についてのお話しがあったわけでありまして、実はスタグフレーションということの内容自体にもいろんな問題があります。しかし政府は、来年の三月に一応消費者物価を九・九に抑えるということで、これがそう抑えられた場合に、これはインフレであるかどうかというような問題も出てきますね。だから、そういうことについて、スタグフレーションについての問題点はいろいろありますが、ただ四十一年、二年の、不況のときと違いますのは、もうあなたも十分御承知のとおり、私たちがいわゆる原料というものを自由に安く買えなくなったという事情が一つある。これからもないですね。低開発国も売りはしません。そういうことは恐らく認めないと思う。そういう事情があるだけに、低成長しかできないということを私たちは言っておるわけでございます。そうすると、低成長時代ということになると、いま切りかえの時期でございますから、東京都にしましても神奈川県にしましても大阪府にしましても、どこにでもいま非常に大きなショックを与えておるということは事実でございます。しかしそれかといって、完全な不景気に陥れてはいけないということであれば、ここで何としても公共投資をふやさなければいかぬ。そこで国が一つの予算をつくった。それで地方がそのまま負担を持ちなさい、そんな理屈はこれは成り立たないですね。私は、その点は非常にはっきりしているつもりでございまして、そういうときはひとつ大いにがんばってみよう。これ以上申し上げませんけれども、私はそういう決意を持ってやっておる。私は、余りあげつらうことがきらいですから、宣伝したりそういうことをするのはきらいですが、やるときはちゃんとやりますから、その点は御心配のないようにお願いしたいと思います。
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大出俊#25
○大出委員 大変短い時間でございまして意を尽くしませんですが、これから先の人事委員会の扱う第三者機関としての立場もありましょうし、そこらをめぐりまして職員団体の間とのいろんな問題もございます。したがって触れさせていただこう、こう思いましてお呼び立ていたしましたが、何よりも今回の勧告の完全実施について関係閣僚会議の中で御発言をいただける、こういう実は御答弁をいただきましてありがとうございました。大変お忙しいところをどうも恐縮でございました。
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藤尾正行#26
○藤尾委員長 自治大臣、御退席ください。
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大出俊#27
○大出委員 総裁の談話のところに返りまして承りたいのでありますが、二つ新しいことを言っておられるその一つの方ですが、代償機関という表現がされております。
 総務長官にこの際承っておきたいのですが、昨年の春闘などの中で取り決めが行われまして、公労協関係、公共企業体関係あるいは公務員関係に分かれて機関をおつくりになって検討されている労働基本権の問題でございます。むずかしい名前ですから、ここに書いておきましたが、公務員問題連絡協議会、こう言うのでしょうね。それで、こちらの方は、この間の国会の幕切れに、妙なときに二つの法律をお出しになりましたね。第三機関に対抗要件という意味での法人格付与の問題とか組合員、非組合員の範囲の問題だとかお出しになりましたが、その基本に触れる団交権等の問題、団交権が付与されることに法律上なれば、その中心的問題は給与でございますから、いま私が自治大臣とやりとりしたような問題はなくなってしまう。お互いの当覇者能力で自治体と関係職員団体が賃金を決める、協約を結ぶということになりますから、そういう意味で本当はそれが一審正しい労使関係だろうと私は思うのでありますが、この辺のところはその後どういうふうに進んでいるのですか。どうも何がどうなっているのやら、やる気があるのやらないのやらさっぱりわからぬわけですけれども、担当責任者は総務長官だろうと思うのでありますが、一体どのようにお進めになるのか承りたいのであります。
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植木光教#28
○植木国務大臣 ただいまお話しになりました公務員問題連絡会議でございますけれども、これはお説のように公務員の団体基本権を含めまして、公判審の答申を受けまして関係各省庁の責任者にお集まりをいただいて協議をしているわけでございます。その結果、前国会において提案をいたしましたように、二つの問題を二法案にいたしまして御審議をいただくという運びになったわけでございますが、基本権の問題につきましても、引き続いてこの会議におきまして協議中でございまして、これは引き続き検討すべき問題についてはいろいろございます。たとえば早急に結論を得ることは困難であるということで、いまいろいろやっておりますのは、消防職員の団結権でありますとか、あるいは非現業職員について交渉不調の場合等における調整等の方法あるいは刑罰規定の再検討、そういうような問題等についてもいろいろ鋭意協議中でございまして、公制審の答申を受けまして私どもとしては努力をしているところでございます。
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大出俊#29
○大出委員 その中心の団交権あるいはスト権等の労働三権なんという問題はどうなっているのですか、いまのお言葉になかったのですけれども。
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