農林水産委員会

1976-10-07 衆議院 全315発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
昭和五十一年九月三十日(木曜日)委員長の指名
で、次のとおり小委員及び小委員長を選任した。
 いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員
      今井  勇君    加藤 紘一君
      片岡 清一君    染谷  誠君
      中尾 栄一君    丹羽 兵助君
      浜田 幸一君    角屋堅次郎君
      芳賀  貢君    美濃 政市君
      諌山  博君    瀬野栄次郎君
      折小野良一君
 いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員長
                今井  勇君
—————————————————————
昭和五十一年十月七日(木曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 湊  徹郎君
   理事 今井  勇君 理事 片岡 清一君
   理事 菅波  茂君 理事 浜田 幸一君
   理事 井上  泉君 理事 角屋堅次郎君
   理事 中川利三郎君
      加藤 紘一君    笠岡  喬君
      金子 岩三君    吉川 久衛君
      中尾 栄一君    松澤 雄藏君
      森下 元晴君    柴田 健治君
      島田 琢郎君    竹内  猛君
      芳賀  貢君    馬場  昇君
      美濃 政市君   米内山義一郎君
      諫山  博君    津川 武一君
      瀬野栄次郎君    林  孝矩君
      稲富 稜人君    小平  忠君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 大石 武一君
 出席政府委員
        北海道開発庁総
        務監理官    黒田  晃君
        国土庁長官官房
        長       河野 正三君
        農林政務次官  山崎平八郎君
        農林大臣官房長 森  整治君
        農林省農林経済
        局長      吉岡  裕君
        農林省構造改善
        局長      岡安  誠君
        農林省農蚕園芸
        局長      澤邊  守君
        農林省畜産局長 大場 敏彦君
        農林水産技術会
        議事務局長   平松甲子雄君
        食糧庁長官  大河原太一郎君
        林野庁長官   松形 祐堯君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      古橋源六郎君
        国税庁直税部審
        理課長     掃部  實君
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 舘山不二夫君
        農林大臣官房技
        術審議官    川田 則雄君
        農林大臣官房審
        議官      杉山 克己君
        農林省農林経済
        局統計情報部長 有松  晃君
        中小企業庁計画
        部金融課長   松尾 成美君
        気象庁予報部長
        期予報課長   青田 孝義君
        気象庁観測部長 小林寿太郎君
        労働省職業安定
        局特別雇用対策
        課長      清水 傳雄君
        自治大臣官房参
        事官      平岩 金一君
        農林水産委員会
        調査室長    尾崎  毅君
    —————————————
委員の異動
十月六日
 辞任         補欠選任
  山村新治郎君     愛野興一郎君
  折小野良一君     稲富 稜人君
同月七日
 辞任         補欠選任
  稲富 稜人君     小平  忠君
同日
 辞任         補欠選任
  小平  忠君     稲富 稜人君
    —————————————
十月五日
 北海道の昭和五十一年産米の事前売り渡し申し
 込み限度数量増枠に関する請願(岡田春夫君紹
 介)(第二一四号)
 同(島田琢郎君紹介)(第二一五号)
 同(塚田庄平君紹介)(第二一六号)
 同(芳賀貢君紹介)(第二一七号)
 同(美濃政市君紹介)(第二一八号)
 同(安井吉典君紹介)(第二一九号)
 同(横路孝弘君紹介)(第二二〇号)
 農畜産物価格決定に対する農民の団体交渉権立
 法化に関する請願(岡田春夫君紹介)(第二二
 一号)
 同(島田琢郎君紹介)(第二二二号)
 同(塚田庄平君紹介)(第二二三号)
 同(芳賀貢君紹介)(第二二四号)
 同(美濃政市君紹介)(第二二五号)
 同(安井吉典君紹介)(第二二六号)
 同(横路孝弘君紹介)(第二二七号)
 養蚕農家の経営安定に関する請願(小沢貞孝君
 紹介)(第三二九号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第三三〇号)
 同(吉川久衛君紹介)(第三三一号)
 同(倉石忠雄君紹介)(第三三二号)
 同(羽田孜君紹介)(第三三三号)
 南方産広葉樹材の防虫対策に関する請願(小沢
 貞孝君紹介)(第三三四号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第三三五号)
 同(吉川久衛君紹介)(第三三六号)
 同(倉石忠雄君紹介)(第三三七号)
 同(羽田孜君紹介)(第三三八号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件(異常低温による
 農作物の被害状況等)
 派遣委員からの報告聴取
     ————◇—————
この発言だけを見る →
湊徹郎#1
○湊委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 さきに北海道、東北地方における異常低温による農作物の減収状況調査のため、北海道及び東北地方にそれぞれ委員を派遣したのでありますが、この際、派遣委員から報告を聴取したいと思います。片岡清一君。
この発言だけを見る →
片岡清一#2
○片岡委員 私は、去る十月四日から三日間にわたり、北海道における異常低温による農作物の減収状況調査のため派遣されました委員を代表して、調査の概要を御報告申し上げます。
