大平正芳の発言 (本会議)

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○国務大臣(大平正芳君) 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 初めに、所得税法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 所得税につきましては、昭和四十九年度に画期的な減税を行ったところでありますが、昭和五十年度におきましてはその平年度化が相当の規模に達する上、経済を抑制的に運営する必要がありますので、減税の規模は、最近における物価情勢に即応する程度にとどめることといたしております。
 すなわち、基礎控除、配偶者控除及び扶養控除は、それぞれ二十四万円から二十六万円に引き上げることといたしております。この結果、昭和五十年分の課税最低限は、昭和四十九年度の所得税減税の平年度化が大きいことをも反映して、夫婦と子供二人の給与所得者の場合で、昭和四十九年分の百五十万円から百八十三万円へと三十三万円程度引き上げられることになります。
 次に、障害者控除、老年者控除、寡婦控除等につきましては、福祉政策等の見地から、その控除額を基礎控除等の引き上げ幅の倍額、すなわち四万円引き上げますとともに、退職所得につきましても、三十年勤続した場合の非課税限度を、現行の八百万円から一千万円に引き上げることを目途に、特別控除の額を引き上げることといたしております。
 以上のほか、白色申告者の専従者控除を現行の三十万円から四十万円に引き上げ、また、医療費控除の拡充を図る等、所要の改正を行うことといたしております。
 次に、法人税法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 法人税につきましては、昭和四十九年度に税率の引き上げを含む大きな改正を行ったばかりであり、昭和五十年度においては最小限の手直しを行うにとどめております。
 すなわち、中小企業の内部留保の充実に資するため、同族会社の留保所得課税について、その定額控除を一千万円から一千五百万円に引き上げますほか、改正商法の施行に伴い、会計監査人の監査を要する等の理由により決算の確定がおくれることとなる法人について、一定の条件のもとに、申告期限を一月延長することができる等の制度を設けることといたしております。
 最後に、租税特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 租税特別措置につきましては、利子、配当課税の特例及び土地譲渡所得課税の特例の見直しを初めとして、引き続きその整理合理化を推進するとともに、福祉対策、公害対策その他に資するため、所要の措置を講ずることといたしております。
 すなわち、まず第一に、利子、配当課税の改善合理化を図る見地から、源泉分離選択課税制度の選択税率を二五%から三〇%に引き上げるとともに、その適用期限を五年延長することといたしております。
 第二に、土地譲渡所得課税の適正化を図るため、個人の長期譲渡所得の分離比例課税制度は適用期限の到来とともに廃止し、新たに五年間の時限措置として、譲渡益二千万円以下の部分については、二〇%の税率により課税し、譲渡益二千万円超の部分については、本則の二分の一総合課税にかえて四分の三総合課税とすることとし、また、短期譲渡所得の分離重課制度の適用期限を五年延長することといたしております。
 第三に、海外投資等損失準備金について、先進地域に対する投融資で、資源開発以外のものに係る制度を廃止いたす等、既存の特別措置の整理合理化を行うことといたしております。
 第四に、農地に対する相続税について、その一部の納税を猶予して、次の相続まで、または二十年間農業を継続した場合には、納付を免除する制度を創設することといたしております。
 第五に、福祉対策に資するため、老年者年金特別控除額の引き上げを行い、また、公害対策の観点から、昭和五十一年度の自動車排出ガス規制に適合する乗用自動車の開発普及に資するため、物品税の暫定軽減措置を講ずる等、所要の措置を講ずることといたしております。
 以上、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第でございます。(拍手)
     ————◇—————
 所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出)、法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

発言情報

speech_id: 107505254X00619750214_013

発言者: 大平正芳

speaker_id: 28089

日付: 1975-02-14

院: 衆議院

会議名: 本会議