松浦利尚の発言 (大蔵委員会)
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○松浦(利)委員 結局、財政制度審議会が示した一番高いところの減収ということに、オーバーしてしまったというところに来たわけですね。ですから、今度のこの赤字公債の発行というまことに異例中の異例、財政法では認めておらないから特例法を出さざるを得ないという状況、しかも建設国債というものもただし書き条項ですから、原則としてはこの建設公債自体もただし書きのものであって本来のものではない。そういう状態が今日生まれてきているわけですね。これは大蔵大臣が穴があったら入りたいぐらいの責任を感じておると言われたのですが、私はそれくらいの反省は当然だし、当然国民に対してそういった気持ち、謝罪というものは大蔵全体としてあってしかるべきだと思うのですね。ということになりますと、逆に言うと財政運営の失敗というものあるいは三木内閣の見通しの誤りというものが今日のこの特例債というものを出さざるを得ないというところに来たわけですね。
御案内のとおり、政府の言うところではこの特例債というのは十年償還でありますから、後世代にツケを回すわけですね。この公債というのは、元金と金利について後世代の皆さんにツケを回すということになるわけですよ。そういうことになってまいりますと、一体そのツケはどういう形で将来の国民にツケを回すのか、もっと平たく言えばどういう形で償還をしてもらうのかということは、私はこの問題を審議する上で非常に重大な——財政運営の失敗を特例債という赤字公債で私たちは穴埋めせざるを得ない、しかもそれは多額に上っておる。それをわれわれ十年間かかって後世代の人たちにツケを回すということになりますと、一体国民に対してどういう形でツケを回すのかというのが償還計画でなければならぬと私は思うのです。
だからこの特例債は三条になっておって、三条に償還計画を国会に出せということが明記されておるのですね。この償還計画というのは赤字公債に対する一つの歯どめですよ。ところが、その償還計画を予算委員会で阿部委員が質問をした、質問をした結果出てきたものはただ単なる文章表現、三条項にわたって出されただけですね。これは償還計画でないのですよ、これは文章なんですね。いまの大蔵省では文章が償還計画だと思っておられるなら私は何をか言わんやだけれども、数字に明るい大蔵省の皆さんがこんな文章で償還計画でございますなどと言うのはあり得ないことだと思う。
予算委員会を通過した後の各大きな新聞社の社説をずっと——予算委員会が十四日間にわたって衆議院、参議院七日ずつ終わりましたが、何と書いてあったか。その赤字公債のところを抜粋いたしますと、「今日の財政危機問題の核心は、赤字国債を含む巨額の公債増発が、今年度の補正予算だけでなく、来年度以降も避けられない情勢にあることだ。とすれば、このような継続的な国債増発が果たしてインフレを招かぬかどうか、その安易な発行を防ぐ歯止めは一体なにか、」これは償還計画だ。「財政再建と国債償還計画は一体どうなっているのか」経済情勢がきわめて不透明なとき、財政再建の構想を出すのはむずかしいけれども、過去におけるデフレーターもある、あるいはいろいろな意味の学者その他のいろいろなチータが出されておる、そういったものを政策判断の一つの資料として、財政制度審議会がこうして予測したように財政計画を出すべきではないか。そのことを私は衆参の予算委員会が終わった後の各新聞社の社説に読み取ることができたのです。
そのことは逆に言うと、補正予算を審議した予算委員会ではこうした問題がきわめて安易に流れておるのだ。これは与党とか野党とかは別ですよ、後世代の国民にツケを回すわけですから。これから来年度、五十一年度の予算編成なりあるいは赤字公債発行の枠、そういったものについても、私はここに経済企画庁が出したいろいろな資料を持ってきておりますから、これでいろいろ議論を詰めてまいりますが、その前に一体大蔵省というのは償還計画というのをどう考えておるのか。こういう三行のただ単なる字句の羅列で、これで償還計画だ、国民が納得すると思っておられるのか。逆に言うと、そういう安易な考え方というのは、新聞というものが世論を代表しておるとすれば、ほとんどの社説が吐いておるように一体償還計画はどうなるのかということをもっとはっきりしてくれ、こう言って訴えておるのですね。
ということは、私はそのことを明らかにすることが予算委員会の一つの大きな目的でなければならぬと思うのです。だとするなら、もう予算委員会が済んでから相当の期間がたちましたが、なぜ償還計画を出さないのか。確かに経済が不透明だという困難な問題もあるでしょう。しかし、どこだって経済の見通しとかいうようなものは仮説の上に立って一つのものをつくり上げるのですよ。大蔵省には優秀な頭脳もある、コンピューターもある、そういったものを駆使してこういう場合、こういう場合、こいう場合ということの一つの仮定の上に立った数字を分析してみるべきだ。そしてそれをここに出してみるべきだ。償還計画はこうします、五十一年度はこう、五十二年度はこうだ、五十三年度はこうだということをなぜ出そうとしないのですか。われわれに一体何を審議せよというのですか、この大蔵委員会は。予算委員会と同じことをここで議論せよと求めるのか。私、そうじゃないと思う。この際、はっきりした償還計画を出してください。そういう償還計画を出すことが予算委員会の二番せんじにならない、国民の負託にこたえる与野党の務めだと私は思う。本委員会の務めだと思う。早くそのあれを出してください。予算委員会が過ぎてもう大分にたっております。社説は大蔵当局も読んでいるはずです。その償還計画を出してください。