 本委員会から派遣されました委員は、私のほか、芳賀貢委員及び瀬野栄次郎委員でありますが、このほか現地において国会議員三名の参加がありましたことを申し添えます。
 まず、調査いたしました被害地を順を追って申し上げます。
 まず、十月四日は、札幌において道庁から今回の冷害の総括的な説明と要望を、また道議会及び農業各団体からの陳情を聴取いたしまして、直ちに現地に向かい、水稲の激甚被害を受けた空知支庁管内の南幌町及び月形町の被害地を調査いたしたのであります。
 翌五日は、旭川市、和寒町、剣淵町、士別市、名寄市及び富良野市に参り、上川支庁管内における被害状況と陳情を支庁当局から聴取するとともに、現地を調査し、関係者からの被害の実情と強い要望をお聞きしたのでありますが、この地域は特に著しい被害をこうむった水稲及び豆類の耕作地帯であります。
 六日は、江別市に参り、石狩支庁管内の被害状況と陳情を聴取いたしました後、江別市、広島町、恵庭市、千歳市の水稲被害地域を調査し、三日間にわたる調査を完了したのであります。
 次に、今回北海道各地に大きな被害をもたらしました気象状況について、その概要を申し上げます。
 四月上旬は北海道全道にわたり低温であり、道東地方は記録的な大雪に見舞われましたが、その後は月末まで比較的温暖に経過し、五月に入り再び低温になり、中下旬は高温、寡雨、多照で乾燥状態が続き、地域的には降雪や降霜が見られたのであります。六月上旬は温暖に経過したが、中旬に入りオホーツク海高気圧が南下したため曇天が続き、月末まで低温と日照不足が目立ったにもかかわらず、降水量は道南地方を除き全般に少なく、特に道北地方は極端な寡雨状態となり、平年度に比較して六〇%から八五%前後を記録しているのであります。たのため水稲は葉数の増加が緩慢となり、稲作に異常があらわれ始めたのであります。七月は上中旬とも冷涼な高気圧が全道を覆い、天候は概して快晴であったにもかかわらず気温は上がらないまま推移し、この時期が幼穂形成期に当たっていたため幼穂形成に相当のおくれが見られるようになったのであります。下旬に至るや低温から一転して高温と異常気象があらわれ全道的に多照、寡雨状態となり干ばつ傾向となるとともに、地方により降霜が見られたのであります。しかしながら、水稲に見た場合は日照が多かったことが幸いし冷害を思わせた不稔現象は少なくなり、生育は相当程度促進されたようであります。八月に入るや再び低温となりほとんど全期間にわたり大陸から張り出した冷たい高気圧に全道が覆われ、昭和三十一年以来の強い低温を示し、空知支庁管内地方等には一部に降ひょうが見られたのであります。この時期はちょうど登熟期に当たっており、整粒の増加が停滞し、不完全粒が多く見られるようになったのであります。九月は上中旬とも気温はほぼ平年並みに経過したが、下旬に入り山間地帯や道東、道北地方の一部で降霜を見るといった異常低温気象があらわれたのであります。
 以上が現在までの気象の概要であります。
 このように、低温現象が農作物に最も大切なほとんど全期間にわたって起きたため、水稲を初め豆類、牧草、その他各種農作物は激甚な被害を受けておるのであります。
 今回の冷害等による農作物被害の概要を申し上げます。
 被害は九月二十日現在で面積にして五十二万五千ヘクタール、金額にして八百四十一億円に上り、このうち水稲は十八万四千ヘクタールで六百五十六億円、畑作物は三十四万二千ヘクタールで百八十五億円となっており、畑作物の主なものは豆類が六万七千ヘクタールで七十七億円、飼料作物が二十四万五千ヘクタールで五十五億円、野菜が一万ヘクタールで三十四億円、バレイショが九千ヘクタールで八億五千万円のほか、てん菜四億円、果樹四億円等となっているのであります。
 これを支庁別に見ますと、空知支庁管内は水稲被害が特に著しく八万一千ヘクタール、二百六十七億円で、畑作被害と合わせ二百八十一億円となっております。上川支庁管内は水稲三万八千ヘクタール、百二十一億円で、畑作被害と合わせまして百五十八億円、石狩支庁管内は水稲一万九千ヘクタール、八十九億円で、畑作被害と合わせ百五億円、網走支庁管内は七十九億円、十勝支庁管内は六十八億円等となっているのであります。
 この被害額も今後の降霜の有無とその程度によりさらに大きな数字となってあらわれることは必至でありまして、北海道農民にとりましてはまさに未曾有の災害となったのであります。
 次に、今回の農作物被害の概況に触れておきたいと存じます。
 まず水稲でありますが、水稲は生育期の七月中旬、穂ばらみ期の下旬、出穂期の八月上旬までは、何とか日照不足と低温の程度は水稲に強い悪影響を及ぼさずに済む程度に推移してまいったのでありますが、八月中旬に入ってからは、異常低温と著しい日照不足に陥り、その後は一カ月の間連日異常低温が続き、開花受精期という稲作の最も大切な時期がこの異常低温に襲われたのでありまして、出穂し、幾らかの収穫が期待されるものでありましても、稔実不良となり、完熟粒はわずかにまざっているという程度の地域が調査全域に広くあらわれていたのであります。このような受精障害を受けた稲は、手にとって見ればわかりますが、ここに現物がございますが、多くの場合外見で判明することは困難というのが常識であります。さらにこれに加え、穂ばらみ期に一部に発生した葉鞘褐変病は、出穂期に入り全道に広がり、われわれの調査した地域の水稲は、ほとんど全部穂は褐色に変色しておりながら茎がいまだに青く、また穂先が真っすぐに突っ立っているという異常現象となっているのでありまして、遠くからながめた限りではその作柄は容易に判別しがたいのでありますが、手にとって見るか近づいて見れば、被害がいかに著しいものであるかに驚かされたのであります。
 このような被害を受けた農家は、半作の収穫を得ることも困難であると知りながら、営々辛苦、半年の長きにわたる汗とあぶらとの努力の結晶により育て上げた水稲であるだけに、一粒でも多くの収穫を得るために、重い気持ちにみずからむちを当てて降霜予防に励んでいる姿があちこちに見受けられたのでありまして、切々胸に迫るものがあったのであります。
 冷害という特殊な災害は、薫煙による低温緩和という原始的方法が唯一のものであり、これという決め手の防災方法もないため、手の施しようもなく、また災害発生時期も容易に予測できないため、災害対策も結果的にはおくれがちとならざるを得ないものであり、それだけに農家の心残りも多いことと思われるのであります。まことに気の毒にたえないものがあったのであります。
