金子みつの発言 (社会労働委員会)

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○金子(み)委員 厚生省は先ごろ厚生白書をおまとめになって、まだ私どもはその実物を拝見しておりませんけれども、新聞発表でその中身の概略を拝見することができました。その厚生白書の中には、社会保障全体の水準と所得保障の問題、あるいは医療保障の問題、そしてさらに社会福祉サービスの問題というふうに、三つの部門に分けてそれぞれ現状分析して、問題点などを提起しておありになったと思います。
 私、本日厚生大臣に御所見を伺いたいと思っておりますのは、この中の医療保障の問題だけを取り出したいと思うのでございますが、実はその要約された、新聞発表されました中から拝見いたしますと、医療は——一わが国の医療はということですが、国際的にも見劣りしない状況にあるというふうになっておりました。これと同じような言葉は「厚生の指標」すなわち国民衛生の動向の中にも「医療の概況」中に載せられております。「欧米諸国に比して遜色を示すものではない」というようなことが書かれているわけでございますが、私、この点について伺いたいと思いますのは、本当にそのとおりだと認識していらっしゃるだろうかということなんです。と申しますのは、これは要するに医学界の自負であるとか、あるいは政府の自画自賛になっていやしないかという懸念があるからなんでございます。
 と申しますのは、申し上げるまでもございませんけれども、医療というのは医学の人間への応用でございますから、単なる学問だけではないし、また医術だけの問題でもないはずでございます。病人のためのいわゆる診断、治療を含め、あるいは療養生活をしている病人のための総合的な医療のケアでなければならないというふうに考えるわけでございますが、その観点から見ますと、必ずしも日本の医療は満足すべき状態ではないし、国際水準に比べても見劣りがしない状態にあるかどうかということを、もう一遍謙虚に考えてみていただきたいわけです。
 たとえば、問題になっております医師や看護婦その他の医療従事者の不足でありますとか、あるいは救急医療はよく話に出ます患者のたらい回しの問題でございますとか、あるいは僻地医療問題あるいは無医地域の解消はできてなくて、そこには保健婦を代行させて済ましておくとか、あるいはリハビリテーション施設は不備だし不足だし、さらには公私病院の経営の赤字の問題あるいは入院患者からの差額徴収の問題というふうに、いわゆる医療として、国民にサービスとして加えられる医学の応用部門につきましては、必ずしもこれでよろしいという状態ではないし、外国に比べて遜色を示してはいないというふうに言い切れるかどうかということについて、私は、大臣はどのように考えていらっしゃるのだろうか、これでいいと思われていたら大変だと思うわけでございます。というのは、国民は一体いつになったら安心して、必要な医療をいつでも受けることができるんだろうかということを期待しているわけなんですけれども、それがなかなか行われていない実情でございますから、私はこの言葉にちょっとひっかかったわけです。
 そこで、大臣はまさかそれはそのとおり真実信じていらっしゃるのじゃないと思いますけれども、本当にそのことについてはどうお考えになっていらっしゃるのか、お考えを伺わせていただきたいと思うわけでございます。

発言情報

speech_id: 107604410X00819751218_009

発言者: 金子みつ

speaker_id: 24663

日付: 1975-12-18

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会