大石武一の発言 (農林水産委員会)
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○国務大臣(大石武一君) いま神沢委員の御意見をいろいろ承っておりますが、私も大筋の考え方においては同感でございます。
実は私は、寒冷地においては米をむしろやめて別なものにかえたらいいではなかろうかという考え方を申し上げましたが、それは確かにいま言われたように観念的な考えに近いかもしれませんけれども、しかし、やはり条件のいいところにはいろんな条件に適合したやはり作物をつくることが、一番私は農民にとってやりいいのじゃないかと思うのであります。そういう意味で、いま言ったように、条件の悪いところにはできるだけいろいろ工夫いたしまして条件のいいような、たとえば米をつくることは仮に必ずしも適当でないところは米をやめて、やめろと言ってもそれは強制的にはできませんけれども、別な作物を奨励して、それを何とか米に劣らないような収入のあるような方向に持っていけやしないか、そのような考え方はどうだろうということを申し上げたのでございますが、だれが考えたっていま米をつくることは非常に収入の多くなることでもありますから、当然これはなかなかそういうことを言ったって簡単にできるはずはないのであります。また、おっしゃるように、高冷地でも寒冷地でも、仮に米づくりが定着して、大体においていい品種をさえ選んでいけばやれるというようなところは、何も無理に米づくりをやめる必要はないと私も思います。そういう意味で、一般的な物の考え方がそうではなかろうかということを申したのでございまして、すぐ米づくりをやめさせろとかなんとかということは別に申したわけではありません。
それから、確かにおっしゃるとおり、いままでの農林行政が全部一〇〇%りっぱであったとは申されないと思います。これは御承知のように日本の国の経済のあり方が大きく変わりまして、あの高度経済成長の十数年の時代がどれほど日本のいろいろな行政や政治の方向を曲げたかわからないと思います、これは農政だけではなくて。そういう意味で、農政も心ならずもいろいろな方向に私は曲げられた面がたくさんあると思います。そういう意味でこれはやはり反省して、もう少し地に足のついた、本当に農民のための長い将来を考える農政に転換さしていく時期がとうに来ているのではなかろうか。まあこれは一般論みたいなことになりますが、私はそう思っている次第でございます。
たとえば、うまい米をつくる問題にしても、うまい米をつくることは私は妥当だと思うのです、これは。条件のいいところは何でも改良することが必要だと思います。しかし、そのあり方をすべてのものに適用させるということは不可能でありますし、またそれが、農林省は別にそのことを無理無理押しつけるんではないのですけれども、やっぱりだれでもよけい所得が欲しいと思いますから、高冷地でもつい耐寒性のものを捨てて、ときにはいろいろな弱いうまい米をつくるということになりがちでございます。こういうものについては、やはりできるだけ親切に指導することが当然だと考えております。