 北海道の農家は内地都府県と異なり、水稲においても耕作の北限地であり、豆類、バレイショ、てん菜等に依存せざるを得ない営農諸条件の劣悪下にあり、昭和二十八年、二十九年、三十年、三十九年、四十一年及び四十六年の冷害等による大凶作の後遺症を背負って営農を維持しているのが農家の実情であります。このような劣悪な条件下にある北海道の農業を維持し、再生産に励まんとする被害農家が、われわれ国政に携わる者に対する救済の期待はいよいよ大きいものがあるのでありまして、われわれはこの実情を胸に刻み、限りない同情と必要可能な限りの救済措置を早急に実施すべく勇気を持ってこれに当たり、被害農家の期待にこたえるべきであると痛感してまいったのであります。
 次に、道並びに地元から異口同音に各種の熱心な要望がありましたが、ここでは要望事項のうち特に重要な点につきまして、調査団の意見を付して申し上げておきたいと存じます。
 第一の要望は、激甚災害法並びに天災融資法に基づく天災資金の早期貸し付けであります。今回の冷害については、激甚災害法の適用をすることは確実でありますが、被害農家の実情を考慮し、早期に貸し付けできるよう特段の措置を講ずるとともに、北海道の農業の特殊性からいたしまして、貸付限度額の引き上げ及び金利の引き下げを図るべきであると思うのであります。
 第二の要望は、自作農維持資金の特別枠の設定による貸し付けと貸付条件の緩和であります。今回のような低温による災害は、公共施設等諸施設に損害を受けていないがゆえに、公共土木事業の実施が容易でなく、したがって、被害農家は救農土木事業等の実施による現金収入の道が少ないのでありまして、現金を得るためには、自作農維持資金の借り入れに頼るほかはないのが実情であります。したがいまして、この維持資金に対する期待が非常に大きいのであります。政府は、この際、十分被害者の要望する融資額を確保するよう、これに必要な資金枠を設置し、早急に貸し付けるとともに、金利の引き下げについても思い切った措置を講じ、被災者の期待にこたえるべきであると思うのであります。
 第三の要望は、農業近代化資金等制度資金について、被害農家の要償還額のうち、償還不能分について償還猶予の措置を講ぜられたいというのであります。北海道における一農家の要償還額は年百万円以上となっているのでありまして、この実態にかんがみまして、償還延期または償還猶予の措置を講ずるにとどまらず、再貸し付けを行う等の措置を講じ、実質的な貸付条件の緩和を図るべきであると存ずるのであります。
 第四の要望は、共済の損害評価基準の緩和と共済金の早期支払いでございます。農業共済における収穫対象となっている損害評価基準のふるいの目は一・七ミリとなっており、これ以上の米はすべて収穫とみなされて共済金の支払い額から差し引かれているのであります。今回の冷害米は粒は大きいのがありましても、青米等で政府買い入れ米の対象とならないものが非常に多く混入しているのであります。この点を考慮し、特別措置を講じて、この基準を緩和し、実情に合致した被害の認定を行い、農民の窮状を参酌し、年内といわず一日も早く共済金の支払いを行うべきであります。
 第五の要望は、低品位米の政府買い上げ措置を講じられたいというのであります。現行農産物検査規格によりますと、五等以上の品位に格づけされた玄米を政府が買い入れると規定されておりますが、特例として、被害が著しい特定の地域において発生した規格外米及び等外米についても買い入れることができる道が開かれておるのでありまして、過去において政府買い入れを行った事例もあるのであります。今回の北海道の冷害による水稲被害は、生育過程における障害が主であります関係上、青米と未熟米の上位すれすれの米が過半量を占めているのであります。この被害の実情にかんがみまして、今回の災害についても、品質の規格を大幅に緩和して政府の買い入れ制度を早急に決定し、全量買い上げ花実施すべきであると思うのであります。
 第六の要望は、他に働く場所を持たない被災農家に対し、現金収入の道を開くため救農土木事業を実施されたいというのであります。前にも述べましたとおり、今回の冷害にあっては、施設被害を受けていない関係上、災害復旧公共土木事業がありませんので、今年度実施予定の土木事業及び明年度予定事業の繰り上げ実施を行うよう、国及び道は了解事項として実施することが必要であると思うのでありまして、若干の無理がありましても災害の実情にかんがみ、鋭意現金収入の道を開いてやるべきであると存ずるのであります。特に地元市町村の要望として、積雪下におきましても実施できる事業として、排水溝の清掃、改修及び設置、暗渠排水、客土、農道及び林道の補修、土地改良、砂利採集事業、国有林及び市町村有林の除間伐事業、治山治水事業等があるとのことでありますので、政府においてもこれが実施できるよう万全の協力と措置を講ずべきでありますし、客土事業は団地事業となっており、一団地の事業面積が二十ヘクタール以上となっておりますのを一事業五ヘクタール以上の分割実施できるよう、条件緩和をすべきであると思うのであります。北海道の今回の災害により収入源を失った被災農家の農業維持経営を可能にするかしないかは一にこの救農土木事業の適切なる実施のいかんにかかっているという印象を強く受けてまいったのであります。また、これが実施に当っては、労賃単価の改定を行い、真に救農の効果があらわれるよう努力を願いたいのであります。特に、市町村が行う農道及び市町村道の補修事業の実現に強い希望を持っていたのであります。
 第七の要望は、越冬用飼料の確保についてであります。牧草及び飼料作物が甚大な被害を受け、越冬用の飼料の大半は他から購入しなければならない現状にあるのであります。御存じのように、特に北海道の農業は酪農に大きなウエートを置いた農業経営でありますので、今回の冷害により受けた打撃は大きく、営農と生活は極度に悪化しているのでありまして、この際、政府は、これら酪農農家を救済するため、政府手持ちの濃厚飼料を格安に払い下げるとともに、牧草、稲わら等、飼料の購入費に対しても特段の助成を行い、酪農の育成に万全を期すべきであると思うのであります。
 以上のほか、再生産用種子購入費の助成、昭和五十一年産米予約概算金の返納の猶予と利子の減免、国営土地改良事業負担金の徴収猶予、豆類について下位等級を設定するよう農産物検査規格の特例措置、国及び地方公共団体の税の減免等がその主なものであります。
 さらに、恒久対策として食糧自給向上を指向し、農業改良普及制度及び寒冷地農業の改善のための諸施策に抜本的な検討を加え、再びこのような惨事を起こさないための農業経営の確立を図るべきであると思うのであります。
 以上、調査の概要について申し述べましたが、政府は今次災害の特異性を考慮し、各要望事項について慎重に検討を加えられるとともに、これが期待にこたえるべく善処されることを強く要望いたしまして、報告を終わります。拍手
この発言だけを見る →
湊徹郎#3
○湊委員長 次に、森下元晴君。
この発言だけを見る →
森下元晴#4
○森下委員 委員派遣第二班の調査結果の概要を御報告申し上げます。
