大石武一の発言 (農林水産委員会)

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○大石国務大臣 近ごろの農政は、余り農民に押しつけをやらない方向だと私は考えております。余り押しつけをしてはいけないのだと思うのでございます。たとえば、いま申しましたように、今度の災害におきましては、もちろん異常な天候に対しましては、われわれがどのように努力しましても、これは抵抗できません。しかし、それにしても、ある程度の備えや心構えがあれば、ある程度の抵抗はできるわけでございます。今度の場合は異常な天候でありますが、たとえば、そのような品種をなぜ高いところに植えたかというところにも問題があるわけでございます。私は、この災害の視察で岩手県の南山形という地域に参りました。ここは二百三十メートルくらいの高冷地でございます。ここは全部青立ちであります。聞いてみますと、町長さんはこう言いました。ここなんかは昔は米なんか一つもつくれなかった。馬を中心とした畜産地帯であった。それで生活を立てたんだ。ところが、戦後、米はもうかるもうかるということでみんな米をつくる。つくるなと言っても無理につくってしまったために、四百ヘクタールばかりたんぼはできたけれども、しょっちゅう災害に遭って苦しまなければならぬのだという話をされました。私は、これも一つの、農政のいままでのあり方がこうなってきたのだと思うのです。やはり適地適種と申しますか、お互いに稲の品種は一番適当なところに適当なものを植えることが正しかったと思います。それを、農林省の指導もそういう点は足りなかったかもしれません。そういう点で、われわれは農政の過ちも認めますし、また同時に、高度経済成長のことを考えますと、だれでもやはりできるだけ高い所得を得たいという気持ちは無理もないと思います。したがって、米をつくっては適当でないところに開田をして米をつくったり、いろいろな条件があったと思うのでございます。そういうことがやはり今日の冷害の一つの原因になっているのではないかと思います。
 もう一つは、これはちょっと申しにくいことでありますけれども、農民の中に、全部とは申しませんが、必ずしも稲づくりに対して本当に情熱的な働きをしていない人がずいぶんあるのではないかと思うのです。近ごろは—————————米づくりはできると言われております。機械さえ使えば簡単に、八十時間か、何ぼかの金をかければ米はつくれると言われる。金肥をまいて……(発言する者あり)そういうことを言われております。そういうことではいけないと思うのです。私は、言葉が悪ければ取り消しますが、簡単につくれるという考え方が私は間違っていると思う。全り簡単につくれますと、たんぼに対する情熱というものが薄らいでまいると思います。たんぼに対する手入れが少なくなると私は思うのです。そういう意味で、地力が衰え、いろいろなことで冷害に対する抵抗の弱さがあるような気がいたします。そういうことで、そういう正しい指導をできなかった農政の過ちは率直に認めますが、そのようないろいろなことが重なって、今後はやはりもっと適地適産的な物の考え方を中心として農政を進めたいと考えておる次第でございます。

発言情報

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発言者: 大石武一

speaker_id: 23383

日付: 1976-10-07

院: 衆議院

会議名: 農林水産委員会