荒舩清十郎の発言 (本会議)

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○荒舩清十郎君 ただいま議題となりました昭和五十年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
 この予算三案は、去る一月二十四日に予算委員会に付託され、同月二十九日、政府から提案理由の説明があり、翌三十日より質疑に入り、その後、公聴会、分科会を合わせて二十九日間審議を行い、本日、討論採決をいたしたものであります。
 なお、総予算に関連し、総括質疑終了後三日間を当て、参考人四十五名の出席を求め、金融機関のあり方、排気ガス規制等公害問題、中小企業対策、社会保障等の諸問題について、主として、社会的不公正の是正という観点に立って、集中審議が行われたことを申し添えておきます。
 まず、予算の規模等について、簡単に申し上げます。
 一般会計予算額は、歳入、歳出とも二十一兆二千八百八十八億円でありまして、前年度当初予算額に比べ二四・五%の増加であり、歳入のうち公債金収入は二兆円で、歳入総額の九・四%となっております。特別会計は、木船再保険特別会計の廃止に伴い、その数四十一と相なっており、政府関係機関の数は、前年度と同様、十五となっております。
 次に、質疑は、総予算に関連して国政各般にわたって行われましたが、ここでは、二、三の点について申し上げます。
 第一は、税制であります。
 質疑は、租税特別措置、資産再評価税等多岐にわたって行われましたが、特に減税について、巨額な自然増収に対する減税の割合は五・七%で、例年より著しく低く、大衆課税の強化となっているのではないか、また、利子、配当所得の特別措置の五カ年間の延長は、高額所得者に対する優遇であって、社会的公正を欠いているのではないかとの趣旨の質疑が行われ、政府より、明年度は二千五十億円の減税のほかに、四十九年度の大幅減税の平年度化分として約四千五百億円の減税効果が見込まれておるし、他方、歳入の確保についても意を用いねばならなかったことについて理解してほしい。所得税減税については、従来から低所得層に厚くしているので、大衆課税の強化とはなっていない。利子、配当所得について総合課税にすることは望ましいが、現在の行政能力では所得を十分に捕捉し得ないので、なお五カ年間の猶余期間をもって、課税の公平を期するため諸般の検討をしたいとの趣旨の答弁がありました。
 第二は、銀行行政についてであります。
 本問題につきましては、特に都市銀行のもうけ過ぎ、貸し出し方針等、経営上のマナーと銀行行政のあり方等についてただされましたが、特に、歩積み両建て等の拘束性預金を強要している現状には許しがたいものがあるが、政府の見解はどうか、この際、銀行の社会的責任を明確にするため、銀行法の改正を行う考えはないかとの趣旨の質疑が行われ、政府より、拘束性預金について、行き過ぎた例のあることは遺憾である、この際、改めて銀行局長通達を出し、自粛の徹底に努めるとともに、不当な事例については、従来にも増して厳しい責任の追及を行う、また、銀行法の改正については、慎重に検討していきたいと考えているとの趣旨の答弁がありました。
 なお、預金の目減り対策について、特に金融界の代表を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしましたが、いずれも、預金者に対し、金融機関の負担力の範囲内で何らかの措置を講じたいとの意見が述べられ、政府からも、本問題について、現在検討を進めており、遠からず実行に移すべく努力中であるとの答弁がありました。
 次に、中東和平に関し、過般行われた内閣総理大臣の施政方針演説において、問題解決の基本方針として、総理大臣は、国連安全保障理事会決議二百四十二号の実行を求めているほか、特に、パレスチナ人の正当な権利は、国連憲章に基づき承認さるべきもの云々と、パレスチナ人の民族自決権を明確にうたっているのに、外務大臣の外交演説では、単に、安保理事会決議二百四十二号に触れているのみで、民族自決権については、全然触れていない。このことは、総理大臣と外務大臣との間の政策上の食い違いであると認められるので、外務大臣は、衆参両院の本会議において、外交演説の訂正を行うべきではないかとの質疑が行われました。
 これに対し、内閣総理大臣より、わが国は、一九七一年及び七二年にパレスチナ人の民族自決権に関する国連の決議に賛成しており、自来、政府は一貫してこの方針を堅持しているので、外交演説も、当然この方針を前提として行われているものである。施政方針演説の起草に当たっては、外務大臣も十分意見を述べており、政策上、何らの食い違いはないから訂正する必要はない。また、総理大臣の施政方針演説は、政府の方針を代表するものであるとの趣旨の答弁が行われ、外務大臣より一施政方針演説と外交演説とは、十分に調整を図りつつ書かれたものである、外交演説でも、施政方針演説と同様のことを述べることも、一つの考えであると思われたが、この種の問題は、総理大臣の演説として述べられるならば、世界に与える印象及びその効果がはっきりあらわれると考え、あえて重複を避けたのであるとの趣旨の答弁が行われましたが、質疑者より、右の答弁では了承し得ないと、重ねて、外交演説の訂正方につき強い要求がありましたので、この際、御報告申し上げます。
 今後とも、パレスチナ民族自決権につき、総理大臣と外務大臣との間に、意見の相違があるがごとき誤解を内外に与えないように十分注意されるよう、理事会の申し合わせがございましたことを、特に申し添えます。
 総予算に関連しては、以上のほか、核持ち込み問題石油タンクの事故、自動車排気ガス規制の諸問題社会保障、不況対策、物価と賃金との関係、独占禁止法の改正問題、食糧の自給と農業政策、地方行政及び財政、労働問題、文教行政、海外経済協力のあり方、同和対策、予算の国会提出時期、外為会計の債務保証、政治資金規正法の改正問題等、国政各般にわたって、きわめて熱心に質疑が行われましたが、詳細は会議録により御承知を願いたいと存じます。
 かくして、本日、質疑終了後、日本社会党及び公明党両党共同提案による、また、日本共産党・革新共同から、さらに民社党から、予算三案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議が、それぞれ提出され、趣旨説明が行われた後、予算三案及びそれぞれの動議を一括して討論に付しましたところ、自由民主党は、政府原案に賛成、それぞれの動議に反対、日本社会党及び公明党は、両党共同提案の動議に賛成、政府原案及び他党の動議に反対、日本共産党・革新共同は、同党提案の動議に賛成、政府原案及び他党の動議に反対、民社党は、同党提案の動議に賛成、政府原案及び他党の動議に反対の討論を行い、採決の結果、各動議は否決され、予算三案は、多数をもって、政府原案のとおり可決すべきものと決した次第でございます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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発言情報

speech_id: 107505254X01019750304_012

発言者: 荒舩清十郎

speaker_id: 24337

日付: 1975-03-04

院: 衆議院

会議名: 本会議