 本班は、去る十月三日から十月六日までの四日間にわたり、青森県、岩手県及び秋田県における異常低温による農作物の減収状況調査をしてまいりました。派遣委員は、自由民主党の私森下元晴、日本社会党の米内山義一郎君、日本共産党・革新共同の中川利三郎君の三委員でありますが、現地において、青森県では熊谷義雄君と竹中修一君が、また秋田県では川俣健二郎君が参加されました。
 まず簡単に調査日程を申し上げます。
 十月四日は、早朝青森県に入り、三沢市淋代地区、八戸市市川地区及び階上村赤保内地区で水稲の被害調査を行った後、八戸市の青森県合同庁舎において、県当局並びに関係市町村から冷害の総括的な説明と要望を聴取いたしました。次いで三戸町泉山地区でリンゴの腐乱病による被害の調査を行った後、同日岩手県に入り、一戸町奥中山地区及び葛巻町小屋瀬地区で水稲及び飼料作物等の被害調査を行いました。
 十月五日は、岩手県庁において県当局並びに関係団体から冷害の総括的説明と要望を聴取した後、西根町田頭地区及び松尾村で水稲の被害調査を行い、次いで同日秋田県に入り鹿角市坂比平地区、田沢湖町鎧畑地区、中生保内地区及び西木村上檜木内地区で水稲の被害調査を行いました。
 十月六日は、五城目町杉沢地区、恋地地区で水稲の被害調査を行った後、秋田県庁において県当局から冷害の総括的説明と要望を聴取し、全日程を終えたのであります。
 次に稲作等を中心に今回の大冷害をもたらしました気象状況等についてその概要を申し上げます。
 まず、五月上旬に異常低温に見舞われ、特に標高の高い山間地帯や冷水灌漑地帯において苗代の障害が見られるとともに、一部地区においては田植えのおくれがあり、また六月下旬から七月上旬にかけても異常低温の発生により稲の生育が停滞したとのことであります。その後七月下旬には、短期間ではありましたが高温多照の天候となり稲の生育は順調に回復するとの期待が持たれたのでありますが、八月に入ってからは、近年に例のない持続的な異常低温と日照不足等に見舞われたのであります。特に八月の異常低温は、青森及び秋田では大正二年以来のものであり、また盛岡でも気象台の観測が始まって以来というまことに厳しいものであります。このため稲の生育は、出穂のおくれやその期間が長引き、一部地域においては遅延型冷害により青立ち稲となり、またせっかく出穂した稲についても障害型不稔を随所に発生させたのであります。さらに、九月に入りましても、下旬以降は低温寡照の日が続き、一部高冷地では例年より一週間程度早い初霜が見られる等のこともあって、これが稲の登熟をおくらせ、今回の冷害を一層厳しいものにしております。
 以下、各県の被害状況等につき、視察日程に従い御報告申し上げます。
 最初に青森県の状況について申し上げます。
 まず稲作の被害でありますが、県全般の被害状況は、九月十五日現在における作況指数で七九から八九となっており、被害額は二百億円を超すものと想定されております。特に被害が大きいのは標高の高い十和田湖を中心とした山間冷涼地帯と下北半島から八戸地域に至る太平洋沿岸地域であります。今回視察した三沢から八戸に至る地域は、八月に入ってからの異常低温に加えて、太平洋から吹き込む冷い風、いわゆるやませの影響により大きな被害を受け、至るところで生理的不稔による青立ちや褐変もみが見られ、また一部地域においては、従来北海道にしか見られなかった葉鞘褐変病も散見されたのであります。これらの地域では収穫皆無のところもあり、私たちは視察個所ごとで多くの被災農民から一日も早い国の援助措置の要請を受けたのであります。
 米以外の被害ではリンゴ、野菜等の被害も大きいとのことでありますが、特に特産のリンゴは冷害被害に加えて腐乱病による被害も大きく、関係者からは腐乱病根絶のための試験研究機関の充実強化とともに低位生産園再開発事業に対する国庫補助率の引き上げ等につき強い要請がありました。
 次に岩手県の状況について申し上げます。
 岩手県は今回の冷害では東北六県の中で最大の被害を受けた県とされておりますが、まず稲作の被害について見れば、県全体の被害状況は九月二十日現在の作況指数で七四となっており、被害額では三百二十億円余りが想定されております。特に被害が大きいのは県北部と北上山系及び奥羽山系の高冷地帯であり、これら地域においては、収穫皆無ないしは被害率が七〇%を超える個所が随所に見られるとのことであります。今回視察した一戸町、葛巻町等はいずれも標高が四百メートルを超える高冷地であり、県内でも最大の被害を受けた地域とされております。例年なら収穫期を迎えているはずの稲が沿道の至るところに黒褐色に棒立ちし、収穫を全く期待し得ない状況を目の当たり見、調査団一同胸の詰まる思いがしたのであります。さらに、本地域の多くの農家は米と酪農等を結びつけた複合経営を行っておりますが、七月上旬と九月下旬の二度にわたる降霜によりデントコーン等の飼料作物も未曾有の被害を受け、農家の経営はまさに崩壊寸前の状況となっております。かかる状況に対し、調査団は、政府において早急に適切な救済措置を講ずることを督励する旨約束してまいった次第であります。
 次に、岩手県においては米及び飼料作物のほかに、豆類、野菜、果樹等についても大きな被害を受けており、これら作物被害についても適切な助成措置を講ぜられたい旨の要請がありました。
 次に秋田県の状況について申し上げます。
 本県も冷害により大きな被害を受けており、稲作の被害については現在進行中のため断言はできないものの、作況指数は九〇を割るのではないかと説明がありました。特に被害が大きい地域は奥羽山系及び出羽丘陵を中心とした高冷地となっております。私たちが視察した鹿角市及び田沢湖町等は県内でも被害が最も甚大なところとされており、たとえば田沢湖町管内においては、例年五万俵の出荷をしていたのが本年は五千俵程度になるのではないかとの説明がありました。実らない青立ちの稲を前にして借入金の返済や出かせぎの心配をしている純朴な農民の姿はまことに痛ましいものがあり、調査団一同、救済措置に万全の努力を約束するとともに、今後の農業経営に挫折することのないよう精いっぱいの激励をしてまいった次第であります。
 以上が冷害被害の調査概要でありますが、ここで各県並びに地元から出されました各種の要望を取りまとめ、調査団の意見を付して申し上げます。
 第一点は金融対策についてであります。
 まず、天災融資法並びに激甚災害法の早期発動についての強い要請がありました。すでに御承知のとおり、政府においてはこれら法律の発動を十一月に入ってから行うと言明しておりますが、収穫皆無等の被災農民の窮乏度はきわめて厳しいものであり、早急に資金手当てができない限り今後の営農計画にも大きな支障を及ぼしかねない状況にあります。そこで、政府においてはかかる実情を十分認識し、迅速に被害調査を行い、これら法律の発動を一日も早く行うことを要請しておきます。またこの点と関連し、生活資金としての自作農維持資金につきましても、災害特別枠の確保と貸付限度額の引き上げにつき強い要請がありました。いずれにせよこれら資金については、一刻も早い貸し付けが緊要であり、これが貸し付け体制の整備までの間はつなぎ融資等による適切な救済措置が望まれております。
