福田赳夫の発言 (物価等対策特別委員会)
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○国務大臣(福田赳夫君) 政治家といたしまして減税、所得税減税をする、これはできればしたいという気持ちはこれはもう対馬さんに劣らず持っておるんですが、さて、現在の財政経済の状態を見ると、それができるかということになると、なかなかこれはむずかしゅうございます。いまアメリカだとかヨーロッパのお話がありましたが、私はヨーロッパの人と話し合いませんが、この間陛下のお供をしてアメリカへ参り、そしてこれからお互いに景気浮揚政策をとろうじゃないかと、意見の交換をしますと、アメリカの方では、私の方では公共事業もやるが、減税も大幅にやる、これで景気回復を実現するんだということを申しておりました。それに対して私は、私の方では減税はむずかしいんだが、公共事業中心でやるんだという話をいたしますと、実は公共事業に適当なものがあれば当方でもそれをやりたいと、アメリカでは言うんです。しかしそれをやる種がないんだと、もう道路にしても港湾にしても治山治水にしても、もう整備されておりましてね、そういう種がない。日本とすれば公共事業中、心にやるということがこれは賢明でしょう、こういうようなことを申しておりましたが、それはそれといたしまして、減税をやるということになると財源が要るんです。何のために一体減税をするんだということになると、景気を刺激するためにやるんだということでありますが、その同じ財源を使いまして、いま三千億という話ですが、三千億の金があって減税をする。そうすると、まあ課税最低限は、これは幾らか上がりまして、何がしかの人がそれに均てんをするわけでございますが、その効果というものはその均てんをいたしました人に限られるわけであります。またその均てんをした人に購買力を与えるというだけにとどまるわけです。ところが、その同じ財源を、いま大事なのは何であるといえば景気だと、その景気対策のためにやるんだ、その三千億円の同じ財源をさあ住宅でありますとか下水道でありますとか、そういうことに使いますれば、これはその個人消費の場合と違って、何倍かの力となって大衆需要を引き起こすと、こういうことになるんです。同時に雇用対策の面からいいまして、これは相当大きな効果があるわけであります。そういうことを考えますと、同じ財源でしかも問題は景気対策だということになればこれはどうしても公共投資、そちらの方に目を向けざるを得ない。財源があり余ればまあ所得税減税ということも考えられるかもしれませんけれども、とにかく特例公債を出してまでやっていこうという財政です。その特例公債を財源とする貴重な三千億の財源ということがありますれば、これはまず住宅だとか、上下水道でありますとか、治山治水でありますとか、農山村の整備でありますとか、そういう方に使う。この方がよほど効率的である、こういうふうな見解でございます。