金子みつの発言 (社会労働委員会)
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○金子(み)委員 わかりました。大体見当がつきました。前向きということの意味が非常にむずかしいのですけれども、先へ急がせていただきます。
そこで、続きになります。厚生省がお出しになった指導要領の中で「基準入院サービスの水準」というのが決められていますね。この水準は「最高水準ではない」と断っていらっしゃる。「標準的な在り方」なんだというふうに断わっておられるわけですけれども、ざらにその中身として「純医学的見地からのみの基準設定ではない。」これは言葉をかえれば制限診療である、こういうことに解釈していいんじゃないかというふうに理解します。それから「被保険者の生活習慣や経済状態に適応させる」というふうにも言っておられますから、言葉をかえれば、被保険者には自己負担をさせないとか、あるいはこれはできるだけ少なくするという意味に理解できる、こういうふうに解釈できるわけでございます。
そこで、「当面の目標」というのが示されております。「当面の目標」を拝見しますと、「看護部門では、付添看護婦(人)を必要としない程度にゆきとどいた看護が行われていること。」これが当面の目標ですね。「給食部門では、補食を必要としない食事が供されていること。」それから「家政部門では、寝具類を持込む必要のない入院であること。」これが当面の目標になっているわけでございます。
そこで、この「当面の目標」に合わせて通牒が出ておりますね。基準看護の「承認の取扱い」というところの説明を読みますと、「基準入院サービスの承認を受けた保険医療機関に入院する患者は、すべて基準入院サービスを受けなければならないし、また保険医療機関側も受けさせなければならない。たとえば、重症患者だけ基準入院サービスから除外して付添看護婦をつけることは、たとえ患者の希望であっても認められない」非常に厳しく制限されております。また、「直営サービスであること」というところで、「看護については当該保険医療機関の看護婦及び准看護婦が自身で、又は当該保険医療機関の看護助手を協力させて、患者の病状に応じた一切の看護を行うものであり」というふうにも示されております。ですから、言葉をかえれば、病院に入院した被保険者の患者は「患者の負担による付添看護が行われているものであってはならないこと」という、このことがあちらにもこちらにも細かく規定されているわけでございますね。これを受けて通牒も出ているわけでございますね。はっきり出ています。
通牒を読む時間がありませんから省きますけれども、そういうなにがされているのに、現在は基準看護承認病院に入院している患者さんが付添人をつけて、その料金を支払っているという実情があることを御存じだと思うのです。知らないとはおっしゃらないと思いますが、それが国立病院にも国立療養所にもあるわけですよ。国立だけではなくて、公立にも私立にも、とにかく日本のあらゆる病院にそういうものが現在存在しているということになるわけです。それでたとえば国立の場合なんか——厚生省の方だから特に私は国立を重要視するわけですけれども、五十二カ所の病院に対して調査した結果、その中で回答を寄せない病院もあったわけですけれども、回答を寄せてきた病院の中から数えますと、三十七施設が有料付添人、これは要するに患者が負担しているわけですね、そういうところが三十七施設あって、多いところは十八名も二十四名もというふうに置いているのですね。これは国立ですよ。こういうところがあるということがわかりました。
その中で、実は実例を一つ申し上げて厚生省の御見解をいただきたいのです。患者が個人で付添人をつけてはならないはずの病院に入っていてつけているという事実と、さらにそれについて患者が付添看護料を支払っているという事実ですね。基準看護承認病院でございますから十分なサービス、「ゆきとどいた看護」と書いてありましたね。「看護婦(人)を必要としない程度にゆきとどいた看護」と書いてあります。それが受けられるはずだと思って入ったのに、ですから言葉をかえれば基準看護料を入院料のはかに追加して支払っているわけですね。ところがそれが実態としてはそうじゃなくて、また別につけなければならない。そしてまた別に付添料を払わせられますから、看護料については二重払い、こういうことですね。患者にとってはだまされたという感じがするわけです。こういう実態が本当にあってはならないと思うのですが、そういうことは抽象的に言っていてもしようがないですから具体例を一つ申し上げます。一事が万事ということで、同じような例は幾つもあるのですけれども、一つだけ申し上げます。
これは一昨日の予算要求行動のときに私どもの川俣議員から質問として出されましたので、医務局長、そのとき御出席だった方は御存じだと思いますけれども、これはこういう例です。六十一歳になる方ですが、国立大蔵病院に入りました。そして網膜剥離の手術を受けて入院したわけです。ところが入院するときに主治医、眼科の先生ですが、医長さんから、退院後半額は返ってくるから付添婦をつけた方がいいと言われて、付き添いをつけてしまった。この人がお医者さんの言うことを信じて、退院後社会保険に付添料の半額の返却を求めましたところが、それは基準看護承認病院ですからだめです、支払えませんと言われて、全額自分で支払いをした。これは三十万円かかったわけですね。こういうケースはたくさんあるのですよ。たとえば、入院すると、手術なんかするようなことになりますと、「病院の方でお世話はいたしますけれども、御心配なようでしたら家族の方がおつきになってはいかがですか」という言い方があります。そこで家族をつけたいと思っても、家族もその手がない。「そうですか、それではお世話いたしましょうか」と大変親切に言ってくれるのですが、こうやって違反をさせられてしまっているという事例がたくさんあるわけですよ。
そこで私は、この国立大蔵病院のことは事実だったかどうかというのをお調べくださるということでしたから、そのお調べの結果については医務局長から御答弁いただきたいし、こういう、患者が看護料の二重払いをしている病院をほっておくのかということについて保険局長から御答弁がいただきたいと思います。