 次に農業近代化資金等各種制度資金の既借入金について償還猶予期間の延長と利子の減免措置を講ぜられたい旨の要望がありました。この点については、被災農家は農機具等購入のための借入金返済に日夜苦慮しているところであり、政府の指導によりきめ細かい緩和措置が講ぜられるよう要請しておきます。その他金融対策につきましては、乳牛等家畜保留のため必要な低利資金の創設等について要請がありましたが、この地方における酪農等は近年ようやく発展の緒についたところであり、今回の冷害により経営が一たん崩壊すればその再建がきわめて困難な状況に置かれることは必然であります。政府におかれては、かかる点を十分認識し、手厚い助成措置を講ずべきものと思います。また畜産問題に関連して付言すれば、霜害等により飼料作物に大きな被害を受けた農家に対し、越冬用飼料の確保に対する国の助成措置につき強い要請がありました。
 第二点は、農業災害補償法に基づく共済再保険金の早期支払いと共済損害評価事務費の助成措置についての要望であります。政府はその支払いにつき十二月末までに実施すると言明しておりますが、現地における損害評価業務の状況は、事業量が例年の四倍から五倍にも上り、かつ事業費の不足等もあって必ずしも順調に進んでいないのが実情であります。そこで政府は、これら損害評価業務を一層促進する方策を講じ、被害農家に一日も早く共済金の支払いを行うことを強く要望しておきます。
 第三点は、等外米及び規格外米の政府買い入れ等についての要請であります。本年度の冷害においては収量の減収のほか大量の低品位米が産出されることが見込まれ、その販売方策が大きな問題となっておりますが、政府においては、早急に規格の設定と価格を決め、農家が安心して被害米の収穫と販売ができる体制をつくることが緊要と思われます。
 また、この問題に関連し、米の事前売り渡し予約概算金の返納に係る納期の延長と利子の減免措置、次年度用優良種子、特に種もみの確保に対する助成措置、さらには飯米不足農家に対する配給割り当て枠の拡大措置等についても要望がありましたが、これらについても政府において十分な対策を講ずることを要請しておきます。
 第四点は、救農土木事業による就農機会の拡大措置等についての要請であります。
 御承知のとおり、今回視察した冷害地帯は、地元における他産業への就業の機会が少なく、従来から典型的な出かせぎ地帯となっております。このため、今回の大冷害により現金収入の道を閉ざされた農民は、従前にも増して出かせぎを余儀なくされる事態になっておりますが、いま以上に出かせぎ者を出すことは、畜産等を中心とした今後の農業経営に大きな悪影響を与えるばかりか、村落運営の日常業務にも支障を来すのではないかと懸念されております。かかる事態に対処し、県当局及び地元市町村においては、地元における就業機会の拡大を図るべく、いわゆる救農土木事業に着手しているところでありますが、いずれの県及び市町村においても財政力が弱く、さらに国による事業をこれら地域に重点的に実施されたい旨の強い要望がありました。
 そこで政府に対し、本年度の予備費等の執行に当たっては、これら冷害地域を対象とした救農土木事業に対し重点的な配分を行うとともに、早急にその事業規模を明確にし、また事業の内容についても、林業関係の作業等多くの者が就業機会を得られるものにするといったきめ細かい配慮をすることを要請しておきます。
 第五点は、被害農作物の病害虫防除のための防除費等に対する助成措置についての要望でありますが、この点につきましても、農薬費及び防除機具の補助等につき、従前の例にとらわれることなく、できる限りの助成措置を講ずべきものと思います。
 第六点は、冷害回避のための恒久的対策確立についての問題であります。もちろん今回の被害は、その過半が異常気象に起因することは明白でありますが、そのほか稲作技術体系等のあり方についても幾つかの問題が指摘されております。すなわち、化学肥料多投のための地力の低下、耐寒品種から銘柄品種への移行、水田の灌漑方法、さらには機械田植えの普及による田植えのおくれ等がその主なものであります。そこで国を初め関係者においては、今回の大冷害を契機に、こうした稲作技術体系についても十分反省し、冷害回避のための試験研究の充実等に積極的に取り組むことを強く要望しておきます。
 以上、視察に基づく冷害被害の状況とその対策につき申し述べました。
 申すまでもなく、東北地方は北海道とともにわが国最大の食糧基地であり、今後の食糧自給率向上に大きな役割りが期待されております。こうした中での今回の冷害は、これら地域の農民に大きな打撃を与えたばかりでなく、わが国農業の将来に大きな試練を与えたものと言っても過言ではありません。
 政府においては、かかる実情を十分認識し、冷害に苦しむ農民に対し、あすへの希望をつなぐ手厚い助成措置を早急に講ぜられんことを切に要請し、報告を終わります。拍手
この発言だけを見る →
湊徹郎#5
○湊委員長 次に加藤紘一君。
この発言だけを見る →
加藤紘一#6
○加藤(紘)委員 第三班の調査結果を派遣委員を代表して申し上げます。
 第三班は、湊委員長を団長に、竹内委員、津川委員、林委員、折小野委員と私の六名から成る調査団を構成し、去る十月三日から五日までの三日間、宮城県を振り出しに、山形県、福島県の順に、今年の異常気象がもたらした農作物被害の状況について調査を実施してまいりました。
 さきに第一班、第二班の報告にもありましたように、本年は実に数十年ぶりという異常気象に見舞われたわけでありまして、このためわれわれの参りました三県におきましても、多くの農作物の生育に被害をもたらしております。中でも、水稲については、七月以降の低温による発育のおくれに加え、八月に入っても低温と日照時間の不足による生育の停滞が見られ、また九月以降においても低温による登熟の阻害があり、例年ならすでに稲刈りの大半が終わっている今日でも、これを刈り取る状態となっていないのが共通した実情でありました。収穫期を迎えた農家では、文字どおり途方に暮れているというのが実情でございます。
 われわれが調査に参りました被害地は、三県いずれとも山間部の高被害地のところでありまして、収穫が全く期待できないというところも随所に見受けられたのでございます。このような被害農家では飯米用の米もとれず、あすの生計を維持することさえ困難視されており、きわめて深刻な事態を迎えております。このようなことから、われわれ国会の調査団が来るという知らせが伝わるや、視察地はもとよりでありますが、隣接する村々から被害農家の皆さんが沿道に集まられ、祈るような気持ちでわれわれを出迎え、青立ちの水田を前にしてその窮状を切々と訴えられたのであります。
