福田赳夫の発言 (物価等対策特別委員会)
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○国務大臣(福田赳夫君) 確かに通産省それから経企庁、これは置かれておる立場、主管しておる仕事、その関係上若干の違いはあるんです。まあ通産省は直接業界にタッチしておる、そこでどうしても景気を早く早くと、こういう気持ちになりがちであります。企画庁といたしましては、また世界の中における日本経済ということを踏まえまして、そしてインフレのない成長ということを旨として行動すると、こういうことで多少若干ニュアンスの違いがあることは事実なんです。事実であるけれども、政府として一体どういうふうな見解だということになれば、これはその違いを乗り越えて方針なり対策なりを決めていかなければならぬ。
そこで、いまの景気の局面は一体どういうふうに見ておるかというと、確かにことしの三月を底といたしまして、日本の経済は傾向的には上昇カーブになっております。ことしはもう世界じゅうが大混乱、総落ち込みの年でありまして、これはプラス成長になる国はどこにもないんです。ひとりわが国のみが二%を若干上回る実質成長をなし遂げようとしておる、そういう中で日本の企業におきましては大変な不況感を持っておるわけです。事実業績の悪化という現象が出ておりますが、これは、外国におきましては不況がずっとひどいわけでありますが、それにもかかわらずわが国において外国よりもさらに深刻な不況という状態になっておるのは何かというと、終身雇用体制をとっておりますので、原則として解雇ということがない。そこで、人件費——遊びになる人手に対する人件費ですね、それに対する負担が企業を圧迫する。それから、遊びになるのは人手ばかりじゃなくて設備も遊びが出るわけでありますが、諸外国におきましてはその設備に対しまして、これは自己資本が大方使われておるのに反しまして、わが国におきましては大方借入資本でやっておる。それで金利負担というものが企業を圧迫する。そこで、生産は全体としてはふえる傾向の中で一つ一つの企業の業績が悪化する、そこに問題があるんです。
そこで、それがための対策はどういうふうにしなければならぬかといいますと、まあ仕事をつくるほかない。人手の遊び、それから設備の遊びをなくする方向の政策をとるほかはない。そこで、逐次仕事をつくるための施策を進めておるわけでございますが、まあ第四次不況対策は、これはかなりの規模のものでありましたが、かなりその実施が立ちおくれてきておるということを率直にこれは認めざるを得ないのであります。しかし、そだけに一——三にそれらの効果が集中して起こってくる、こういうふうに考えますので、まあ十——十二月期、第三・四半期の成長というものはそう期待はできませんけれども、一——三の方はかなりのものは期待できようかと、こういうふうに考えます。その勢いを五十一年度につなげていこう、こういう考え方をいたしておるわけで、まあ私は調整には三年かかると申し上げましたが、その五十一年度は三年度目に当たるわけであります。この年に大体景気を上昇軌道に乗っける、同時にインフレにつきましてもさらに鎮静化を進めるというあらかたの安定工作を終えたい、こういうふうに考えております。