大出俊の発言 (内閣委員会)

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○大出委員 大臣は、いま地方公務員法二十四条をおとりになりましたが、ここで「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」これが原則なんですね。「その他の事情を考慮して」「生計並びに」という。だから生計費が実際どうなっているかというところから調査をして考慮する。その考慮の枠というのがどこまでが考慮なんだ、それは一〇%なのか、二〇%なのか、三〇%なのか、考慮の範囲というのは。そんなことはここにうたってない、だから、そう言われれば困るんだとおっしゃる、その限りではわかっておっしゃっていると思いますから、それはそれでいいんですけれども、このあいさつを見るとここが抜けているんですよ。これは皆さん、憲法九十二条に言う地方自治の本旨というのは一体何だという問題、ここが抜けているんです。地方議会があるわけです。つまり地方議会が条例改正をお決めになっているわけです。承認をしたから決まっているのです。勝手に人事委員会がやったのでもなければ、勝手に理事者がやったのでもない。地方議会が決めたから条例になっているわけです。
 植弘さん、旧来からこういう解釈をとっているなんて言うんだけれども、昔、鈴木俊一さんなどがおいでになるころに、あなた方がしきりに最初はいばったんですよ。公務員は、地方公務員法ができたんだから法律によらなければ首が切れませんぞと私が官公労事務局長のとき言ったら、そんなことはないといばった。六大都市なんか条例でみんな首が切れるようになっている、こう言うのです。それは違法なんだと幾ら言っても聞かないから、私は質問書を法制局とも相談して出した。そうしたらいろいろ検討されて、確かに法律によらなければ首は切れませんとしまいに回答してきた。それなら条例が違反なんだから取り崩しなさいと言ったらみんな取り崩したのです。だから、いま条例で首が切れない。そうでしょう。地方公務員法ができたときの皆さんの解釈だってそういう前歴があるんですから。
 私は、野田武夫さんが自治大臣のときに、あなた方定年制法案をお出しになったからトップ質問でその問題から入りまして、とうとう答弁できなくなって、二日間私は地方行政の質問席にすわっていたんですよ。それでつぶれてしまいましたけれども。
 だから、そう簡単におっしゃられても困るのです。相手があってやっているんですから。だから正しくこの法律はやはりお考えいただきたいんですよ。大臣がおっしゃるとおりなんだ、その幅をと言われれば、なかなかこれは法律上の基準はない、だから大臣の言っているのが、どうも少しという、そういう趣旨で言っているのなら、その限度なら私は言いようがあると思うんですよ。確かに五十九条に「技術的」と入っているんですから、これは「技術的」なんですから、だから、その限り介入をしないという原則は立てておいていただかぬと、独任機関である、第三者機関である地方人事委員会の首根っこを自治省がつかまえて、こうだと言って押えつけちゃったのじゃ、それじゃ団交権とストライキ権を返せになっちゃう。
 昔、三十年に、人事院勧告を実施しないから、私ども公労協は、私は代表幹事の筆頭をやっていたんだけれども、ストライキぶつよりしようがなかろうというふうに踏み切った。かくて三十二年春闘で、東京駅前の中央郵便局を空にさした。当時私は全逓の中央本部の書記長で、田中角榮さんが郵政大臣で生きのいい四十歳の大臣だから私の首を切った。威勢のいい労働大臣の石田博英さんん。角さんと博さんで、けしからぬといって新聞記事を毎日出してくれる。
 だけれども、今日公労協というのはストライキを平気でぶちまくっているでしょう。これはどうしようもない。だから、余り不当な介入というふうに地方公務員の方が受け取るようなところまで自治省がお入りになることは、お慎みいただかぬと困る。そうでないと昔の公労協式に、それならどうしようもないじゃないか、代償機関たるものを認めないならストライキしかないじゃないか、こういう発展の仕方になる。一つ間違うと今度は、自治省の威令が行われるとすれば、全国至るところの自治体は大騒動になってきますよ。このことはILOが言っているとおり、日本の労使関係のつまり中心になる信頼関係を失う。私はよくないと思っているのです。
 だから、今回自治省がお集めになったのは、これは念のために大臣にはっきりさしておいていただきたいのですが、地方人事委員会は、法律上明定をされている第三者機関であり独任機関なんですから、知事部局にこれは責任を負うんですから、そういう機関であるという、そこに勧告権が厳として他の介入を許さず存在をするという、ここのところをきちっとお認めの上で五十九条の技術的助言の範囲で物を考えたのだとはっきりさしておいていただきたいと思うんですが、いかがでございますか。

発言情報

speech_id: 107504889X03219750819_021

発言者: 大出俊

speaker_id: 17168

日付: 1975-08-19

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会