 以上は、調査の状況報告でありますが、次に順を追って各県の被害状況を御報告申し上げます。
 まず、宮城県でございますが、九月二十四日の調査結果に基づきますと、水稲作付面積十一万九千五十九ヘクタールのうち、いまだ出穂していないものが四十三ヘクタール、出穂しても青立ち状態のものが千七百二十ヘクタール、傾穂してもほとんどもみが黄色とならないものが実に五千六百九十六ヘクタール、傾穂してもみの三〇%から七〇%まで黄色になったもの四万五千四百八十ヘクタールという結果が出ており、五分作以下の市町村がかなり出るとのことでありました。さらに、九月に入ってからのいもち病の発生が被害を一層大きくして、二重の打撃を受けている実情であります。例年なら、すでに大半の地域で稲刈りが終わっているか、あるいはいまが最盛期というところでありますが、このような生育遅延で本年は刈り取り割合がいまだ〇%ということに相なっております。また、われわれが調査に入りました川崎町では、青立ち、いもち病の二重禍に苦しめられ、どの水田も農業共済の損害評価を求める白旗が立ち並び、その光景はまことに惨たんたるものでございました。
 次に、山形県の被害状況について申し上げます。
 これは、九月二十八日の調査結果となっておりますが、水稲作付面積十万一千八百七十八ヘクタールで、すべてが何らかの被害を受けており、これを被害率別に見ますと、九〇%以上の被害面積一千七百六十三ヘクタール、九〇%から三〇%までの被害面積一万二千八百九十九ヘクタール、三〇%未満の被害面積八万七千二百十六ヘクタールとなっており、その作柄は八五%から九〇%になるということでありますが、豪雪地帯の最土地域では七〇%から七五%という作況指数となっております。以上は県全体の平均的な数字でありますが、地域によっては、収穫皆無、三分作あるいは五分作と深刻な事態となっている町村がかなり予想されているのでありまして、われわれが調査に参りました西川町、朝日町、白鷹町では、このような天候不順による冷害は昭和九年以来ということであります。当時は娘を売ってしのいだものが多かったそうでありますが、今年の冷害は、その異常気象による冷害にまさるとも劣らない惨状でありまして、農家の被害はまことに甚大なものとなっております。
 またちなみに、私たちが参っておりません庄内地方、比較的被害が少ないと言われておりますけれども、いわゆる山間地におきます立川町、羽黒町、朝日村、櫛引町等におきましては、山間部では内陸と同じようにかなりの被害が出ておるということも報告されておりまして、たとえば羽黒町の場合には、昨年度約五百俵を政府に売り渡した農家が、ことしは売り渡し予定がゼロとなるなどの被害が県の農業委員会から報告されておりました。
 次に、福島県の被害状況について申し上げます。
 福島県では、県全体の作柄予想は平年比八三%ということでありますが、作況指数七〇%以下の地帯は全県下にまたがっており、標高三百メートル以上の山間地の稲作はその高さにほぼ比例して被害を高めている状態でありますが、県内では中通り、浜通りに被害が集中的にあらわれているのであります。また、ここでは通常の防除以上の防除体制をとっていたにもかかわらず、いもち病が発生し、農民は二重の苦しみを味わっている実情にあります。われわれが調査に入りました浪江町、葛尾村、都路村を通じて言えますことは、県の奨励品種はもとよりでありますが、寒冷地向きの品種でさえ目を覆うばかりの惨たんたる成育状況であり、収穫皆無の心配をする農家がきわめて多いのではないかということでございます。被害農家の人々は、もみずりしてみればさらに被害は大きくなるのではないかとの不安でいっぱいであるとの暗たんたる訴えに気持ちの引き締まる思いをしたのであります。
 これは山形県、福島県に共通して言えることでございますけれども、農家の人々が、ことしは刈ってびっくり、そしてもみずりしてなおびっくりという言葉が各地で聞こえました。以上から、だんだんその脱穀調製を進めていきますと、被害の状況がまた大きくなるのではないかなというのが私たち調査団の一致した気持ちでございます。
 以上が、各県の被害状況の概要でありますが、今回の調査を通じ、現地の皆様から数多くの要望を賜ってまいっております。これは、第一班、第二班の調査団に伝えられました要望とほぼ各地とも一致いたすものと思います。その主要なものを御報告申し上げてみたいと思います。
 まず、金融対策の要望についてでありますが、その第一は、被害農家の農業経営の維持向上と、農家経営の安定を図るために、天災融資法並びに激甚災害法の早期発動の措置でございます。
 その第二は、被害農家の経営を維持するために自作農維持資金の災害枠を設定し、必要とする融資枠を配分されるとともに、貸付限度額の引き上げ等、貸付条件の改善についての要望でございます。
 その第三は、異常気象による被害農家が広範囲にわたり、かつ各種資金の償還残高を有していることが見込まれるので、すでに貸し付けてある資金の条件緩和が円滑に行われるよう特段の配慮をされたいということでございます。
 次に、農業共済金の早期支払い及び助成措置の要望について申し上げます。
 その第一は、各種共済事業にかかる政府の再保険金支払いが早期かつ完全に行われるよう財源措置等に万全の措置を講ぜられたいということであります。その第二は、連合会の保険金支払い、組合等の共済金の支払いに必要な資金の融通について、農業共済基金が円滑に対処できる措置を講じられたいということであり、その第三は、これは各地でかなり、細かな話だけれども重大な話だといって要望された点でございますが、農作物共済、特に水稲共済の損害評価に特例措置を認め、現行一・七ミリのふるいを一・八ミリとして、落ちたものについては共済金の支払い対象とするようその基準を改めていただきたいということでございます。第四は、冷害に伴う損害評価に要する経費について、例年にない出動体制をしいておりますので、農業共済団体等に対し損害評価の事務費の追加交付の特別措置を講ぜられたいということであります。
 また、収穫皆無田等に対し見舞い金の交付の要望があったことを申し添えておきます。
 次に、一般的な食糧対策について申し上げます。
 その第一は、等外米及び規格外米について政府において全量買い上げされるよう、しかるべき措置をとられたいということであり、その第二は、米穀の予約概算金の返納に係る利子の減免、返納金の一時凍結の要望であり、その第三は、災害等によって米作農家に飯米の不足が生じた場合の政府米貸付制度の創設の要望でございます。また、稲作の再生産確保のため、種もみの確保に万全を期することが強く要望されたのでございます。
