菊地清明の発言 (外務委員会)
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○政府委員(菊地清明君) ただいまの御質問でございますけれども、まず、事実関係から申し上げますと、確かに御指摘のとおり、金額的に見ますとブラジル、アルゼンチン、メキシコ、ペルーその他に対する融資が通常業務基金の方も、それからいわゆるソフトローンを出すために設けられました特別業務基金の方からも、これらの国は一番融資を受けているわけでございます。ですけれども、これをもっとしさいに検討してみますと、特別業務基金の方がブラジル、アルゼンチンとか中進的なところに向けられた場合には、多くの場合、その国のインフラ的な部門に対する融資の場合に特別業務基金の方から使われているということが一つ。第二番目といたしましては、確かに絶対額ではブラジル、アルゼンチンにいっている金額は多うございますけれども、これを頭割りで見たというような場合には、必ずしもこのブラジル、アルゼンチンに多くいってないで、むしろ、よりおくれた、開発のおくれた国の方にいっているという事実がございます。それから第三点といたしましては、同じ特別業務基金から融資する場合でも、より開発のおくれた国に対する場合の融資の条件が最も寛大な条件になっております。つまり、特別業務基金というのは一%ないし四%の金利でございますが、その下限の方で後発の途上国に対しては融資をしておるという状況でございます。
それからその次の御指摘の点でございますが、米州開発銀行はその協定によりまして、非政治的に運営されるべきことが決められておりまして、あくまでも目的は米州地域内の特に発展途上国の社会経済開発に寄与するということが最大の眼目でございます。それからしかも、その運営に当たりましては域内の途上国、つまり融資を受ける側の国の意思を最も尊重すべきである。そういった国々のニーズといいますか、それを最優先すべきであるということがこの米州開発銀行の協定を貫いている思想でございまして、先ほどもちょっと申し上げましたように、域内の発展途上国、借り入れ国側に五三・五%以上という発言権が、投票権が確保されているわけでございます。したがいまして、域内の発展途上国の希望というものが最優先されて運営されているということによりまして、いわば民主的に運営されているということが言えるのではないかと思います。
それから、域外国の加盟と同時にどういう点が改善されるかという御質問でございますけれども、域外国はあくまでも資金供給といいますか、開発資金の需要にこたえていくということでございます。しかしながら、同時に、域外国も各国一人ずつ総務会に対する総務を出せますし、それから域外国十二カ国で二人の理事を出せることになっておりますので、そういった総務ないし理事を通じて域外国の発言権といいますか、考え方の表明というものは確保されていくのではないかと思います。
それから最後に、多国籍企業のことを申されましたが、米州開発銀行自体に関する限りは、米州地域にある多国籍企業、たとえばアメリカ資本一〇〇%の企業に対しては融資はできないことになっております。これは事実関係として御参考までに申し上げます。
〔委員長退席、理事秦野章君着席〕