竹田四郎の発言 (外務委員会)

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○竹田四郎君 貸し付け融資額を見ていきますと、ブラジルとかアルゼンチンとかメキシコとか、こういうところがかなり圧倒的に高いというふうに見てもいいわけですが、一人当たりの国民所得を見てみましても、これらの国々というのはかなり高いように私は思うんです。最大だとは言えませんけれども、かなり高い国々がその資金を多く使っている。むしろ、民度を上げていく、そういう立場でこういうものは私は原則的には利用されなければならない、こういうふうに思うわけでありますけれども、たとえば、多いところでアルゼンチンというのは七三年に国民所得が一人当たり千六百四十USドルですか、こういうふうになっておりますし、ブラジルにいたしましても七百六十ですから平均より高いところにある。あるいはメキシコにいたしましても八百九十USドルという形で高いところに集中している。本来ならもう少し低いところ、低い国がまだまだあるわけですよ、三百三十とかあるいは五百台のところもかなりある。あるいはハイチなどは百三十、こういう低いところがあるわけですが、むしろそういうところの産業を開発していくというふうに私は使わるべきじゃないか。そういう意味では米州開発銀行のいままでのやり方というのが、最近における南北問題とか、そういう立場から見ますと大変奇異な感じを受けるわけでありまして、いままでのアメリカの植民地経営の一種としての融資というふうな感じすらするわけです。しかも、ブラジル、アルゼンチン、あるいはチリのことは有名でありますけれども、こういう国々というのは、いずれも軍事独裁国家の様相を現実には示しているわけです。そして、その後ろには、どうもブラジルの政変、こういうことを見ましても、後ろにはアメリカの石油の多国籍企業というようなものが介在しているんではないだろうか。あるいはチリの政変についても、チリは余りいま関係がないようでありますけれども、チリの政変にいたしましても、これはアメリカの上院の調査で明らかなように、ITTやあるいはCIAというものがかんでいた、こういうことが明らかであるわけであります。そういう意味では、確かに米州開発銀行の方針というのはそういう政治的なものにかかずらわってはいけないということが明確に規定されておるにもかかわらず、われわれとしてはそうした多国籍企業というものの介入といいますか、そういうものが現にあることは、これは私は事実であろうと思うんです。しかも、そういう国々にたくさんの金がいっている。今度はわれわれの国民の税金もそれに入っていくということになりますと、日本国憲法の条章に関連してもこれはちょっと何か奇異な感じを抱かざるを得ないということなんですよ。いままでの長い米州銀行の歴史があったと言えばそれまででありますけれども、その辺には何か大きな変化といいますか、そういうものを国民に明らかにしていただかないと、せっかく、われわれの金がそうしたところの非民主的な国のために使われる、そういう政府のために使われるということになりますと、何かトラブルメーカー的に金を出してやっている、こういう印象を私は免れないと思うんですよ。その点は加盟とともにどう改善していかれるのか、その辺をはっきりしていただきたいということだと思いますね。だから、見まして、どうも本当に民度を上げていくという開発ではなしに、こうした国々の原材料をより多く各国に売って、米州の一次産品、その後ろには、さっき申し上げましたようにアメリカ合衆国の圧倒的優位のもとに、具体的には中進国といいますか、あるいは後進国といいますか、途上国の名前によって強力な輸出推進が行われていく、そして、一層植民地経済の様相というものが深まっていく可能性というものも全然ネグレクトするわけにはいかないんじゃないかという気がするんですが、その辺は、やはり政府として加盟をするということであるならば明確にしてもらわないと、私はどうも国民として納得できないんじゃないかと思うわけですが、いかがですか。

発言情報

speech_id: 107713968X00719760520_016

発言者: 竹田四郎

speaker_id: 7692

日付: 1976-05-20

院: 参議院

会議名: 外務委員会