 最後になりましたが、救農対策として土木事業等公共事業の増大の要望について申し上げます。
 これは被害農家の賃金収入の道を開くための緊急措置の要望であり、土地改良事業、林業土木事業及び一般土木事業の公共事業の新規または繰り上げ実施の要望であります。特にこれら土木事業の選択に当たっては、いわゆる手作業が多い工事を優先して、一般土工労務費が被害地に十分に渡るように配慮していただきたいとの声が強かったのが私たち非常に印象に残ったところでございまして、特に林道開設等の事業が実際においては被害地において救農土木としてはメリットが大きいのだという声が随所で聞かれたのが印象的でございます。また、山間部では、積雪地帯の地域性を満たした事業の実施が強く求められたのでありますが、これもいま述べたことと同様のことでございます。
 その他、果樹、野菜、畜産等についての被害対策も強く要望されたのでありますが、余り長くなりますので割愛いたします。
 われわれ調査団は、このような要請に対し、冷害対策として過去にとった措置の実現はもとよりでありますが、被害程度の地域的な格差もあり、それぞれの事情に応じたきめ細かい対策を練り上げることを現地の皆さんにお約束してまいったのであります。
 また、委員会におかれては、北海道、東北地方の調査結果を踏まえ、十分御相談の上、強力な対策ができるよう強く政府を督励してくださることをお願いし、簡単ではありますが、御報告にかえさせていただきます。拍手
この発言だけを見る →
湊徹郎#7
○湊委員長 以上で派遣委員からの報告聴取は終わりました。
 この際、午後零時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。
    午前十一時二十六分休憩
     ————◇—————
    午後零時三十四分開議
この発言だけを見る →
湊徹郎#8
○湊委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
この発言だけを見る →
芳賀貢#9
○芳賀委員 農林大臣に質問いたします。
 本日、午前は特に当委員会において冷害対策のために、まず北海道に一班、東北に二班、これは国政調査の立場で委員会から現地調査に参って、きのう各班が帰ってきたわけです。午前中は各調査団の調査結果の報告を行ったわけですが、残念ながら大臣はおられませんでした。ああいう報告は大臣も十分に聞いて、その趣旨を尊重して、間違いのない冷害対策を講ずべきだと思ったわけですが、農協の大会に行って演説しているということでしたのでやむを得ません。
 それで、きょうは特に五十一年の冷害に対する政府としての諸対策に対して具体的な質問をいたします。
 第一に、今次の冷害に対する激甚災害法とあわせて天災融資法の発動ですが、すでに十七号台風関係については、明日の閣議において激甚災害法と天災融資法の適用の発動を行うということはわれわれも承知しておるわけですが、当然十七号台風の中においても農作物災害というものが相当含まれておるわけですから、そうなれば天災融資法の発動も同時に行うわけですね。そうすると、冷害に対する両法の発動というものを急ぐ必要があるわけですが、政府としては冷害に対する激甚災害法、天災融資法の適用の決定をいつに予定しておるのか。激甚災害の方は国土庁所管ですから、その点あわせて明快にしてもらいたいと思います。
この発言だけを見る →
大石武一#10
○大石国務大臣 冷害につきましては、やはりいまなお農民にとりましては少しでも天候の回復によって被害を食いとめたいという気持ちで、稲刈りも大分おくれまして、作業が進んでおりませんので、その実態の把握というものはまだ必ずしも完全にできておりません。そういう中で、できるだけ早い機会にこの発動をいたしたいと考えておりますが、いまのところはどうしても十一月にずれ込むという見通しでございます。
この発言だけを見る →
河野正三#11
○河野(正)政府委員 ただいま農林大臣からお答えをいたしましたとおりでございますが、農林省の実態把握を待ちまして、十一月には冷害に関します天災融資法に係る激甚指定ができる見通しでございます。
この発言だけを見る →
芳賀貢#12
○芳賀委員 激甚災の発動の条件は、冷害の被害総額が判明しなければ適用できないというわけじゃないでしょう。激甚災害法第八条の規定は、天災融資法についての特例ですから、ですから、天災融資法の発動を激甚災の指定を通じて特例措置を講ずるというのがこの第八条の規定になっておるわけです。その場合、激甚災の指定基準にA基準とB基準と二つあるのです。今次の冷害が、激甚法第八条に定めるA基準とB基準に政府において調査した結果に基づいて該当しているかどうかということがわかれば、それによって指定ができるわけです。
 そこで、この基準の発動については、災害が起きた当該年の推定農業所得額というものが基礎になるわけだから、昨年とことしでは推定所得額がおのずから違うわけですね。だから、その所得額を基礎にして、A基準並びにB基準というものを算出して、そうして適用する基準を、物差しですからあらかじめもう決めておかなければならぬのですが、それはどうなっているのですか。A基準、B基準の内容というものはどういうものなのか、国土庁でいいですよ。
この発言だけを見る →
杉山克己#13
○杉山説明員 水害関係と冷害関係がございますが、冷害関係につきましては、先ほど農林大臣も申し上げましたとおり、被害の額はまだ確定できない段階でございます。しかし、現在の状況からして、A基準には当然該当するものになるだろうという見込みを立てておるわけでございます。したがいまして、被害の額を確定し次第、私どもは多分それは十一月中になると思っておりますが、できるだけ早期に天災融資法を発動するということに予定いたしております。
この発言だけを見る →
芳賀貢#14
○芳賀委員 私の聞いているのは、A基準、B基準、つまり物差しがもう用意されておると思うのですが、それが金額的にどうなっておるかということです。
この発言だけを見る →
杉山克己#15
○杉山説明員 A基準額で申し上げますと、全国農業所得推定額は五兆二千五百四十八億円、それの〇・五%相当額がA基準の額でございますから、約二百六十三億円ということになります。
この発言だけを見る →
芳賀貢#16
○芳賀委員 B基準は。
この発言だけを見る →
杉山克己#17
○杉山説明員 B基準は〇・一五%相当額ということで、金額にいたしますと約七十九億円でございます。
この発言だけを見る →
芳賀貢#18
