三木武夫の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(三木武夫君) 野田君の御質問にお答えをいたします。
私に対しての第一の御質問は、間接税の比率をもう少しふやすべきではないかという御質問であったわけです。
野田議員も御指摘のように、ヨーロッパの主要国は半々の国が多いわけでありますが、日本は七三・五%程度所得税に比重をかけておるわけであります。近時、やはりもう少し間接税に比重をかけるべきだという声が高くなっておることも事実でございます。しかし、間接税は一律の課税でございますから、税は取りやすい一面があると同時に、また一方においては、非常に負担の不公平という問題も起こってまいりますから、この点は、税制調査会で十分に検討をいたしてまいりたいと思うわけでございます。
また、第二の御質問は、福祉という問題について私の所信を求められましたが、これは、私は広い意味で福祉というものを考えておるものでございます。
お互いに、人生にはたくさんな共通の不安を持っておる、生まれてから死ぬまでの間。あるいは生活の不安、失業の不安、病気の不安、子供の教育の不安、老後の不安、こういう不安というものに対して、これをできるだけ解消していくということが福祉政策だと考えておるわけでございます。
しかし、いま言ったような広範な人間の不安にこたえるためには、全部政府や公共団体というわけにもいかない。どうしても、これからは低成長時代に入ってきて、国の歳入面についても限界がございましょうし、その中で福祉政策を進めていくためには、国民の皆さんからも相当な負担を覚悟してもらわなければならぬ。そういうことになってくると、福祉政策の背景をなすものは、社会連帯の精神、相互扶助の精神、これがなければ福祉を推進していくわけにはいかない。それを、いま御指摘のように、福祉ということは全部他人に対して依存する、みずからというものよりも、全部他人に依存するというような風潮を助長することは、とてもそれを賄い切れるものではないわけであります。
文芸春秋は私も読んだ一人でございますが、ああいう点で、全部他人の責任に福祉という問題を転嫁する風潮は、これは常に社会的な不満というものを助長することになりますから、やはりみずからも責任を果たす、そういう意味において、社会連帯の精神というものが非常に強く社会の中になければ、高度福祉の社会というものは建設できるものではない。野田さんのお話の点、非常に私も同感をいたしますとともに、福祉政策はどうしても今後政府は進めてまいって、日本の安定した福祉的な社会建設のために、今後とも努力をいたしたい考えでございます。(拍手)