大出俊の発言 (内閣委員会)

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○大出委員 これは、これから地方人事委員会が勧告するに当たっていろいろな問題が出てくると思うのでありますけれども、私は、何よりも地方住民の皆さんのことを念頭に置かなければならぬわけでありますから、とんでもない争いが激化するということをお互いに避けなければならないと思っているわけであります。
 そこで、ひとつ最後に大臣に御要望申し上げておきたいのでありますが、自治体の財政欠陥あるいは自治体財政が非常に危機に瀕するというようなことは、いまに始まったことじゃない。過去にも何遍か同じようなことがありました。そのたびに地方公務員の賃金が問題になってきた経過があります。歴史があります。その繰り返しでありますけれども、そこで、今度の地方財政の危機現象というのは一体何に起因するのだということです。
 この間、大臣、座談会にお出になって、長洲知事その他といろいろお話しになっておられたわけでありますが、大蔵省に物を言っていただかなければならぬ面がたくさんあると私は思うのです。スタグフレーション、こういうことになると不況とインフレが混在をするわけでありますから、インフレという面では谷間になる老人や母子家庭が出てくる、これを自治体経費、人を使って救済しなければならぬ、これは挙げて自治体の責任です。どうしてもそこに金がかかる。混在する不況という面からすれば、倒産も起こるわけでありますし、あるいは失業という問題も起こる。自治体はそこに行政機関を持っているわけでありますから、これまたすぐ何らかの対処をせざるを得ない。当然ここにも自治体の経費がかかり、人がかかる面が出てくるわけであります。
 さて、不況だということが混在しているわけでありますから税収は落ちる。逆に人件費、物件費は上がるということですから、基本的にこれはスタグフレーションということになるとすれば、自治体の財政が危機に瀕することはあたりまえでありまして、公務員給与であるとかあるいは何がしかの福祉の先取りだという問題ではなくて、私は、基本的にそこに問題がある、こう思っているわけであります。
 そこで、東京都の最近の実績なんか見ましても、一、二指摘しておきたいのでありますが、最近の三年ばかりのものを調べてみますと、法人二税、法人事業税あるいは法人住民税の占めるウエートが、たとえば東京都の例を見ますと、税収部門の中で非常に高いわけであります。五十年度を見ますと、東京都の場合には税収入が総収入の六七%なんですね。東京を調べてみますと、この六七%の税収のうちの四〇%が法人二税なんですね。ところが法人二税の増加率を見ますと、三年前四十八年は前年対比で三七%伸びている。三七・三%法人二税がぐっと伸びている。ところが二年前四十九年、ことしからいいますと去年ですね、前年対比で法人税の伸びが二五・三%。したがって、前年対比で三七・三%伸び、去年は二五・三%伸び、五十年度というのは一・七%しか伸びてない。三七、二五、一・七。これは税収六七%のうち四〇%を占める法人二税です。だとすると、このべらぼうな落ち込みによって都財政が危機に瀕するのはあたりまえでございまして、基本的には給与でもなければ福祉の先取りでもない、ここに一番大きなウエートがある、金額にしても圧倒的に高い、こういうことなんですね。そうすると、これは地方税制などのいろいろの矛盾もあります。そんなことをここでいま言ったってしょうがないのですけれども、そういう実情にある。
 そこで、この間大平さんとやりとりをしておりましたら、公共事業費を補正予算で上乗せをするという気持ちも多少あってお答えになっておりました。そうなると、地方自治体の場合には起債という問題がどうしても当面する問題になってまいりますが、てっぺんでぴしっと押さえられてしまう。国は公債でいいかもしらぬけれども、地方の場合はそうはいかない。どうしてもそこに大きなネックが出てくる。ところが、これは自治省の分野、責任ではないけれども、てっぺんで押さえられる、こういうかっこうになる。これは申すまでもないんですけれども、国税三税の三二%交付税率で決まっておりますけれども、そういう面でいくと、困窮している財政にさらに困窮の度を加えかねない要素がある。ここらをやはり自治大臣の立場で、いまどうするかということを本当に考えていただきたいと思っているわけであります。
 どうも横浜市長が社会党市長ですから、財政事情を詳しく私も知っておりますが、川崎もそうですし、東京もそうです。だから革新市長ならずとも、この時期に財政の危機を迎えるというのは、どなたがおやりになったって、限度は多少あってもその意味では同じなんです。だから、いま神奈川県なんというのは、引き継いだばかりの長洲——この間座談会をおやりになった長洲知事だけれども、骨格予算を組んで三百億とってありますからと津田さんは言って引き継いでいった。三百億あるのかと思ったら、ない。骨格予算に食い込んでしまっているわけですね、落ち込んでいますから。そういうことなんですから、その根本に触れてこれから自治大臣とも給与は給与としていろいろやり合っていくことになりましょうが、その基本のところを一度篤とお考えおきをいただきたいという気がするのですが、最後にその点だけひとつ御答弁いただきたい。

発言情報

speech_id: 107504889X03219750819_023

発言者: 大出俊

speaker_id: 17168

日付: 1975-08-19

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会