○芳賀委員 北海道の場合はどうなるのです。——B基準というのは、冷害の被害総額、それも必要ですが、冷害を受けた都道府県全体の中の特に著しい一都道府県そのものが一定の被害を受けた場合には、それによってB基準というのが適用になるということになっております。だから、その場合には、北海道なら北海道の農業を主業とする農家の戸数が全体の農家戸数の三%以上なければならぬという要件もあるのですよ。こういうのは杉山君だってよくわかっているわけだ。素人が質問しているのじゃないですよ。
 B基準はどれだけになりますか。これは金額だけではだめじゃないか。
この発言だけを見る →
杉山克己#19
○杉山説明員 A基準の場合の金額だけを申し上げましたが、先生御指摘のように、Bの場合には、農業を主な業務とするものに対する特別被害農業者の数が三%以上の県、これが発動の基準の内規として定められております。B基準の方は、現在の段階ではまだそういう地域別のことはわかりませんが、少なくとも、私どもが現在の段階で判断しておるのは、A基準で見ましても当然天災融資法発動の対象に今回の冷害は該当するというふうに見ているわけでございます。
この発言だけを見る →
芳賀貢#20
○芳賀委員 私どもの調査結果によると、北海道を初め東北六県は、一県だけでなく全部B基準に該当するわけですよ、それだけ被害が甚大ですから。だから、それがわかれば激甚指定ができないということはないですよ。つくった物差しに当てはまっておれば、まず今次の冷害は激甚災でございますと進んでやるのがこれは当然じゃないですか。何のために十一月まで延ばさなければならぬのですか。
この発言だけを見る →
杉山克己#21
○杉山説明員 B基準の特別被害農業者の認定は、これは市町村長がするわけでございます。時期的にまだそれが出ていないということもございますが、天災融資法に係る激甚災の適用の問題は、その親になる、もとになる天災融資法自身が発動にならなければ、激甚災法だけをそれに適用するというわけにはまいらないわけでございまして、天災融資法はしかも資金の需要見込額、これをトータルとして政令上にもうたうことになっております。それらをあわせまして、同時に発動するということを考えておるわけでございます。
この発言だけを見る →
芳賀貢#22
○芳賀委員 だから、それはもう被害を受けた各道や県から上がってきておりますよ。われわれも、北海道へ行っても東北六県へ行っても、まず県を初め調査をした市町村はもう全部、特に激甚災と天災融資法の発動を速やかにやってくれと——大臣だって就任のときからもう宣伝しているじゃないですか。それがいまになって、十一月にならなければできないなんというのはおかしいじゃないですか。歴代農林大臣より一番遅いですよ、十一月にやるということになったら。大体やればやれるのですからね、いつやるのですか、そこだけはっきりしてください。あとはいいです。
この発言だけを見る →
杉山克己#23
○杉山説明員 大体、冷害の場合はいつも、収穫あるいは被害の確定を待ってということになりますと、やはり十一月下旬ないし十二月ということになるわけでございます。今回も十一月下旬には間違いなく発動するということで準備を進めておるところでございます。
この発言だけを見る →
芳賀貢#24
○芳賀委員 次に、統計情報部長にお尋ねいたしますが、九月十五日現在の水稲の作況報告が行われましたが、この内容が、われわれ北海道並びに東北の調査を行った道や県別の作況の指数と相当大きな懸隔があるのです。北海道の場合には、農林省の場合には九月十五日現在の指数が平年作に対して八三%、北海道の集計した指数は七三%ですからね。同じ被害農作物を対象にした厳密な調査結果が一〇%も開きが出るというのは、これは過去にそういう実例がないのです。どうしてそういう大きな違いが出たのか。実際に全国平均にして九五%の米が収穫できるという確信がそれによってあるかどうか、その点も明快にしてもらいたいと思うのです。
この発言だけを見る →
有松晃#25
○有松説明員 北海道庁の調査いたしました作況指数の積算基礎については私どもつまびらかにしておりませんけれども、先日北海道庁で明らかにされました際には、水稲についての被害の面積がどのくらい、あるいは被害量、被害金額、こういうようなものは明らかにされておるようでございますが、この被害面積については私どもも北海道庁の見方はおおむね妥当じゃないか、こういうふうに思っているわけです。
 ただ、それにもかかわらず、作況指数については七三と八三ということでどうして違いがあるか、こういうことでお尋ねじゃないかと思いますけれども、これは恐らく、私どもの推測ではございますけれども、作況指数を見る場合の基準のとり方と申しますか、私ども農林省の統計情報部は、作況を出す場合には平年反収を基準にしておりますけれども、農林省でも、被害を出す場合には平年反収ではなくて被害なかりせばという場合を基準にしておりますので、恐らく北海道庁の場合にもそういった被害のなかった場合を想定してではないかと思いますが、それ以上は私どももちょっとつまびらかにしておりません。
この発言だけを見る →
芳賀貢#26
○芳賀委員 そこで九月十五日現在ですが、この平年作に対して北海道が八三%の収量が確保されるというふうに、その点は確信しておるのですか。数字が出たからしようがないというものじゃないですよ。
この発言だけを見る →
有松晃#27
○有松説明員 先日公表いたしましたのは、九月十五日現在の水稲の作況をつぶさに観察いたしまして、まあそれ以後の天候については平常に推移するであろう、こういう前提で公表いたしたわけでございますが、実際にはその後の天候はやはりかなり悪くなっておりますので、次回、また十月十五日に調査いたしますけれども、恐らく前回のものよりも若干悪くなるのじゃなかろうかというふうに考えております。
この発言だけを見る →
芳賀貢#28
○芳賀委員 たとえば、これによると青森県が九二でしょう。岩手八四、宮城が九一、秋田が九四、山形も九四、福島九〇ですね。北海道以外はほとんど、岩手県を除くと全部九〇%台じゃないですか。平年作に対して九〇%以上の作況ということになれば、大石大臣の言うように、四十年来の大冷害なんということにこれは当てはまらぬじゃないですか。
 そこで、これは一般の九月十五日現在の作柄概況ですから、災害を受けた場合は、十九号台風であるとかあるいは五十一年冷害の農作物の被害概況調査というものを適期に行ってこれを公表することになっているのですね。いままでのところ農林省から冷害の災害についての作況概況というのはまだ公表されておらない、これはどういうわけですか。
この発言だけを見る →
有松晃#29
○有松説明員 冷害につきましては、先ほど杉山審議官も申したと思いますが、まだ被害も進行中でございますので、もう少し被害の状況が確定するのを待って、具体的には十月十五日現在の作柄を調べますときに冷害につきましてもしっかりしたものを調べて公表に持っていく、こういう予定でおります。
この発言だけを見る →
← 戻る